メールマガジン「指揮官の休日」 No.423 世界一おいしい朝ご飯
2025/07/25 (Fri) 06:30
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、第439回 シビリアン・コントロールの逆機能 その1 を掲載いたしました。
シビリアン・コントロールという制度の意味を理解できない日本の状況について解説しています。
https://aegis-cms.co.jp/3562
No.423 世界一おいしい朝ご飯
ここのところ、弊社の専門コラムでは食欲を減退させる話題が続きました。
なにせ、この国のトップリーダーがおにぎりをほうばっている動画を見せられると、別にお米の責任ではないのですが、おにぎりを食べたくなくなります。
とは言え、筆者はおにぎりが大好きで、出先で急ぐ時には、よくコンビニエンスストアでおにぎりを買っています。棚にあれば「塩むすび」を買います。
いろいろなものが入っているおにぎりは好みません。せいぜい、昆布か鮭です。
とにかく、この国のリーダーを巡る話がコラムでは多く、夏の暑さもあって食欲を失いかけていますが、減量を企図している筆者にとっては不幸中の幸いかもしれません。
この夏中に減量目標を達成出来たら、自民党に感謝すべきなのかもしれません。
下品な○×の話が続いていましたので、せめてメールマガジンの方ではお口直しを図りたいと思っていました。もともと当メールマガジンは、辛口のコラムが多くなるので、そのお口直しにどうでもいい話をするというのが主旨だったのですからね。
今回の表題は、ひょっとすると長くこのメールマガジンをお読み頂いている方にはご記憶があるかもしれません。
筆者もお届けした記憶があるのですが、よく覚えていません。メールマガジンを配信しているスタンドも300本しか記録がないので、現在まで400本以上配信してきたメールマガジンの初めの百数十本の中のことだったのだと思われます。
その後にお読み頂いている読者の方も多いので、また新たな気持ちで書き起こしています。
朝食というのは、本来筆者がもっとも好む食事でした。
筆者は物心ついたときには母親が病弱で入退院を繰り返しており、とくに3歳から小学校入学までは大手術のために入院しており、母親と一緒に暮らしていませんでした。海上自衛隊にいた父もこの間は艦隊勤務を離れていました。
小学校入学時に母親が退院して家族で暮らすことになり、父も艦隊に戻りましたが、出航中以外は朝食は家で取っていました。夜は遅くなることが多いので、平日は朝食が家族で食べる食事で、当時は珍しかったのですが、我が家の朝食はパンが主体でした。パンとベーコンに卵と野菜がメニューで、全寮制の中学・高校に進学しても、朝食がパンだったり米だったりする程度で、結構楽しみでした。
大学・大学院の6年間は自宅から通学していたので、朝食は家で取っていました。相変わらずパンとベーコンと卵でしたが、慣れ親しんだメニューで、朝食が好きになりました。
それが壊れたのが海上自衛隊です。
海上自衛隊の朝食の手抜きは酷いものでした。
米のご飯、みそ汁、漬け物、それに何か分からない干物がついてくる程度でした。候補生学校では、パンはあるにはありましたが、食パンとマーガリンがある程度で、スクランブルエッグなどはどこを探してもありませんでした。
結婚して自宅で朝食を食べて出勤するようになると事情が変わりました。我が家の司令長官は朝食はしっかり食べるべきという信念の持ち主で、起き抜けには到底食べきれないようなメニューで朝食を準備してくれるのです。
最近は事情があって、東京に出かける日は朝食後すぐに出るので、出かける前にやっておきたいことが多く、歳をとって食が細くなっていることもあり、かなり手抜きの朝食になっていますが、それでも朝食は筆者の好きな食事です。
さて、いろいろなところで朝食を食べてきましたが、記憶に残る朝食というのはあまりありません。あえてあげると3か所あげることが出来ます。順番に発表します。
第3位 青森県の八戸で小さな部隊の指揮官をしていた時のことです。
部下の隊員で地元出身者が多く、祖父母が近くにいるという隊員がよくいました。
ある日、キャンプに行く際、迎えに来たある隊員の祖父母が住んでいる家の前を通るので、是非、寄って行って欲しいと請われて寄り道をすることになりました。
