メールマガジン「指揮官の休日」 No.409 ふざけるな!
2025/01/17 (Fri) 19:30
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、第422回 特別権力関係 を掲載いたしました。
軍隊における教育訓練を中学・高校の教育と同様に考える人々がいるようです。
自衛隊員は一般の公務員とはまったく異なる服務の宣誓をして入隊してきます。
彼らの任務は命がけなのです。
彼らをいかなる状況においても任務を果たして生還できるように育ててやる必要があります。
そんなことを理解しない世論に対する違和感について語っています。
https://aegis-cms.co.jp/3473
No.409 ふざけるな!
正月早々怒っています。
もともとどうでもいい記事をアップして、呆れてサッサと専門コラムに跳んでいただくことを目的として執筆していますので、内容には責任を持ちませんし、ファクトチェックもしていません。ただし、弊社の名前で発行しているオフィシャルメールマガジンですので、そこで何を書いても、匿名の誹謗中傷ではありませんので、もし、内容に気に障る点があれば、ご通知頂ければそれなりの対応をいたします。(謝罪訂正しますとは言ってませんよ。)
今回、何を怒っているかというと、JRに乗っていて観た車内のPR動画です。
筆者は、JRに乗って座っているときは本を読んでいることが多く、車内の広告などほとんど見ていませんが、この時はたまたま目が疲れたので反対側の窓の上に設置されているモニターに写されていた動画を観ていました。
トレイン・ニュースという短い動画が放映されていたのですが、その中で、サイボウズという会社が提供しているキントーンという製品のCMがありました。
これは、プログラム開発の知識が無くても、ノーコードで業務用アプリを作ることのできるクラウド型アプリ開発のプラットフォームです。
そのCMで、何を筆者が怒ったかというと、途中で入った字幕が酷かったからです。
豊川悦司さん演ずる会社の管理職が一人で楽しそうに何らかのアプリケーションを作っているようです。そして、その様子を部下の若い男女が驚きをもって見守っています。
そして突如大きな字幕が入りました。「文系管理職なのに」という文字です。
このCMは、あたかも文系管理職には通常はアプリケーション開発の能力がなく、それは理系の得意技だと言わんばかりです。
こういうCMを作るサイボウズという会社のセンスや発想を疑います。
一般に文系と言われる人々の特徴は数学が苦手、というイメージでしょう。
筆者も、このメールマガジンや弊社ウェブサイトに掲載の専門コラムで大学が私立文系であるテレビのディレクターや新聞記者を半分小馬鹿にした記事を掲載しています。
なぜなら、こいつらは人にコロナ禍の情勢についての解説を依頼するに際し、あらかじめ「こう質問しますから、この方向でお答えください、そして、それを裏付ける資料をご用意ください。」と押し付け、事実と異なるからそんな説明はできないと断ると、なぜかと食い下がり、問題が数字だったために、その説明をするとほとんど理解できなかったからです。高度な統計学の話をしているのではなく、中 学生の数学でも理解できるように単純な確率の話をしても理解しないのです。
シグマやインテグラが出てくると、「微分とか積分を使わずに説明できないですか?読者が分かりにくいんで。」とか言うのですが、筆者が「分かっていない筆頭がお前だろう。これは解析学の話ではなくて代数の話だぜ。この区間を足していけと言っているだけだ。」と言うと、キョトンとしてしまいます。
ある通信社にいたっては、コロナ禍において、ある大学の研究者たちが発表した論文を完全に誤読して、GoToトラベル事業とコロナウィルス感染者の関係が統計学的に証明されたと配信したのですが、この論文の執筆者たちは、自分たちが統計学的証明をしていないことを承知していて、その結果統計学的証明などとどこにも書いていないのです。
つまり、この通信社の記者は、英語が読めず、統計学的証明には因果関係と相関関係が必要と言う基本的な事項すら知らないのです。
コロナ禍に関して筆者が面識を得たマスコミ関係者のほとんどが私立文系学部出身者だったので、こいつらは算数もABCも分からない奴らだという先入観を持っているにすぎません。もちろん、この主張が合成の誤謬を起こしていることは承知しています。中には素晴らしい能力を持った社会部の記者もいらっしゃるでしょうし、そうでなければ困ると思ってもいます。しかし、筆者の前に現れた社会部の記者たちは、芸能人のゴシップ漁りがせいぜい身の丈の卑しい連中ばかりでした。この連中のほとんどが私立文系なんです。
