週刊クマベイス「地方企業の戦い方」Vol.137
2019/07/03 (Wed) 12:06
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国内のパイが縮小する中、地方企業が生き抜いていくための「武器」が手に入るメールマガジンです。
Web戦略、テクノロジー、広告、広報などの最新動向やテクニックを、元新聞記者でデジタルマーケティングの専門家・田中森士(株式会社クマベイス)と豪華執筆陣がお伝えします。
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週刊クマベイス「地方企業の戦い方」
2019年7月3日発行(Vol.137)
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<目次>
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… 1. マーケティング & IT 最前線
… 2. ストーリーテリング実践講座
… 3. インサイドセールスの魔力
… 4. ジャーナリスティック・アプローチのコンテンツ制作
… 5. Q&A
… 6. メディア情報
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■1. マーケティング & IT 最前線
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クマベイスCEOの田中森士が、地方企業にとって役立つ、コンテンツマーケティングやITの最新ニュースやトレンド、PRについて解説します。
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週末は熊本県の水俣市に滞在していました。今から10年ほど前、高校の常勤講師を勤めていた頃に住んでいた、思い出の地です。
八代市から分岐して延びる南九州西回り自動車道が今年、水俣まで開通したため、熊本市からのアクセスが格段に向上。鹿児島との県境である水俣まで、車で1時間ほどでたどり着きます。また、新幹線駅もあり、観光地としての集客エリアが近年急速に広がっています。
滞在中はあいにくの雨でしたが、「スペイン村福田農場」や、お隣の津奈木町にある美術館など、観光地としてのポテンシャルの高さを感じました。個人的には、水俣の山間にある「湯の鶴温泉」という温泉が一押しで、センスの良い温泉旅館もいくつか存在します(泉質も最高です)。
とにかく居心地がいい水俣なのですが、その理由はどこになるのか、ぬるめの温泉に浸かりながらじっくり考えてみました。
まず、何と言っても環境です。海と山と市街地が本当に近く、常に自然を感じることができます。次に、人の良さ。地元のおばあちゃんが普通に話しかけてくれるような、そんな土地柄なのです。最後に、食事。海産物に野菜、そしてお茶。水俣には自然の恵みが豊かな土地なのです。本当は人に教えたくない、本当にオススメの場所です。
ただし、一点だけ気になるのが、ターゲティングです。水俣や近辺には、いくつかの温泉地があるのですが、黒川温泉のように街をあげてブランディングに取り組んでいるところは、ありません。景観は整っているようで整っていない。つまり、どこを向いているのか、何を目指しているのかが、分かりづらい状況となっています。結果、「観光地・水俣」としてのイメージが、日本全体で見ると定着していないのです。
以前、インドネシア・バンドンの例をご紹介しましたが、観光地であっても、ある程度のペルソナ設定は不可欠。その上で、効果的にコンテンツを発信していく。コンテンツマーケティングの手法は、観光地でこそ生きると感じます。
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■2. ストーリーテリング実践講座
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米国のコンテンツマーケティング業界で注目を集めるストーリーテリング。滞在時間が延びたり、エンゲージメントを高めたりと、その効果の数々が報告されています。しかしながら、どのようなステップを踏めばよいのか、日本ではまだ認知されていないのが現状です。本連載は、ストーリーテリングの研究に取り組むクマベイスCEOの田中森士が、ストーリーテリングの導入方法について、やさしく解説します。
:::::::::::::::::::::::::::::::::
BtoB企業向けのビジュアルストーリーテリングコンテンツには、どのようなものがあるのでしょうか。
その代表的なものが、インフォグラフィックコンテンツです。コンテンツマーケティングにおいて、アンケートや調査をコンテンツとして出すケースが増えています。しかしながら、テキストやエクセルによるグラフだけでは、情報過多の時代にあっては、呼び飛ばされる可能性も高い。それを、インフォグラフィックによって、分かりやすくビジュアル化することで、人々の印象に残るコンテンツとなります。
米国ではここからさらにもう一歩進み、インフォグラフィックによって、ストーリーを展開することが一般化しています。さまざまなデータをインフォグラフィックでビジュアル化。その上で、それぞれを繋げて一つの結論にたどり着くストーリーを展開する、というものです。
ここで大事になってくるのが、そのストーリーで何を伝えたいのか。あらゆるコンテンツに言えることですが、1コンテンツで伝えることは、1つに絞るべきです。インフォグラフィックストーリーテリングの場合、ビジュアル化すること自体が目的化し、それで満足してしまう。結果、読者からすると要素が多すぎて何を言いたいのか分からなくなってしまう。こんなケースは枚挙にいとまがありません。
