週刊クマベイス「地方企業の戦い方」Vol.142
2019/08/07 (Wed) 15:00
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国内のパイが縮小する中、地方企業が生き抜いていくための「武器」が手に入るメールマガジンです。
Web戦略、テクノロジー、広告、広報などの最新動向やテクニックを、元新聞記者でデジタルマーケティングの専門家・田中森士(株式会社クマベイス)と豪華執筆陣がお伝えします。
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週刊クマベイス「地方企業の戦い方」
2019年8月6日発行(Vol.142)
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<目次>
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… 1. マーケティング & IT 最前線
… 2. ストーリーテリング実践講座
… 3. インサイドセールスの魔力
… 4. ジャーナリスティック・アプローチのコンテンツ制作
… 5. Q&A
… 6. メディア情報
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■1. マーケティング & IT 最前線
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クマベイスCEOの田中森士が、地方企業にとって役立つ、コンテンツマーケティングやITの最新ニュースやトレンド、PRについて解説します。
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南米ボリビア・サンフアン日本人移住地に滞在していました。
今年は南米に日本人が移住し始めてから120周年の年。今から60年ほど前に集団移住が始まった同移住地は当初、「犬も通わぬ」と称されるほど過酷な環境でした。それでも団結して米栽培や養鶏に取り組んできた彼らは、今ではボリビア全土の食卓を支える存在となっています。
移住地までは、ボリビア・サンタクルス県の県都、サンタクルス市から車で2時間半ほど。南北36キロメートルの細長い形状をした移住地では現在、広大な農地で米や小麦などが栽培されています。響きが盆踊りなどの行事も活発で、すれ違う日系人は笑顔で「こんにちは」と挨拶をしてくれます。日本から飛行機を乗り継ぎ丸2日間かけてようやくたどり着いた、文字通り地球の反対側。その地に「古き良き日本」が残っていることを嬉しく思いました。
実はこの移住地、長崎や熊本など九州出身者が多いことから、九州の一部の方言が「サンフアン弁」として使われています。「知らん」「せんといけん」「しとったタイ」。20代の3世たちが馴染みあるイントネーションで会話しているのにつられて、私も気がつけば熊本弁で会話していました。そしてそれが普通に通じるのです。中心部には何軒かの日本料理店もあり、ちゃんぽんが出てきた時にはさすがに自分が九州にいるものと錯覚しました。
現在、サンフアンでは「3つの危機」が叫ばれています。すなわち、農作物価格の下落、日本文化の継承、若い世代の流出です。作物価格の下落や人件費の上昇によって、「ほぼ唯一の産業」とも言える農業が今、大打撃を受けています。例年6~7月は鶏卵の価格が上昇するのですが、今年はむしろ下落傾向。農家の収入は大きく減少したといいます。また、若い世代の誕生によって、日本文化の継承が難しくなっているともいいます。さらには、産業が農業しかないがためにほとんどの若者がサンフアンの外に進学している実態があります。
地域を支えるはずの若い世代が地域外に出てしまうことは、農業が基幹産業である地域の宿命なのかもしれません。若い世代を地域に根付かせるためには、魅力ある産業を生み出すこと、そして地元が持つ価値や魅力を「翻訳」して伝え続けることが何より重要なのだと感じます。日本の地方都市にも似た課題を抱えるサンフアンは今、転換点に来ています。
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■2. ストーリーテリング実践講座
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米国のコンテンツマーケティング業界で注目を集めるストーリーテリング。滞在時間が延びたり、エンゲージメントを高めたりと、その効果の数々が報告されています。しかしながら、どのようなステップを踏めばよいのか、日本ではまだ認知されていないのが現状です。本連載は、ストーリーテリングの研究に取り組むクマベイスCEOの田中森士が、ストーリーテリングの導入方法について、やさしく解説します。
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コンテンツマーケティングにおけるストーリーテリングとは、単に物語をつむげばいいというものではありません。適切なCTAとゴール設定がなければ、それは自己満足に終わってしまいます。今回は、適切なCTAについて考えてみましょう。
CTAとは、Call To Action(コール・トゥ・アクション)を意味する単語です。どういった行動を喚起したいのか、あらかじめ設定しておくもので、ボタンやリンクのクリックであるケースが大半です。
ボタンで一般的なものは、例えば「資料請求」や「資料ダウンロード」と書かれたものが想定されます。リンクの場合、関連記事やその他関連ページへの導線とするのもよいでしょう。
