指揮官の休日 No.400 JRの堕落
2024/11/14 (Thu) 15:05
XXXX 様
-------------------------------------------------------------------
指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
-------------------------------------------------------------------
危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、第413回 経済の基礎知識 を掲載いたしました。
弊社コラムをお読みいただき、経済論が分かりにくいとお感じの読者様が多いようです。それほど面倒な議論をしているわけではないのですが、マクロ経済はミクロに比べて日常的ではないからかもしれません。そこで、どうするかを検討いたしました。
https://aegis-cms.co.jp/3418
No.400 JRの堕落
JRが民営化されて久しくなります。筆者が若いころは「日本国有鉄道」であり、それは酷いものでした。何せ職員が公務員ですから、威張っているし、サービスなど最低でした。
このころに、全寮制の中学・高校に在学して、帰省のたびに国鉄を使っていた筆者にはろくな思い出がありません。
民営化されて、サービスは信じられないくらい良くなりました。当初はぎこちなかったサービスも板につき、安全性も高く、世界に冠たる鉄道サービスとなっていきました。
ところが、最近、そのJRが少しずつ変わっているように思えてならないことがいくつか出てきました。
まず、よくなりつつあるのが、車内の英語のアナウンスです。かつては、カタカナで書かれた原稿をたどたどしく読んでいるのではないかと思われるようなアナウンスでしたが、最近はびっくりするほど流ちょうな英語のアナウンスを聞くことがあります。
あらかじめ録音されたアナウンスなら驚きませんが、事故による遅延の情報などを車掌が流しているのでもびっくりするほど鮮やかな英語であることがあります。
筆者が乗ることが多いのが、横須賀線、東海道線、京浜東北線なのですが、特に横須賀線ではすごい車掌さんがいるなと思うことがたびたびありました。
ただ、残念なこともあります。
最初に「何だ、この対応は?」と思ったのは、東日本大震災の時の品川駅です。首都圏のJRが運航を中止したので、品川駅は駅構内から乗客を排除してシャッターを閉めてしまったのです。
まだ寒い3月に帰宅困難になった数万の人々が途方に暮れることになりました。この品川駅に近い高輪プリンスホテルは、この状況を見て、コンサートや大規模な宴会などに使われるホールを帰宅困難者に開放しました。
東京ディズニーランドでは、帰れなくなった入園者たちを施設に留まらせ、売店にあった菓子などを配布しました。
ところが品川駅は、集まってきた多くの乗客を外に追い出してシャッターを閉めたのです。
筆者が駅長なら、駅構内で営業していた飲食店に、帰宅困難者への炊き出しなどの対応をお願いに回ったかと思います。
そのようなことはマニュアルにはないのでしょうが、そこを対応するのが現場指揮官です。確かにすさまじい費用が掛かるでしょうが、かけた費用をはるかに上回る信頼を勝ち得たはずです。それが締め出してシャッターを閉めるという対応ですから、筆者の採点はマイナス点しかありません。
また、相互乗り入れにより、それまでの路線が著しい長距離になっていることにも問題があると考えています。
筆者がよく利用するのは東海道線と横須賀線ですので、これらを例にとります。
横須賀線が総武線とつながり、久里浜発成田行きなどという便が出るようになりました。
まあ、海外に行くときには便利です。
しかし、総武線というのは、人身事故、車内で具合が悪くなる人、線路に立ち入る人、ホームでの非常ベルが鳴ること、何らかの事情による安全確認が異様に多い路線です。
そのたびにダイアが乱れて定時に運行されません。特に人身事故になると電車が止まってしまいますので、遥か遠い、「それ何県なの?」という全く知らない駅での事故のために、鎌倉から逗子に行くという逆方向の移動すらできなくなります。
また、運行遅延が日常茶飯事になります。かつては1分遅れてもアナウンスが頻繁に入ったものですが、最近の総武線は3分くらいの遅れではアナウンスは入りませんし、3分遅れなどは常態化しています。
最近、業務の都合で総武線の馬喰町駅を利用することが多いのですが、この駅の酷さは群を抜いています。
ある日、16時21分発という電車に乗ろうとして駅に行ったのですが、29分遅れですというアナウンスがありました。さすがに29分も遅れるとアナウンスが入ります。
ところが、遅れている電車が今どこを走っているかというアナウンスごとに29分が28分になり27分になりと、だんだん遅れが修正されてきました。筆者は、乗務員が必死になって回復運転をしているんだなと考えましたが、「無理をしなくていいよ。」と思っていました。
