週刊クマベイス「地方企業の戦い方」Vol.141
2019/07/31 (Wed) 18:48
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国内のパイが縮小する中、地方企業が生き抜いていくための「武器」が手に入るメールマガジンです。
Web戦略、テクノロジー、広告、広報などの最新動向やテクニックを、元新聞記者でデジタルマーケティングの専門家・田中森士(株式会社クマベイス)と豪華執筆陣がお伝えします。
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週刊クマベイス「地方企業の戦い方」
2019年7月31日発行(Vol.141)
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<目次>
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… 1. マーケティング & IT 最前線
… 2. ストーリーテリング実践講座
… 3. インサイドセールスの魔力
… 4. ジャーナリスティック・アプローチのコンテンツ制作
… 5. Q&A
… 6. メディア情報
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■1. マーケティング & IT 最前線
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クマベイスCEOの田中森士が、地方企業にとって役立つ、コンテンツマーケティングやITの最新ニュースやトレンド、PRについて解説します。
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南米ボリビア・ラパス市民の新たな足として活躍するロープウェイ。どのようなものか、実際に乗ってみました。
標高3640メートルのラパスは、山に囲まれたお椀のような形状の土地の中に、赤茶色の建物が並ぶ景観が特徴的な都市です。そのなかにあって、ロープウェイは駅舎を含め設備が近未来的。非常に目立ちます。また、路線ごとに紫や黄など色分けされており、言葉が分からなくとも一目でどの路線か分かります。
運賃は一駅につき3ボリビアーノ(約45円)で、乗り継ぎは同2ボリビアーノ(約30円)。朝夕のラッシュ時は混雑するようです。中国と非常に近い関係にあるボリビア。ロープウェイも例にたがわず中国の支援によって建設されているそうです。
鉄道と比較して圧倒的に早く開業できるというこのロープウェイは、なんと1路線につき1年ほどで完成するのだとか。住宅地に新たな支柱が次々と建設されていく様子は、先進国ではプライバシー問題などを盾になかなかお目にかかれないだろうなと感じます。
みるみる増えた路線によって、今では乗り継いで街をぐるりと一周できるようになりました。ただしスピードが思ったより早いので恐怖を感じます。最近、大雨によって支柱のすぐ近くでがけ崩れが起きたそうです。もちろん安全が最も大切ですが、それにしてもこのスピード感は、素晴らしい。10年前に訪れた私の知るラパスは、もうどこにもありません。
東南アジアや中国もそうですが、成長著しい国はとにっかうスピード感が違います。大好きな日本ですが、その点が少し寂しく、かつもう成長は期待できないのだろうという諦めの気持ちも湧いてくるのです。少しセンチメンタルな気持ちになったラパスのロープウェイ体験でした。
…………………………
■2. ストーリーテリング実践講座
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米国のコンテンツマーケティング業界で注目を集めるストーリーテリング。滞在時間が延びたり、エンゲージメントを高めたりと、その効果の数々が報告されています。しかしながら、どのようなステップを踏めばよいのか、日本ではまだ認知されていないのが現状です。本連載は、ストーリーテリングの研究に取り組むクマベイスCEOの田中森士が、ストーリーテリングの導入方法について、やさしく解説します。
:::::::::::::::::::::::::::::::::
先週お伝えしたTED。ストーリーの組み立てが勉強になるとお伝えしましたが、もう一つ学べることがあります。それは、「どこで語るか」という点です。
TEDのセットを見ると分かりますが、真ん中に小さめのステージがあり、それを取り囲むように座席が配置されています。そして、座席は照明が落とされており、ステージにスポットライトが当たっています。
こうしたドラマティックなセットによって、聴衆は「これから素晴らしいストーリーのプレゼンが始まるんだ!」と心踊るわけです。
このように、「どこで語るか」という部分は、ストーリーテリングにおいて実はストーリーそのものと同じくらい重要です。ストーリーがとても明るい内容であっても、暗い場所や暗いビジュアルのオウンドメディアで語ったのであれば、そもそも聞く耳をもってもらえないでしょう。
つまり、舞台とストーリーのトンマナを合わせる必要があるのです。これはストーリーテリングにおいて普遍的なものですが、これまであまり語られてきませんでした。
もしお金をかけたストーリーテリングコンテンツが効果を発揮していないのであれば、一度立ち止まって「舞台」を見直して見るとよいかもしれません。
…………………………
■3. インサイドセールスの魔力