自然災害や先端科学技術の問題になると、それぞれの部門から記者が出てきます。3.11で福島原発が水素爆発を起こした際、何が起きていて、今後どのようになるのかを取材していたのは科学技術を扱う部門の記者たちが多数でした。
しかし、コロナ禍では、相手が未知のウィルスであるにも関わらず、生物や医学の教養をもった部門の記者ではなく、社会部の記者たちが取材していました。普段は芸能人のゴシップなどが専門の連中で、確かに彼らは算数が苦手のようです。
ちなみに筆者も大学は私立文系です。
筆者が大学在学中にNECがTK-75というコンピュータを売り出しました。これはワンボードのプリント基板に集積回路と7セグメントのLEDがいくつか載っただけのむき出しの、いわゆるマイコンと呼ばれたコンピュータであり、これに四則の演算をさせるプログラムを組むだけで3か月かかったことを覚えています。
7セグメントのLEDは、機械語ではなく16進数を使い、たしかニーモニックコードが使えたかと記憶しています。(ずいぶん昔のことなので、記憶が定かではありません。)
そんな格闘をヨットの外洋レース熱中していた大学時代にしていたのです。繰り返しますが、筆者は私立文系の大学生でした。
経済学部の学生でしたので、統計学やFORTLANやCOBOLを教えてくれる授業があり、それらで統計学の基礎やプログラミングを学びました。
海上自衛隊に入隊して、幹部候補生学校で1年間絞られた後、艦隊勤務に就いたのですが、最初の配置は蒸気タービン艦の機関士でした。
機関科の学校の任務課程という課程で、機関士として必要な勉強を詰め込まれ、熱力学なども学びました。
次の配置は護衛艦の通信士でした。軍隊では暗号も用いるため、通信や暗号を専門的に勉強しようとすると、数学の専門家にならなければなりません。筆者は大学院の時に、クロード・シャノンの「通信の数学的理論」という不朽の名論文のコピーを手に入れていましたが、海上自衛隊の護衛艦の通信士と言うのは通信の専門家ではありません。商船や漁船なら、電報の発信や、今ならコンピュータ通信などを担当するのでしょうが、通信部門の指揮監督はするものの、自分で発信などすることはなく、勤務場所はほとんどが艦橋であり、航海士として航海長や艦長の補佐に当たるのが仕事です。つまり、航海学の知識・教養が求められます。
その次の配置は砲術士であり、射撃理論を学びます。しかし、これは弾道学の基礎と公算学という極めて初歩的な統計学の応用でした。
繰り返しますが、筆者は私立文系学部出身です。
つまり、海上自衛隊の護衛艦で蒸気タービンの機関士になったり、暗号を解いたり、艦橋で航海士として勤務したり、大砲やミサイルを撃ったりするのに、理系学部を出ている必要なんかありません。
海幕で部下を持つようになったころ、文学部国文科出身で、在学中は「源氏物語」しか読んだことがありません、という部下が着任してきたことがありました。彼は当時の最新鋭哨戒機P-3Cの教官パイロットでした。
筆者も飛行機の操縦資格を持っていますが、距離を速力で割って必要な飛行時間を計算できれば問題ありません。つまり、飛行機の操縦だって、私立文系で十分なんです。
まともな思考力さえあれば、大学が理系であろうと文系であろうと関係ないのです。社会部の記者たちには、そのようなまともな思考力すらないからコロナ禍に関して出鱈目な報道に終始したのでしょう。
筆者は私立文系学部出身ですが、Unixで数千ステップに及ぶプログラムを書いたことがあります。プログラミングに必要なのは、アルゴリズムの理解と、論理的思考法、そして何より、プログラムが利用される業務に関する理解であり、理数系の能力は関係がありません。
むしろ、論理的な思考は文系の学問において必要とされます。例えば法律学などは極めて論理的ですし、価値観が変わるとアルゴリズム自体が大きく変わってしまうので、学問的な議論をする際には注意しなければなりません。大学・大学院で数学を学び、数論が専門の友人がいますが、彼に言わせると、数学者に必要なのは直観力だそうです。
