メールマガジン「指揮官の休日」 No.427 防衛省 観閲式を中止
2025/09/05 (Fri) 06:30
XXXX 様
-------------------------------------------------------------------
指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
-------------------------------------------------------------------
危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、第444回 国家よりも党が大切な政党 掲載いたしました。
腐りきった政権政党の本質が分かりました。
https://aegis-cms.co.jp/3587
No.427 防衛省 観閲式を中止
防衛省は例年11月に実施してきていた観閲式を今後は中止する旨を発表しました。戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する現在、隙のない我が国の防衛態勢を維持する上で、実施は困難というようなことです。
防衛省は、毎年、陸・海・空自衛隊の持ち回りによって、全国から多数の部隊を集結をさせ、観閲式等の行事を実施をしていました。隊員の士気の高揚、そして、国民への自衛隊の理解を深めていくという目的があるとされていました。
筆者は、かねてから、この行事が目的を達していない、あるいは費用対効果が悪すぎると考えていました。
例えば、観閲式では、全国の部隊から、約5,000名以上の人員が約1か月間程度の拘束を受けます。行進の訓練があるからです。装備品等は約2か月間程度使えなくなります。ピカピカに磨き上げ、かつ、何があっても儀式の最中に止まってしまうなどということがないように特別な整備をする必要があるからです。
ところが、観閲式に入場できる人は極めてわずかで、ハガキやインターネットでの抽選は何倍もの倍率になります。
一方で、招待券というのがあって、自衛隊が普段お世話になっている方々や政治家などに配る分があり、それが結構な枚数なので、広報にはなっていないのではないかと考えていたところです。
高校生などに配ればいいのですが、それをやった瞬間に自衛隊によるリクルート活動だとして強烈な反対運動に見舞われるので、なかなかそれもできません。
筆者も観艦式において海幕から接遇要員として何回も乗りましたが、政治家がバラまいた招待券の連中のお付き合いはうんざりでした。
朝霞で行う観閲行進は、観る人が見ればそれなりの練度を評価できますが、一般にはロシアや北朝鮮、あるいは中国の軍事パレードの方が見応えがあるでしょう。戦略ミサイルが行進しますからね。
ただし、相模湾で行う海上自衛隊の観艦式は、世界トップクラスの観艦式で、他の国には真似ができません。
50隻もの参加艦艇が動きながら行う観艦式です。
動きながらの観艦式を行なえる海軍は日本だけで、世界中の海軍の観艦式は艦艇が錨を入れて停泊し、観閲官が乗った小舟が各艦を観閲して回るという方式です。海上自衛隊は観閲官が乗る観閲部隊と、その観閲を受ける受閲部隊の艦艇がすれ違いながら行う方式で、受閲部隊が訓練展示をするために戻ってくる際に、全参加艦艇が180度の方向転換を行うのですが、それは見ものです。
そのようなやり方は帝国海軍もやったことはありません。
そのような芸当ができるのが海上自衛隊だけで、ある時、イタリア海軍の武官を案内していたら、その大転換を見て呆気に取られ、「うちの海軍でこれをやったら、半分が衝突して沈んじゃうだろうな。」と呟いたのが印象に残っています。
観艦式もやらなくなるということだと、そのノウハウも失われますが、そんなノウハウは実際の海上における戦闘には何の役にも立ちませんので、失われてもいいノウハウです。
一糸乱れぬ艦隊運動などと言うのは、帝国海軍が月月火水木金金の猛訓練をやって手に入れたノウハウで、駆逐艦部隊が夜間に敵艦隊に襲い掛かり、何十本もの魚雷を撃ってくるという技術でしたが、レーダーを装備した米国艦隊には何の威力も発揮できませんでした。
筆者は若いころ、環太平洋共同軍事訓練に参加して、サンディエゴからハワイの間の海域で、空母の対潜直衛をした経験があります。対潜直衛ということで、すぐ近くを走るのだと思っていたら、指定された位置は、護衛対象の空母から15マイル以上離れたところで、その空母が水平線上に見えるか見えないかという位置でした。普段、追艦距離700ヤード、方位プラスマイナス5度以内の位置をキープして走っていたのに比べるとのんびりとしたものでした。核攻撃を想定しているので、そんなに密集しないんです。
したがって、海上自衛隊の世界に冠たる艦隊運動も見れなくなりますが、そんなことはどうでもいいことです。
主力艦が数十隻、1週間にわたり東京湾に集まり、数千人のお客様を乗せて相模湾を走り回り、その間、海峡や尖閣諸島の監視、インド洋の海賊対処行動などに従事している船しかいないというのも異常なことです。
世界の安全保障状況はそんなのんびりしたものではないはずです。
航空観閲式がどのような準備が必要なのか、担当したことがないのでよくわかりませんが、やはり会場の整理などに大きな労力が必要なはずです。