そこで、朝ご飯を食べていきなさいと勧められて食べた朝食が忘れられないものでした。
前の年に収穫した自分の田んぼで採れた米、自家製の味噌で作ったみそ汁、おばあちゃんが何十年に渡って漬け物を作っている糠で漬けた漬け物、川魚の干物でしたが、おもわずご飯を2回お代わりしたのを覚えています。
多分、最初の一杯はご飯だけ食べていたように思います。
第2位
八戸に行くもっと前の任官して3年目くらいの若いころの話です。
環太平洋合同軍事訓練(RIMPAC)に筆者が乗り組んでいた船が参加し、筆者も対空ミサイル担当の砲術士として参加していました。
ところが、その船に与えられた任務が、米空母の対潜直衛であり、筆者は航海指揮官として占位位置を保持するだけの退屈な当直勤務にうんざりしていました。そこで米海軍から若手士官の交換教育をやらないかというプロポーズが来て、筆者が参加することになりました。
直衛している空母から中尉がやってきて、同じ階級だった筆者が彼の代わりに空母に行くことになりました。
空母で筆者がどのような部署に配置されたかは前回のメールマガジンでお伝えしていますが、一日2回、3時間ずつの当直をこなす以外は自由に艦内を見学して差し支えないということで、やはり艦内で暇を持て余しているF14のパイロットの少佐が、好きなところを見せてやるから、なんでも言ってこいと言ってあちこちを案内してくれました。
その空母で毎回1週間にわたって朝食を食べたのですが、昼食、夕食が酷いものだったのにもかかわらず、朝食だけは筆者の好みにぴったりでした。
米海軍では士官の食事は有料で、その代わりメニューから好きなものを選んで食べることが出来ます。乗り組みの兵隊さんたちとは別のものを食べています。海上自衛隊はたとえ護衛艦隊司令官が乗ってきても同じメニューで、同じ厨房で作ったものを食べることになります。
空母では、士官用のレストランが3か所にあり、1か所はカジュアルな雰囲気で、パイロットが飛行服を着たまま食べに来たりします。
別のレストランでは、艦内で当時着用されていたカーキーと呼ばれるカーキ色の制服を着て食べに行きます。街中にある普通のレストランという雰囲気です。
もう一つは、司令部の高級幕僚や中佐以上の士官が食事をするレストランで、ウェイティングルームで待っているとウェイターが迎えに来てくれるレストランです。
筆者は、物珍しさから前二者に順番に行っており、ある時、副長から招待されて高級士官用のレストランに行きました。
朝食は前二者のどちらかで食べていたのですが、調理専門の兵隊さんが来て、卵とベーコンの焼き方を尋ねてきます。二日目には筆者の好みを覚えていて、黙っていても焼いてくれます。
そのベーコンとスクランブルエッグがすごく美味いんです。絶妙な焼き加減で目の前で焼いてくれ、持っているさらに投げ込んでくるのですが、それをテーブルに持って行って「フウフウ」言いながらフォークですくっているとたまらなく美味くて、ある時、お代わりに行きました。調理係の黒人の兵隊さんが「あんたの食べ方を見ていて、もう1回来るなと思ってたよ。」とニコニコしたのが忘れられません。
第1位
筆者が作るベーコンエッグです。
筆者は第2位の米空母の朝食が忘れられず、その味を追い求めていました。
ところが、筆者の自宅では、司令長官が筆者がキッチンで料理をするのをあまり好みません。後片付けが悪いというのもあるのでしょうが、どうも料理は自分のテリトリーだと信じておられるようで、確かに料理が好きであることも事実です。
そこで、普段筆者が料理をすることはほとんどないのですが、単身赴任ではそうはいきません。
単身赴任時、筆者は昼食は隊で食事をして、夕食は大きく手抜きをしていました。買い物に出た日の夜にビーフシチューやポトフをたくさん作って、それを日々ちょっと味を変えて食べたりする程度でした。
しかし、朝食は毎回、卵とベーコンを焼いていました。
卵やベコンにこだわりがあるわけでなく、焼き方と食べるタイミングの問題だと思っていましたので、それを自分で選べる単身赴任は、思う存分美味いベーコンエッグを楽しむ機会でもありました。
八戸で小さな部隊の指揮官をしていた頃は、よくキャンプに行きました。
キャンプ場でも朝食は筆者が作っていました。
