指揮官の休日 No.082 特別支援学校との絆 その2
2018/06/22 (Fri) 06:30
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、No.090 JRと危機管理 を掲載しています。
新幹線車内で起きた無差別殺傷事件とJRの危機管理能力について考えています。
詳しくは、https://aegis-cms.co.jp/1195 をご覧ください。
No.082 特別支援学校との絆 その2
広島県呉市に所在する海上自衛隊のロジスティックス担当部隊が行った地元の特別支援学校への奉仕活動のお話しの続きです。
(前号はこちらかどうぞ メールマガジン「指揮官の休日 No.081 特別支援学校との絆 https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all&m=107)
草刈りやフェンスのペンキ塗りなどを続けていたところ、季節が夏になりました。
海上自衛隊の基地では海の記念日の前後に基地を開放し、船の一般公開などのイベントを行います。
呉地方総監部においても「サマーフェスタ」というネーミングで夏休みの子供たちを呼び込んでいろいろな催し物を行いました。
機雷除去専門のダイバーたちが運航するハイスピードの小型ボートの体験乗艇、手旗やロープワーク教室、地元のダンススタジオの生徒さんたちによるパフォーマンス、カレーライスの試食会など盛り沢山で、合間には音楽隊のコンサートがあり、在籍部隊がそれぞれの得意技を活かしていろいろなブースを運営するのです。
私が指揮官を務めていた部隊は補給や船の整備などが専門で、いろいろな専門家が揃っていましたので、子供科学教室を開き、面白い実験や工作などのブースを運営していました。
しかし私は私の部隊が以前から続けてきたこれらのイベントだけでは満足していませんでした。
私の脳裏にあったのは特別支援学校の子供たちでした。
彼らは「サマーフェスタ」のほとんどのイベントに参加できません。普通の学校に通う近所の子供たちが楽しめるのに彼らは指をくわえていなければならないのです。
私は彼らにも海を体験してもらいたいと思いました。
そこで私の部隊にいた若い防衛大学校出身の技術幹部を呼び出し、ヨットに乗ったことがあるかどうかを尋ねました。彼は防大在学中にヨットの訓練を受けており、また、都合がいいことに小型船舶操縦士の資格も持っていました。
これで話は決まりました。
私は特別支援学校の生徒たちを呉の港内のヨットによる体験クルージングに連れ出そうと考えたのです。
私のいた部隊は船を持っていませんでしたが、呉の向かい側にある江田島の幹部候補生学校が25フィートのヨットを持っていました。
私は幹部候補生学校長に私の計画を説明し、所要の期間、そのヨットを貸してくれるよう頼みました。候補生学校長が快諾してくれたので、ある日、私は若手の部下を10人ほど連れて江田島へ渡り、候補生学校で2隻のクルーザーを受け取って呉まで回航してきました。
そして支援学校に体験クルージングの計画を伝え、希望者を募るように頼みました。条件としては必ず父兄が一緒に乗ってくれること、父兄がダメなら学校から担任の先生が同乗して欲しいとだけ伝えました。
支援学校は大騒ぎになり、希望者が殺到したため、この機会を逃すと卒業してしまう高学年の生徒から順番に乗せることにしました。
一方、私の部隊ではヨットの訓練が始まりました。総員がカッターを漕ぐ訓練など小型艇の基本的な取り扱いについては訓練を受けていますが、ヨットの訓練は必ずしも総員が受けているとは限りません。
まして、今回は身体障害児を乗せるので細心の注意を払わなければなりません。
万全の準備を整えている時に大きな問題が生じました。
総監部がヨットの体験クルージングに合わせて、タグボートによる着色した水の放水を展示してくれることになりました。横浜港あたりでも外国の大型客船の入港歓迎でタグボートがカラーの放水をしていることがありますが、同じことを呉でも海上自衛隊のタグボートがやってくれることになったのです。
しかし、この放水を行うためには地元の海上保安部に一応の断りを入れなければなりません。
総監部の幕僚が地元保安部に説明に行ったところ、港内での体験クルージングは港則法に違反するので認められない、どうしてもやりたければ同じく呉にある海上保安大学校がヨットの訓練を行っている海面に行ってやるようにと言われたのだそうです。
担当幕僚が私のところへ顔色を変えて飛び込んできて、どうしましょうかと言うのです。
