週刊クマベイス「地方企業の戦い方」Vol.159
2019/12/04 (Wed) 17:41
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国内のパイが縮小する中、地方企業が生き抜いていくための「武器」が手に入るメールマガジンです。
コンテンツマーケティング、デジタルマーケティング、ジャーナリズム、テクノロジーなどの最新動向やテクニックを、元新聞記者でコンテンツマーケティングの専門家・田中森士(株式会社クマベイス)と豪華執筆陣がお伝えします。
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週刊クマベイス「地方企業の戦い方」
2019年12月4日発行(Vol.159)
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<目次>
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… 1. マーケティング & IT 最前線
… 2. ストーリーテリング実践講座
… 3. インサイドセールスの魔力
… 4. ジャーナリスティック・アプローチのコンテンツ制作
… 5. Q&A
… 6. メディア情報
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★新サービスのお知らせ★
メール受信を自ら希望する読者「サブスクライバー」を大切にしようとの文脈のメルマガ戦略コンサルサービスを本日リリースしました!
3年間続けてきたクマベイスメルマガのノウハウ、そして米国のコンテンツマーケティング業界の最新メソッドを共有。座学、WS、戦略設計、企画、原稿添削面でサポートします。
SNSをはじめとした第三者が運営するプラットフォームに依存することは、いわば読者と直接つながっていない状態。ある日突然、読者を失うリスクをともないます。また、EU(欧州連合)が2018年5月25日に施行した個人情報保護に関するルール「GDPR(一般データ保護規則)」をはじめ、個人の同意なき個人情報の収集・活用を禁止する流れが世界的に生まれています。
これらのことを背景に、米国のコンテンツマーケティング業界では近年、「唯一コントロール可能なチャネル」であるメールへの注目が高まっています。ポイントは、メール受信を自ら希望する読者「サブスクライバー」の獲得。個人の明確な同意があるため、メールによるコミュニケーションを自由に行うことができるのです。
クマベイスでは、3年前よりメールマガジン「週刊クマベイス」に取り組んでまいりました。毎週水曜に一度も休むことなく発行してきた同メールマガジンは、150回を突破。オーディエンス(読者)との信頼関係構築にも大きく貢献しております。
今回のメルマガ戦略コンサルティングサービスは、3年間続けてきたメルマガの戦略設計・運営ノウハウをもとに立ち上げました。コンテンツマーケティングの専門家によるマーケティング視点での企画・戦略設計、元新聞記者を中心とした経験豊富な編集デスクによるコンテンツ制作支援を提供します。古くて新しいチャネル「メール」を活用したコミュニケーション戦略で、信頼関係を構築しましょう。
詳細はこちら→https://kumabase.com/business/mailmagazineconsulting/
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■1. マーケティング & IT 最前線
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クマベイスCEOの田中森士が、地方企業にとって役立つ、コンテンツマーケティングやITの最新ニュースやトレンドについて解説します。
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11月28日に開催されたコンテンツマーケティングのカンファレンス「CONTENT MARKETING DAY」にお越しいただいたみなさま、お忙しい中お越しくださりありがとうございました。
米国式の本質的なコンテンツマーケティングを伝える場でもあった同カンファレンス。同じ志を持ったマーケターら500人が日本において一堂に会したという点で、非常に感慨深いものがありました。
私はB2BセッションのモデレーターとB2Cセッションのスピーカーとして登壇させていただきました。
B2Bセッションでは、アンドエー中田さん、ベイジ枌谷さん、才流栗原さんのお三方が「オウンドメディアの評価指標」についてディスカッションしました。コンテンツマーケに取り組んでおられる参加者の方が多かったようでして、会場からは極めて具体的な質問の数々が。モデレーターを務めていた私はさすがに回答する立場にありませんでしたが、ちょうだいした質問は本メルマガのQAコーナーにて回答していく予定です。
それにしても「必ずしもオウンドメディアをやる必要はない」という点で、登壇者のみなさんの意見が一致していたのには、驚かれた方もおおいことでしょう。これは何もコンテンツマーケティングに取り組むべきでないという意味ではなく、思考停止気味にオウンドメディアに飛びつくのはいかがなものか、という意味だと私は解釈しました。
