メールマガジン「指揮官の休日」 No.417 私は大佐?
2025/05/16 (Fri) 06:41
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、第432回 指揮官の覚悟 を掲載いたしました。
政治家には指揮官の覚悟は持てないから危機管理はできない、と筆者がよく主張する根拠を明らかにしています。
https://aegis-cms.co.jp/3521
No.417 私は大佐?
昔話です。
かつて、海上自衛官として勤務していたころの話です。
1等海佐で、神奈川県横須賀にある自衛艦隊司令部で監理主任幕僚として勤務していたことがあります。
自衛艦隊というのは、海上自衛隊の水上艦艇、航空機、潜水艦、掃海艇などすべての兵力を運用する部隊であり、帝国海軍では連合艦隊と呼ばれていたものとほぼ同じ組織です。
その司令部監理主任幕僚とは、会社でいうと管理部長とか総務部長と似た配置です。自衛艦隊司令部における人事、経理、渉外などを担当します。
部外講師を招いて勉強会などを開いたり、視察や見学を受け入れたりするのも仕事の範囲です。
あるとき、著名な評論家が見学を希望されたので、その代わり、講話をしてください、とお願いして自衛艦隊隷下の部隊の幹部に対して話をしてもらうことになりました。
その評論家の方は、保守系の論客で、国際関係や安全保障に関する議論をよくする方です。
その方がある研究所を主宰されており、その研究所の所員の方々含め、多数の方が見学に来られました。
筆者は、その調整役として自衛艦隊隷下の部隊の見学に付き合い、当日の幹部隊員相手のセミナーも滞りなく終わりました。
それをきっかけにその方とのお付き合いが始まり、米海軍の空母の見学の調整をしたり、横須賀にある記念艦三笠の見学をしたりしていました。さらには、海上自衛隊の哨戒機に研究員を乗せて尖閣上空を飛ぶというフライトも実現させました。
その方と雑談をしていた時のことです。
筆者の名刺を手帳から抜き出して、しげしげと眺め、「一等海佐」とあることを確認し、裏返して英文の方を確認していました。英文では、CAPT.Hayashiと綴られています。
キャプテンという階級は、海軍、陸軍、空軍、海兵隊でも用いますが、発音が同じでも略語が異なります。海軍はCAPTと全て大文字で綴りますが、陸軍、空軍、海兵隊はCaptと綴ります。
名刺を表にすると、その方は筆者に向かって、「林さん、あなたは一等海佐でいいと思っているの?」と言いました。筆者は意味が分からず、一瞬キョトンとしたかと思います。
「あなたは海軍大佐なんだよ。一等海佐とかいう変な階級はやめて、海軍大佐と名乗ったらどうなんですか? それがワールドスタンダードだよ。」と説明してくれました。
昭和の時代によく聞いた議論です。
筆者が入隊したころは、旧軍に籍を置いた先輩たちも多数おられました。その中には海上自衛隊の階級呼称に違和感を覚える人もいたかもしれませんが、筆者などは入隊した時から海上自衛隊だったので、 その階級呼称に違和感はありません。
そこで、筆者たちは自分たちの階級は、一佐、二佐、三佐と呼び、外国の軍人は大佐、中佐、少佐と呼び分けていました。
多分、その階級呼称は、自衛隊が発足するときに相当議論されたはずです。結局、旧内務官僚の意見が通って、旧軍の階級呼称ではなく、現在の自衛隊の階級呼称に落ち着いたのだと思います。
つまり、自衛官たちに旧軍のような真似はさせないために、旧軍とは別の階級呼称をさせるということです。軍人であるという自覚を持たせないということでしょう。
内務官僚たちの姑息な思いは理解できますが、その評論家の方の議論には賛成しかねるというのが筆者の感想でした。
ワールドスタンダードの階級呼称などありません。
帝国海軍で大佐というと、戦艦や航空母艦の艦長や、駆逐隊司令などの配置にありました。そのような階級の軍人を英語ではCaptainと呼んでいます。ドイツ語ではKapitän、フランス語も同様です。黒の制服で袖に金線を4本巻いています。
しかし、それは「大日本帝国海軍」の話であり、「海軍大佐」と言う階級呼称はちょっと前の中国人民解放軍の海軍で使われていただけで、世界中で使われたことはありません。
繰り返します。英語の世界では”Captain”です。