私には腹案がありましたので、これを問題とは考えていませんでした。
ただ、担当幕僚があまりにも心配そうな顔をしているので可哀そうになり、「俺が保安部に行ってくるから心配するな。」と言い残して保安部へ向かいました。
地元保安部に着いて担当者に面会を求めて話を聞くと、担当幕僚から伝えられたとおりでした。
私は担当者に港則法のどの条文が体験クルージングを禁じているのかを尋ねました。
もちろんそんな条文はありません。
担当者は海事六法をひっくり返していろいろと調べた挙句、急に明るい顔になり「帆船は港内では、帆を減じ又は引船を用いて航行しなければならない。」という条文を持ち出して、それを根拠にヨットの体験クルージングは認められないと主張するのです。
私は念を押しました。「港内でヨットで帆走することはできないのですね?」
担当者がそのとおりだというので、私は「帰って上司に報告するのでメモでいいからその旨を書いてくれ。」と頼むと1時間ほどかけてA4で1ページ半の文書を作ってくれました。
そこから私の逆襲が始まりました。
「保安部の指導のとおりに走るとすると海上保安大学校のヨットの訓練海面まで身体障害児を乗せて走ることになるが、当初の予定の護衛艦や潜水艦が係留されている岸壁付近を走るのではなく、フェリーが頻繁に出入りする呉港の航路を横切ることになる。25フィートのヨットがフェリーの引き波の中を走ったらどんな凄まじい揺れ方をするか担当者としても容易に想像ができるであろう。しかも乗っているのは身体障害児である。かえって危険な航路を走ることになるので、もし万一事故があった場合には、保安部の指導に従った結果である旨をコメントせざるを得ない。」
「そもそも風がほとんどない夏の瀬戸内海でヨットの体験航海を行うに際し、1時間ごとに乗艇者を交代しながら何組もの体験航海をしなければならないのに帆走だけで計画するつもりはない。エンジンを併用する。ということは当該ヨットは帆船ではなく、港則法、海上衝突予防法上は動力船となるので、港内を引き船を使って走らなければならないわけではない。」
「港則法上体験航海を区別する条文は存在しない。」云々
ここで担当者は参ったという顔をしたのですが、私が彼に書面を要求したのは別の魂胆があったからでした。
実は海上保安大学校がヨットの訓練に使っている海面も海図上のハーバーリミットの内側にあり、港則法上は呉港内なのです。
つまり、海上保安大学校のヨットは、海上保安庁に解釈では帆走をしてはならない海面で訓練をしているのです。私たちが使うクルーザーとは違い、エンジンなどついていない小さなディンギーなので、完全に違法なのです。
私は担当幕僚から保安部の主張を聞いた瞬間に、この論点で戦えると考えたので保安部の担当者に文書にすることを要求したのです。
私が担当者からもらった文書を手に、海上保安大学校は開校以来ずっと港則法に違反して訓練を続けてきたんですねぇ。海上保安庁というのも凄い組織ですねぇなどとのんびりしたことを喋っていたら、担当者は苦虫を噛み潰したような表情で、今回は許可しますと言い出しました。
しかし、それでは今後に禍根を残しますので、担当者に港則法の解釈の仕方を教授することにし、「今回は許可という話ではない。私たちは許可をもらわなければならない事業を行おうとしているのではない。勘違いするな。」として海上保安庁のウェブサイトに載っている海上保安庁の有権解釈について説明しました。海上自衛官が海上保安官に海上保安庁の見解を説明しているのですから傍から見ると不思議な光景なのですが、どこでもそうですが地方の小役人というのは前例だけで仕事をしているので根拠を知らないことが多いのです。
小一時間、言いたい放題喋って最後に「海上保安大学校の違法状態についてはこの際目をつぶってやる。」などととんでもないことを言い残して引き上げました。
さて、「サマーフェスタ」当日です。
開門を待ちかねて早くから来ていた当日招待のご家族が10組ほどやってきて順番を私の部隊の応接室で待つことになり、私たちは一組ずつをヨットに乗せ、海上保安庁が万一のためにと派遣してくれた巡視艇の側を通って護衛艦や潜水艦が泊っているすぐ近くまでヨットを寄せる港内クルーズを始めました。もちろん海上自衛隊のタグボートがオレンジやブルーの放水をしてくれます。
午後の一番目に来た子供さんにはさすがの私たちも息を飲みました。
ストレッチャーに乗ったまま船に乗せてくれというのです。
首の骨に問題があり、固定したままでなければ乗れないというのです。様子を見に来ていた総監部の幕僚は、さすがにこれは断った方がいいのではと言い出したのですが、私は自分の船に乗せることにしました。そのために自衛隊病院から医官にも来てもらっているのです。この機会を逃したらこの子がヨットに乗るなどという機会は二度とないはずです。