ストーリーテリングコンテンツの場合、コンテンツ中にいきなり「資料請求はこちらから」などのボタンがあると、読者は興ざめしてしまいます。物語に没入している読者を、途中で現実に連れ戻すべきではありません。
オススメは、コンテンツの最下部に例えば「ブランドヒストリー」や「プロダクトストーリー」などのCTAボタンを配置して、物語から現実へと突然引き戻すことは避けるやりかたです。「ブランドヒストリー」や「プロダクトストーリー」は、それまでのストーリーテリングコンテンツからコンバージョンに近いコンテンツへと橋渡しをするものです。自然な形で、マーケティングファネルの下部へと誘導できる、必勝パターンといえるでしょう。
この話は次回に続きます。
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■3. インサイドセールスの魔力
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BtoBコンテンツマーケティングと切っても切れない関係にあるのが、インサイドセールスです。マーケティングファネルに上手くハマったとて、クロージングは営業担当がやるしかない。しかしながら、人員にも限りがある。そうした状況を背景に、インサイドセールスの重要性が高まっています。本連載では、インサイドセールスの鬼・YUHOが、インサイドセールスの独自のノウハウを、皆さんに伝授します。
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インサイドセールスは、安定したCV(コンバージョン)獲得を目指す際にも有効です。
インサイドセールスはコンバージョンの予想が立てやすいことも特徴の1つ。精緻なコンバージョンの予想をするためには、これまでのセールスの活動についてツールなどを利用し、データを取っておくことが最低限必要です。営業している製品やサービスの流行、社会問題などの外的要因があまりにも大きく作用しない限り、ほぼ正確なコンバージョン予想を立てることができます。
記録しておくデータは主に、顧客属性と、その顧客に対して行ったアクション、そのアクションに対する顧客からの反応です。
まず、コンバージョン予測を立てるために打ち出すコンテンツや広告、顧客からの問い合わせフォーマットの大きな変化がないかを確認します。次に製品やサービスにもよりますが、問い合わせの多くなる時期と少なくなる時期を確認します。そして、問い合わせてきた見込み顧客に対するアクションの予定を並べ(例:確度Aの顧客にはWeb会議とDM、確度Bの見込み顧客には電話とDM、など)、そこからコンバージョン率を導き出します。
ここであらかじめ予定している見込み顧客に対するアクションを100%以上実行することができれば、予想よりも多くのコンバージョンを出すことができると見込むことができるのです。何より重要なのは、データの活用についてPDCAを回すこと。すぐに正解に行き着くことはありませんが、高速でPDCAを回せば確度はどんどん向上していきますよ。
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■4. ジャーナリスティック・アプローチのコンテンツ制作
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米国のコンテンツマーケティング業界では、ジャーナリズム業界のノウハウを学び、それをコンテンツ制作に取り入れる動きが活発化しています。本連載では、新聞記者がどのように取材し、それを記事にしているのか、長きにわたって新聞業界に身を置いてきたカサケンが解説します。
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前回、若手の新聞記者は「洗礼」を受けると書きました。その中で決定的なのは誤報です。
誤報したことがないと断言できる新聞記者は滅多にいないでしょう。ちなみにここでいう誤報とは記事執筆の際、人の氏名などの固有名詞や過去の事実関係を引用する際に間違うことを指しています。事実関係を捻じ曲げたり、捏造したりするのは虚報です。ここでは誤報と虚報を区別します。
私も地方支局勤務時代に誤報を出してしまいました。それは未明に発生した交通死亡事故の記事。当時、交通死亡事故が起きると警察から支局に連絡が入ることになっていました。
事故が起きた当日、すでに自宅で就寝していましたが、支局で泊まり勤務をしていた先輩記者から「複数の死者が出ている交通事故が起きた」との連絡が入りました。さっそく自宅から車に乗って事故現場に向かって到着すると警察が現場検証をしています。ところがまだ他社の記者は到着していません。要するに一番乗りです。
現場には地元の警察署長も駆けつけていました。署長や現場検証をしている警官から事故の状況を取材。事故に驚いて現場にやってきた付近の住民らの話を聞いた後、亡くなった人の人柄を記事にし、顔写真を入手するため親族や友人らの自宅を次々と訪問。亡くなった人の顔写真も入手できました。
支局に戻って執筆した記事は社会面と県版に掲載されましたが、翌日に暗転します。亡くなった人の住所が間違っていました。事故現場で取材した際、警察官が書き込んでいた資料から住所を取材メモに書き写すときに間違ったのです。結局、新聞には訂正記事が掲載されました。
単純なミスとはいえ、まさに痛恨の極みです。人生で初めての訂正記事でした。
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■5. Q&A
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※Markezine Dayでいただいた質問に詳しくお答えしております!