特に「信頼性」が重要となるBtoB企業。手段と目的が入れ替わらないよう、どうぞご注意を。次週も、BtoB企業向けのビジュアルストーリーテリングコンテンツについて解説します。
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■3. インサイドセールスの魔力
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BtoBコンテンツマーケティングと切っても切れない関係にあるのが、インサイドセールスです。マーケティングファネルに上手くハマったとて、クロージングは営業担当がやるしかない。しかしながら、人員にも限りがある。そうした状況を背景に、インサイドセールスの重要性が高まっています。本連載では、インサイドセールスの鬼・YUHOが、インサイドセールスの独自のノウハウを、皆さんに伝授します。
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効率的・効果的なインサイドセールスの運用には、いくつかのポイントが存在します。今回から数回にわたり、そのポイントについてお伝えしていきます。まずは、マーケティングオートメーション(MA)ツールの利用から。
以前、インサイドセールスを導入するメリットとして、リード(潜在顧客)のナーチャリングができることを挙げました。近年では、多種多様なMAツールが存在しており、営業内容や商材に合ったものを選定することができます。
MAツールならば、集客からリード発生、顧客情報を管理、商材の販売までを一元管理することが可能です。ただし、ツールは導入した直後ではなく、一定期間利用しデータをためることで効果を発揮するため、運用しつづける体制構築が重要です。MAツールを導入するメリットはいくつもありますが、キャンペーンの効率が上がること、営業部門とマーケティング部門の連携が図れること、バラバラだった情報をツールに集約すること。これらによる業務負担の軽減が主なものです。
MAツールは、あらかじめリード発生からコンバージョンまでのストーリー(シナリオ)を数パターン明確に定めておき、正しくツールに落とし込むことでメリットを最大限享受できるものです。ここで想定したストーリーはインサイドセールスのみならず、必ず営業・マーケティング部門全体で共通認識を持っておくことが重要です。
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■4. ジャーナリスティック・アプローチのコンテンツ制作
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米国のコンテンツマーケティング業界では、ジャーナリズム業界のノウハウを学び、それをコンテンツ制作に取り入れる動きが活発化しています。本連載では、新聞記者がどのように取材し、それを記事にしているのか、長きにわたって新聞業界に身を置いてきたカサケンが解説します。
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支局勤務となった新人新聞記者の教育は、どのように行われるのでしょうか。あるようでない、ないようである。いま振り返ってみてもそんなふうにしか言えません。
先にご紹介したように、入社直後には新入社員を集めた研修が開かれましたが、支局ではそんなまとまった研修はありませんでした。もちろん、日々の原稿は上司にあたるキャップ、そしてデスクのチェックを受けたうえで、出稿されます。しかし、デスクやキャップも自分の仕事を抱えています。つきっきりで指導というわけにはいきません。
最初に紙面に載った書道展の記事も、着任のあいさつのため支局に顔を出したら、デスクから「時間があるのだったら取材してきて」といきなり命じられました。写真の撮り方も、たまに先輩記者のアドバイスはあったものの、ほとんど独自で学び、試行錯誤するというスタイルでした。
事件、事故、裁判、県政、市政など、自社や他紙の過去記事をノートにスクラップして、それを参考にしながら、原稿を書くというスタイルが暫く続きました。全国紙だったら、もっとシステマティックな方法で新人記者の育成をしているのかもしれません。
しかし、私が最初に勤務した新聞社は地方紙とはいえ、当時の発行部数は40数万部、本社がある県内の占有率は6割を超えていたと思います。県内だけではなく近隣の県にも支局や通信部を置く準ブロック紙的な体制をとっていましたから、それほど特異だったとは思えません。
当時、取材拠点だったのは、記者クラブです。記者クラブについては、別に述べる機会があるかもしれませんが、そこに所属していればニュースが黙っていても飛び込んでくるわけではありません。
もちろん、記者クラブには行政、企業、イベントを企画する市民などからさまざまな発表やリリースの投げ込みがあります。こうした発表やリリースを、取捨選択して記事にしていくのも大切ですが、それだけでは他社が把握していない独自のニュースを発掘できない。独自ニュースの発掘には、人脈形成が欠かせないわけです。
先輩記者が紹介してくれた関係者とのパイプを、徐々に太くしていくという方法もありますが、信頼関係を構築できるかどうかは記者個人の問題です。試行錯誤で記者のスタイルを確立していくことになりますが、こうした中、格好の「教師」がいます。それはライバル他社の記者です。この話は次週に続きます。
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■5. Q&A
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※Markezine Dayでいただいた質問にお答えしております!