海上自衛隊の一等海佐は、日本語の名刺にはそう書きますし、英語ではCAPTと肩書を記載しています。何の不自由もありません。
なぜわざわざ中国に合わせなければならないのか意味が分かりませんでした。
そこで、「私は海上自衛官で中国海軍ではないので、一等海佐でいいです。軍人としての覚悟はどの国にも負けません。」とだけ答えて終わりました。
この方は改憲論者で、その理由はそれなりに考えられたものですが、昭和の時代の改憲論者には、単なる旧海軍へのノスタルジーからものを言う人がたくさんいました。
私たちは、一等海佐という階級呼称に特に違和感は持っていませんでしたし、誇りを持っていました。
旧軍の士官に比べて社会的評価は極めて低いのですが、それでも自分の職務に責任感と誇りを持っていました。世の中が評価してくれなくとも自覚をもって任務にあたるというのは、防衛大学校1期生からの伝統かもしれません。
防大1期生の卒業に際し、当時の吉田首相が、「君たちは自衛隊在職中決して国民から感謝されたり、歓迎されたりすることなく自衛隊を終わるかも知れない。非難とか誹謗ばかりの一生かもしれない。ご苦労なことだと思う。しかし、自衛隊が国民から歓迎されチヤホヤされる事態とは、外国から攻撃されて国家存亡のときとか、災害派遣のときとか、国民が困窮し国家が混乱に直面しているときだけなのだ。言葉を換えれば、君たちが日陰者であるときのほうが、国民や日本は幸せなのだ。どうか、耐えてもらいたい。自衛隊の将来は君たちの双肩にかかっている。しっかり頼むよ。」と訓示したと伝えられています。
歴代防衛大学校卒業生は、「税金泥棒」や「人殺し集団」などとののしられても、この訓示を胸に訓練に励み、現在の世界に冠たる実力を持つ自衛隊を作ってきました。
筆者はそれでいいかと思っています。
安倍首相は、憲法改正の理由として、「海外に派遣される自衛隊の部隊に、君たちは違憲かもしれないが、頑張ってきてくれ。」とは到底言えないとして、第9条に自衛隊を明記すると言われていましたが、それでは、防衛大学校の歴代卒業生の思いが無駄になってしまいます。
自衛隊に政治家の激励なんか必要はありません。むしろ、出発に際し政治家など見送りに来ないで欲しいというのが素直な思いでしょう。家族や恋人との貴重な最後の時間を割かなければならず、面倒なだけですからね。
防大の1期生以来、非難や誹謗を浴びつつ頑張ってきた努力を無にしかねない議論には組するつもりはありません。
米国では軍人は大切にされ、様々な特権が与えられ、筆者も連絡官として米国に駐在していた時にはその恩恵に預かりましたが、そのような社会は不幸な社会なのです。戦争をしているわけですからね。
そんな特別扱いはしてくれなくてもいいですが、都合によって自衛隊法を適用したり、処遇については国家公務員法を準用したりする出鱈目だけやめて頂ければいいかと思っています。
海軍大佐と名乗りたいと思っていたわけではありません。
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専門コラム 第432回 指揮官の覚悟
前回のコラムで、政治家には「覚悟」がないので危機管理はできないと言って、参議院議員秘書を怒らせた話を紹介しました。指揮官は私心を捨てなければならないのに、私心だけの政治家に危機管理なんかできるものか、ということでした。
それでは、指揮官が持つべき覚悟とは何かという話をさせていただきます。
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『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
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ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
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多分、その階級呼称は、自衛隊が発足するときに相当議論されたはずです。結局、旧内務官僚の意見が通って、旧軍の階級呼称ではなく、現在の自衛隊の階級呼称に落ち着いたのだと思います。
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