中小企業が地方で戦う上での悩みや相談に、メルマガ編集部が総力を上げて答えるコーナーです。HPやSNS、オウンドメディアの運用から、人間関係まで、どしどしご質問をお寄せください。ご質問はこちらから→kumabase@kumabase.com
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Q:現場と決裁権を持つ層との(コンテンツマーケティングに対する認識の)ギャップ。 現場ではいくら理解されてることでも、決裁権を持つ層に理解されないが故に予算が下りないことも。ここは説得を努力するしかないのでしょうか?
A:コンテンツマーケティングはすぐに結果が出るものでもありませんし、「マーケティング=刈り取り型の施策」だと思っている方々には、理解してもらうのは難しいかもしれませんね。経験則ですが、組織の上層部がコンテンツマーケティングについてある程度理解を示していない場合、そもそも取り組みを始めること自体が難しいと思います。たとえ頑張って説得して渋々納得してもらったとしても、平和な環境で取り組むことができず、その空気は読者にも伝わってしまうでしょう。「空気感」は思いのほか重要なのです。
もしどうしてもコンテンツマーケティングに取り組みたいというのであれば、小さな小さな予算で始め、そこから結果を積み上げていくしかないと思います。ここで言う結果とは、CV数に限りません。Buzzsumoなどのツールを使い、ソーシャルリスニングすることで、質的なポジティブなデータを集めることもできます。これらも「結果」として積極的に社内に伝えていきましょう。
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■6. メディア情報
Forbes JAPAN「世界を歩いて見つけたマーケティングのヒント」
https://forbesjapan.com/articles/detail/25024
・コンテンツマーケティングラボ「中小B2B企業のコンテンツマーケティング講座」
https://contentmarketinglab.jp/application-method/content-marketing-for-sme-vol1/
・毎日新聞「モリシの熊本通信」月1回
http://buff.ly/2fUSenp
・Yahoo!ニュース個人「田中森士 熊本の論点」
http://person.news.yahoo.co.jp/tanakashinji/
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・クマベイスHP : https://kumabase.com/
・編集・発行元:株式会社クマベイス : https://kumabase.com/
・発行責任者:株式会社クマベイス 代表取締役CEO 田中森士
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週刊クマベイス「地方企業の戦い方」
2019年8月6日発行(Vol.142)
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【2019年8月6日】
国内のパイが縮小する中、地方企業が生き抜いていくための「武器」が手に入るメールマガジンです。
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週刊クマベイス「地方企業の戦い方」
2019年8月6日発行(Vol.142)
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<目次>
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… 1. マーケティング & IT 最前線
… 2. ストーリーテリング実践講座
… 3. インサイドセールスの魔力
… 4. ジャーナリスティック・アプローチのコンテンツ制作
… 5. Q&A
… 6. メディア情報
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■1. マーケティング & IT 最前線
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クマベイスCEOの田中森士が、地方企業にとって役立つ、コンテンツマーケティングやITの最新ニュースやトレンド、PRについて解説します。
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南米ボリビア・サンフアン日本人移住地に滞在していました。
今年は南米に日本人が移住し始めてから120周年の年。今から60年ほど前に集団移住が始まった同移住地は当初、「犬も通わぬ」と称されるほど過酷な環境でした。それでも団結して米栽培や養鶏に取り組んできた彼らは、今ではボリビア全土の食卓を支える存在となっています。
移住地までは、ボリビア・サンタクルス県の県都、サンタクルス市から車で2時間半ほど。南北36キロメートルの細長い形状をした移住地では現在、広大な農地で米や小麦などが栽培されています。響きが盆踊りなどの行事も活発で、すれ違う日系人は笑顔で「こんにちは」と挨拶をしてくれます。日本から飛行機を乗り継ぎ丸2日間かけてようやくたどり着いた、文字通り地球の反対側。その地に「古き良き日本」が残っていることを嬉しく思いました。
実はこの移住地、長崎や熊本など九州出身者が多いことから、九州の一部の方言が「サンフアン弁」として使われています。「知らん」「せんといけん」「しとったタイ」。20代の3世たちが馴染みあるイントネーションで会話しているのにつられて、私も気がつけば熊本弁で会話していました。そしてそれが普通に通じるのです。中心部には何軒かの日本料理店もあり、ちゃんぽんが出てきた時にはさすがに自分が九州にいるものと錯覚しました。