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BtoBコンテンツマーケティングと切っても切れない関係にあるのが、インサイドセールスです。マーケティングファネルに上手くハマったとて、クロージングは営業担当がやるしかない。しかしながら、人員にも限りがある。そうした状況を背景に、インサイドセールスの重要性が高まっています。本連載では、インサイドセールスの鬼・YUHOが、インサイドセールスの独自のノウハウを、皆さんに伝授します。
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営業職は人員不足の影響を大きく受けるため、ひとりひとりの負担が大きくなりがちです。人手不足で見込み客とのコミュニケーションが十分にとれない時、インサイドセールスが活躍します。
インサイドセールス、フィールドセールス問わず、1つのコンバージョン獲得のために必要以上のコミュニケーションコストをかけることは望ましくありません。インサイドセールスでまず見込み客の確度の高さをはっきりさせることが何より重要です。コンバージョンまでに必要な作業工数の予測を立て、必要なコンタクトは必ずとるようにメンバー間の役割分担をすることで、コンバージョン率を高めることができるのです。
見込み客の確度をはっきりつけたとしても、あまりにも見込み客が多い場合は、対応しきれないこともあります。その場合は対応できないリードを放置してしまうのではなく、見込み客が自らコンバージョンに飛び込んでくれるようなフローをあらかじめ作っておくことが効果的です。
例えば、情報収集の次のステップをやさしく解説したメールマガジンを定期的に送付する、顧客の状況に合わせた詳細資料を紹介するなどが一般的です。このような定期的な情報提供作業は、マーケティングオートメーションツールで自動的に行うことができます。
しかし、あくまでも自動メールなので、見込顧客それぞれに向けたメッセージを送ることはできず、不親切な印象を持たれてしまう可能性があります。メールの文面やレイアウトを見て不親切だと受け取られないような案内や、挨拶文章を挿入するなどの工夫をすることを忘れないでください。
…………………………
■4. ジャーナリスティック・アプローチのコンテンツ制作
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米国のコンテンツマーケティング業界では、ジャーナリズム業界のノウハウを学び、それをコンテンツ制作に取り入れる動きが活発化しています。本連載では、新聞記者がどのように取材し、それを記事にしているのか、長きにわたって新聞業界に身を置いてきたカサケンが解説します。
:::::::::::::::::::::::::::::::::
新聞記者はいくつかの「洗礼」を浴びます。特に地方支局に配属されて間もない駆け出しのころに受けた記憶は鮮明に残ります。
もちろん、他紙に特ダネを抜かれるのがその最たるケースです。特にその地域に手厚い取材網を持ち、県庁や警察などに太い人脈を形成している地元紙の記者の動きにはいつも戦々恐々としていました。県警や県庁内にあった記者クラブは大部屋で、各社にはその人員に応じて机が割り当てられていました。各社の机はせいぜいパーテーションで仕切られている程度で、隣や正面の他社の記者同士の会話は筒抜け状態でした。
ただ、電話をしていた他社の記者が急に声を潜めたり、記者クラブからスーッと姿が消えたと思っていた他社の記者が庁内の別フロアにあった公衆電話で話をしているのが分かったりすると、あっという間に不安に襲われてしまいます。地元紙の夕刊は午後4時ごろに配達されますが、印刷工場から遠く離れた地域に配られる早版はトラック輸送に時間がかかることから、もっと早い時間に刷り上がります。地元紙の記者が夕刊帯に妙な動きをしているのが分かると、早版を買うためわざわざ駅までタクシーで行ったこともありました。
今思い出すと恥ずかしい限りです。
すでにお分かりだと思いますが、新聞記者は本当に臆病です。笑顔を浮かべていたり、声を張り上げていたりしていても他社の記者の動きや取材相手の表情の変化などにいつもビクビクしています。県警や県庁幹部の自宅を夜に訪ねて取材する「夜回り」では、他社の記者とかち合うことがしばしばです。他社の記者の前で自分の手の内をさらすことはありません。
他社の記者も事情は同じです。必然的に夜回りはとりとめのない話に終始するか、禅問答のような会話になってしまいます。このため、県警幹部宅から帰路につくようなふりをして他社の記者が引き上げたのを確認し、再び県警幹部宅を訪問することもありました。もちろん、夜回りの度に取材相手にぶつけることができる新鮮な情報を握っているわけがありません。
ライバル他紙のほとんどが事実関係を把握しているのに、自分の社だけキャッチしていない「特オチ」になったら、デスクやキャップにこっぴどく怒られますから、最も警戒しなくてはなりません。県警や県庁の幹部らにぶつける情報もないのに特オチをする怖さで、夜回りをしていたことがありました。惰性で仕事をしていたといわれても反論はできません。
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■5. Q&A
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※Markezine Dayでいただいた質問に詳しくお答えしております!
