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週刊クマベイス「地方企業の戦い方」Vol.166

2020/01/22 (Wed) 17:20
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国内のパイが縮小する中、地方企業が生き抜いていくための「武器」が手に入るメールマガジンです。
コンテンツマーケティング、デジタルマーケティング、ジャーナリズム、テクノロジーなどの最新動向やテクニックを、元新聞記者でコンテンツマーケティングの専門家・田中森士(株式会社クマベイス)と豪華執筆陣がお伝えします。

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週刊クマベイス「地方企業の戦い方」
2019年1月22日発行(Vol.166)

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<目次>
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… 1. マーケティング & IT 最前線
… 2. ストーリーテリング実践講座
… 3. インサイドセールスの魔力
… 4. ジャーナリスティック・アプローチのコンテンツ制作
… 5. Q&A
… 6. メディア情報
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■1. マーケティング & IT 最前線

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クマベイスCEOの田中森士が、地方企業にとって役立つ、コンテンツマーケティングやITの最新ニュースやトレンドについて解説します。

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浜松町の「いいオフィス浜松町 by wedo」で1月15日、書籍「文章で生きる夢をマジメに叶えてみよう。」の出版記念イベントが開かれました。コラムを寄稿させていただいたご縁で、私も同イベントにゲスト登壇。「複業」としてのライターのはじめかたについて、著者・岸智志さんとディスカッションしました。

参加者の皆さんの熱量も高く、個人的に素晴らしいイベントにお声がけいただけたと、岸さんはじめスタッフの皆さんに感謝している次第です。

ご参加いただいたのは、これからライターを始めようと考えている方や、ライターor編集者として活動されている方々。ライブ中継も行ったため、東京都以外の方にもご覧いただきました。

第二部では、実際にビギナーライターさんが書かれた原稿を、岸さんと一緒に「LIVE添削」。編集者が添削する際のマインドや、ライターさんに求めるものなどについて、ざっくばらんにお話しさせていただきました。

人前で添削したのは人生初だったのですが、私としても多くの気づきが得られました。編集者が何を意識して添削しているのか。おそらくほとんどの編集者に当てはまることだと思いますが、「事実をシンプルにわかりやすく」伝えることを意識して、原稿に手を入れます。

例えば、あまりにも情報量が多かったり、一文が長かったりすると、その時点で読み手の頭に情報が入ってきません。人間の頭は一度に多くのことを処理できないようにできているため、一文あたりの要素は少なく、そして一文は極力短くというのが鉄則です。文が長くなると、書き手本人の頭も混乱してきますからね。

そしてもう一つ、編集者としてライターに求めるのが、「SAME PAGE」(同じページ≒同じ絵)をイメージすること。つまり、事前のイメージの共有です。

ラグビー日本代表は、W杯日本大会に向けて「SAME PAGE」が頭に浮かぶことを目指していたといいます。私もかつてラグビー部だったのでなんとなく分かるのですが、ラグビーは局面が目まぐるしく変わるスポーツです。次に何をすべきか、瞬時に判断しなければならない。時に、アイコンタクトを取る時間すらない場面もあるわけです。

高いレベルでプレーする上で大切なのが、先ほど登場した「SAME PAGE」。ある場面において、次にどういったプレーを選択して、どういった状態をつくりたいのか。これを共有することで、スピーディーかつ狙い通りの展開が実現するという考えのもと、日本代表は練習を繰り返していたそうです。

ライティングもこれとよく似ています。編集者と「SAME PAGE」を見る。完成形のイメージが近ければ近いほど、「よい仕事」となるわけです。

逆に、「SAME PAGE」を見ることができない場合、「悲劇」が待っています。編集者は多大な労力をかけて原稿を添削するか、ライターにもう一度初めから書きなおしてもらうかを選択することになります。そして、一度でもそんなことがあれば、編集者は「このライターさんとはイメージが共有できないから次から別の人に頼もう…」というマインドになりがちです。

ライターとして食べていくために必要なことは、編集者と同じ絵を見ることであり、編集者として食べていくために必要なことも、ライターやクライアントと同じ絵を見ることです。本質は、どんな仕事でも同じなのです。

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■2. ストーリーテリング実践講座

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米国のコンテンツマーケティング業界で注目を集めるストーリーテリング。滞在時間が延びたり、エンゲージメントを高めたりと、その効果の数々が報告されています。しかしながら、どのようなステップを踏めばよいのか、日本ではまだ認知されていないのが現状です。本連載は、ストーリーテリングの研究に取り組むクマベイスCEOの田中森士が、ストーリーテリングの導入方法について、やさしく解説します。