中小企業が地方で戦う上での悩みや相談に、メルマガ編集部が総力を上げて答えるコーナーです。HPやSNS、オウンドメディアの運用から、人間関係まで、どしどしご質問をお寄せください。ご質問はこちらから→kumabase@kumabase.com
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Q:BtoBのコンテンツマーケティングとBtoCのコンテンツマーケティングの違いは何でしょうか?
A:最大の違いは、ペルソナの人数です。BtoBの場合、担当者、決済権者、使用者の3人設定する必要があるケースも多くなります。また、コンテンツに到達した時点で、ニーズが顕在化している点も、BtoCとの違いでしょう。個人的には、BtoBの方がコンテンツマーケティングの成果が上がりやすいと感じています。
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■6. メディア情報
Forbes JAPAN「世界を歩いて見つけたマーケティングのヒント」
https://forbesjapan.com/articles/detail/25024
・コンテンツマーケティングラボ「中小B2B企業のコンテンツマーケティング講座」
https://contentmarketinglab.jp/application-method/content-marketing-for-sme-vol1/
・毎日新聞「モリシの熊本通信」月1回
http://buff.ly/2fUSenp
・Yahoo!ニュース個人「田中森士 熊本の論点」
http://person.news.yahoo.co.jp/tanakashinji/
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・クマベイスHP : https://kumabase.com/
・編集・発行元:株式会社クマベイス : https://kumabase.com/
・発行責任者:株式会社クマベイス 代表取締役CEO 田中森士
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週刊クマベイス「地方企業の戦い方」
2019年7月3日発行(Vol.137)
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【2019年7月3日】
国内のパイが縮小する中、地方企業が生き抜いていくための「武器」が手に入るメールマガジンです。
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2019年7月3日発行(Vol.137)
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<目次>
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… 1. マーケティング & IT 最前線
… 2. ストーリーテリング実践講座
… 3. インサイドセールスの魔力
… 4. ジャーナリスティック・アプローチのコンテンツ制作
… 5. Q&A
… 6. メディア情報
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■1. マーケティング & IT 最前線
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クマベイスCEOの田中森士が、地方企業にとって役立つ、コンテンツマーケティングやITの最新ニュースやトレンド、PRについて解説します。
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週末は熊本県の水俣市に滞在していました。今から10年ほど前、高校の常勤講師を勤めていた頃に住んでいた、思い出の地です。
八代市から分岐して延びる南九州西回り自動車道が今年、水俣まで開通したため、熊本市からのアクセスが格段に向上。鹿児島との県境である水俣まで、車で1時間ほどでたどり着きます。また、新幹線駅もあり、観光地としての集客エリアが近年急速に広がっています。
滞在中はあいにくの雨でしたが、「スペイン村福田農場」や、お隣の津奈木町にある美術館など、観光地としてのポテンシャルの高さを感じました。個人的には、水俣の山間にある「湯の鶴温泉」という温泉が一押しで、センスの良い温泉旅館もいくつか存在します(泉質も最高です)。
とにかく居心地がいい水俣なのですが、その理由はどこになるのか、ぬるめの温泉に浸かりながらじっくり考えてみました。
まず、何と言っても環境です。海と山と市街地が本当に近く、常に自然を感じることができます。次に、人の良さ。地元のおばあちゃんが普通に話しかけてくれるような、そんな土地柄なのです。最後に、食事。海産物に野菜、そしてお茶。水俣には自然の恵みが豊かな土地なのです。本当は人に教えたくない、本当にオススメの場所です。