中小企業が地方で戦う上での悩みや相談に、メルマガ編集部が総力を上げて答えるコーナーです。HPやSNS、オウンドメディアの運用から、人間関係まで、どしどしご質問をお寄せください。ご質問はこちらから→kumabase@kumabase.com
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Q:BtoBのコンテンツマーケティングとBtoCのコンテンツマーケティングの違いは何でしょうか?
A:最大の違いは、ペルソナの人数です。BtoBの場合、担当者、決済権者、使用者の3人設定する必要があるケースも多くなります。そして、それはすなわち3人分のカスタマージャーニーマップが必要だということなのです。コンテンツマーケティングはペルソナ設定やカスタマージャーニーマップ作成のフレームがあるものの、経験とファクトが必要です。そして、BtoBの場合、その度合いが格段に強くなります。
そしてもう一つ、コンテンツに到達した時点で、ニーズが顕在化している点も、BtoCとの違いでしょう。個人的には、BtoBの方がコンテンツマーケティングの成果が上がりやすいと感じています。
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■6. メディア情報
Forbes JAPAN「世界を歩いて見つけたマーケティングのヒント」
https://forbesjapan.com/articles/detail/25024
・コンテンツマーケティングラボ「中小B2B企業のコンテンツマーケティング講座」
https://contentmarketinglab.jp/application-method/content-marketing-for-sme-vol1/
・毎日新聞「モリシの熊本通信」月1回
http://buff.ly/2fUSenp
・Yahoo!ニュース個人「田中森士 熊本の論点」
http://person.news.yahoo.co.jp/tanakashinji/
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・クマベイスHP : https://kumabase.com/
・編集・発行元:株式会社クマベイス : https://kumabase.com/
・発行責任者:株式会社クマベイス 代表取締役CEO 田中森士
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週刊クマベイス「地方企業の戦い方」
2019年7月31日発行(Vol.141)
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【2019年7月31日】
国内のパイが縮小する中、地方企業が生き抜いていくための「武器」が手に入るメールマガジンです。
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2019年7月31日発行(Vol.141)
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<目次>
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… 1. マーケティング & IT 最前線
… 2. ストーリーテリング実践講座
… 3. インサイドセールスの魔力
… 4. ジャーナリスティック・アプローチのコンテンツ制作
… 5. Q&A
… 6. メディア情報
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■1. マーケティング & IT 最前線
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クマベイスCEOの田中森士が、地方企業にとって役立つ、コンテンツマーケティングやITの最新ニュースやトレンド、PRについて解説します。
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南米ボリビア・ラパス市民の新たな足として活躍するロープウェイ。どのようなものか、実際に乗ってみました。
標高3640メートルのラパスは、山に囲まれたお椀のような形状の土地の中に、赤茶色の建物が並ぶ景観が特徴的な都市です。そのなかにあって、ロープウェイは駅舎を含め設備が近未来的。非常に目立ちます。また、路線ごとに紫や黄など色分けされており、言葉が分からなくとも一目でどの路線か分かります。
運賃は一駅につき3ボリビアーノ(約45円)で、乗り継ぎは同2ボリビアーノ(約30円)。朝夕のラッシュ時は混雑するようです。中国と非常に近い関係にあるボリビア。ロープウェイも例にたがわず中国の支援によって建設されているそうです。
鉄道と比較して圧倒的に早く開業できるというこのロープウェイは、なんと1路線につき1年ほどで完成するのだとか。住宅地に新たな支柱が次々と建設されていく様子は、先進国ではプライバシー問題などを盾になかなかお目にかかれないだろうなと感じます。
