メールマガジン「指揮官の休日」 No.408 そんなに端がいいですか?
2025/01/10 (Fri) 06:30
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、第421回 危機管理の要諦 を掲載いたしました。
新年にあたり、そもそも危機管理とは何なのかを考えるため、現政権の危機管理の見方を素材にして議論しています。
https://aegis-cms.co.jp/3470
No.408 そんなに端がいいですか?
最近、週に2~3回東京に出ることがあります。ある会社の参与を引き受けたためなのですが、ここでは、いろいろと勉強になることが多く、嫌いな東京通いも我慢しています。
湘南から出かけると東京駅を通り過ぎて行くところなのですが、頻繁にJRに乗っていたコロナ禍以前と比べて面白いことに気づきます。
横須賀線のグリーン車や東海道線のボックス席を除くと、各車両の前部や後部には優先席が設置され、それ以外は進行方向に対して横向きに7人掛けのシートが作られています。
両端が二人掛け、真ん中が三人掛けですね。
女性はどうもこの二人掛けの端側、つまりドアの近くに座りたがるようで、その席が空くと、隣にいた人が移動することが多いようです。
この光景はコロナ禍以前にもありました。
ところが、最近は、隣どころかいくつか離れた席に座っている女性も移動してきて端のシートに座ろうとします。
多分、両側に他人がいて、肩を接していなければならないのが嫌なのでしょう。片側だけでも他人がおらず、自分だけのスマートフォンの世界に没頭したいのかもしれません。
筆者も電車に乗り込んで、シートの端が空いていると、端に座ることが多いかと思います。それは、複数名で乗り込んできた人たちがバラバラに座らなくて済むようにという思いからであり、ガラガラの車内で、そのような配慮をする必要がない場合などは特に端のシートなどは意識していません。特に冬は寒いのでドアの近くの席はむしろ避けています。
女性でも、隣の端のシートが空いても移動しないでいる人もいます。観察していると、そのような人の多くは、20代後半から30代くらいのきれいな女性です。特に、スマートフォンではなく、本を読んでいるような女性は、まず移動などしません。
ある時、朝のラッシュ時に東京に出かけなければならない時に、大船駅始発の京浜東北線に乗っていたことがあります。
筆者の自宅は鎌倉ですが、最寄り駅は鎌倉駅ではなく、江の島に近いので、JRに乗るときはモノレールで大船に出て乗り換えるのが便利なのです。
京浜東北線は大船と大宮の間を運行していますので、東京に出るとき、時間はかかりますが、大船駅で乗れば始発駅ですので座ることができます。いろいろな仕事をしながらの移動の場合には、この手段を使います。
その日は大船駅で、すでに出来ていた列に並んで乗り込みましたので、シート中央の三人掛けの席に座りました。
大船を出て隣駅で乗ってきた女性が私の隣の女子高校生の前に立ちました。通学時間帯であり、その次の駅で降りる高校の制服を着た生徒の前に立ったのです。いい判断です。
20代後半か30代前半の背の高いきれいな女性でした。
その次の駅で隣に座っていた女子高校生が下車し、彼女が代わって隣のシートに座りました。本を読んでいるのですが、チラッと見ると、英語のペーパーバックでした。筆者が学生時代に何度も挑戦してついに一冊もまともに読めなかったペリカンブックスでしたから、古典を読んでいたのかもしれません。
この京浜東北線の東京より南側の混雑のピークは桜木町で、それを過ぎると乗ってくる人よりも降りる人のほうが多く、だんだんと空いてきます。
品川を過ぎたあたりからは、筆者の座っている7人掛けのシートも両端が空き席になり、反対側のシートにも二人くらいしか座っていません。
それでも彼女は移動しないのです。
ついには、7人掛けのシートの中央に我々二人、反対側の7人掛けには老婦人が一人だけということになったのですが、彼女は一向に気にせずに座っています。本に没頭しているということでもなく、時々景色を見たり、携帯電話のメールを確認したりしてはいるのですが、移動しないのです。
女性にはこういう剛の者もいます。
コロナ禍以後はシートの端を求めて移動する男性も珍しくなくなったようです。しかも、隣に移動するのではなく、少し離れたシートからも移動しています。