サイボウズのキントーンの広告は、文系上司がアプリを楽しそうに作っているのを見た若造の驚きを表現しており、文系でもアプリを作ることができることを売りにしているようですが、そもそもこの会社は、世の中で行われている業務の本質を理解しているのでしょうか。
上司がアプリを楽しみながら作っているのは、彼が業務をよく知っており、論理的思考ができ、アルゴリズムを理解しているからです。そこへ開発プラットフォームがコードなしでアプリを作ることのできる環境を提供してくれれば、便利には違いあませんが、別に文系だからと言って驚くようなことではありません。
筆者が、私立文系学部出身の社会部記者たちを〇×扱いしているのは、たまたま目の前に現れたその類の連中が算数もABCも理解しない連中だったからであり、世の中全般の文系管理職を〇×扱いしているわけではありません。しつこいかもしれませんが、筆者も私立文系学部出身です。
むしろ文系学部出身者にその程度の認識をもつ会社自体を疑っています。
当メールマガジンは株式会社イージスクライシスマネジメントが発行しているメールマガジンではなく、匿名の誹謗中傷ではありません。堂々と、サイボウズの認識は誤りであり、この広告は文系ビジネスマンに対する誹謗以外のなにものでもないと主張します。異論があれば、弊社へご連絡ください。議論には応じます。
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専門コラム 第421回 特別権力関係
昨年末、海上自衛隊と米海軍との円滑な相互交流や親睦を図る目的で設立された日米ネイビー友好協会の会合に出席し、現役の海上自衛官たちから話を聞く機会がありました。
筆者が海上自衛隊を退官したのが13年前になりますので、いろいろ変わっていることにびっくりすることが多かったのですが、中でも最も驚き、かつ、危機感を抱いたのが、幹部候補生学校における教育でした。
https://aegis-cms.co.jp/3473
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Facebookページ 「指揮官の決断/休日」 https://www.facebook.com/aegis.cm
Facebookページでは、当メールマガジンでは見ることのできない写真もご覧頂くこ
とが出来ます。
是非Facebookページをご訪問ください。
Twitterでも時々、折に触れて気が付いたことを呟いています。
https://twitter.com/CaptainHayashi です。
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弊社出版物のご紹介
『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
セルバ出版
お求めの方は、こちらからどうぞ。
https://aegis-cms.co.jp/book1
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教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
こちらをどうぞ
https://aegis-cms.co.jp
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://aegis-cms.co.jp/cpx
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発行人:株式会社イージスクライシスマネジメント
代表取締役 林 祐
email: yhayashi@aegis-cms.co.jp
Web : http://aegis-cms.co.jp
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専門コラム「指揮官の決断」は、第422回 特別権力関係 を掲載いたしました。
軍隊における教育訓練を中学・高校の教育と同様に考える人々がいるようです。
自衛隊員は一般の公務員とはまったく異なる服務の宣誓をして入隊してきます。
彼らの任務は命がけなのです。
彼らをいかなる状況においても任務を果たして生還できるように育ててやる必要があります。
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No.409 ふざけるな!