みるみる増えた路線によって、今では乗り継いで街をぐるりと一周できるようになりました。ただしスピードが思ったより早いので恐怖を感じます。最近、大雨によって支柱のすぐ近くでがけ崩れが起きたそうです。もちろん安全が最も大切ですが、それにしてもこのスピード感は、素晴らしい。10年前に訪れた私の知るラパスは、もうどこにもありません。
東南アジアや中国もそうですが、成長著しい国はとにっかうスピード感が違います。大好きな日本ですが、その点が少し寂しく、かつもう成長は期待できないのだろうという諦めの気持ちも湧いてくるのです。少しセンチメンタルな気持ちになったラパスのロープウェイ体験でした。
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■2. ストーリーテリング実践講座
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米国のコンテンツマーケティング業界で注目を集めるストーリーテリング。滞在時間が延びたり、エンゲージメントを高めたりと、その効果の数々が報告されています。しかしながら、どのようなステップを踏めばよいのか、日本ではまだ認知されていないのが現状です。本連載は、ストーリーテリングの研究に取り組むクマベイスCEOの田中森士が、ストーリーテリングの導入方法について、やさしく解説します。
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先週お伝えしたTED。ストーリーの組み立てが勉強になるとお伝えしましたが、もう一つ学べることがあります。それは、「どこで語るか」という点です。
TEDのセットを見ると分かりますが、真ん中に小さめのステージがあり、それを取り囲むように座席が配置されています。そして、座席は照明が落とされており、ステージにスポットライトが当たっています。
こうしたドラマティックなセットによって、聴衆は「これから素晴らしいストーリーのプレゼンが始まるんだ!」と心踊るわけです。
このように、「どこで語るか」という部分は、ストーリーテリングにおいて実はストーリーそのものと同じくらい重要です。ストーリーがとても明るい内容であっても、暗い場所や暗いビジュアルのオウンドメディアで語ったのであれば、そもそも聞く耳をもってもらえないでしょう。
つまり、舞台とストーリーのトンマナを合わせる必要があるのです。これはストーリーテリングにおいて普遍的なものですが、これまであまり語られてきませんでした。
もしお金をかけたストーリーテリングコンテンツが効果を発揮していないのであれば、一度立ち止まって「舞台」を見直して見るとよいかもしれません。
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■3. インサイドセールスの魔力
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BtoBコンテンツマーケティングと切っても切れない関係にあるのが、インサイドセールスです。マーケティングファネルに上手くハマったとて、クロージングは営業担当がやるしかない。しかしながら、人員にも限りがある。そうした状況を背景に、インサイドセールスの重要性が高まっています。本連載では、インサイドセールスの鬼・YUHOが、インサイドセールスの独自のノウハウを、皆さんに伝授します。
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営業職は人員不足の影響を大きく受けるため、ひとりひとりの負担が大きくなりがちです。人手不足で見込み客とのコミュニケーションが十分にとれない時、インサイドセールスが活躍します。
インサイドセールス、フィールドセールス問わず、1つのコンバージョン獲得のために必要以上のコミュニケーションコストをかけることは望ましくありません。インサイドセールスでまず見込み客の確度の高さをはっきりさせることが何より重要です。コンバージョンまでに必要な作業工数の予測を立て、必要なコンタクトは必ずとるようにメンバー間の役割分担をすることで、コンバージョン率を高めることができるのです。
見込み客の確度をはっきりつけたとしても、あまりにも見込み客が多い場合は、対応しきれないこともあります。その場合は対応できないリードを放置してしまうのではなく、見込み客が自らコンバージョンに飛び込んでくれるようなフローをあらかじめ作っておくことが効果的です。
例えば、情報収集の次のステップをやさしく解説したメールマガジンを定期的に送付する、顧客の状況に合わせた詳細資料を紹介するなどが一般的です。このような定期的な情報提供作業は、マーケティングオートメーションツールで自動的に行うことができます。