そういう男の顔を見ると、「こういう奴を部下にしたくないな。」という感じの奴ばかりです。
先日、奇妙な経験をしました。
総武線に乗って鎌倉へ帰ろうとしていた時です。
荷物が重かったのと、乗った際には混んでいたので、7人掛けのシートの端の棚の上にカバンを上げていました。すると、東京駅の一つ手前の駅で、筆者の前の端の席に座っていた人が下車したので、筆者はそこに座りました。
座ってしばらくは考え事をしていたのですが、東京駅に着き、いろいろな人が降りて、車内が空いてきたのに気づき、カバンの中に入れた資料が気になり始めました。家に帰る前に一通り目を通しておきたかったのです。
東京駅で、しばらく止まった後、動き出したところを見計らって、筆者は棚の上のカバンを取るために立ち上がり、下ろしたカバンを筆者が座っていたシートに載せて資料を入れたフォルダーを取り出しました。
それを見ていた反対側のシートの中央に座っていた男性が立ち上がって、筆者のすぐ後ろに立ったのです。
つまり、彼は筆者が次の駅で降りる準備をしていると勘違いして、筆者が座っていた端のシートに移動しようと私のすぐ後ろまで移動してきたのです。
ところが筆者は下車するつもりはなく、目当てフォルダーを見つけて取り出し、カバンをもう一度棚に上げようとしました。反対側から移ってきた男性は、ほかの人に端の席を取られないように、筆者がカバンを持ったとたんに横に回り込んで、筆者を押しのけて座ろうとしたのですが、そこには私のもう一つの小さなショルダーバッグが置いてあり、それをどけないと座れませんでした。筆者がそのショルダーバッグを手に取って、書類フォルダーを持ってそのシートに座りなおすと、彼はものすごい目つきで睨みつけてきました。彼が座っていたシートには東京駅で乗ってきた人がすでに座っていて、戻ることもできないのです。
結局彼は筆者の前に立ったまま、次の駅まで、筆者の膝にわざと脚をぶつけたりの嫌がらせをしていましたが、いくつか離れたシートの乗客が次の駅で降りるのを見て、そちらに走っていきました。そちらでも近くに立っていた人が先に座ってしまったので、結局彼はどこにも座ることができず、その次の駅で降りてしまいました。最初からその駅が下車駅だったのなら、わざわざ反対側から移ってくるようなものでもないはずですが、変な奴がいるものです。
このシートの端を取りたがる人間行動を社会学的に分析すると次のような三つの理由が即座に浮かんできます。
まず、端の席は「パーソナル・スペース」を確保しやすいという点が挙げられます。端に座ることで、隣に他人が座った場合でも、片側だけは自分のスペースを維持できるため、安心感を得られます。
また、端の席は身体を壁や仕切りに近づけることができるため、外敵から身を守る感覚を得やすいという側面もあるでしょう。特に混雑した車両では、周囲の人々の動きに対する不安を軽減する効果があります。
さらに、端の席に座ることは、他人との関わりを最小限に抑えたいという心理とも関連しているかもしれません。他人と接触したくないという気持ちから、端の席を選ぶということでしょう。
しかしですよ。
私たち日本人には、「恥」という概念が根強く息づいています。本能による行動をあからさまにすることは恥ずかしいと考える文化的習慣が生成されてきました。つまり、性欲・食欲などをむき出しにすることを「恥」と考える文化があるということです。
このような考え方を筆者は美しいと思っており、日本が誇るべき精神価値だと考えています。それがどのような経緯で成り立ってきたのかは筆者には分かりません。
儒教の影響でないことは確かです。お隣の韓国にはそのような感覚は全くありません。彼らにあるのは「恥」ではなく、「恨」という感覚です。
仏教の影響でもないことは、中国やインドを見れば分かります。
筆者が推定しているのは、雅を尊んだ平安貴族の文化に対し、その末期に勃興してきた武士団が作った文化が、自分たちは貴族とは違うぞという質実剛健を尊ぶ気風を生み、それが禅の教えなどの影響を受けて、茶道のような極めて簡素な中に研ぎ澄まされた感性を見出す文化を育み、一方で「恥」という概念を創り出してきたのではないかということです。
本能行動むき出しの端取り行動は、筆者に言わせれば醜い行動であり、防御本能から女性が取る行動としては許容するものの、男性には「ちょっとは我慢せいっ!」と言いたくなりますし、そんなことを臆面もなくやる奴を部下に持ちたいとは思いません。