ご両親がついてきて乗せて欲しいと言っているということは、私たちが見るほど心配しなくてもいいのではないかという思いもありました。
恐る恐る船の上にストレッチャーを固定して、いよいよ舫いを放して動き始めた瞬間、その子がいきなり白目を剥いて泡を吹き始めたのでさすがに私はびっくりしたのですが、同乗している医官は動揺した様子がありません。
お母さんがニコニコして「この子がこんなにうれしそうなのは久しぶりです。」などというので、なんだ喜んでたんた・・と胸をなでおろしました。
このようにして各艇が5組ずつ、計10組の支援学校の生徒さんに海を体験してもらいました。
この時もっとも印象的だったのが、お母さんたちの嬉しそうな顔でした。
「ヨットなんて学生時代にボーイフレンドに乗せてもらって以来だわ!」などと思わず口走って御主人から「それは誰だ?」などと聞かれて大笑いしたり、とにかく彼女たちが嬉しそうなのです。
身体障害児の母親となってしまったことのプレッシャー、そして日常の介護の苦労などがいかにすさまじいものなのかがよく伝わってきて、私の部下たちにとってもいい経験になりました。
後日、教育の一環として書かせた所感文で、五体満足で自衛官となれたことがどれだけ有難いことなのかがよく分かったという者が多かったので、所期の教育目的は十分果たしたものと思いました。
繰り返しますが、これは私たちが社会貢献のために慈善事業を行ったのではなく、若い隊員たちを健全な自衛官として育てるための情操教育の一環だったのです。
退官して何年も経ちますが、この機会を作るのに協力して頂いた特別支援学校には今も感謝しています。
私たちを全面的に信頼してくれなければできないことだったはずなのです。
あの時、私たちと一緒に呉の海を眺めた子供たちがどのような光景を覚えていてくれるのかなぁなどと思うことがよくあります。
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専門コラム「指揮官の決断」掲載のご案内
No.090 JRと危機管理 を掲載しています。
新幹線の中でまた凶悪な事件が発生し、無差別殺人を行おうとした犯人を制止しようとした勇気ある男性が犠牲となりました。
新幹線においては以前にも放火により乗り合わせた乗客が犠牲となるという事件が発生しており、JRが予想していない形で新幹線の安全神話が崩れかけたところへ、車体にヒビが入って異音がしているにもかかわらず運行を続けるということが起こり、いよいよその安全性に疑問が投げかけられつつあったところでした。
この事件を報道したテレビ番組では、東京オリンピックを前にして何らかの対応をしなければ大変なことになるという論調が目立ち、様々な議論がなされていました。
続きはこちらからお読みください。
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新刊書案内
『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
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開催予定セミナーのご案内
スペシャルセミナー
――危機管理が人を育て、事業を伸ばす!――
「危機を機会に変えるクライシスマネジメントの5大戦略」
どうすれば危機に陥りにくい組織を作ることができるのか、危機的な状況に陥った場合に、毅然として対応できるようになるためにはどのような組織を作っておけばいいのかを、イージスクライシスマネジメントシステムを体系化した講師が語ります。
経営トップの皆様、役員、各部門の長の方々のご参加をお勧めします。
開催場所:ホテルグランドヒル市ヶ谷
東京都新宿区市ヶ谷本村町4-1
開催時期:決定次第お知らせします。
セミナー料金: ¥38,000 (返金保証)
内容にご不満の場合は、理由の如何を問わず全額を返金させていただきます。
エクゼクティブセミナー
――危機管理が人を育て、事業を伸ばす!――
「危機を機会に変える経営トップのための5大戦略」
どうすれば危機に陥りにくい組織を作ることができるのか、危機的な状況に陥った場合に、毅然として対応できるようになるためにはどのような組織を作っておけばいいのかを、イージスクライシスマネジメントシステムを体系化した講師が語ります。