しかし、あくまでも自動メールなので、見込顧客それぞれに向けたメッセージを送ることはできず、不親切な印象を持たれてしまう可能性があります。メールの文面やレイアウトを見て不親切だと受け取られないような案内や、挨拶文章を挿入するなどの工夫をすることを忘れないでください。
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■4. ジャーナリスティック・アプローチのコンテンツ制作
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米国のコンテンツマーケティング業界では、ジャーナリズム業界のノウハウを学び、それをコンテンツ制作に取り入れる動きが活発化しています。本連載では、新聞記者がどのように取材し、それを記事にしているのか、長きにわたって新聞業界に身を置いてきたカサケンが解説します。
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新聞記者はいくつかの「洗礼」を浴びます。特に地方支局に配属されて間もない駆け出しのころに受けた記憶は鮮明に残ります。
もちろん、他紙に特ダネを抜かれるのがその最たるケースです。特にその地域に手厚い取材網を持ち、県庁や警察などに太い人脈を形成している地元紙の記者の動きにはいつも戦々恐々としていました。県警や県庁内にあった記者クラブは大部屋で、各社にはその人員に応じて机が割り当てられていました。各社の机はせいぜいパーテーションで仕切られている程度で、隣や正面の他社の記者同士の会話は筒抜け状態でした。
ただ、電話をしていた他社の記者が急に声を潜めたり、記者クラブからスーッと姿が消えたと思っていた他社の記者が庁内の別フロアにあった公衆電話で話をしているのが分かったりすると、あっという間に不安に襲われてしまいます。地元紙の夕刊は午後4時ごろに配達されますが、印刷工場から遠く離れた地域に配られる早版はトラック輸送に時間がかかることから、もっと早い時間に刷り上がります。地元紙の記者が夕刊帯に妙な動きをしているのが分かると、早版を買うためわざわざ駅までタクシーで行ったこともありました。
今思い出すと恥ずかしい限りです。
すでにお分かりだと思いますが、新聞記者は本当に臆病です。笑顔を浮かべていたり、声を張り上げていたりしていても他社の記者の動きや取材相手の表情の変化などにいつもビクビクしています。県警や県庁幹部の自宅を夜に訪ねて取材する「夜回り」では、他社の記者とかち合うことがしばしばです。他社の記者の前で自分の手の内をさらすことはありません。
他社の記者も事情は同じです。必然的に夜回りはとりとめのない話に終始するか、禅問答のような会話になってしまいます。このため、県警幹部宅から帰路につくようなふりをして他社の記者が引き上げたのを確認し、再び県警幹部宅を訪問することもありました。もちろん、夜回りの度に取材相手にぶつけることができる新鮮な情報を握っているわけがありません。
ライバル他紙のほとんどが事実関係を把握しているのに、自分の社だけキャッチしていない「特オチ」になったら、デスクやキャップにこっぴどく怒られますから、最も警戒しなくてはなりません。県警や県庁の幹部らにぶつける情報もないのに特オチをする怖さで、夜回りをしていたことがありました。惰性で仕事をしていたといわれても反論はできません。
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Q:BtoBのコンテンツマーケティングとBtoCのコンテンツマーケティングの違いは何でしょうか?
A:最大の違いは、ペルソナの人数です。BtoBの場合、担当者、決済権者、使用者の3人設定する必要があるケースも多くなります。そして、それはすなわち3人分のカスタマージャーニーマップが必要だということなのです。コンテンツマーケティングはペルソナ設定やカスタマージャーニーマップ作成のフレームがあるものの、経験とファクトが必要です。そして、BtoBの場合、その度合いが格段に強くなります。
そしてもう一つ、コンテンツに到達した時点で、ニーズが顕在化している点も、BtoCとの違いでしょう。個人的には、BtoBの方がコンテンツマーケティングの成果が上がりやすいと感じています。
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・コンテンツマーケティングラボ「中小B2B企業のコンテンツマーケティング講座」
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・毎日新聞「モリシの熊本通信」月1回
http://buff.ly/2fUSenp
・Yahoo!ニュース個人「田中森士 熊本の論点」
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・編集・発行元:株式会社クマベイス : https://kumabase.com/
・発行責任者:株式会社クマベイス 代表取締役CEO 田中森士
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