ただし、一点だけ気になるのが、ターゲティングです。水俣や近辺には、いくつかの温泉地があるのですが、黒川温泉のように街をあげてブランディングに取り組んでいるところは、ありません。景観は整っているようで整っていない。つまり、どこを向いているのか、何を目指しているのかが、分かりづらい状況となっています。結果、「観光地・水俣」としてのイメージが、日本全体で見ると定着していないのです。
以前、インドネシア・バンドンの例をご紹介しましたが、観光地であっても、ある程度のペルソナ設定は不可欠。その上で、効果的にコンテンツを発信していく。コンテンツマーケティングの手法は、観光地でこそ生きると感じます。
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■2. ストーリーテリング実践講座
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米国のコンテンツマーケティング業界で注目を集めるストーリーテリング。滞在時間が延びたり、エンゲージメントを高めたりと、その効果の数々が報告されています。しかしながら、どのようなステップを踏めばよいのか、日本ではまだ認知されていないのが現状です。本連載は、ストーリーテリングの研究に取り組むクマベイスCEOの田中森士が、ストーリーテリングの導入方法について、やさしく解説します。
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BtoB企業向けのビジュアルストーリーテリングコンテンツには、どのようなものがあるのでしょうか。
その代表的なものが、インフォグラフィックコンテンツです。コンテンツマーケティングにおいて、アンケートや調査をコンテンツとして出すケースが増えています。しかしながら、テキストやエクセルによるグラフだけでは、情報過多の時代にあっては、呼び飛ばされる可能性も高い。それを、インフォグラフィックによって、分かりやすくビジュアル化することで、人々の印象に残るコンテンツとなります。
米国ではここからさらにもう一歩進み、インフォグラフィックによって、ストーリーを展開することが一般化しています。さまざまなデータをインフォグラフィックでビジュアル化。その上で、それぞれを繋げて一つの結論にたどり着くストーリーを展開する、というものです。
ここで大事になってくるのが、そのストーリーで何を伝えたいのか。あらゆるコンテンツに言えることですが、1コンテンツで伝えることは、1つに絞るべきです。インフォグラフィックストーリーテリングの場合、ビジュアル化すること自体が目的化し、それで満足してしまう。結果、読者からすると要素が多すぎて何を言いたいのか分からなくなってしまう。こんなケースは枚挙にいとまがありません。
特に「信頼性」が重要となるBtoB企業。手段と目的が入れ替わらないよう、どうぞご注意を。次週も、BtoB企業向けのビジュアルストーリーテリングコンテンツについて解説します。
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■3. インサイドセールスの魔力
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BtoBコンテンツマーケティングと切っても切れない関係にあるのが、インサイドセールスです。マーケティングファネルに上手くハマったとて、クロージングは営業担当がやるしかない。しかしながら、人員にも限りがある。そうした状況を背景に、インサイドセールスの重要性が高まっています。本連載では、インサイドセールスの鬼・YUHOが、インサイドセールスの独自のノウハウを、皆さんに伝授します。
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効率的・効果的なインサイドセールスの運用には、いくつかのポイントが存在します。今回から数回にわたり、そのポイントについてお伝えしていきます。まずは、マーケティングオートメーション(MA)ツールの利用から。
以前、インサイドセールスを導入するメリットとして、リード(潜在顧客)のナーチャリングができることを挙げました。近年では、多種多様なMAツールが存在しており、営業内容や商材に合ったものを選定することができます。
MAツールならば、集客からリード発生、顧客情報を管理、商材の販売までを一元管理することが可能です。ただし、ツールは導入した直後ではなく、一定期間利用しデータをためることで効果を発揮するため、運用しつづける体制構築が重要です。MAツールを導入するメリットはいくつもありますが、キャンペーンの効率が上がること、営業部門とマーケティング部門の連携が図れること、バラバラだった情報をツールに集約すること。これらによる業務負担の軽減が主なものです。
MAツールは、あらかじめリード発生からコンバージョンまでのストーリー(シナリオ)を数パターン明確に定めておき、正しくツールに落とし込むことでメリットを最大限享受できるものです。ここで想定したストーリーはインサイドセールスのみならず、必ず営業・マーケティング部門全体で共通認識を持っておくことが重要です。