学校を出てから海上自衛隊で育てられた筆者は「質実剛健」という言葉が大好きで、最も嫌いな態度が「付和雷同」なのですが、シートの端を巡って移動していく男たちには、主体性というものが感じられず、逆にそんなことを気にもかけないそぶりの女性たちには凛とした美しさを感じます。
まぁ、どうでもいい話ではありますが、それがこのメールマガジンの本旨でもあります。
今年もこの調子で飛ばしてまいります。
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専門コラム 第421回 危機管理の要諦
自民党の総裁選挙の投開票が昨年の9月29日に行われました。
筆者は、もともと政治家が大嫌いで、腐りきった政党などには何の関心もないのですが、腐っても鯛であることは承知しており、関心はなくとも、私たちの生活に関係が出てくることも理解しておりますので、仕方なしに、各候補の危機管理に関する認識、経済政策、安全保障政策にのみ注目して観ていました。この三分野くらいしか筆者には理解できないからです。
ただし、経済政策や安全保障政策に関して、当コラムは専門としておりませんので、それらを扱う際には慎重な態度をとらざるを得ません。
特に、経済政策に関して、財務省の主張は筆者には理解できないことばかりであって、当コラムで扱うのを戸惑っております。
筆者には、緊縮財政派の議員や学者の主張がまったく理解できず、先の財務省矢野次官のワニの口の議論も理解できません。
https://aegis-cms.co.jp/3470
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是非Facebookページをご訪問ください。
Twitterでも時々、折に触れて気が付いたことを呟いています。
https://twitter.com/CaptainHayashi です。
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弊社出版物のご紹介
『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
セルバ出版
お求めの方は、こちらからどうぞ。
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教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
こちらをどうぞ
https://aegis-cms.co.jp
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://aegis-cms.co.jp/cpx
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発行人:株式会社イージスクライシスマネジメント
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No.408 そんなに端がいいですか?
最近、週に2~3回東京に出ることがあります。ある会社の参与を引き受けたためなのですが、ここでは、いろいろと勉強になることが多く、嫌いな東京通いも我慢しています。
湘南から出かけると東京駅を通り過ぎて行くところなのですが、頻繁にJRに乗っていたコロナ禍以前と比べて面白いことに気づきます。
横須賀線のグリーン車や東海道線のボックス席を除くと、各車両の前部や後部には優先席が設置され、それ以外は進行方向に対して横向きに7人掛けのシートが作られています。
両端が二人掛け、真ん中が三人掛けですね。
女性はどうもこの二人掛けの端側、つまりドアの近くに座りたがるようで、その席が空くと、隣にいた人が移動することが多いようです。
この光景はコロナ禍以前にもありました。
ところが、最近は、隣どころかいくつか離れた席に座っている女性も移動してきて端のシートに座ろうとします。
多分、両側に他人がいて、肩を接していなければならないのが嫌なのでしょう。片側だけでも他人がおらず、自分だけのスマートフォンの世界に没頭したいのかもしれません。
