メールマガジン「指揮官の休日」 No.440 万歳三唱 その後のお話
2026/04/17 (Fri) 18:30
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」第461回 コロナ禍に学ぶ危機管理の発想法 その2 を掲載いたしました。
危機管理の原点を探る試みをしています。
https://aegis-cms.co.jp/3685
No.440 万歳三唱 その後のお話
前回、当メールマガジンで、万歳のやり方には国で決めた正式な規則があると述べました。
すると、配信後すぐに海上自衛隊の同期生から、「あの規則は胡散臭く、出鱈目であるから訂正した方がいい」というメールが届きました。
海上自衛隊の同期というのはありがたいですね。しっかりと指摘してくれます。
海上自衛隊の幹部候補生学校は防大出身者も一般大出身者も同じ分隊で寝起きし、カッターも一緒に漕ぎます。きつい鍛錬行事は分隊単位で行われます。
基本的な素養が異なるので、講堂で受ける教務や実習などは別に行われるものもありますが、基本的には分隊単位で行動していきます。なので、任官した後は、出身大学は意識しません。
ところが、これが陸上自衛隊の候補生学校になると話が別になります。
彼らは候補生学校でまったく別に教育を受け、防大出身者は早々に部隊に実習に出ていきます。卒業の前に戻ってきて、修業と任官は一緒なのですが、同期という意識が希薄です。
陸自の幹部自衛官にクラスを訊くとすぐに分かります。海上自衛官なら候補生学校のクラスで答えてきます。筆者なら33期です。
ところが、陸自の同期生に訊くと、Bの26期ですとか、Uの26期相当期ですと答えてきます。
つまり防大出身者は幹部候補生学校のクラスではなく、防衛大学校のクラスで答えてくるのです。一般大学出身者は、防大の相当クラスで答えるということです。
ここで傑作なのは、Uは分かります。Universityです。ところが、Bというのが分かりません。
私にはずっと謎だったのですが、ある時、防大出身の同期に訊きました。そうしたら、思わず笑ってしまう答えが返ってきました。Bpueidaigakkou のBだと言うのです。
筆者のセンスでは、筆者のような一般大卒業生をUと呼ぶなら、防大出身者はDefense AcademyのDかAだと思うのですが、Bなんだそうです。
いずれにせよ、陸自の幹部は出身大学の同期意識はあっても、海上自衛隊のように候補生学校の同期意識は希薄なようです。
海上自衛隊は、同期の絆を非常に大切にします。何せ「同期の桜」を歌った海軍兵学校の跡地に候補生学校を建てたんですからね。
その同期生から、前回のメールマガジンに関して、訂正を出すべきという意見を貰いました。
このメールマガジンは、海上自衛隊の同期生や先輩方が多数読んでいます。
皆さん結構古くから読まれているので、筆者がこの話題に触れるのが二度目であることをご存じです。だから、その方々は「また、あいつの冗談が始まった」程度に受け流されています。
そうなんです。
このメールマガジンで、万歳の正式なやり方について言及したのは初めてではありませんし、その時も、太政官布告について語りました。
ただ、当メールマガジンも創刊から8年を超え、400本以上を配信しておりますので、途中からお読みになっている方も多数いらっしゃいます。
また、最初の方で配信した内容もお忘れになっている方も多いかと拝察いたしております。
そこで、配信当時、反響の多かったものについては、時々再度取り上げていることがあります。
ただ、万歳三唱令に関しては、最初に取り上げた時に、それがフェイクであることも種明かしをしていましたが、今回はしませんでした。
これは、当メールマガジンが長くて、コラムを読みにいく暇がない、というご批判に応えて、メールマガジンを短めにしていることによります。
ただし、前号の終わり方を覚えていらっしゃいますでしょうか。
「筆者もそうですが、ある歳になると、様々な会合で乾杯や万歳の発声を頼まれることがあります。
万歳については、その正しいやり方を参会された方々に教えて差し上げてから発声するのも一つの方法かと存じます。
ただし、自己責任でお願いします。
何せ、本稿は弊社のメールマガジンであり、専門コラムではありませんので・・・」
と結んでいます。
この節をお読みなって、長く愛読して頂いている方々は、フェイクであることに気づかれたかと存じます。
さて、真相を明かしましょう。
筆者が最初に海幕のスタッフとして着任した頃、「オイ、若いの。お前、候補生学校で 万歳のやり方くらいはしっかりと習ってきただろうな」と先輩から言われました。