もう、中央で行う大規模な観閲式はやらない方がいいのでは、と筆者は現役の最後の方で思っていました。
今回急に中央で行う観閲式を中止したのは、世界の安全保障環境の問題もありますが、別の思惑もあるだろうと思っています。
先に示したように、観閲式の目的は、隊員の士気の高揚と広報です。
しかし、今年観閲式を行うと、士気が高揚どころかガタ落ちになるおそれがあります。
なにせ自衛隊の最高指揮官である観閲官が、現政権のトップですからね。
観閲式、観艦式ではこいつに部隊として敬礼をしなければなりません。
このトップがどれだけ制服から嫌われているかを考えると、士気が上がるとは到底思えません。
この男が防衛庁長官だったときに起きたのがイージス艦あたごと親子二人で乗っていた漁船の衝突事故でした。
事故の直後、この男は海上幕僚長を伴って漁船に乗っていた親子の家に謝罪に行ったのです。弔問に行くというのなら分かります。しかし、悪いのは海上自衛隊と決めつけて、謝罪に行ったのです。
艦長と航海長が海難審判と裁判にかけられました。
公務でしたが、裁判費用を国が負担することをこの男が認めなかったために自費での裁判となりました。これも信じられません。
筆者は現役でしたので、寄付に応じましたが、国からの費用負担はなかったのです。
海難審判も裁判もあたごに過失はないという判断がなされましたが、この男は謝罪もしませんでした。
二人には、海難審判や裁判での判決が出る前に懲戒処分が言い渡されましたが、その影響は退職金にまで及び、とうていリカバーできないほどだったので、小野寺防衛大臣になってから懲戒処分の見直しをしてもらいました。
また、当時、イラクに陸上自衛隊の部隊が派遣されていました。
防衛庁長官として現地視察が計画され、航空自衛隊の輸送機が準備されましたが、土壇場でキャンセルになりました。さらに2回計画されたのですが、いずれも土壇場でキャンセルになりました。計3回が土壇場でキャンセルになったのです。
3回目にある新聞記者が質問をしました。
「なぜ土壇場でキャンセルが3回もあったんですか」という問いに、「だって自衛隊の指揮官に何かあったら、周りが困るでしょ」という返事だったそうです。
防衛大臣が事故などにあって執務が出来なくても自衛隊は何も困りません。政治家なんか代わりはいくらでもいます。もともと防衛のプロが大臣になるわけではありません。
要するに危険地帯に行くのが怖くて、最初から行く気なんか無かったんです。
毎回、飛行機を準備させられた航空自衛隊も、行くと言って来なかった陸上自衛隊も迷惑だったはずです。奴のパフォーマンスに振り回されただけだったんですから。
こんな奴に敬礼したい制服はいないでしょうから、観閲式を行うと逆に士気がガタ落ちになるはずです。
むしろ、地方で、連隊ごとに、地元出身のアイドルなど呼んできて、「一日連隊長」とかにして観閲行進をやらせた方がはるかに士気が上がるはずです。
今後、中央の観閲式をどうするつもりかは知りませんが、少なくとも今年やらないのは大賛成です。
これ以上、あの下品な恥知らずをつけあがらせる必要はありません。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------
専門コラム 第444回 国家よりも党が大切な政党
当コラムは危機管理の専門コラムであり、弊社の危機管理が「意思決定」「リーダーシップ」そして「プロトコール」を中心に議論されるため、コラムもその三つの論点から語ることが多くなっています。
かつて、岸田元首相の国民向けのメッセージで、彼が日章旗の右前に立って話をしていることが多いので、当コラムでそれを批判したことがあります。
国旗の右前に立って話をすることができるのは、日本では天皇だけであり、首相ごときがやっていいことではありませんし、世界の常識にも反します。
https://aegis-cms.co.jp/3587
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
メールマガジンのバックナンバーは弊社Facebookページからもお読みいただけます。
Facebookページ 「指揮官の決断/休日」 https://www.facebook.com/aegis.cm
Facebookページでは、当メールマガジンでは見ることのできない写真もご覧頂くこ
とが出来ます。
是非Facebookページをご訪問ください。
Twitterでも時々、折に触れて気が付いたことを呟いています。
https://twitter.com/CaptainHayashi です。
---------------------------------------------------------------------------------------
弊社出版物のご紹介
『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
セルバ出版
お求めの方は、こちらからどうぞ。
https://aegis-cms.co.jp/book1
---------------------------------------------------------------------------------------
Facebookページを公開しています。
メールマガジン及び専門コラムのバックナンバーをお読みいただけます。