筆者も電車に乗り込んで、シートの端が空いていると、端に座ることが多いかと思います。それは、複数名で乗り込んできた人たちがバラバラに座らなくて済むようにという思いからであり、ガラガラの車内で、そのような配慮をする必要がない場合などは特に端のシートなどは意識していません。特に冬は寒いのでドアの近くの席はむしろ避けています。
女性でも、隣の端のシートが空いても移動しないでいる人もいます。観察していると、そのような人の多くは、20代後半から30代くらいのきれいな女性です。特に、スマートフォンではなく、本を読んでいるような女性は、まず移動などしません。
ある時、朝のラッシュ時に東京に出かけなければならない時に、大船駅始発の京浜東北線に乗っていたことがあります。
筆者の自宅は鎌倉ですが、最寄り駅は鎌倉駅ではなく、江の島に近いので、JRに乗るときはモノレールで大船に出て乗り換えるのが便利なのです。
京浜東北線は大船と大宮の間を運行していますので、東京に出るとき、時間はかかりますが、大船駅で乗れば始発駅ですので座ることができます。いろいろな仕事をしながらの移動の場合には、この手段を使います。
その日は大船駅で、すでに出来ていた列に並んで乗り込みましたので、シート中央の三人掛けの席に座りました。
大船を出て隣駅で乗ってきた女性が私の隣の女子高校生の前に立ちました。通学時間帯であり、その次の駅で降りる高校の制服を着た生徒の前に立ったのです。いい判断です。
20代後半か30代前半の背の高いきれいな女性でした。
その次の駅で隣に座っていた女子高校生が下車し、彼女が代わって隣のシートに座りました。本を読んでいるのですが、チラッと見ると、英語のペーパーバックでした。筆者が学生時代に何度も挑戦してついに一冊もまともに読めなかったペリカンブックスでしたから、古典を読んでいたのかもしれません。
この京浜東北線の東京より南側の混雑のピークは桜木町で、それを過ぎると乗ってくる人よりも降りる人のほうが多く、だんだんと空いてきます。
品川を過ぎたあたりからは、筆者の座っている7人掛けのシートも両端が空き席になり、反対側のシートにも二人くらいしか座っていません。
それでも彼女は移動しないのです。
ついには、7人掛けのシートの中央に我々二人、反対側の7人掛けには老婦人が一人だけということになったのですが、彼女は一向に気にせずに座っています。本に没頭しているということでもなく、時々景色を見たり、携帯電話のメールを確認したりしてはいるのですが、移動しないのです。
女性にはこういう剛の者もいます。
コロナ禍以後はシートの端を求めて移動する男性も珍しくなくなったようです。しかも、隣に移動するのではなく、少し離れたシートからも移動しています。
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先日、奇妙な経験をしました。
総武線に乗って鎌倉へ帰ろうとしていた時です。
荷物が重かったのと、乗った際には混んでいたので、7人掛けのシートの端の棚の上にカバンを上げていました。すると、東京駅の一つ手前の駅で、筆者の前の端の席に座っていた人が下車したので、筆者はそこに座りました。
座ってしばらくは考え事をしていたのですが、東京駅に着き、いろいろな人が降りて、車内が空いてきたのに気づき、カバンの中に入れた資料が気になり始めました。家に帰る前に一通り目を通しておきたかったのです。
東京駅で、しばらく止まった後、動き出したところを見計らって、筆者は棚の上のカバンを取るために立ち上がり、下ろしたカバンを筆者が座っていたシートに載せて資料を入れたフォルダーを取り出しました。
それを見ていた反対側のシートの中央に座っていた男性が立ち上がって、筆者のすぐ後ろに立ったのです。
つまり、彼は筆者が次の駅で降りる準備をしていると勘違いして、筆者が座っていた端のシートに移動しようと私のすぐ後ろまで移動してきたのです。
ところが筆者は下車するつもりはなく、目当てフォルダーを見つけて取り出し、カバンをもう一度棚に上げようとしました。反対側から移ってきた男性は、ほかの人に端の席を取られないように、筆者がカバンを持ったとたんに横に回り込んで、筆者を押しのけて座ろうとしたのですが、そこには私のもう一つの小さなショルダーバッグが置いてあり、それをどけないと座れませんでした。筆者がそのショルダーバッグを手に取って、書類フォルダーを持ってそのシートに座りなおすと、彼はものすごい目つきで睨みつけてきました。彼が座っていたシートには東京駅で乗ってきた人がすでに座っていて、戻ることもできないのです。