その時に見せられたのが太政官布告の「万歳三唱令」です。
初めて見た時、筆者は完全に信じていました。
ところが、二回目の海幕勤務の際に、どうも胡散臭くなってきました。
その頃、筆者は連絡官として米国に派遣される前でしたので、いろいろな準備作業をしていました。
当時の「調達実施本部」に兼務発令をされる予定だったので、内局やその本部への挨拶をしたり、資金前渡官吏として、予算の執行もしなければならないので、当時の大蔵省に挨拶に行ったりしました。資金前渡官吏は大蔵大臣の部下なのです。
大蔵省に挨拶に行った帰り、当時の総理府の看板が目に入りましたので、その太政官布告が本物であるかどうかを尋ねに入りました。
受付にいた女性の事務官が応対してくれ、フェイクであることを教えてくれたのですが、電話で問い合わせて来る奴はたくさんいるが、実際に訪ねてきたのは アンタが初めてだと言って感心してくれました。
それで、フェイクであることを知ったのですが、海上自衛隊は、受けた教えを後輩にも引き継ぐのが伝統ですので、筆者も海幕勤務になるたびに(筆者の海幕などの役人暮らしは記録的な回数です。2等海尉から1等海佐まで10回に及びます。船乗りになりたくて海上自衛隊に入ったのに、東京の役人暮らしばかりでした)、若い後輩たちに「オイ、候補生学校で、しっかりと万歳のやり方を教わってきたろうな」と教えてやりました。
また、部隊でも、様々な民間の方々との懇親会で、最後に万歳三唱の音頭を取るように依頼されると、そのままでは面白くないので、太政官布告に言及し、本当の万歳の仕方を教えてあげました。ただし、そのような時には、太政官布告がフェイクだとは言わなかったので、いまだに地方の方々には、それが正しい万歳の方法であると信じていらっしゃる方もおられるかもしれません。
そのうちに、それらの地方にお詫びの行脚に回らなくてはならないかもしれません。
この話には後日談があります。
筆者が1等海佐になり、海幕の補給監理室長を務めていた頃、ある時、東京駅のステーションホテルのオークというバーに行ったことがあります。
ステーションホテルが改装される前には時々(ほんの時々ですよ。ホテルのバーでしょっちゅう飲めるほど潤沢な小遣いは持っていませんからね)飲んでいたバーですが、改装後、そのバーがどうなったか気になっていたので、ある時出かけたのですが、以前と異なり、止り木だけでなく、ボックスシートもできていました。
そこでおばさまのグループが飲んでいたのですが、中のお一人が筆者に声を掛けてきました。
「ひょっとして、以前、海上自衛隊にいらっしゃいませんでしたか?」
「まだ、現役ですよ。どこかでお目にかかりましたか?」
「昔、万歳三唱令についてお尋ねに来られませんでした?その時の担当者です」
筆者が大蔵省の帰りに寄った総理府で応対してくれた事務官でした。
彼女は、当時、総理府で発行していた部内向けの週刊新聞にコラムを書かねばならない番に当たっていたそうです。
そこで、万歳三唱令について、電話ではなく、わざわざ尋ねにきた筆者について書いたのだそうです。わざわざ来たのが珍しいだけでなく、筆者が1等海尉の制服を着ていたので印象に残ったのだそうです。それにしても、20年以上経っていましたからね。その女性事務官の記憶も只者じゃないと思います。偉くなっていたのかもしれません。
彼女の啓蒙活動により、万歳三唱令はフェイクであることが知れ渡りましたが、筆者のせいで、そう思い込んでいる後輩や民間の方々はまだいらっしゃるかと存じます。
これが真相です。
真相をご理解の上、万歳三唱令をどう扱うか、自己責任でお願いいたします。
この万歳三唱令は、予算編成や内示、あるいは国会待機などの間に、暇を持て余した当時の若い官僚がでっち上げたものだと思われますが、昔の官僚は本当に頭が良かったんですね。今の役人どもに、このような文章は絶対に書けないだろうと思います。
数年前に、当時の財務省の矢野次官が文芸春秋に発表した例の「ワニの口」の論文で、日本経済がいかに借金が多くて大変かという説を読んで、あまりのお粗末さに呆れかえった覚えがありますが、財務省に入省するためには、公務員試験を相当上位で通らなければならず、その中でトップになった頭があの程度なのですから、他は押して知るべしです。
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専門コラム「指揮官の決断」更新のご案内
第461回 コロナ禍に学ぶ危機管理の発想法 その2 を掲載いたしました。