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ベルギーの画家であるポール・デルヴォーをご存じでしょうか。「夢」と「幻想」を強く意識させる作風で、時に「幻想画家」とも表されるデルヴォー。作品の中には、それぞれの関連性が不明のモチーフが同じ絵に収まったものもあり、ある意味で見る者を混乱に陥れます。

そんなデルヴォーの作品の実物を、初めて福岡市美術館で目にしました。タイトルは「夜の通り (散歩する女たちと学者)」。学者、上半身裸の女性、三日月、蒸気機関車、アンモナイト。一体何を意味しているのか。作品を目にした直後、しばし立ちすくんでしまいました。

数秒後、驚くことが起こりました。自分の頭の中で次々とストーリーが展開されていったのです。学者と女性の関係性や、蒸気機関車が使われた場面など、自分でも驚くほどスムーズにストーリーが展開されていきます。

デルヴォーは、おそらくこうした効果を狙って制作したのでしょう。事実、鑑賞者の多くがこの作品から「ストーリー」を感じるそうです。

本連載でもかねてよりお伝えしている通り、人間とストーリーは切っても切れない関係にあります。ストーリーを作り出せることが、人間の大きな特徴の一つ。この特性を理解したデルヴォーの作品は、個人的にストーリーテリングの手法として、マーケティングの世界にも使えるような気がしています。

混乱を、作り出す。その先に、ストーリーが生まれる。ストーリーテリングの未来は、美術の世界にも眠っているのだと感じます。

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■3. インサイドセールスの魔力

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BtoBコンテンツマーケティングと切っても切れない関係にあるのが、インサイドセールスです。マーケティングファネルに上手くハマったとて、クロージングは営業担当がやるしかない。しかしながら、人員にも限りがある。そうした状況を背景に、インサイドセールスの重要性が高まっています。本連載では、インサイドセールスの鬼・YUHOが、インサイドセールスの独自のノウハウを、皆さんに伝授します。

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中規模以上で既に営業組織がある企業においてインサイドセールスを導入、営業の戦力として定着させるまでの道のりはとても長いものです。今回は、インサイドセールス導入における課題について考えてみましょう。

・とにかく最初は信用がない
「インサイドセールス」という言葉になじみのない経営層からは導入して本当に効果があるのか、営業先に失礼にならないかなど、とにかく信用がありません。できるだけ早く成果を出すことで、経営層に理解してもらえます。

・外資系のやり方をいかににローカライズさせるか
インサイドセールスのはじまったアメリカと違い、日本の営業組織には独特のルールや暗黙の了解があります。何事も、自由に考えて導入を進めることは難しい状況にあるのです。インサイドセールス導入の方法については、各社にあった方法で慎重に進めてください。

・重要顧客の担当を任せてもらえない
新規開拓の際、一般的にリストを作成しますが、重要顧客はフィールドセールス、そうでない顧客をインサイドセールスにまわすというケースが多いようです。重要でない顧客をインサイドセールスにまわして、MAなどを利用しフォローしていくのは正しいことかもしれませんが、重要としている顧客もインサイド・フィールド分担して対応するのが望ましいでしょう。
顧客ごとに担当を分けるのでなく、あくまでも確度の高い顧客を効率よく狙っていけるように購買フローにおける業務を分担できると理想的です。

・フィールドセールスの雑用ばかりをまわされてしまう
「内勤」というイメージが強すぎて、営業活動そのものでなく見積書や契約書作成、案件整理などの社内作業を任されることが多いようです。本来の業務はナーチャリングとCV獲得です。(企業によって定義や役割は異なります)

導入に際しては同規模で既に導入・活躍している企業の先人から学ぶのが一番効率の良い検討方法です。導入を考えている担当の方は社内からの疑いの目に負けずにいてほしいと思います。

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■4. ジャーナリスティック・アプローチのコンテンツ制作

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米国のコンテンツマーケティング業界では、ジャーナリズム業界のノウハウを学び、それをコンテンツ制作に取り入れる動きが活発化しています。本連載では、新聞記者がどのように取材し、それを記事にしているのか、長きにわたって新聞業界に身を置いてた元記者が解説します。

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良い原稿とは、読者が誰であれ、読みやすく、分かりやすい原稿です。