なぜか筆者が起きるのが一番早く、寒い日などは火を起して珈琲を淹れ、起きてきた順にその珈琲を飲ませたり、ベーコンエッグを作ったりしていました。
そのベーコンエッグが評判となり、八戸の他部隊の指揮官もそれを食べにくる者も現れるようになりました。
その結果、海上自衛隊出身者では筆者のベーコンエッグを食べたことのある者が延べで100人を超えているはずです。
ということで、誠に残念ながら、この3か所の朝食を皆様に楽しんで頂くことはできません。筆者自身も第1位の筆者が作るベーコンエッグしかもう食べることが出来ません。
皆様に唯一可能性があるのが、この筆者の作るベーコンエッグですが、これは筆者と一緒にキャンプに行っていただかねばなりません。
お誘い頂ければ馳せ参じますが、このところ、自分でキャンプに行くという習慣は無くなりました。
筆者の地元鎌倉には134号線の七里ガ浜沿いに朝食で有名なカフェがあります。まだ食べに行ったことはありませんが、多分筆者の5本の指に入ることはないだろうと思っています。雑誌やテレビで紹介された店で記憶に残っている店などないですからね。
朝食に限らず、グルメ番組など信じていませんし、ミシュランの星も信じていません。
いつも申し上げていますが、寿司は漁師の奥さんが作ってくれるのが一番うまいはずですし、肉や魚は焚火で塩と胡椒で炙って食べるのが一番うまいと信じています。
どの店で、いくらで食べるかではなく、どこで、誰と食べるかの方が大切だと思います。
どうですか、どうでもいい話だったでしょ?でも、現政権トップのおにぎりよりは美味しそうな気がしてきませんか?奴の食べ方を見ると、これほど酷い食べ物がこの世にあるかと思ってしまいますよね。
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専門コラム 第439回 シビリアン・コントロールの逆機能 その1
参議院議員選挙が終わりました。当コラムは与党惨敗の結果になっても、現政権トップはしがみつくだろうと予想していましたが、やはりそうなりました。ただ、最大野党と連立を組むだろうと思っていましたが、その予想は外れました。
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Twitterでも時々、折に触れて気が付いたことを呟いています。
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『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
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教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
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代表取締役 林 祐
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No.423 世界一おいしい朝ご飯
ここのところ、弊社の専門コラムでは食欲を減退させる話題が続きました。
なにせ、この国のトップリーダーがおにぎりをほうばっている動画を見せられると、別にお米の責任ではないのですが、おにぎりを食べたくなくなります。
とは言え、筆者はおにぎりが大好きで、出先で急ぐ時には、よくコンビニエンスストアでおにぎりを買っています。棚にあれば「塩むすび」を買います。
いろいろなものが入っているおにぎりは好みません。せいぜい、昆布か鮭です。
とにかく、この国のリーダーを巡る話がコラムでは多く、夏の暑さもあって食欲を失いかけていますが、減量を企図している筆者にとっては不幸中の幸いかもしれません。
この夏中に減量目標を達成出来たら、自民党に感謝すべきなのかもしれません。
下品な○×の話が続いていましたので、せめてメールマガジンの方ではお口直しを図りたいと思っていました。もともと当メールマガジンは、辛口のコラムが多くなるので、そのお口直しにどうでもいい話をするというのが主旨だったのですからね。
今回の表題は、ひょっとすると長くこのメールマガジンをお読み頂いている方にはご記憶があるかもしれません。