専門的知識なしに、危機管理上の様々な論点について考える方法についての議論を展開します。
前回のコラムで紹介した、東京大学の研究者チームがGoToトラベル事業について言及した論文が誤報であることは、感染症の専門知識は不要ですが、統計的証明には相関関係と因果関係が必要だという統計学の入門的な知識がないと分からないかもしれません。
しかし、老舗旅館の女将が足袋と草履で、まだ地表に現れていない筍の芽を見つけた事例は、専門的知識を必要としません。
彼女にあったのは、老舗旅館の女将としての自覚だけでした。
何があっても、自分の宿において、最高級のもてなしをするという覚悟です。
彼女は、生け花の鮮度、額の曲がり、部屋の隅の埃、料理の盛りつけの不具合など、あらゆるものに目を配り、不具合を見逃しません。
あるべきものをあるべきように整えていく、それが老舗女将の覚悟です。彼女は、その覚悟を先代女将から「言葉」ではなく「行動」から学んだということでした。
彼女が地下の筍の芽を発見した時、筆者は現役の自衛官でした。危機管理の専門家であったはずです。
それが指摘されても分からない危機の芽を彼女が気付いたことに筆者は衝撃を受けました。
彼女は、そうやって「想定外」になりうる事態を避けていたのです。
(専門コラム「指揮官の決断」第460回 コロナ禍に学ぶ危機管理の発想法 その1(https://aegis-cms.co.jp/3680 ))
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Twitterでも時々、折に触れて気が付いたことを呟いています。
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『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
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No.440 万歳三唱 その後のお話
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すると、配信後すぐに海上自衛隊の同期生から、「あの規則は胡散臭く、出鱈目であるから訂正した方がいい」というメールが届きました。
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ところが、これが陸上自衛隊の候補生学校になると話が別になります。
彼らは候補生学校でまったく別に教育を受け、防大出身者は早々に部隊に実習に出ていきます。卒業の前に戻ってきて、修業と任官は一緒なのですが、同期という意識が希薄です。
陸自の幹部自衛官にクラスを訊くとすぐに分かります。海上自衛官なら候補生学校のクラスで答えてきます。筆者なら33期です。
ところが、陸自の同期生に訊くと、Bの26期ですとか、Uの26期相当期ですと答えてきます。
つまり防大出身者は幹部候補生学校のクラスではなく、防衛大学校のクラスで答えてくるのです。一般大学出身者は、防大の相当クラスで答えるということです。
ここで傑作なのは、Uは分かります。Universityです。ところが、Bというのが分かりません。
私にはずっと謎だったのですが、ある時、防大出身の同期に訊きました。そうしたら、思わず笑ってしまう答えが返ってきました。Bpueidaigakkou のBだと言うのです。
筆者のセンスでは、筆者のような一般大卒業生をUと呼ぶなら、防大出身者はDefense AcademyのDかAだと思うのですが、Bなんだそうです。
いずれにせよ、陸自の幹部は出身大学の同期意識はあっても、海上自衛隊のように候補生学校の同期意識は希薄なようです。
海上自衛隊は、同期の絆を非常に大切にします。何せ「同期の桜」を歌った海軍兵学校の跡地に候補生学校を建てたんですからね。
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そうなんです。
このメールマガジンで、万歳の正式なやり方について言及したのは初めてではありませんし、その時も、太政官布告について語りました。
ただ、当メールマガジンも創刊から8年を超え、400本以上を配信しておりますので、途中からお読みになっている方も多数いらっしゃいます。
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ただ、万歳三唱令に関しては、最初に取り上げた時に、それがフェイクであることも種明かしをしていましたが、今回はしませんでした。