Facebookページ「指揮官の決断/休日」
https://www.facebook.com/aegis.cm
----------------------------------------------------------------------------------------
教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
こちらをどうぞ
https://aegis-cms.co.jp
----------------------------------------------------------------------------------------
コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
----------------------------------------------------------------------------------------
図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://aegis-cms.co.jp/cpx
----------------------------------------------------------------------------------------
バックナンバーを公開しています。
こちらからご覧ください。https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
メールアドレスの変更はこちらからお手続きください。
http://aetis-cms.co.jp/mailmag
メールマガジンがご不要の場合はこちらから解除をして頂くことができます。
http://q.bmd.jp/bm/p/f/s.php?id=aegismm&mail=uhayashi%40jcom.zaq.ne.jp&no=2
----------------------------------------------------------------------------------------
メールマガジン「指揮官の休日」
発行人:株式会社イージスクライシスマネジメント
代表取締役 林 祐
email: yhayashi@aegis-cms.co.jp
Web : http://aegis-cms.co.jp
----------------------------------------------------------------------------
-------------------------------------------------------------------
指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
-------------------------------------------------------------------
危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、第444回 国家よりも党が大切な政党 掲載いたしました。
腐りきった政権政党の本質が分かりました。
https://aegis-cms.co.jp/3587
No.427 防衛省 観閲式を中止
防衛省は例年11月に実施してきていた観閲式を今後は中止する旨を発表しました。戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する現在、隙のない我が国の防衛態勢を維持する上で、実施は困難というようなことです。
防衛省は、毎年、陸・海・空自衛隊の持ち回りによって、全国から多数の部隊を集結をさせ、観閲式等の行事を実施をしていました。隊員の士気の高揚、そして、国民への自衛隊の理解を深めていくという目的があるとされていました。
筆者は、かねてから、この行事が目的を達していない、あるいは費用対効果が悪すぎると考えていました。
例えば、観閲式では、全国の部隊から、約5,000名以上の人員が約1か月間程度の拘束を受けます。行進の訓練があるからです。装備品等は約2か月間程度使えなくなります。ピカピカに磨き上げ、かつ、何があっても儀式の最中に止まってしまうなどということがないように特別な整備をする必要があるからです。
ところが、観閲式に入場できる人は極めてわずかで、ハガキやインターネットでの抽選は何倍もの倍率になります。
一方で、招待券というのがあって、自衛隊が普段お世話になっている方々や政治家などに配る分があり、それが結構な枚数なので、広報にはなっていないのではないかと考えていたところです。
高校生などに配ればいいのですが、それをやった瞬間に自衛隊によるリクルート活動だとして強烈な反対運動に見舞われるので、なかなかそれもできません。
筆者も観艦式において海幕から接遇要員として何回も乗りましたが、政治家がバラまいた招待券の連中のお付き合いはうんざりでした。
朝霞で行う観閲行進は、観る人が見ればそれなりの練度を評価できますが、一般にはロシアや北朝鮮、あるいは中国の軍事パレードの方が見応えがあるでしょう。戦略ミサイルが行進しますからね。