スペシャルセミナーの内容を踏襲しつつ、特に経営トップのために企画されたセミナーです。部隊指揮官、企業の役員、経営者を経験している講師が、経営トップの皆様に特に伝えたい思いを語ります。
経営トップ、役員等の方々限定のセミナーです。
開催場所: 当社鎌倉極楽寺セミナーハウス
リゾート感覚溢れる湘南鎌倉の隠れ家的セミナーハウスです。
限定少人数で開催いたします。
(住所は公開しておりません。参加の方に個別にお知らせします。)
開催時期: 決定次第お知らせします。
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その他
特別開催: 経営トップの皆様が役員や担当者をお連れになり、チームで受講したいとお考えの場合は、上記の当社鎌倉極楽寺セミナーハウスのエクゼクティブセミナーをご利用ください。当社開催日以外であっても、日程の調整を承ります。
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私の脳裏にあったのは特別支援学校の子供たちでした。
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私は彼らにも海を体験してもらいたいと思いました。
そこで私の部隊にいた若い防衛大学校出身の技術幹部を呼び出し、ヨットに乗ったことがあるかどうかを尋ねました。彼は防大在学中にヨットの訓練を受けており、また、都合がいいことに小型船舶操縦士の資格も持っていました。
これで話は決まりました。
私は特別支援学校の生徒たちを呉の港内のヨットによる体験クルージングに連れ出そうと考えたのです。
私のいた部隊は船を持っていませんでしたが、呉の向かい側にある江田島の幹部候補生学校が25フィートのヨットを持っていました。
私は幹部候補生学校長に私の計画を説明し、所要の期間、そのヨットを貸してくれるよう頼みました。候補生学校長が快諾してくれたので、ある日、私は若手の部下を10人ほど連れて江田島へ渡り、候補生学校で2隻のクルーザーを受け取って呉まで回航してきました。
そして支援学校に体験クルージングの計画を伝え、希望者を募るように頼みました。条件としては必ず父兄が一緒に乗ってくれること、父兄がダメなら学校から担任の先生が同乗して欲しいとだけ伝えました。
支援学校は大騒ぎになり、希望者が殺到したため、この機会を逃すと卒業してしまう高学年の生徒から順番に乗せることにしました。
一方、私の部隊ではヨットの訓練が始まりました。総員がカッターを漕ぐ訓練など小型艇の基本的な取り扱いについては訓練を受けていますが、ヨットの訓練は必ずしも総員が受けているとは限りません。
まして、今回は身体障害児を乗せるので細心の注意を払わなければなりません。
万全の準備を整えている時に大きな問題が生じました。
総監部がヨットの体験クルージングに合わせて、タグボートによる着色した水の放水を展示してくれることになりました。横浜港あたりでも外国の大型客船の入港歓迎でタグボートがカラーの放水をしていることがありますが、同じことを呉でも海上自衛隊のタグボートがやってくれることになったのです。
しかし、この放水を行うためには地元の海上保安部に一応の断りを入れなければなりません。
総監部の幕僚が地元保安部に説明に行ったところ、港内での体験クルージングは港則法に違反するので認められない、どうしてもやりたければ同じく呉にある海上保安大学校がヨットの訓練を行っている海面に行ってやるようにと言われたのだそうです。
担当幕僚が私のところへ顔色を変えて飛び込んできて、どうしましょうかと言うのです。
私には腹案がありましたので、これを問題とは考えていませんでした。
ただ、担当幕僚があまりにも心配そうな顔をしているので可哀そうになり、「俺が保安部に行ってくるから心配するな。」と言い残して保安部へ向かいました。
地元保安部に着いて担当者に面会を求めて話を聞くと、担当幕僚から伝えられたとおりでした。
私は担当者に港則法のどの条文が体験クルージングを禁じているのかを尋ねました。
もちろんそんな条文はありません。
担当者は海事六法をひっくり返していろいろと調べた挙句、急に明るい顔になり「帆船は港内では、帆を減じ又は引船を用いて航行しなければならない。」という条文を持ち出して、それを根拠にヨットの体験クルージングは認められないと主張するのです。
私は念を押しました。「港内でヨットで帆走することはできないのですね?」
担当者がそのとおりだというので、私は「帰って上司に報告するのでメモでいいからその旨を書いてくれ。」と頼むと1時間ほどかけてA4で1ページ半の文書を作ってくれました。