筆者もお届けした記憶があるのですが、よく覚えていません。メールマガジンを配信しているスタンドも300本しか記録がないので、現在まで400本以上配信してきたメールマガジンの初めの百数十本の中のことだったのだと思われます。
その後にお読み頂いている読者の方も多いので、また新たな気持ちで書き起こしています。
朝食というのは、本来筆者がもっとも好む食事でした。
筆者は物心ついたときには母親が病弱で入退院を繰り返しており、とくに3歳から小学校入学までは大手術のために入院しており、母親と一緒に暮らしていませんでした。海上自衛隊にいた父もこの間は艦隊勤務を離れていました。
小学校入学時に母親が退院して家族で暮らすことになり、父も艦隊に戻りましたが、出航中以外は朝食は家で取っていました。夜は遅くなることが多いので、平日は朝食が家族で食べる食事で、当時は珍しかったのですが、我が家の朝食はパンが主体でした。パンとベーコンに卵と野菜がメニューで、全寮制の中学・高校に進学しても、朝食がパンだったり米だったりする程度で、結構楽しみでした。
大学・大学院の6年間は自宅から通学していたので、朝食は家で取っていました。相変わらずパンとベーコンと卵でしたが、慣れ親しんだメニューで、朝食が好きになりました。
それが壊れたのが海上自衛隊です。
海上自衛隊の朝食の手抜きは酷いものでした。
米のご飯、みそ汁、漬け物、それに何か分からない干物がついてくる程度でした。候補生学校では、パンはあるにはありましたが、食パンとマーガリンがある程度で、スクランブルエッグなどはどこを探してもありませんでした。
結婚して自宅で朝食を食べて出勤するようになると事情が変わりました。我が家の司令長官は朝食はしっかり食べるべきという信念の持ち主で、起き抜けには到底食べきれないようなメニューで朝食を準備してくれるのです。
最近は事情があって、東京に出かける日は朝食後すぐに出るので、出かける前にやっておきたいことが多く、歳をとって食が細くなっていることもあり、かなり手抜きの朝食になっていますが、それでも朝食は筆者の好きな食事です。
さて、いろいろなところで朝食を食べてきましたが、記憶に残る朝食というのはあまりありません。あえてあげると3か所あげることが出来ます。順番に発表します。
第3位 青森県の八戸で小さな部隊の指揮官をしていた時のことです。
部下の隊員で地元出身者が多く、祖父母が近くにいるという隊員がよくいました。
ある日、キャンプに行く際、迎えに来たある隊員の祖父母が住んでいる家の前を通るので、是非、寄って行って欲しいと請われて寄り道をすることになりました。
そこで、朝ご飯を食べていきなさいと勧められて食べた朝食が忘れられないものでした。
前の年に収穫した自分の田んぼで採れた米、自家製の味噌で作ったみそ汁、おばあちゃんが何十年に渡って漬け物を作っている糠で漬けた漬け物、川魚の干物でしたが、おもわずご飯を2回お代わりしたのを覚えています。
多分、最初の一杯はご飯だけ食べていたように思います。
第2位
八戸に行くもっと前の任官して3年目くらいの若いころの話です。
環太平洋合同軍事訓練(RIMPAC)に筆者が乗り組んでいた船が参加し、筆者も対空ミサイル担当の砲術士として参加していました。
ところが、その船に与えられた任務が、米空母の対潜直衛であり、筆者は航海指揮官として占位位置を保持するだけの退屈な当直勤務にうんざりしていました。そこで米海軍から若手士官の交換教育をやらないかというプロポーズが来て、筆者が参加することになりました。
直衛している空母から中尉がやってきて、同じ階級だった筆者が彼の代わりに空母に行くことになりました。
空母で筆者がどのような部署に配置されたかは前回のメールマガジンでお伝えしていますが、一日2回、3時間ずつの当直をこなす以外は自由に艦内を見学して差し支えないということで、やはり艦内で暇を持て余しているF14のパイロットの少佐が、好きなところを見せてやるから、なんでも言ってこいと言ってあちこちを案内してくれました。
その空母で毎回1週間にわたって朝食を食べたのですが、昼食、夕食が酷いものだったのにもかかわらず、朝食だけは筆者の好みにぴったりでした。
米海軍では士官の食事は有料で、その代わりメニューから好きなものを選んで食べることが出来ます。乗り組みの兵隊さんたちとは別のものを食べています。海上自衛隊はたとえ護衛艦隊司令官が乗ってきても同じメニューで、同じ厨房で作ったものを食べることになります。