コンテンツマーケティングの定義には、実は「オウンドメディア」というワードが一切含まれません。なのに日本ではなぜか「オウンドメディア=コンテンツマーケティング(=コンテンツSEO)」という考えが主流になっている。ここに手段と目的が入れ替わりがちな日本のマーケティング業界の落とし穴があります。
企業のWebサイトであっても、インデックス的に必要なコンテンツを置いていき、カスタマージャーニーマップにもとづくダウンロードコンテンツなどの配置を行なっていけば、コンテンツマーケティングはそこで完結できるかもしれません。編集部を立ち上げて、オウンドメディアに本格的に取り組む。これをインハウスだけでやることは、なかなかハードルが高いでしょう。オウンドメディアの閉鎖が近年相次いでおり、手段と目的が入れ替わっている現実を雄弁に物語っています。
目的をはっきりとさせた上で、プラットフォームを選定しなければ、いくらリソースを割いたとて結果につながるはずがないのです。
一方、B2Cの方では、3年後に日本に訪れるであろうコンテンツマーケの未来についてお話しさせていただきました。結論は「手段から本質へ」。「自分は何者か?」「ミッションは何か?」を突き詰めた上で戦略やコンテンツを設計していこう、というメッセージを熱量高めにお届けした次第です。
何かビジネスを始めるのであれば、なぜその(物理的な)場所ではじめるのか、また、なぜそのビジネスに取り組むのか、明確な理由や背景が必要です。これは、創業者や会社のカルチャーに裏打ちされたストーリーとも言い換えられます。タピオカブームが訪れたとたん、タピオカ店が急増しましたが、はたしてこれが2年後にどれだけ残っているか。どんなビジネスにもポジショントークなしの「ミッション」は不可欠なのです。
B2Cセッションでもう一つお話しさせていただいた、サブスクライバー文脈のメルマガについては会場からのリアクションが大きく、やはり既存の戦略に限界を感じておられる方が多いのだと痛感しました。古くて新しいチャネルのメールですが、日本でも3年以内に注目が集まるでしょう。カンファレンスのネットワーキングパーティーでも、プレゼンをお聞きいただいた多くの方からメール戦略についてご質問を頂戴したことからも、実はすでに取り組まれている方も多いのかもしれないと感じました。
本メルマガの冒頭でご紹介したメルマガ戦略コンサルサービスは、日本においてちょっと先を行き過ぎているサービスかもしれませんが、いずれニーズが急増する。そう考え、今回サービスとして立ち上げた次第です。
カンファレンスが終わり、一息つきたいところですが、年度内はもう少しイベントに登壇したり執筆活動に注力するつもりです。そして春からのインプットの旅へとつなげてまいります。というわけで、今後もともクマベイスメルマガにおつきあいのほどをどうぞよろしくお願いいたします。
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■2. ストーリーテリング実践講座
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米国のコンテンツマーケティング業界で注目を集めるストーリーテリング。滞在時間が延びたり、エンゲージメントを高めたりと、その効果の数々が報告されています。しかしながら、どのようなステップを踏めばよいのか、日本ではまだ認知されていないのが現状です。本連載は、ストーリーテリングの研究に取り組むクマベイスCEOの田中森士が、ストーリーテリングの導入方法について、やさしく解説します。
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(前回までのあらすじ)
「手段と目的が入れ替わっちゃだめですよ!」と普段セミナーなどで主張する私・田中。しかしながらムットーニのビジュアルストーリーテリングは、ビジュアルという手法ありきで全体のイメージを膨らませていくこともあるという。ショックを受ける田中に、ムットーニは「手法ありきではなく、入り口をたくさん用意しておくという意味だよ」とやさしく語りかけた…。
入り口をたくさん用意するとはいえ、それでも結局は手段ありきではないか。そう訝しむ私をムットーニは鋭い目つきでいさめます。その上で、淡々と語りはじめました。
ムットーニがチョイスする文学作品や詩は、シンプルであったり難解であったりするため、さまざまな解釈が可能である。つまり文字という完璧な素材を、どうやって料理するか。ここでストーリーテリングが必要となるというわけです。
しかしながら、完璧な作品を勝手に改変するわけにはいかない。ムットーニが出した答えは、「作品は一切触らない」というものでした。つまり、素材にストーリーを付与するのだけれども、言語化はしない。ビジュアルのみでストーリーを表現するというのです。なんという高等テクニック。私はここにビジュアルストーリーテリングの本質を見た気がしました。
