週刊クマベイス「地方企業の戦い方」Vol.172
2020/03/04 (Wed) 21:00
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国内のパイが縮小する中、地方企業が生き抜いていくための「武器」が手に入るメールマガジンです。
コンテンツマーケティング、デジタルマーケティング、ジャーナリズム、テクノロジーなどの最新動向やテクニックを、元新聞記者でコンテンツマーケティングの専門家・田中森士(株式会社クマベイス)と豪華執筆陣がお伝えします。
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週刊クマベイス「地方企業の戦い方」
2020年3月4日発行(Vol.172)
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<目次>
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… 1. マーケティング & IT 最前線
… 2. ストーリーテリング実践講座
… 3. インサイドセールスの魔力
… 4. ジャーナリスティック・アプローチのコンテンツ制作
… 5. Q&A
… 6. メディア情報
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■1. マーケティング & IT 最前線
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クマベイスCEOの田中森士が、地方企業にとって役立つ、コンテンツマーケティングやITの最新ニュースやトレンドについて解説します。
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前回、私が参加したカンファレンス「The Gathering」についてご紹介したところ、驚くほどの反響がありました。顧客が熱狂的な「信者」ともなっている、いわゆる「カルト・ブランド」のノウハウや事例を紹介するこのカンファレンス。反響の大きさを見て、日本でも「本質的」な部分へとマーケティングが回帰しているのだと強く感じます。
これまでは、皆同じコンテンツに触れて、同じものを購入し、同じようなライフスタイルを送っていました。しかし、今の時代は異なります。トランプ大統領の誕生とともに「断絶(Disruption)の時代」が訪れたのです。
世代や政治信条などが「断絶」して細かく再定義されました。同時に、消費者は広告を無視するようになり、企業の寿命もかつてないほど短くなっています。
「マスメディアに金を払いすぎて抜けられなくなる『デス・スパイラル』。そして『値下げ』という名の消費者への『賄賂』。これらの古いマーケティング手法はもはや効果が期待できない」
カンファレンス主催者は、私の取材に対してこう言い切ります。
「誰もがこれ以上広告を必要していない」(主催者)という今の世の中。企業にとって必要なのは、ブランドに対して「高いエンゲージメントを持つ顧客」、すなわちブランドの「提唱者」だというのが、3日間のカンファレンスを通したメッセージでした。
では、どのようにこの「提唱者」を生み出せばよいのか。ここが「カルト・ブランド」たる由縁でして、中には日本や米国ではオープンにできないような、ちょっと怖い内容のセッションもありました(だからカナダで開催されているのかと納得!)。
念のため申し上げておきますが、BtoCのグローバル企業の多くが当たり前のように「カルト・ブランディング」のメソッドを取り入れており、もちろん「合法」。社会通念上も全く問題のないメソッドです。日本では過去にいろいろあったので、ちょっと表立って議論できない雰囲気はありますよね。他方、日本でも浸透しつつある「コミュニティー・マーケティング」のメソッドを紹介したセッションもあり、「カルト・ブランディング」と「コミュニティー・マーケティング」は、かなり近い意味であることも理解できました。
先行き不透明な世の中にあって、ブランドや企業が生き残るためには、相当にしたたかな戦略が求められる。そう感じさせられた雪深いカナダ・バンフの日々でした。
…………………………
■2. ストーリーテリング実践講座
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米国のコンテンツマーケティング業界で注目を集めるストーリーテリング。滞在時間が延びたり、エンゲージメントを高めたりと、その効果の数々が報告されています。しかしながら、どのようなステップを踏めばよいのか、日本ではまだ認知されていないのが現状です。本連載は、ストーリーテリングの研究に取り組むクマベイスCEOの田中森士が、ストーリーテリングの導入方法について、やさしく解説します。
:::::::::::::::::::::::::::::::::
新型コロナウイルスの感染拡大で、国内に混乱が広がっています。「トイレットペーパーが足りない」といったデマもまん延し、買い占めが起きています。
この「デマ」。実は、「ストーリー」に弱い人間の特性を逆手に取ったものです。
トイレットペーパーの多くが日本国内で生産されており、足りなくなるなんてことは現状起こりえません。しかし、「中国からの輸入が止まるので、トイレットペーパーが足りなくなる」(デマですよ!念のため)のように、因果関係の「ようなもの」がはっきりと示されると、人間は格段にその話を信じてしまいやすくなります。
「〇〇が理由で〇〇になる」という説明は、もちろん企業のブランディングにおいては、非常に有効なストーリーテリングのメソッドです。しかし、簡単に悪用もできてしまうのです。
いくら大企業の発信したストーリーテリングコンテンツであっても、消費者サイドとしては慎重に見極めたいですし、発信する企業側としても決して嘘はいけません。今回のデマ騒動について、私たちは反面教師としたいところです。
…………………………
■3. インサイドセールスの魔力