現在、サンフアンでは「3つの危機」が叫ばれています。すなわち、農作物価格の下落、日本文化の継承、若い世代の流出です。作物価格の下落や人件費の上昇によって、「ほぼ唯一の産業」とも言える農業が今、大打撃を受けています。例年6~7月は鶏卵の価格が上昇するのですが、今年はむしろ下落傾向。農家の収入は大きく減少したといいます。また、若い世代の誕生によって、日本文化の継承が難しくなっているともいいます。さらには、産業が農業しかないがためにほとんどの若者がサンフアンの外に進学している実態があります。
地域を支えるはずの若い世代が地域外に出てしまうことは、農業が基幹産業である地域の宿命なのかもしれません。若い世代を地域に根付かせるためには、魅力ある産業を生み出すこと、そして地元が持つ価値や魅力を「翻訳」して伝え続けることが何より重要なのだと感じます。日本の地方都市にも似た課題を抱えるサンフアンは今、転換点に来ています。
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■2. ストーリーテリング実践講座
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米国のコンテンツマーケティング業界で注目を集めるストーリーテリング。滞在時間が延びたり、エンゲージメントを高めたりと、その効果の数々が報告されています。しかしながら、どのようなステップを踏めばよいのか、日本ではまだ認知されていないのが現状です。本連載は、ストーリーテリングの研究に取り組むクマベイスCEOの田中森士が、ストーリーテリングの導入方法について、やさしく解説します。
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コンテンツマーケティングにおけるストーリーテリングとは、単に物語をつむげばいいというものではありません。適切なCTAとゴール設定がなければ、それは自己満足に終わってしまいます。今回は、適切なCTAについて考えてみましょう。
CTAとは、Call To Action(コール・トゥ・アクション)を意味する単語です。どういった行動を喚起したいのか、あらかじめ設定しておくもので、ボタンやリンクのクリックであるケースが大半です。
ボタンで一般的なものは、例えば「資料請求」や「資料ダウンロード」と書かれたものが想定されます。リンクの場合、関連記事やその他関連ページへの導線とするのもよいでしょう。
ストーリーテリングコンテンツの場合、コンテンツ中にいきなり「資料請求はこちらから」などのボタンがあると、読者は興ざめしてしまいます。物語に没入している読者を、途中で現実に連れ戻すべきではありません。
オススメは、コンテンツの最下部に例えば「ブランドヒストリー」や「プロダクトストーリー」などのCTAボタンを配置して、物語から現実へと突然引き戻すことは避けるやりかたです。「ブランドヒストリー」や「プロダクトストーリー」は、それまでのストーリーテリングコンテンツからコンバージョンに近いコンテンツへと橋渡しをするものです。自然な形で、マーケティングファネルの下部へと誘導できる、必勝パターンといえるでしょう。
この話は次回に続きます。
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■3. インサイドセールスの魔力
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BtoBコンテンツマーケティングと切っても切れない関係にあるのが、インサイドセールスです。マーケティングファネルに上手くハマったとて、クロージングは営業担当がやるしかない。しかしながら、人員にも限りがある。そうした状況を背景に、インサイドセールスの重要性が高まっています。本連載では、インサイドセールスの鬼・YUHOが、インサイドセールスの独自のノウハウを、皆さんに伝授します。
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インサイドセールスは、安定したCV(コンバージョン)獲得を目指す際にも有効です。
インサイドセールスはコンバージョンの予想が立てやすいことも特徴の1つ。精緻なコンバージョンの予想をするためには、これまでのセールスの活動についてツールなどを利用し、データを取っておくことが最低限必要です。営業している製品やサービスの流行、社会問題などの外的要因があまりにも大きく作用しない限り、ほぼ正確なコンバージョン予想を立てることができます。
記録しておくデータは主に、顧客属性と、その顧客に対して行ったアクション、そのアクションに対する顧客からの反応です。
まず、コンバージョン予測を立てるために打ち出すコンテンツや広告、顧客からの問い合わせフォーマットの大きな変化がないかを確認します。次に製品やサービスにもよりますが、問い合わせの多くなる時期と少なくなる時期を確認します。そして、問い合わせてきた見込み顧客に対するアクションの予定を並べ(例:確度Aの顧客にはWeb会議とDM、確度Bの見込み顧客には電話とDM、など)、そこからコンバージョン率を導き出します。
ここであらかじめ予定している見込み顧客に対するアクションを100%以上実行することができれば、予想よりも多くのコンバージョンを出すことができると見込むことができるのです。何より重要なのは、データの活用についてPDCAを回すこと。すぐに正解に行き着くことはありませんが、高速でPDCAを回せば確度はどんどん向上していきますよ。
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■4. ジャーナリスティック・アプローチのコンテンツ制作