人形、音、光、朗読が箱の中で織りなす幻想的なムットーニ作品の世界。もう一度鑑賞しなおしてみると、たしかに素材である原作には一切の加工が加えられていません。また、一部分を削ることもせず、詩なら一編をすべて。小説なら一節をすべて朗読していました。
しかしながら、箱の中で繰り広げられる世界は、私が詩の原作を読んだ時のイメージとは、大きく異なる。つまり、素材(原作)をリスペクトしつつも、ビジュアライズでオリジナリティーを出しているのです。私は悟りました。ビジュアルとストーリーテリングの本質は、ビジュアライズとストーリーテリングが同義語として位置付けられるのだと。
この話は次週、クライマックスを迎えます。
…………………………
■3. インサイドセールスの魔力
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BtoBコンテンツマーケティングと切っても切れない関係にあるのが、インサイドセールスです。マーケティングファネルに上手くハマったとて、クロージングは営業担当がやるしかない。しかしながら、人員にも限りがある。そうした状況を背景に、インサイドセールスの重要性が高まっています。本連載では、インサイドセールスの鬼・YUHOが、インサイドセールスの独自のノウハウを、皆さんに伝授します。
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インサイドセールスではフィールドセールスに比べて数倍以上の数のリードを管理する必要があります。しかし、このリード管理は日ごろの営業時に正しいオペレーションで扱わなくては、後々チーム全体が困ってしまいます。よくあるリードの扱いミスについてご紹介します。
まず最も多い問題が、「対応モレ」が生じてしまうことです。毎日常にリードが発生しつづけている状態においては、すでに対応済みなのか、これからコンタクトをとるものなのかが混ざってしまいがち。リードのタイトル名にわかりやすく対応済みかそうでないかを記載したり、未対応のもの(で時間が経ってしまっているもの)には目立つフラグを立てておくなど、チームで決まった方式をあらかじめ決めておいてください。
2つ目に、1つ目と逆のパターンで、必要以上のコンタクトをとってしまうケースです。一人目のインサイドセールスが架電して100%お断りだったにもかかわらず、二人目のインサイドセールスが再度架電してしまっては、お断りされた顧客からのクレームにつながりかねません。対応したリードについてはきちんと記録し、他のメンバーとの連携ミスを減らしましょう。
リード管理の重要性については次回に続きます!
…………………………
■4. ジャーナリスティック・アプローチのコンテンツ制作
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米国のコンテンツマーケティング業界では、ジャーナリズム業界のノウハウを学び、それをコンテンツ制作に取り入れる動きが活発化しています。本連載では、新聞記者がどのように取材し、それを記事にしているのか、長きにわたって新聞業界に身を置いてた元記者が解説します。
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あとで面倒なことにならないために、取材時に注意しておくことがあります。記事を書く段階になってからそれに気づくと、そのためにまた取材相手に確認する必要がでてきたりして、余計な負担にもなります。
それは、このところよく問題になる個人情報に関することです。ひところに比べて個人情報の扱いが格段に難しくなりました。特に今や多くの人が日常茶飯時にSNSを使うようになって、それに一層拍車がかかっています。これは取材や報道の場にも及んでいます。取材だからと安易に考えるのは禁物です。
まず、写真を撮影するときは、必ず相手の了解をとってください。町の様子や通りなどを撮る場合はいいですが、特に相手本人や関係者など、顔が写って個人が特定される場合は絶対です。
また、たとえば建物の外観や内観、所有物など、個人に属するものを撮る場合も同じです。撮影の許可とともに、掲載していいかどうかを合わせて聞くようにします。
もう一つ。取材のやりとりを録音する場合も同様に一言断ります。自分が話したことが100%記録されているとなると、黙って録音された場合、決していい気はしません。
また、資料などもどこまで内容を記載していいのか、ものによっては確認しておいたほうがいいでしょう。
…………………………
■5. Q&A
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クマベイスメルマガ読者のみなさまの悩みや相談に、メルマガ編集部が総力を上げて答えるコーナーです。コンテンツマーケティングから人間関係まで、どしどしご質問をお寄せください。ご質問はこちらから→kumabase@kumabase.com
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Q:たくさんの記事をアップした方がいいのか、渾身の一発の記事をあげたほうがいいのか。どちらでしょうか。