そこから私の逆襲が始まりました。
「保安部の指導のとおりに走るとすると海上保安大学校のヨットの訓練海面まで身体障害児を乗せて走ることになるが、当初の予定の護衛艦や潜水艦が係留されている岸壁付近を走るのではなく、フェリーが頻繁に出入りする呉港の航路を横切ることになる。25フィートのヨットがフェリーの引き波の中を走ったらどんな凄まじい揺れ方をするか担当者としても容易に想像ができるであろう。しかも乗っているのは身体障害児である。かえって危険な航路を走ることになるので、もし万一事故があった場合には、保安部の指導に従った結果である旨をコメントせざるを得ない。」
「そもそも風がほとんどない夏の瀬戸内海でヨットの体験航海を行うに際し、1時間ごとに乗艇者を交代しながら何組もの体験航海をしなければならないのに帆走だけで計画するつもりはない。エンジンを併用する。ということは当該ヨットは帆船ではなく、港則法、海上衝突予防法上は動力船となるので、港内を引き船を使って走らなければならないわけではない。」
「港則法上体験航海を区別する条文は存在しない。」云々
ここで担当者は参ったという顔をしたのですが、私が彼に書面を要求したのは別の魂胆があったからでした。
実は海上保安大学校がヨットの訓練に使っている海面も海図上のハーバーリミットの内側にあり、港則法上は呉港内なのです。
つまり、海上保安大学校のヨットは、海上保安庁に解釈では帆走をしてはならない海面で訓練をしているのです。私たちが使うクルーザーとは違い、エンジンなどついていない小さなディンギーなので、完全に違法なのです。
私は担当幕僚から保安部の主張を聞いた瞬間に、この論点で戦えると考えたので保安部の担当者に文書にすることを要求したのです。
私が担当者からもらった文書を手に、海上保安大学校は開校以来ずっと港則法に違反して訓練を続けてきたんですねぇ。海上保安庁というのも凄い組織ですねぇなどとのんびりしたことを喋っていたら、担当者は苦虫を噛み潰したような表情で、今回は許可しますと言い出しました。
しかし、それでは今後に禍根を残しますので、担当者に港則法の解釈の仕方を教授することにし、「今回は許可という話ではない。私たちは許可をもらわなければならない事業を行おうとしているのではない。勘違いするな。」として海上保安庁のウェブサイトに載っている海上保安庁の有権解釈について説明しました。海上自衛官が海上保安官に海上保安庁の見解を説明しているのですから傍から見ると不思議な光景なのですが、どこでもそうですが地方の小役人というのは前例だけで仕事をしているので根拠を知らないことが多いのです。
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さて、「サマーフェスタ」当日です。
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午後の一番目に来た子供さんにはさすがの私たちも息を飲みました。
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首の骨に問題があり、固定したままでなければ乗れないというのです。様子を見に来ていた総監部の幕僚は、さすがにこれは断った方がいいのではと言い出したのですが、私は自分の船に乗せることにしました。そのために自衛隊病院から医官にも来てもらっているのです。この機会を逃したらこの子がヨットに乗るなどという機会は二度とないはずです。
ご両親がついてきて乗せて欲しいと言っているということは、私たちが見るほど心配しなくてもいいのではないかという思いもありました。
恐る恐る船の上にストレッチャーを固定して、いよいよ舫いを放して動き始めた瞬間、その子がいきなり白目を剥いて泡を吹き始めたのでさすがに私はびっくりしたのですが、同乗している医官は動揺した様子がありません。
お母さんがニコニコして「この子がこんなにうれしそうなのは久しぶりです。」などというので、なんだ喜んでたんた・・と胸をなでおろしました。
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この時もっとも印象的だったのが、お母さんたちの嬉しそうな顔でした。
「ヨットなんて学生時代にボーイフレンドに乗せてもらって以来だわ!」などと思わず口走って御主人から「それは誰だ?」などと聞かれて大笑いしたり、とにかく彼女たちが嬉しそうなのです。
身体障害児の母親となってしまったことのプレッシャー、そして日常の介護の苦労などがいかにすさまじいものなのかがよく伝わってきて、私の部下たちにとってもいい経験になりました。