正月早々怒っています。
もともとどうでもいい記事をアップして、呆れてサッサと専門コラムに跳んでいただくことを目的として執筆していますので、内容には責任を持ちませんし、ファクトチェックもしていません。ただし、弊社の名前で発行しているオフィシャルメールマガジンですので、そこで何を書いても、匿名の誹謗中傷ではありませんので、もし、内容に気に障る点があれば、ご通知頂ければそれなりの対応をいたします。(謝罪訂正しますとは言ってませんよ。)
今回、何を怒っているかというと、JRに乗っていて観た車内のPR動画です。
筆者は、JRに乗って座っているときは本を読んでいることが多く、車内の広告などほとんど見ていませんが、この時はたまたま目が疲れたので反対側の窓の上に設置されているモニターに写されていた動画を観ていました。
トレイン・ニュースという短い動画が放映されていたのですが、その中で、サイボウズという会社が提供しているキントーンという製品のCMがありました。
これは、プログラム開発の知識が無くても、ノーコードで業務用アプリを作ることのできるクラウド型アプリ開発のプラットフォームです。
そのCMで、何を筆者が怒ったかというと、途中で入った字幕が酷かったからです。
豊川悦司さん演ずる会社の管理職が一人で楽しそうに何らかのアプリケーションを作っているようです。そして、その様子を部下の若い男女が驚きをもって見守っています。
そして突如大きな字幕が入りました。「文系管理職なのに」という文字です。
このCMは、あたかも文系管理職には通常はアプリケーション開発の能力がなく、それは理系の得意技だと言わんばかりです。
こういうCMを作るサイボウズという会社のセンスや発想を疑います。
一般に文系と言われる人々の特徴は数学が苦手、というイメージでしょう。
筆者も、このメールマガジンや弊社ウェブサイトに掲載の専門コラムで大学が私立文系であるテレビのディレクターや新聞記者を半分小馬鹿にした記事を掲載しています。
なぜなら、こいつらは人にコロナ禍の情勢についての解説を依頼するに際し、あらかじめ「こう質問しますから、この方向でお答えください、そして、それを裏付ける資料をご用意ください。」と押し付け、事実と異なるからそんな説明はできないと断ると、なぜかと食い下がり、問題が数字だったために、その説明をするとほとんど理解できなかったからです。高度な統計学の話をしているのではなく、中 学生の数学でも理解できるように単純な確率の話をしても理解しないのです。
シグマやインテグラが出てくると、「微分とか積分を使わずに説明できないですか?読者が分かりにくいんで。」とか言うのですが、筆者が「分かっていない筆頭がお前だろう。これは解析学の話ではなくて代数の話だぜ。この区間を足していけと言っているだけだ。」と言うと、キョトンとしてしまいます。
ある通信社にいたっては、コロナ禍において、ある大学の研究者たちが発表した論文を完全に誤読して、GoToトラベル事業とコロナウィルス感染者の関係が統計学的に証明されたと配信したのですが、この論文の執筆者たちは、自分たちが統計学的証明をしていないことを承知していて、その結果統計学的証明などとどこにも書いていないのです。
つまり、この通信社の記者は、英語が読めず、統計学的証明には因果関係と相関関係が必要と言う基本的な事項すら知らないのです。
コロナ禍に関して筆者が面識を得たマスコミ関係者のほとんどが私立文系学部出身者だったので、こいつらは算数もABCも分からない奴らだという先入観を持っているにすぎません。もちろん、この主張が合成の誤謬を起こしていることは承知しています。中には素晴らしい能力を持った社会部の記者もいらっしゃるでしょうし、そうでなければ困ると思ってもいます。しかし、筆者の前に現れた社会部の記者たちは、芸能人のゴシップ漁りがせいぜい身の丈の卑しい連中ばかりでした。この連中のほとんどが私立文系なんです。
自然災害や先端科学技術の問題になると、それぞれの部門から記者が出てきます。3.11で福島原発が水素爆発を起こした際、何が起きていて、今後どのようになるのかを取材していたのは科学技術を扱う部門の記者たちが多数でした。
しかし、コロナ禍では、相手が未知のウィルスであるにも関わらず、生物や医学の教養をもった部門の記者ではなく、社会部の記者たちが取材していました。普段は芸能人のゴシップなどが専門の連中で、確かに彼らは算数が苦手のようです。
ちなみに筆者も大学は私立文系です。
筆者が大学在学中にNECがTK-75というコンピュータを売り出しました。これはワンボードのプリント基板に集積回路と7セグメントのLEDがいくつか載っただけのむき出しの、いわゆるマイコンと呼ばれたコンピュータであり、これに四則の演算をさせるプログラムを組むだけで3か月かかったことを覚えています。
7セグメントのLEDは、機械語ではなく16進数を使い、たしかニーモニックコードが使えたかと記憶しています。(ずいぶん昔のことなので、記憶が定かではありません。)
そんな格闘をヨットの外洋レース熱中していた大学時代にしていたのです。繰り返しますが、筆者は私立文系の大学生でした。
経済学部の学生でしたので、統計学やFORTLANやCOBOLを教えてくれる授業があり、それらで統計学の基礎やプログラミングを学びました。