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BtoBコンテンツマーケティングと切っても切れない関係にあるのが、インサイドセールスです。マーケティングファネルに上手くハマったとて、クロージングは営業担当がやるしかない。しかしながら、人員にも限りがある。そうした状況を背景に、インサイドセールスの重要性が高まっています。本連載では、インサイドセールスの鬼・YUHOが、インサイドセールスの独自のノウハウを、皆さんに伝授します。
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どんな「スーパー営業パーソン」でも、365日常に100%のやる気を出して、ギラギラの営業をすることはできないと思います。ましてや、インサイドセールスは社内での単調な作業の繰り返しに陥りがち。モチベーションの波が出るのは自然なことでしょう。
しかし、逆に365日ずっとやる気が「出ていない」状態であれば、それは売上や業績にかかわってくる重要な問題です。インサイドセールスは「メンバーのやる気を引き出す」ことも大切な要素なのです。
では、どのようにやる気を引き出せばよいのでしょうか。
<成果を数値化する>
個人単位で目標に対する「進捗」を、見えるところに提示してみてください。壁にはったりしなくても、SFAツールではすぐに集計ができるものが多いので、ダッシュボードに設定するとよいでしょう。
企業風土によっては、同じチームメンバーの成績も見られるようにすると一層競争心が働くので有効です。数字が足りていないことを「追い詰める」のではなく、あくまでも「現在地を把握させる」ために行ってください。
<近い将来を具体的に話す>
モチベーション低下は、しばしば同じ作業ばかりで飽きてしまうことに起因します。任せる内容を変えたり、業務範囲を広げるロードマップをしっかりメンバーに示してください。例えば以下のようなものが考えられます。
・対応範囲を広げてもらいたい→3か月売り上げ達成したら違うサービスに異動してもらう
・数字の把握が得意→あと3か月プレイヤー経験を積んで隣のチームのリーダーになってもらう
・機能説明をとても詳しくできる→営業チームと開発との橋渡し係になってもらう
・契約について詳しく把握できている→代理店担当に専念してもらう
現在地を把握させ、次のステップが見えていれば意欲的に取り組めるようになるはずです。ただし、無理やりでなく、本人の同意はもちろん必要ですのでご注意を!
<席替えをする>
いつも同じメンバーの営業の様子を見せるのではなく、違う営業の方法を学ぶ機会になります。学ぶだけでなく、たとえば新人の隣の席では頻繁に質問への回答をしなければなりません。
マネージャーの近くの席になれば、個人単位でなく、チーム全体を管理する様子を見せられるので、そういった意識も持ってもらえるかもしれません。常に机を整理しておいて、席替えしてみてください。定期イベントとして楽しいですし、非常におすすめです!
以上3点、私が実際に試してみて効果のあった、インサイドセールスにおけるやる気アップの方法でした。どんなメンバーが所属しているかによりますが、成績のよいメンバーが「飽きて辞めてしまう」なんてとてももったいないですよね。継続してモチベーションを上げてもらうために工夫してみてください。
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■4. ジャーナリスティック・アプローチのコンテンツ制作
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米国のコンテンツマーケティング業界では、ジャーナリズム業界のノウハウを学び、それをコンテンツ制作に取り入れる動きが活発化しています。本連載では、新聞記者がどのように取材し、それを記事にしているのか、長きにわたって新聞業界に身を置いてた元記者が解説します。
:::::::::::::::::::::::::::::::::
原稿には必ずといっていいほど締め切りがあります。雑誌であれば日、新聞であれば時刻の場合が多いでしょう。この締め切りの刻限は、必ず守ってください。
新聞の場合、締め切り時刻は「逆算」して決まります。読者に朝何時ごろには配達するので、そのために新聞販売店に届ける時刻、印刷工場を出発する時刻、印刷を開始する時刻を逆算するわけです。
もし印刷開始が遅れたら、そのあとのすべての工程が狂います。締め切り間際の5分、10分前になると、編集局の空気はちょっと緊張します。
原稿を出すと、よく耳にするデスクと称する記者がそれを見ます。疑問があれば書いた本人に問い合わせます。何人かの原稿をまとめて一つの記事にする場合だと、まとめるための時間が必要です。
その時間を見越して「何時までに出すよう」と指示します。時間になっても原稿がこなかったら、困るなんてものではないのです。一本の原稿がこないことが、ほかの作業にダイレクトに響きます。
オウンドメディアの場合、1分1秒を争う場面は少ないかもしれません。しかし、決められた期限を守らなければ、一瞬で信頼は地に落ちます。
もし、何らかの事情で指示された時刻までに出せそうにないという場合は、極力早めに連絡しましょう。あとから「忙しかった」と言ったって理由にもなりません。これも記者・ライターとして大切なことです。ルーズな記者・ライターだと思われないように。
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■5. Q&A
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クマベイスメルマガ読者のみなさまの悩みや相談に、メルマガ編集部が総力を上げて答えるコーナーです。コンテンツマーケティングから人間関係まで、どしどしご質問をお寄せください。ご質問はこちらから→kumabase@kumabase.com
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Q:「マーケティング必勝法のようなものはない」といった趣旨のことをいつもおっしゃっていますが、カスタマージャーニーマップの作成など、コンテンツマーケティングのメソッドはそれにあたるのではないでしょうか?