後日、教育の一環として書かせた所感文で、五体満足で自衛官となれたことがどれだけ有難いことなのかがよく分かったという者が多かったので、所期の教育目的は十分果たしたものと思いました。
繰り返しますが、これは私たちが社会貢献のために慈善事業を行ったのではなく、若い隊員たちを健全な自衛官として育てるための情操教育の一環だったのです。
退官して何年も経ちますが、この機会を作るのに協力して頂いた特別支援学校には今も感謝しています。
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新幹線においては以前にも放火により乗り合わせた乗客が犠牲となるという事件が発生しており、JRが予想していない形で新幹線の安全神話が崩れかけたところへ、車体にヒビが入って異音がしているにもかかわらず運行を続けるということが起こり、いよいよその安全性に疑問が投げかけられつつあったところでした。
この事件を報道したテレビ番組では、東京オリンピックを前にして何らかの対応をしなければ大変なことになるという論調が目立ち、様々な議論がなされていました。
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開催場所:ホテルグランドヒル市ヶ谷
東京都新宿区市ヶ谷本村町4-1
開催時期:決定次第お知らせします。
セミナー料金: ¥38,000 (返金保証)
内容にご不満の場合は、理由の如何を問わず全額を返金させていただきます。
エクゼクティブセミナー
――危機管理が人を育て、事業を伸ばす!――
「危機を機会に変える経営トップのための5大戦略」
どうすれば危機に陥りにくい組織を作ることができるのか、危機的な状況に陥った場合に、毅然として対応できるようになるためにはどのような組織を作っておけばいいのかを、イージスクライシスマネジメントシステムを体系化した講師が語ります。
スペシャルセミナーの内容を踏襲しつつ、特に経営トップのために企画されたセミナーです。部隊指揮官、企業の役員、経営者を経験している講師が、経営トップの皆様に特に伝えたい思いを語ります。
経営トップ、役員等の方々限定のセミナーです。
開催場所: 当社鎌倉極楽寺セミナーハウス
リゾート感覚溢れる湘南鎌倉の隠れ家的セミナーハウスです。
限定少人数で開催いたします。
(住所は公開しておりません。参加の方に個別にお知らせします。)
開催時期: 決定次第お知らせします。
セミナー料金: ¥38,000 (返金保証)
内容にご不満の場合は、理由の如何を問わず全額を返金させていただきます。
その他
特別開催: 経営トップの皆様が役員や担当者をお連れになり、チームで受講したいとお考えの場合は、上記の当社鎌倉極楽寺セミナーハウスのエクゼクティブセミナーをご利用ください。当社開催日以外であっても、日程の調整を承ります。
セミナーについて、詳しくはこちらをご覧ください。
http://aegis-cms.co.jp/
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるのかどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたいと考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がないので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂きます。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://aegis-cms.co.jp/cpx
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バックナンバーを公開しています。
こちらからご覧ください。https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
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メールマガジン「指揮官の休日」
発行人:株式会社イージスクライシスマネジメント
代表取締役 林 祐
email: yhayashi@aegis-cms.co.jp
Web : http://aegis-cms.co.jp
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