これは、当メールマガジンが長くて、コラムを読みにいく暇がない、というご批判に応えて、メールマガジンを短めにしていることによります。
ただし、前号の終わり方を覚えていらっしゃいますでしょうか。
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筆者が最初に海幕のスタッフとして着任した頃、「オイ、若いの。お前、候補生学校で 万歳のやり方くらいはしっかりと習ってきただろうな」と先輩から言われました。
その時に見せられたのが太政官布告の「万歳三唱令」です。
初めて見た時、筆者は完全に信じていました。
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その頃、筆者は連絡官として米国に派遣される前でしたので、いろいろな準備作業をしていました。
当時の「調達実施本部」に兼務発令をされる予定だったので、内局やその本部への挨拶をしたり、資金前渡官吏として、予算の執行もしなければならないので、当時の大蔵省に挨拶に行ったりしました。資金前渡官吏は大蔵大臣の部下なのです。
大蔵省に挨拶に行った帰り、当時の総理府の看板が目に入りましたので、その太政官布告が本物であるかどうかを尋ねに入りました。
受付にいた女性の事務官が応対してくれ、フェイクであることを教えてくれたのですが、電話で問い合わせて来る奴はたくさんいるが、実際に訪ねてきたのは アンタが初めてだと言って感心してくれました。
それで、フェイクであることを知ったのですが、海上自衛隊は、受けた教えを後輩にも引き継ぐのが伝統ですので、筆者も海幕勤務になるたびに(筆者の海幕などの役人暮らしは記録的な回数です。2等海尉から1等海佐まで10回に及びます。船乗りになりたくて海上自衛隊に入ったのに、東京の役人暮らしばかりでした)、若い後輩たちに「オイ、候補生学校で、しっかりと万歳のやり方を教わってきたろうな」と教えてやりました。
また、部隊でも、様々な民間の方々との懇親会で、最後に万歳三唱の音頭を取るように依頼されると、そのままでは面白くないので、太政官布告に言及し、本当の万歳の仕方を教えてあげました。ただし、そのような時には、太政官布告がフェイクだとは言わなかったので、いまだに地方の方々には、それが正しい万歳の方法であると信じていらっしゃる方もおられるかもしれません。
そのうちに、それらの地方にお詫びの行脚に回らなくてはならないかもしれません。
この話には後日談があります。
筆者が1等海佐になり、海幕の補給監理室長を務めていた頃、ある時、東京駅のステーションホテルのオークというバーに行ったことがあります。
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筆者が大蔵省の帰りに寄った総理府で応対してくれた事務官でした。
彼女は、当時、総理府で発行していた部内向けの週刊新聞にコラムを書かねばならない番に当たっていたそうです。
そこで、万歳三唱令について、電話ではなく、わざわざ尋ねにきた筆者について書いたのだそうです。わざわざ来たのが珍しいだけでなく、筆者が1等海尉の制服を着ていたので印象に残ったのだそうです。それにしても、20年以上経っていましたからね。その女性事務官の記憶も只者じゃないと思います。偉くなっていたのかもしれません。
彼女の啓蒙活動により、万歳三唱令はフェイクであることが知れ渡りましたが、筆者のせいで、そう思い込んでいる後輩や民間の方々はまだいらっしゃるかと存じます。
これが真相です。
真相をご理解の上、万歳三唱令をどう扱うか、自己責任でお願いいたします。
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数年前に、当時の財務省の矢野次官が文芸春秋に発表した例の「ワニの口」の論文で、日本経済がいかに借金が多くて大変かという説を読んで、あまりのお粗末さに呆れかえった覚えがありますが、財務省に入省するためには、公務員試験を相当上位で通らなければならず、その中でトップになった頭があの程度なのですから、他は押して知るべしです。
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何があっても、自分の宿において、最高級のもてなしをするという覚悟です。
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代表取締役 林 祐
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