海上自衛隊に入隊して、幹部候補生学校で1年間絞られた後、艦隊勤務に就いたのですが、最初の配置は蒸気タービン艦の機関士でした。
機関科の学校の任務課程という課程で、機関士として必要な勉強を詰め込まれ、熱力学なども学びました。
次の配置は護衛艦の通信士でした。軍隊では暗号も用いるため、通信や暗号を専門的に勉強しようとすると、数学の専門家にならなければなりません。筆者は大学院の時に、クロード・シャノンの「通信の数学的理論」という不朽の名論文のコピーを手に入れていましたが、海上自衛隊の護衛艦の通信士と言うのは通信の専門家ではありません。商船や漁船なら、電報の発信や、今ならコンピュータ通信などを担当するのでしょうが、通信部門の指揮監督はするものの、自分で発信などすることはなく、勤務場所はほとんどが艦橋であり、航海士として航海長や艦長の補佐に当たるのが仕事です。つまり、航海学の知識・教養が求められます。
その次の配置は砲術士であり、射撃理論を学びます。しかし、これは弾道学の基礎と公算学という極めて初歩的な統計学の応用でした。
繰り返しますが、筆者は私立文系学部出身です。
つまり、海上自衛隊の護衛艦で蒸気タービンの機関士になったり、暗号を解いたり、艦橋で航海士として勤務したり、大砲やミサイルを撃ったりするのに、理系学部を出ている必要なんかありません。
海幕で部下を持つようになったころ、文学部国文科出身で、在学中は「源氏物語」しか読んだことがありません、という部下が着任してきたことがありました。彼は当時の最新鋭哨戒機P-3Cの教官パイロットでした。
筆者も飛行機の操縦資格を持っていますが、距離を速力で割って必要な飛行時間を計算できれば問題ありません。つまり、飛行機の操縦だって、私立文系で十分なんです。
まともな思考力さえあれば、大学が理系であろうと文系であろうと関係ないのです。社会部の記者たちには、そのようなまともな思考力すらないからコロナ禍に関して出鱈目な報道に終始したのでしょう。
筆者は私立文系学部出身ですが、Unixで数千ステップに及ぶプログラムを書いたことがあります。プログラミングに必要なのは、アルゴリズムの理解と、論理的思考法、そして何より、プログラムが利用される業務に関する理解であり、理数系の能力は関係がありません。
むしろ、論理的な思考は文系の学問において必要とされます。例えば法律学などは極めて論理的ですし、価値観が変わるとアルゴリズム自体が大きく変わってしまうので、学問的な議論をする際には注意しなければなりません。大学・大学院で数学を学び、数論が専門の友人がいますが、彼に言わせると、数学者に必要なのは直観力だそうです。
サイボウズのキントーンの広告は、文系上司がアプリを楽しそうに作っているのを見た若造の驚きを表現しており、文系でもアプリを作ることができることを売りにしているようですが、そもそもこの会社は、世の中で行われている業務の本質を理解しているのでしょうか。
上司がアプリを楽しみながら作っているのは、彼が業務をよく知っており、論理的思考ができ、アルゴリズムを理解しているからです。そこへ開発プラットフォームがコードなしでアプリを作ることのできる環境を提供してくれれば、便利には違いあませんが、別に文系だからと言って驚くようなことではありません。
筆者が、私立文系学部出身の社会部記者たちを〇×扱いしているのは、たまたま目の前に現れたその類の連中が算数もABCも理解しない連中だったからであり、世の中全般の文系管理職を〇×扱いしているわけではありません。しつこいかもしれませんが、筆者も私立文系学部出身です。
むしろ文系学部出身者にその程度の認識をもつ会社自体を疑っています。
当メールマガジンは株式会社イージスクライシスマネジメントが発行しているメールマガジンではなく、匿名の誹謗中傷ではありません。堂々と、サイボウズの認識は誤りであり、この広告は文系ビジネスマンに対する誹謗以外のなにものでもないと主張します。異論があれば、弊社へご連絡ください。議論には応じます。
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専門コラム 第421回 特別権力関係
昨年末、海上自衛隊と米海軍との円滑な相互交流や親睦を図る目的で設立された日米ネイビー友好協会の会合に出席し、現役の海上自衛官たちから話を聞く機会がありました。
筆者が海上自衛隊を退官したのが13年前になりますので、いろいろ変わっていることにびっくりすることが多かったのですが、中でも最も驚き、かつ、危機感を抱いたのが、幹部候補生学校における教育でした。
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1 ACMS導入コンサルティング
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と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
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について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
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