空母では、士官用のレストランが3か所にあり、1か所はカジュアルな雰囲気で、パイロットが飛行服を着たまま食べに来たりします。
別のレストランでは、艦内で当時着用されていたカーキーと呼ばれるカーキ色の制服を着て食べに行きます。街中にある普通のレストランという雰囲気です。
もう一つは、司令部の高級幕僚や中佐以上の士官が食事をするレストランで、ウェイティングルームで待っているとウェイターが迎えに来てくれるレストランです。
筆者は、物珍しさから前二者に順番に行っており、ある時、副長から招待されて高級士官用のレストランに行きました。
朝食は前二者のどちらかで食べていたのですが、調理専門の兵隊さんが来て、卵とベーコンの焼き方を尋ねてきます。二日目には筆者の好みを覚えていて、黙っていても焼いてくれます。
そのベーコンとスクランブルエッグがすごく美味いんです。絶妙な焼き加減で目の前で焼いてくれ、持っているさらに投げ込んでくるのですが、それをテーブルに持って行って「フウフウ」言いながらフォークですくっているとたまらなく美味くて、ある時、お代わりに行きました。調理係の黒人の兵隊さんが「あんたの食べ方を見ていて、もう1回来るなと思ってたよ。」とニコニコしたのが忘れられません。
第1位
筆者が作るベーコンエッグです。
筆者は第2位の米空母の朝食が忘れられず、その味を追い求めていました。
ところが、筆者の自宅では、司令長官が筆者がキッチンで料理をするのをあまり好みません。後片付けが悪いというのもあるのでしょうが、どうも料理は自分のテリトリーだと信じておられるようで、確かに料理が好きであることも事実です。
そこで、普段筆者が料理をすることはほとんどないのですが、単身赴任ではそうはいきません。
単身赴任時、筆者は昼食は隊で食事をして、夕食は大きく手抜きをしていました。買い物に出た日の夜にビーフシチューやポトフをたくさん作って、それを日々ちょっと味を変えて食べたりする程度でした。
しかし、朝食は毎回、卵とベーコンを焼いていました。
卵やベコンにこだわりがあるわけでなく、焼き方と食べるタイミングの問題だと思っていましたので、それを自分で選べる単身赴任は、思う存分美味いベーコンエッグを楽しむ機会でもありました。
八戸で小さな部隊の指揮官をしていた頃は、よくキャンプに行きました。
キャンプ場でも朝食は筆者が作っていました。
なぜか筆者が起きるのが一番早く、寒い日などは火を起して珈琲を淹れ、起きてきた順にその珈琲を飲ませたり、ベーコンエッグを作ったりしていました。
そのベーコンエッグが評判となり、八戸の他部隊の指揮官もそれを食べにくる者も現れるようになりました。
その結果、海上自衛隊出身者では筆者のベーコンエッグを食べたことのある者が延べで100人を超えているはずです。
ということで、誠に残念ながら、この3か所の朝食を皆様に楽しんで頂くことはできません。筆者自身も第1位の筆者が作るベーコンエッグしかもう食べることが出来ません。
皆様に唯一可能性があるのが、この筆者の作るベーコンエッグですが、これは筆者と一緒にキャンプに行っていただかねばなりません。
お誘い頂ければ馳せ参じますが、このところ、自分でキャンプに行くという習慣は無くなりました。
筆者の地元鎌倉には134号線の七里ガ浜沿いに朝食で有名なカフェがあります。まだ食べに行ったことはありませんが、多分筆者の5本の指に入ることはないだろうと思っています。雑誌やテレビで紹介された店で記憶に残っている店などないですからね。
朝食に限らず、グルメ番組など信じていませんし、ミシュランの星も信じていません。
いつも申し上げていますが、寿司は漁師の奥さんが作ってくれるのが一番うまいはずですし、肉や魚は焚火で塩と胡椒で炙って食べるのが一番うまいと信じています。
どの店で、いくらで食べるかではなく、どこで、誰と食べるかの方が大切だと思います。
どうですか、どうでもいい話だったでしょ?でも、現政権トップのおにぎりよりは美味しそうな気がしてきませんか?奴の食べ方を見ると、これほど酷い食べ物がこの世にあるかと思ってしまいますよね。
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