A:ペルソナやカスタマージャーニーマップは、それ自体は何をするか明示してくれるものではありません。戦略設計のための単なる「フォーマット」です。そこにいろんな施策をぶら下げていくわけですが、それも一発で正解にたどり着けるかというと、そうではない。
トライアンドエラーを繰り返し、場合によっては施策をやめたり、導線を変えてみたりする。PDCAを回したり、時には偶然の産物の施策によって、結果が得られるものだと感じます。マーケターが「奇跡」や「偶然」の話をしてしまい恐縮ですが、「偶然」を「必然」にするためには、話しが戻りますが戦略は不可欠なものなのです。(田中)
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■6. メディア情報
Forbes JAPAN「世界を歩いて見つけたマーケティングのヒント」
https://forbesjapan.com/articles/detail/25024
・コンテンツマーケティングラボ「中小B2B企業のコンテンツマーケティング講座」
https://contentmarketinglab.jp/application-method/content-marketing-for-sme-vol1/
・毎日新聞「モリシの熊本通信」月1回
http://buff.ly/2fUSenp
・Yahoo!ニュース個人「田中森士 熊本の論点」
http://person.news.yahoo.co.jp/tanakashinji/
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・クマベイスHP : https://kumabase.com/
・編集・発行元:株式会社クマベイス : https://kumabase.com/
・発行責任者:株式会社クマベイス 代表取締役CEO 田中森士
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週刊クマベイス「地方企業の戦い方」
2020年3月4日発行(Vol.172)
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【2020年3月4日】
国内のパイが縮小する中、地方企業が生き抜いていくための「武器」が手に入るメールマガジンです。
コンテンツマーケティング、デジタルマーケティング、ジャーナリズム、テクノロジーなどの最新動向やテクニックを、元新聞記者でコンテンツマーケティングの専門家・田中森士(株式会社クマベイス)と豪華執筆陣がお伝えします。
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週刊クマベイス「地方企業の戦い方」
2020年3月4日発行(Vol.172)
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<目次>
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… 1. マーケティング & IT 最前線
… 2. ストーリーテリング実践講座
… 3. インサイドセールスの魔力
… 4. ジャーナリスティック・アプローチのコンテンツ制作
… 5. Q&A
… 6. メディア情報
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■1. マーケティング & IT 最前線
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クマベイスCEOの田中森士が、地方企業にとって役立つ、コンテンツマーケティングやITの最新ニュースやトレンドについて解説します。
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前回、私が参加したカンファレンス「The Gathering」についてご紹介したところ、驚くほどの反響がありました。顧客が熱狂的な「信者」ともなっている、いわゆる「カルト・ブランド」のノウハウや事例を紹介するこのカンファレンス。反響の大きさを見て、日本でも「本質的」な部分へとマーケティングが回帰しているのだと強く感じます。
これまでは、皆同じコンテンツに触れて、同じものを購入し、同じようなライフスタイルを送っていました。しかし、今の時代は異なります。トランプ大統領の誕生とともに「断絶(Disruption)の時代」が訪れたのです。
世代や政治信条などが「断絶」して細かく再定義されました。同時に、消費者は広告を無視するようになり、企業の寿命もかつてないほど短くなっています。
「マスメディアに金を払いすぎて抜けられなくなる『デス・スパイラル』。そして『値下げ』という名の消費者への『賄賂』。これらの古いマーケティング手法はもはや効果が期待できない」
カンファレンス主催者は、私の取材に対してこう言い切ります。
「誰もがこれ以上広告を必要していない」(主催者)という今の世の中。企業にとって必要なのは、ブランドに対して「高いエンゲージメントを持つ顧客」、すなわちブランドの「提唱者」だというのが、3日間のカンファレンスを通したメッセージでした。
では、どのようにこの「提唱者」を生み出せばよいのか。ここが「カルト・ブランド」たる由縁でして、中には日本や米国ではオープンにできないような、ちょっと怖い内容のセッションもありました(だからカナダで開催されているのかと納得!)。