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■4. ジャーナリスティック・アプローチのコンテンツ制作
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米国のコンテンツマーケティング業界では、ジャーナリズム業界のノウハウを学び、それをコンテンツ制作に取り入れる動きが活発化しています。本連載では、新聞記者がどのように取材し、それを記事にしているのか、長きにわたって新聞業界に身を置いてきたカサケンが解説します。
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支局勤務となった新人新聞記者の教育は、どのように行われるのでしょうか。あるようでない、ないようである。いま振り返ってみてもそんなふうにしか言えません。
先にご紹介したように、入社直後には新入社員を集めた研修が開かれましたが、支局ではそんなまとまった研修はありませんでした。もちろん、日々の原稿は上司にあたるキャップ、そしてデスクのチェックを受けたうえで、出稿されます。しかし、デスクやキャップも自分の仕事を抱えています。つきっきりで指導というわけにはいきません。
最初に紙面に載った書道展の記事も、着任のあいさつのため支局に顔を出したら、デスクから「時間があるのだったら取材してきて」といきなり命じられました。写真の撮り方も、たまに先輩記者のアドバイスはあったものの、ほとんど独自で学び、試行錯誤するというスタイルでした。
事件、事故、裁判、県政、市政など、自社や他紙の過去記事をノートにスクラップして、それを参考にしながら、原稿を書くというスタイルが暫く続きました。全国紙だったら、もっとシステマティックな方法で新人記者の育成をしているのかもしれません。
しかし、私が最初に勤務した新聞社は地方紙とはいえ、当時の発行部数は40数万部、本社がある県内の占有率は6割を超えていたと思います。県内だけではなく近隣の県にも支局や通信部を置く準ブロック紙的な体制をとっていましたから、それほど特異だったとは思えません。
当時、取材拠点だったのは、記者クラブです。記者クラブについては、別に述べる機会があるかもしれませんが、そこに所属していればニュースが黙っていても飛び込んでくるわけではありません。
もちろん、記者クラブには行政、企業、イベントを企画する市民などからさまざまな発表やリリースの投げ込みがあります。こうした発表やリリースを、取捨選択して記事にしていくのも大切ですが、それだけでは他社が把握していない独自のニュースを発掘できない。独自ニュースの発掘には、人脈形成が欠かせないわけです。
先輩記者が紹介してくれた関係者とのパイプを、徐々に太くしていくという方法もありますが、信頼関係を構築できるかどうかは記者個人の問題です。試行錯誤で記者のスタイルを確立していくことになりますが、こうした中、格好の「教師」がいます。それはライバル他社の記者です。この話は次週に続きます。
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Q:BtoBのコンテンツマーケティングとBtoCのコンテンツマーケティングの違いは何でしょうか?
A:最大の違いは、ペルソナの人数です。BtoBの場合、担当者、決済権者、使用者の3人設定する必要があるケースも多くなります。また、コンテンツに到達した時点で、ニーズが顕在化している点も、BtoCとの違いでしょう。個人的には、BtoBの方がコンテンツマーケティングの成果が上がりやすいと感じています。
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Forbes JAPAN「世界を歩いて見つけたマーケティングのヒント」
https://forbesjapan.com/articles/detail/25024
・コンテンツマーケティングラボ「中小B2B企業のコンテンツマーケティング講座」
https://contentmarketinglab.jp/application-method/content-marketing-for-sme-vol1/
・毎日新聞「モリシの熊本通信」月1回
http://buff.ly/2fUSenp
・Yahoo!ニュース個人「田中森士 熊本の論点」
http://person.news.yahoo.co.jp/tanakashinji/
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・編集・発行元:株式会社クマベイス : https://kumabase.com/
・発行責任者:株式会社クマベイス 代表取締役CEO 田中森士
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【2019年7月3日】