ただし、相模湾で行う海上自衛隊の観艦式は、世界トップクラスの観艦式で、他の国には真似ができません。
50隻もの参加艦艇が動きながら行う観艦式です。
動きながらの観艦式を行なえる海軍は日本だけで、世界中の海軍の観艦式は艦艇が錨を入れて停泊し、観閲官が乗った小舟が各艦を観閲して回るという方式です。海上自衛隊は観閲官が乗る観閲部隊と、その観閲を受ける受閲部隊の艦艇がすれ違いながら行う方式で、受閲部隊が訓練展示をするために戻ってくる際に、全参加艦艇が180度の方向転換を行うのですが、それは見ものです。
そのようなやり方は帝国海軍もやったことはありません。
そのような芸当ができるのが海上自衛隊だけで、ある時、イタリア海軍の武官を案内していたら、その大転換を見て呆気に取られ、「うちの海軍でこれをやったら、半分が衝突して沈んじゃうだろうな。」と呟いたのが印象に残っています。
観艦式もやらなくなるということだと、そのノウハウも失われますが、そんなノウハウは実際の海上における戦闘には何の役にも立ちませんので、失われてもいいノウハウです。
一糸乱れぬ艦隊運動などと言うのは、帝国海軍が月月火水木金金の猛訓練をやって手に入れたノウハウで、駆逐艦部隊が夜間に敵艦隊に襲い掛かり、何十本もの魚雷を撃ってくるという技術でしたが、レーダーを装備した米国艦隊には何の威力も発揮できませんでした。
筆者は若いころ、環太平洋共同軍事訓練に参加して、サンディエゴからハワイの間の海域で、空母の対潜直衛をした経験があります。対潜直衛ということで、すぐ近くを走るのだと思っていたら、指定された位置は、護衛対象の空母から15マイル以上離れたところで、その空母が水平線上に見えるか見えないかという位置でした。普段、追艦距離700ヤード、方位プラスマイナス5度以内の位置をキープして走っていたのに比べるとのんびりとしたものでした。核攻撃を想定しているので、そんなに密集しないんです。
したがって、海上自衛隊の世界に冠たる艦隊運動も見れなくなりますが、そんなことはどうでもいいことです。
主力艦が数十隻、1週間にわたり東京湾に集まり、数千人のお客様を乗せて相模湾を走り回り、その間、海峡や尖閣諸島の監視、インド洋の海賊対処行動などに従事している船しかいないというのも異常なことです。
世界の安全保障状況はそんなのんびりしたものではないはずです。
航空観閲式がどのような準備が必要なのか、担当したことがないのでよくわかりませんが、やはり会場の整理などに大きな労力が必要なはずです。
もう、中央で行う大規模な観閲式はやらない方がいいのでは、と筆者は現役の最後の方で思っていました。
今回急に中央で行う観閲式を中止したのは、世界の安全保障環境の問題もありますが、別の思惑もあるだろうと思っています。
先に示したように、観閲式の目的は、隊員の士気の高揚と広報です。
しかし、今年観閲式を行うと、士気が高揚どころかガタ落ちになるおそれがあります。
なにせ自衛隊の最高指揮官である観閲官が、現政権のトップですからね。
観閲式、観艦式ではこいつに部隊として敬礼をしなければなりません。
このトップがどれだけ制服から嫌われているかを考えると、士気が上がるとは到底思えません。
この男が防衛庁長官だったときに起きたのがイージス艦あたごと親子二人で乗っていた漁船の衝突事故でした。
事故の直後、この男は海上幕僚長を伴って漁船に乗っていた親子の家に謝罪に行ったのです。弔問に行くというのなら分かります。しかし、悪いのは海上自衛隊と決めつけて、謝罪に行ったのです。
艦長と航海長が海難審判と裁判にかけられました。
公務でしたが、裁判費用を国が負担することをこの男が認めなかったために自費での裁判となりました。これも信じられません。
筆者は現役でしたので、寄付に応じましたが、国からの費用負担はなかったのです。
海難審判も裁判もあたごに過失はないという判断がなされましたが、この男は謝罪もしませんでした。
二人には、海難審判や裁判での判決が出る前に懲戒処分が言い渡されましたが、その影響は退職金にまで及び、とうていリカバーできないほどだったので、小野寺防衛大臣になってから懲戒処分の見直しをしてもらいました。
また、当時、イラクに陸上自衛隊の部隊が派遣されていました。
防衛庁長官として現地視察が計画され、航空自衛隊の輸送機が準備されましたが、土壇場でキャンセルになりました。さらに2回計画されたのですが、いずれも土壇場でキャンセルになりました。計3回が土壇場でキャンセルになったのです。
3回目にある新聞記者が質問をしました。
「なぜ土壇場でキャンセルが3回もあったんですか」という問いに、「だって自衛隊の指揮官に何かあったら、周りが困るでしょ」という返事だったそうです。
防衛大臣が事故などにあって執務が出来なくても自衛隊は何も困りません。政治家なんか代わりはいくらでもいます。もともと防衛のプロが大臣になるわけではありません。
要するに危険地帯に行くのが怖くて、最初から行く気なんか無かったんです。
毎回、飛行機を準備させられた航空自衛隊も、行くと言って来なかった陸上自衛隊も迷惑だったはずです。奴のパフォーマンスに振り回されただけだったんですから。
こんな奴に敬礼したい制服はいないでしょうから、観閲式を行うと逆に士気がガタ落ちになるはずです。