念のため申し上げておきますが、BtoCのグローバル企業の多くが当たり前のように「カルト・ブランディング」のメソッドを取り入れており、もちろん「合法」。社会通念上も全く問題のないメソッドです。日本では過去にいろいろあったので、ちょっと表立って議論できない雰囲気はありますよね。他方、日本でも浸透しつつある「コミュニティー・マーケティング」のメソッドを紹介したセッションもあり、「カルト・ブランディング」と「コミュニティー・マーケティング」は、かなり近い意味であることも理解できました。
先行き不透明な世の中にあって、ブランドや企業が生き残るためには、相当にしたたかな戦略が求められる。そう感じさせられた雪深いカナダ・バンフの日々でした。
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■2. ストーリーテリング実践講座
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米国のコンテンツマーケティング業界で注目を集めるストーリーテリング。滞在時間が延びたり、エンゲージメントを高めたりと、その効果の数々が報告されています。しかしながら、どのようなステップを踏めばよいのか、日本ではまだ認知されていないのが現状です。本連載は、ストーリーテリングの研究に取り組むクマベイスCEOの田中森士が、ストーリーテリングの導入方法について、やさしく解説します。
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新型コロナウイルスの感染拡大で、国内に混乱が広がっています。「トイレットペーパーが足りない」といったデマもまん延し、買い占めが起きています。
この「デマ」。実は、「ストーリー」に弱い人間の特性を逆手に取ったものです。
トイレットペーパーの多くが日本国内で生産されており、足りなくなるなんてことは現状起こりえません。しかし、「中国からの輸入が止まるので、トイレットペーパーが足りなくなる」(デマですよ!念のため)のように、因果関係の「ようなもの」がはっきりと示されると、人間は格段にその話を信じてしまいやすくなります。
「〇〇が理由で〇〇になる」という説明は、もちろん企業のブランディングにおいては、非常に有効なストーリーテリングのメソッドです。しかし、簡単に悪用もできてしまうのです。
いくら大企業の発信したストーリーテリングコンテンツであっても、消費者サイドとしては慎重に見極めたいですし、発信する企業側としても決して嘘はいけません。今回のデマ騒動について、私たちは反面教師としたいところです。
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■3. インサイドセールスの魔力
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BtoBコンテンツマーケティングと切っても切れない関係にあるのが、インサイドセールスです。マーケティングファネルに上手くハマったとて、クロージングは営業担当がやるしかない。しかしながら、人員にも限りがある。そうした状況を背景に、インサイドセールスの重要性が高まっています。本連載では、インサイドセールスの鬼・YUHOが、インサイドセールスの独自のノウハウを、皆さんに伝授します。
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どんな「スーパー営業パーソン」でも、365日常に100%のやる気を出して、ギラギラの営業をすることはできないと思います。ましてや、インサイドセールスは社内での単調な作業の繰り返しに陥りがち。モチベーションの波が出るのは自然なことでしょう。
しかし、逆に365日ずっとやる気が「出ていない」状態であれば、それは売上や業績にかかわってくる重要な問題です。インサイドセールスは「メンバーのやる気を引き出す」ことも大切な要素なのです。
では、どのようにやる気を引き出せばよいのでしょうか。
<成果を数値化する>
個人単位で目標に対する「進捗」を、見えるところに提示してみてください。壁にはったりしなくても、SFAツールではすぐに集計ができるものが多いので、ダッシュボードに設定するとよいでしょう。
企業風土によっては、同じチームメンバーの成績も見られるようにすると一層競争心が働くので有効です。数字が足りていないことを「追い詰める」のではなく、あくまでも「現在地を把握させる」ために行ってください。
<近い将来を具体的に話す>
モチベーション低下は、しばしば同じ作業ばかりで飽きてしまうことに起因します。任せる内容を変えたり、業務範囲を広げるロードマップをしっかりメンバーに示してください。例えば以下のようなものが考えられます。
・対応範囲を広げてもらいたい→3か月売り上げ達成したら違うサービスに異動してもらう
・数字の把握が得意→あと3か月プレイヤー経験を積んで隣のチームのリーダーになってもらう
・機能説明をとても詳しくできる→営業チームと開発との橋渡し係になってもらう
・契約について詳しく把握できている→代理店担当に専念してもらう
現在地を把握させ、次のステップが見えていれば意欲的に取り組めるようになるはずです。ただし、無理やりでなく、本人の同意はもちろん必要ですのでご注意を!