A:これは商材やペルソナにもよるかと思いますが、B2Bの高単価の商材の場合、それほどコンテンツの数は必要ないケースも多いというのが私の印象です。低品質のコンテンツを大量に生産するのは最悪です。ニーズに応えた、質の高いコンテンツを無理のないペースで投稿していくことをおすすめします。
また、コンテンツを新規でどんどん投稿していくのもいいのですが、それ以上に既存記事の更新も重要です。支持されているコンテンツについて、キーワードを解析して、新たなh2を追加してみてください。新しいニュースや、新たに信頼できるソースが見つかれば、その要素を付け加えてもよいでしょう。コンテンツは出して終わりではないのです。(田中)
…………………………
■6. メディア情報
Forbes JAPAN「世界を歩いて見つけたマーケティングのヒント」
https://forbesjapan.com/articles/detail/25024
・コンテンツマーケティングラボ「中小B2B企業のコンテンツマーケティング講座」
https://contentmarketinglab.jp/application-method/content-marketing-for-sme-vol1/
・毎日新聞「モリシの熊本通信」月1回
http://buff.ly/2fUSenp
・Yahoo!ニュース個人「田中森士熊本の論点」
http://person.news.yahoo.co.jp/tanakashinji/
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・クマベイスHP : https://kumabase.com/
・編集・発行元:株式会社クマベイス : https://kumabase.com/
・発行責任者:株式会社クマベイス 代表取締役CEO 田中森士
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メルマガの解除をご希望される方は恐れ入りますがこちらよりお願いいたします→https://q.bmv.jp/bm/p/f/tf.php?id=kumabase
本メルマガ内の全コンテンツの著作権は、編集・発行元に帰属します。本メルマガの内容の大部分を無断転載することを禁じます。非営利の個人ブログや媒体で一部をご紹介いただくことは、出典を明記した上であれば問題ございません。
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週刊クマベイス「地方企業の戦い方」
2019年12月4日発行(Vol.159)
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【2019年12月4日】
国内のパイが縮小する中、地方企業が生き抜いていくための「武器」が手に入るメールマガジンです。
コンテンツマーケティング、デジタルマーケティング、ジャーナリズム、テクノロジーなどの最新動向やテクニックを、元新聞記者でコンテンツマーケティングの専門家・田中森士(株式会社クマベイス)と豪華執筆陣がお伝えします。
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週刊クマベイス「地方企業の戦い方」
2019年12月4日発行(Vol.159)
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<目次>
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… 1. マーケティング & IT 最前線
… 2. ストーリーテリング実践講座
… 3. インサイドセールスの魔力
… 4. ジャーナリスティック・アプローチのコンテンツ制作
… 5. Q&A
… 6. メディア情報
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3年間続けてきたクマベイスメルマガのノウハウ、そして米国のコンテンツマーケティング業界の最新メソッドを共有。座学、WS、戦略設計、企画、原稿添削面でサポートします。
SNSをはじめとした第三者が運営するプラットフォームに依存することは、いわば読者と直接つながっていない状態。ある日突然、読者を失うリスクをともないます。また、EU(欧州連合)が2018年5月25日に施行した個人情報保護に関するルール「GDPR(一般データ保護規則)」をはじめ、個人の同意なき個人情報の収集・活用を禁止する流れが世界的に生まれています。
これらのことを背景に、米国のコンテンツマーケティング業界では近年、「唯一コントロール可能なチャネル」であるメールへの注目が高まっています。ポイントは、メール受信を自ら希望する読者「サブスクライバー」の獲得。個人の明確な同意があるため、メールによるコミュニケーションを自由に行うことができるのです。
クマベイスでは、3年前よりメールマガジン「週刊クマベイス」に取り組んでまいりました。毎週水曜に一度も休むことなく発行してきた同メールマガジンは、150回を突破。オーディエンス(読者)との信頼関係構築にも大きく貢献しております。