むしろ、地方で、連隊ごとに、地元出身のアイドルなど呼んできて、「一日連隊長」とかにして観閲行進をやらせた方がはるかに士気が上がるはずです。
今後、中央の観閲式をどうするつもりかは知りませんが、少なくとも今年やらないのは大賛成です。
これ以上、あの下品な恥知らずをつけあがらせる必要はありません。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------
専門コラム 第444回 国家よりも党が大切な政党
当コラムは危機管理の専門コラムであり、弊社の危機管理が「意思決定」「リーダーシップ」そして「プロトコール」を中心に議論されるため、コラムもその三つの論点から語ることが多くなっています。
かつて、岸田元首相の国民向けのメッセージで、彼が日章旗の右前に立って話をしていることが多いので、当コラムでそれを批判したことがあります。
国旗の右前に立って話をすることができるのは、日本では天皇だけであり、首相ごときがやっていいことではありませんし、世界の常識にも反します。
https://aegis-cms.co.jp/3587
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
メールマガジンのバックナンバーは弊社Facebookページからもお読みいただけます。
Facebookページ 「指揮官の決断/休日」 https://www.facebook.com/aegis.cm
Facebookページでは、当メールマガジンでは見ることのできない写真もご覧頂くこ
とが出来ます。
是非Facebookページをご訪問ください。
Twitterでも時々、折に触れて気が付いたことを呟いています。
https://twitter.com/CaptainHayashi です。
---------------------------------------------------------------------------------------
弊社出版物のご紹介
『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
セルバ出版
お求めの方は、こちらからどうぞ。
https://aegis-cms.co.jp/book1
---------------------------------------------------------------------------------------
Facebookページを公開しています。
メールマガジン及び専門コラムのバックナンバーをお読みいただけます。
Facebookページ「指揮官の決断/休日」
https://www.facebook.com/aegis.cm
----------------------------------------------------------------------------------------
教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
こちらをどうぞ
https://aegis-cms.co.jp
----------------------------------------------------------------------------------------
コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
----------------------------------------------------------------------------------------
図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://aegis-cms.co.jp/cpx
----------------------------------------------------------------------------------------
バックナンバーを公開しています。
こちらからご覧ください。https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
メールアドレスの変更はこちらからお手続きください。
http://aetis-cms.co.jp/mailmag
メールマガジンがご不要の場合はこちらから解除をして頂くことができます。
http://q.bmd.jp/bm/p/f/s.php?id=aegismm&mail=uhayashi%40jcom.zaq.ne.jp&no=2
----------------------------------------------------------------------------------------
メールマガジン「指揮官の休日」
発行人:株式会社イージスクライシスマネジメント
代表取締役 林 祐
email: yhayashi@aegis-cms.co.jp
Web : http://aegis-cms.co.jp
----------------------------------------------------------------------------