<席替えをする>
いつも同じメンバーの営業の様子を見せるのではなく、違う営業の方法を学ぶ機会になります。学ぶだけでなく、たとえば新人の隣の席では頻繁に質問への回答をしなければなりません。
マネージャーの近くの席になれば、個人単位でなく、チーム全体を管理する様子を見せられるので、そういった意識も持ってもらえるかもしれません。常に机を整理しておいて、席替えしてみてください。定期イベントとして楽しいですし、非常におすすめです!
以上3点、私が実際に試してみて効果のあった、インサイドセールスにおけるやる気アップの方法でした。どんなメンバーが所属しているかによりますが、成績のよいメンバーが「飽きて辞めてしまう」なんてとてももったいないですよね。継続してモチベーションを上げてもらうために工夫してみてください。
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■4. ジャーナリスティック・アプローチのコンテンツ制作
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米国のコンテンツマーケティング業界では、ジャーナリズム業界のノウハウを学び、それをコンテンツ制作に取り入れる動きが活発化しています。本連載では、新聞記者がどのように取材し、それを記事にしているのか、長きにわたって新聞業界に身を置いてた元記者が解説します。
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原稿には必ずといっていいほど締め切りがあります。雑誌であれば日、新聞であれば時刻の場合が多いでしょう。この締め切りの刻限は、必ず守ってください。
新聞の場合、締め切り時刻は「逆算」して決まります。読者に朝何時ごろには配達するので、そのために新聞販売店に届ける時刻、印刷工場を出発する時刻、印刷を開始する時刻を逆算するわけです。
もし印刷開始が遅れたら、そのあとのすべての工程が狂います。締め切り間際の5分、10分前になると、編集局の空気はちょっと緊張します。
原稿を出すと、よく耳にするデスクと称する記者がそれを見ます。疑問があれば書いた本人に問い合わせます。何人かの原稿をまとめて一つの記事にする場合だと、まとめるための時間が必要です。
その時間を見越して「何時までに出すよう」と指示します。時間になっても原稿がこなかったら、困るなんてものではないのです。一本の原稿がこないことが、ほかの作業にダイレクトに響きます。
オウンドメディアの場合、1分1秒を争う場面は少ないかもしれません。しかし、決められた期限を守らなければ、一瞬で信頼は地に落ちます。
もし、何らかの事情で指示された時刻までに出せそうにないという場合は、極力早めに連絡しましょう。あとから「忙しかった」と言ったって理由にもなりません。これも記者・ライターとして大切なことです。ルーズな記者・ライターだと思われないように。
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Q:「マーケティング必勝法のようなものはない」といった趣旨のことをいつもおっしゃっていますが、カスタマージャーニーマップの作成など、コンテンツマーケティングのメソッドはそれにあたるのではないでしょうか?
A:ペルソナやカスタマージャーニーマップは、それ自体は何をするか明示してくれるものではありません。戦略設計のための単なる「フォーマット」です。そこにいろんな施策をぶら下げていくわけですが、それも一発で正解にたどり着けるかというと、そうではない。
トライアンドエラーを繰り返し、場合によっては施策をやめたり、導線を変えてみたりする。PDCAを回したり、時には偶然の産物の施策によって、結果が得られるものだと感じます。マーケターが「奇跡」や「偶然」の話をしてしまい恐縮ですが、「偶然」を「必然」にするためには、話しが戻りますが戦略は不可欠なものなのです。(田中)
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Forbes JAPAN「世界を歩いて見つけたマーケティングのヒント」
https://forbesjapan.com/articles/detail/25024
・コンテンツマーケティングラボ「中小B2B企業のコンテンツマーケティング講座」
https://contentmarketinglab.jp/application-method/content-marketing-for-sme-vol1/
・毎日新聞「モリシの熊本通信」月1回
http://buff.ly/2fUSenp
・Yahoo!ニュース個人「田中森士 熊本の論点」
http://person.news.yahoo.co.jp/tanakashinji/
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・編集・発行元:株式会社クマベイス : https://kumabase.com/
・発行責任者:株式会社クマベイス 代表取締役CEO 田中森士
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