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■1. マーケティング & IT 最前線
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クマベイスCEOの田中森士が、地方企業にとって役立つ、コンテンツマーケティングやITの最新ニュースやトレンドについて解説します。
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11月28日に開催されたコンテンツマーケティングのカンファレンス「CONTENT MARKETING DAY」にお越しいただいたみなさま、お忙しい中お越しくださりありがとうございました。
米国式の本質的なコンテンツマーケティングを伝える場でもあった同カンファレンス。同じ志を持ったマーケターら500人が日本において一堂に会したという点で、非常に感慨深いものがありました。
私はB2BセッションのモデレーターとB2Cセッションのスピーカーとして登壇させていただきました。
B2Bセッションでは、アンドエー中田さん、ベイジ枌谷さん、才流栗原さんのお三方が「オウンドメディアの評価指標」についてディスカッションしました。コンテンツマーケに取り組んでおられる参加者の方が多かったようでして、会場からは極めて具体的な質問の数々が。モデレーターを務めていた私はさすがに回答する立場にありませんでしたが、ちょうだいした質問は本メルマガのQAコーナーにて回答していく予定です。
それにしても「必ずしもオウンドメディアをやる必要はない」という点で、登壇者のみなさんの意見が一致していたのには、驚かれた方もおおいことでしょう。これは何もコンテンツマーケティングに取り組むべきでないという意味ではなく、思考停止気味にオウンドメディアに飛びつくのはいかがなものか、という意味だと私は解釈しました。
コンテンツマーケティングの定義には、実は「オウンドメディア」というワードが一切含まれません。なのに日本ではなぜか「オウンドメディア=コンテンツマーケティング(=コンテンツSEO)」という考えが主流になっている。ここに手段と目的が入れ替わりがちな日本のマーケティング業界の落とし穴があります。
企業のWebサイトであっても、インデックス的に必要なコンテンツを置いていき、カスタマージャーニーマップにもとづくダウンロードコンテンツなどの配置を行なっていけば、コンテンツマーケティングはそこで完結できるかもしれません。編集部を立ち上げて、オウンドメディアに本格的に取り組む。これをインハウスだけでやることは、なかなかハードルが高いでしょう。オウンドメディアの閉鎖が近年相次いでおり、手段と目的が入れ替わっている現実を雄弁に物語っています。
目的をはっきりとさせた上で、プラットフォームを選定しなければ、いくらリソースを割いたとて結果につながるはずがないのです。
一方、B2Cの方では、3年後に日本に訪れるであろうコンテンツマーケの未来についてお話しさせていただきました。結論は「手段から本質へ」。「自分は何者か?」「ミッションは何か?」を突き詰めた上で戦略やコンテンツを設計していこう、というメッセージを熱量高めにお届けした次第です。
何かビジネスを始めるのであれば、なぜその(物理的な)場所ではじめるのか、また、なぜそのビジネスに取り組むのか、明確な理由や背景が必要です。これは、創業者や会社のカルチャーに裏打ちされたストーリーとも言い換えられます。タピオカブームが訪れたとたん、タピオカ店が急増しましたが、はたしてこれが2年後にどれだけ残っているか。どんなビジネスにもポジショントークなしの「ミッション」は不可欠なのです。
B2Cセッションでもう一つお話しさせていただいた、サブスクライバー文脈のメルマガについては会場からのリアクションが大きく、やはり既存の戦略に限界を感じておられる方が多いのだと痛感しました。古くて新しいチャネルのメールですが、日本でも3年以内に注目が集まるでしょう。カンファレンスのネットワーキングパーティーでも、プレゼンをお聞きいただいた多くの方からメール戦略についてご質問を頂戴したことからも、実はすでに取り組まれている方も多いのかもしれないと感じました。
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(前回までのあらすじ)
「手段と目的が入れ替わっちゃだめですよ!」と普段セミナーなどで主張する私・田中。しかしながらムットーニのビジュアルストーリーテリングは、ビジュアルという手法ありきで全体のイメージを膨らませていくこともあるという。ショックを受ける田中に、ムットーニは「手法ありきではなく、入り口をたくさん用意しておくという意味だよ」とやさしく語りかけた…。
入り口をたくさん用意するとはいえ、それでも結局は手段ありきではないか。そう訝しむ私をムットーニは鋭い目つきでいさめます。その上で、淡々と語りはじめました。
ムットーニがチョイスする文学作品や詩は、シンプルであったり難解であったりするため、さまざまな解釈が可能である。つまり文字という完璧な素材を、どうやって料理するか。ここでストーリーテリングが必要となるというわけです。