結局彼は筆者の前に立ったまま、次の駅まで、筆者の膝にわざと脚をぶつけたりの嫌がらせをしていましたが、いくつか離れたシートの乗客が次の駅で降りるのを見て、そちらに走っていきました。そちらでも近くに立っていた人が先に座ってしまったので、結局彼はどこにも座ることができず、その次の駅で降りてしまいました。最初からその駅が下車駅だったのなら、わざわざ反対側から移ってくるようなものでもないはずですが、変な奴がいるものです。
このシートの端を取りたがる人間行動を社会学的に分析すると次のような三つの理由が即座に浮かんできます。
まず、端の席は「パーソナル・スペース」を確保しやすいという点が挙げられます。端に座ることで、隣に他人が座った場合でも、片側だけは自分のスペースを維持できるため、安心感を得られます。
また、端の席は身体を壁や仕切りに近づけることができるため、外敵から身を守る感覚を得やすいという側面もあるでしょう。特に混雑した車両では、周囲の人々の動きに対する不安を軽減する効果があります。
さらに、端の席に座ることは、他人との関わりを最小限に抑えたいという心理とも関連しているかもしれません。他人と接触したくないという気持ちから、端の席を選ぶということでしょう。
しかしですよ。
私たち日本人には、「恥」という概念が根強く息づいています。本能による行動をあからさまにすることは恥ずかしいと考える文化的習慣が生成されてきました。つまり、性欲・食欲などをむき出しにすることを「恥」と考える文化があるということです。
このような考え方を筆者は美しいと思っており、日本が誇るべき精神価値だと考えています。それがどのような経緯で成り立ってきたのかは筆者には分かりません。
儒教の影響でないことは確かです。お隣の韓国にはそのような感覚は全くありません。彼らにあるのは「恥」ではなく、「恨」という感覚です。
仏教の影響でもないことは、中国やインドを見れば分かります。
筆者が推定しているのは、雅を尊んだ平安貴族の文化に対し、その末期に勃興してきた武士団が作った文化が、自分たちは貴族とは違うぞという質実剛健を尊ぶ気風を生み、それが禅の教えなどの影響を受けて、茶道のような極めて簡素な中に研ぎ澄まされた感性を見出す文化を育み、一方で「恥」という概念を創り出してきたのではないかということです。
本能行動むき出しの端取り行動は、筆者に言わせれば醜い行動であり、防御本能から女性が取る行動としては許容するものの、男性には「ちょっとは我慢せいっ!」と言いたくなりますし、そんなことを臆面もなくやる奴を部下に持ちたいとは思いません。
学校を出てから海上自衛隊で育てられた筆者は「質実剛健」という言葉が大好きで、最も嫌いな態度が「付和雷同」なのですが、シートの端を巡って移動していく男たちには、主体性というものが感じられず、逆にそんなことを気にもかけないそぶりの女性たちには凛とした美しさを感じます。
まぁ、どうでもいい話ではありますが、それがこのメールマガジンの本旨でもあります。
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自民党の総裁選挙の投開票が昨年の9月29日に行われました。
筆者は、もともと政治家が大嫌いで、腐りきった政党などには何の関心もないのですが、腐っても鯛であることは承知しており、関心はなくとも、私たちの生活に関係が出てくることも理解しておりますので、仕方なしに、各候補の危機管理に関する認識、経済政策、安全保障政策にのみ注目して観ていました。この三分野くらいしか筆者には理解できないからです。
ただし、経済政策や安全保障政策に関して、当コラムは専門としておりませんので、それらを扱う際には慎重な態度をとらざるを得ません。
特に、経済政策に関して、財務省の主張は筆者には理解できないことばかりであって、当コラムで扱うのを戸惑っております。
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代表取締役 林 祐
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