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米国のコンテンツマーケティング業界では、ジャーナリズム業界のノウハウを学び、それをコンテンツ制作に取り入れる動きが活発化しています。本連載では、新聞記者がどのように取材し、それを記事にしているのか、長きにわたって新聞業界に身を置いてきたカサケンが解説します。
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前回、若手の新聞記者は「洗礼」を受けると書きました。その中で決定的なのは誤報です。
誤報したことがないと断言できる新聞記者は滅多にいないでしょう。ちなみにここでいう誤報とは記事執筆の際、人の氏名などの固有名詞や過去の事実関係を引用する際に間違うことを指しています。事実関係を捻じ曲げたり、捏造したりするのは虚報です。ここでは誤報と虚報を区別します。
私も地方支局勤務時代に誤報を出してしまいました。それは未明に発生した交通死亡事故の記事。当時、交通死亡事故が起きると警察から支局に連絡が入ることになっていました。
事故が起きた当日、すでに自宅で就寝していましたが、支局で泊まり勤務をしていた先輩記者から「複数の死者が出ている交通事故が起きた」との連絡が入りました。さっそく自宅から車に乗って事故現場に向かって到着すると警察が現場検証をしています。ところがまだ他社の記者は到着していません。要するに一番乗りです。
現場には地元の警察署長も駆けつけていました。署長や現場検証をしている警官から事故の状況を取材。事故に驚いて現場にやってきた付近の住民らの話を聞いた後、亡くなった人の人柄を記事にし、顔写真を入手するため親族や友人らの自宅を次々と訪問。亡くなった人の顔写真も入手できました。
支局に戻って執筆した記事は社会面と県版に掲載されましたが、翌日に暗転します。亡くなった人の住所が間違っていました。事故現場で取材した際、警察官が書き込んでいた資料から住所を取材メモに書き写すときに間違ったのです。結局、新聞には訂正記事が掲載されました。
単純なミスとはいえ、まさに痛恨の極みです。人生で初めての訂正記事でした。
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■5. Q&A
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※Markezine Dayでいただいた質問に詳しくお答えしております!
中小企業が地方で戦う上での悩みや相談に、メルマガ編集部が総力を上げて答えるコーナーです。HPやSNS、オウンドメディアの運用から、人間関係まで、どしどしご質問をお寄せください。ご質問はこちらから→kumabase@kumabase.com
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Q:現場と決裁権を持つ層との(コンテンツマーケティングに対する認識の)ギャップ。 現場ではいくら理解されてることでも、決裁権を持つ層に理解されないが故に予算が下りないことも。ここは説得を努力するしかないのでしょうか?
A:コンテンツマーケティングはすぐに結果が出るものでもありませんし、「マーケティング=刈り取り型の施策」だと思っている方々には、理解してもらうのは難しいかもしれませんね。経験則ですが、組織の上層部がコンテンツマーケティングについてある程度理解を示していない場合、そもそも取り組みを始めること自体が難しいと思います。たとえ頑張って説得して渋々納得してもらったとしても、平和な環境で取り組むことができず、その空気は読者にも伝わってしまうでしょう。「空気感」は思いのほか重要なのです。
もしどうしてもコンテンツマーケティングに取り組みたいというのであれば、小さな小さな予算で始め、そこから結果を積み上げていくしかないと思います。ここで言う結果とは、CV数に限りません。Buzzsumoなどのツールを使い、ソーシャルリスニングすることで、質的なポジティブなデータを集めることもできます。これらも「結果」として積極的に社内に伝えていきましょう。
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■6. メディア情報
Forbes JAPAN「世界を歩いて見つけたマーケティングのヒント」
https://forbesjapan.com/articles/detail/25024
・コンテンツマーケティングラボ「中小B2B企業のコンテンツマーケティング講座」
https://contentmarketinglab.jp/application-method/content-marketing-for-sme-vol1/
・毎日新聞「モリシの熊本通信」月1回
http://buff.ly/2fUSenp
・Yahoo!ニュース個人「田中森士 熊本の論点」
http://person.news.yahoo.co.jp/tanakashinji/
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・クマベイスHP : https://kumabase.com/
・編集・発行元:株式会社クマベイス : https://kumabase.com/
・発行責任者:株式会社クマベイス 代表取締役CEO 田中森士
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週刊クマベイス「地方企業の戦い方」
2019年8月6日発行(Vol.142)
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【2019年8月6日】