しかしながら、完璧な作品を勝手に改変するわけにはいかない。ムットーニが出した答えは、「作品は一切触らない」というものでした。つまり、素材にストーリーを付与するのだけれども、言語化はしない。ビジュアルのみでストーリーを表現するというのです。なんという高等テクニック。私はここにビジュアルストーリーテリングの本質を見た気がしました。
人形、音、光、朗読が箱の中で織りなす幻想的なムットーニ作品の世界。もう一度鑑賞しなおしてみると、たしかに素材である原作には一切の加工が加えられていません。また、一部分を削ることもせず、詩なら一編をすべて。小説なら一節をすべて朗読していました。
しかしながら、箱の中で繰り広げられる世界は、私が詩の原作を読んだ時のイメージとは、大きく異なる。つまり、素材(原作)をリスペクトしつつも、ビジュアライズでオリジナリティーを出しているのです。私は悟りました。ビジュアルとストーリーテリングの本質は、ビジュアライズとストーリーテリングが同義語として位置付けられるのだと。
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インサイドセールスではフィールドセールスに比べて数倍以上の数のリードを管理する必要があります。しかし、このリード管理は日ごろの営業時に正しいオペレーションで扱わなくては、後々チーム全体が困ってしまいます。よくあるリードの扱いミスについてご紹介します。
まず最も多い問題が、「対応モレ」が生じてしまうことです。毎日常にリードが発生しつづけている状態においては、すでに対応済みなのか、これからコンタクトをとるものなのかが混ざってしまいがち。リードのタイトル名にわかりやすく対応済みかそうでないかを記載したり、未対応のもの(で時間が経ってしまっているもの)には目立つフラグを立てておくなど、チームで決まった方式をあらかじめ決めておいてください。
2つ目に、1つ目と逆のパターンで、必要以上のコンタクトをとってしまうケースです。一人目のインサイドセールスが架電して100%お断りだったにもかかわらず、二人目のインサイドセールスが再度架電してしまっては、お断りされた顧客からのクレームにつながりかねません。対応したリードについてはきちんと記録し、他のメンバーとの連携ミスを減らしましょう。
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あとで面倒なことにならないために、取材時に注意しておくことがあります。記事を書く段階になってからそれに気づくと、そのためにまた取材相手に確認する必要がでてきたりして、余計な負担にもなります。
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まず、写真を撮影するときは、必ず相手の了解をとってください。町の様子や通りなどを撮る場合はいいですが、特に相手本人や関係者など、顔が写って個人が特定される場合は絶対です。
また、たとえば建物の外観や内観、所有物など、個人に属するものを撮る場合も同じです。撮影の許可とともに、掲載していいかどうかを合わせて聞くようにします。
もう一つ。取材のやりとりを録音する場合も同様に一言断ります。自分が話したことが100%記録されているとなると、黙って録音された場合、決していい気はしません。
また、資料などもどこまで内容を記載していいのか、ものによっては確認しておいたほうがいいでしょう。
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Q:たくさんの記事をアップした方がいいのか、渾身の一発の記事をあげたほうがいいのか。どちらでしょうか。
A:これは商材やペルソナにもよるかと思いますが、B2Bの高単価の商材の場合、それほどコンテンツの数は必要ないケースも多いというのが私の印象です。低品質のコンテンツを大量に生産するのは最悪です。ニーズに応えた、質の高いコンテンツを無理のないペースで投稿していくことをおすすめします。
また、コンテンツを新規でどんどん投稿していくのもいいのですが、それ以上に既存記事の更新も重要です。支持されているコンテンツについて、キーワードを解析して、新たなh2を追加してみてください。新しいニュースや、新たに信頼できるソースが見つかれば、その要素を付け加えてもよいでしょう。コンテンツは出して終わりではないのです。(田中)
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・毎日新聞「モリシの熊本通信」月1回
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・Yahoo!ニュース個人「田中森士熊本の論点」
http://person.news.yahoo.co.jp/tanakashinji/
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・発行責任者:株式会社クマベイス 代表取締役CEO 田中森士
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