そのために大切なことは「自分の言葉で書く」ということ。自分の言葉で書くためには、取材した内容をきちんと理解し、咀嚼することが不可欠です。

頭の中で十分消化しきれていないものが、自分の言葉として出てくるはずがありません。自分では分かって書いているのに、人が読んだら分からないということがあります。ましてや、自分で読んでよく分からないものが、人が読んだら分かるなんてことはありません。分かるはずがないのです。

なので、納得できないままに書くのは危険です。自信のないこと、あやふやなことは、できれば書かないに越したことはありません。

たとえば、なんらかの資料を引用しながら原稿を書いたとします。この人はちゃんと内容を分かって書いているのか、あるいは単に資料を写しているのかは、読んでいると分かるのです。

仮に一般の読者には分からないにしても、編集サイドの“プロの目”はごまかせるものではありません。なぜか?。それは“プロの目”ゆえだからです。前後の表現や原稿の流れからして、その部分だけが浮いているのです。

もう一度言います。自分で読んでよく分からないものは、人が読んでも絶対に分かりません。このことをどうぞお忘れなく。

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■5. Q&A

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クマベイスメルマガ読者のみなさまの悩みや相談に、メルマガ編集部が総力を上げて答えるコーナーです。コンテンツマーケティングから人間関係まで、どしどしご質問をお寄せください。ご質問はこちらから→kumabase@kumabase.com

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Q:Webライターの仕事をするにあたって、文体や雰囲気の強い個性は、マイナスでしょうか。一部の突出したブランディング能力を持った人はその強烈な個性が売りになるようですが、一般的には(編集者による)矯正の対象になることが多いのでしょうか。

A:媒体や企画によるかと思います。例えば、ジャーナリズムを追及するメディアなのかどうかによっても変わってきますし、オウンドメディアでもいわゆる「SEOコンテンツ」なのか書き手の顔の見えるエッセイなのかによっても変わります。ポイントは、いかに編集者の要望に応えるか。そのためには、編集者と完成イメージを事前に共有することが何より大切です。

ちなみに私は前職が新聞記者だったのですが、新聞は基本的に「文体や雰囲気の強い個性」のある文章を求めません(連載小説などを除く)。事件を伝える記事、事件現場の雑感を伝える記事、街ネタ、人の半生を紹介する記事。それぞれで基本的な「型」がある程度決まっており、文体も非常に限定されます。ルポだと文体に多少の自由が生じますが、基本的に新聞記事というのは誰が書いても同じクオリティーになるよう、仕組み化されているのです。

とはいえ、たとえば村上春樹が新聞に寄稿してくれるとなれば、当然原稿をほぼそのまま載せますよね。なぜか。理由は世界的な作家であるから。言い換えると、ブランドが完成しているからです。

その境地に達すれば別ですが、基本的にWebライターは編集者の求めに応じて原稿を書く仕事です。それでもどうしても「自分らしい」原稿が書きたい!という方は、ブログで表現活動するのがおすすめです。食べていくためにも、普段はオウンドメディアなどの仕事をこなしつつ、ブログで好きな文章を書く。

ただし、文章の「基本」は早い段階で身につけた方がいいと思います。キュビズムで知られるピカソの初期のデッサンを生で見たことがあるのですが、恐ろしく正確に人体の形状をとらえており、驚きました。あらゆる物事は「比較軸」でとらえなければ、本質が見えてきません。文章についても同じであり、ある程度の「基本」がなければ、そもそも「自分らしい文体」は生まれない。これは役者さんも含めすべての表現者に当てはまることだと思います。(田中)

…………………………

■6. メディア情報

Forbes JAPAN「世界を歩いて見つけたマーケティングのヒント」
https://forbesjapan.com/articles/detail/25024

・コンテンツマーケティングラボ「中小B2B企業のコンテンツマーケティング講座」
https://contentmarketinglab.jp/application-method/content-marketing-for-sme-vol1/

・毎日新聞「モリシの熊本通信」月1回
http://buff.ly/2fUSenp

・Yahoo!ニュース個人「田中森士 熊本の論点」
http://person.news.yahoo.co.jp/tanakashinji/

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・クマベイスHP : https://kumabase.com/
・編集・発行元:株式会社クマベイス : https://kumabase.com/
・発行責任者:株式会社クマベイス 代表取締役CEO 田中森士

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週刊クマベイス「地方企業の戦い方」
2019年1月22日発行(Vol.166)

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【2019年1月22日】