それが隣の駅を出たというアナウンスの時に、「当駅到着は24分遅れの16時44分を予定しています。」ということになりました。24分遅れなら16時45分の到着のはずですが、その程度の計算もできないようです。
この駅では、3分程度の遅れではアナウンスは入りません。とにかく総武線のダイヤはよく乱れます。
また、ある時、京浜東北線に乗っていて面白い経験をしました。
乗っていた電車がだんだん遅れ始めたのです。 5分ほど遅れたところで車内アナウンスがありました。後ろの電車が遅れているので、間隔調整のために遅れているのだそうです。
同じ車両に乗っていた女子高校生のグループからブーイングが起こりました。何かの都合で、急いでいるようです。しばらくすると、グループの一人が大声を出しました。曰く、「さっき、後ろの電車が遅れているから時間調整をしているといったよねぇ。後ろの電車に乗っている子からLINEがあって、前の電車が遅れているから間隔調整をしているというアナウンスがあったってよ。」
つまり、京浜東北線は、ダイヤが乱れている原因をお互いに擦り付け合っているのです。
かつてダイヤが秒単位で性格だったJRですが、最近の堕落は目に余るものがあります。
筆者の感覚では、この堕落は福知山線の事故の頃から始まったように思います。
あの事故は、遅れたダイヤを戻そうとして無理な運航をしたことにより起きたものでした。
この事故以来、JRは開き直って、ダイヤどおり走らせることなどどうでもよくなったのかもしれません。
たしかに、人身事故や気分の悪くなった人の救護は必要かもしれません。しかし、急いでいるときに、線路に人が立ち入ったので安全確認などと言われると腹が立ちますし、異音がするので機材の点検をして遅れているなどというのは、単に整備不良じゃないの?と思います。
それらも、相互乗り入れの結果、まったく聞いたこともないような駅で起きたことに影響を受けてしまうので、いかがなものかと思っています。
筆者にとっては、様々な路線の相互乗り入れは、不便なことだらけで、便利になったという実感がほとんどありません。
また、駅プラットフォームのマネジメントも低下しています。
ホームに駅員を見かけることがほとんどなくなりました。また、案内の掲示物も少なくなっており、初めての駅で戸惑うことがよくあります。
たとえば、地下ホームだと、列車がどちらからくるか分からないことがあります。以前は東京に向いている方が1号車でしたが、総武横須賀線や湘南新宿ライナーなど東京駅をはさんで運航する列車はそうではありません。したがって、降りる駅で便利なように前方や後方の車両に乗るということが難しくなりました。
ホームに駅員がほとんどいないので、訊くことができないのです。
また、まったくいなければそれでいいのですが、中途半端に駅員がいるので困ることもあります。ホームのアナウンスです。
最近は、アナウンスが日本語と英語で流れます。ところが、日本語のアナウンスが終わって、その内容の英語のアナウンスが流れ始めると、それをマニュアルで切って、自分の声で日本語のアナウンスを入れたがる駅員がいます。録音で流れた内容と同じであるにもかかわらず、もう一度自分のマイクでアナウンスを入れるのです。多分、カラオケでもマイクを離さない奴だと思いますが、一生懸命に英語のアナウンスを聞こうとしている外国人旅行者にとっては迷惑千万な奴です。
事故などで運航が止まっている場合のアナウンスも同様でマネジメントが悪すぎます。
停車中の列車のドアは開いています。
そこへ新たな情報が入ると、車内と車外で一斉にそのアナウンスが入ります。
車内にいると、車外のアナウンスも聞こえるので、両者がダブってしまい、何を言っているのか全く分かりません。少し時間差を設けて放送すればいいのに、同時に行うので、特に社内にいる人は、ただやかましいだけです。
そんなことが分からないのかといぶかしく思ってしまいます。
日本国有鉄道時代に比べてサービスは格段に良くなりましたが、危機管理はまだまだですね。福知山線の事故で、無理な運航はしなくなったようですが、スケジュール管理が雑になり、その結果、他の面でも雑な対応が目立ちます。残念なことです。
----------------------------------------------------
専門コラム 第413回 経済の基礎知識
弊社では、専門コラムとメールマガジンの二種類をある程度定期的に発簡しています。
メールマガジンは、本来は、知っていても知らなくてもどうでもいいことを中心に気楽に読んでいただくためのものを目指しています。
一方の専門コラムでは、「専門」と名打っている手前、いい加減なことは書けないので、危機管理の側面から、社会に起きた様々な事象について語っています。
これは、結構骨の折れる仕事で、できる限りのファクトチェックを行い、専門外の領域については、基本的には触れず、触れざるを得ない場合には、極力書物を調べたり、専門家に話をしてもらったりしております。
ただ、この「専門性」については、弊社は独自の考え方を持っており、危機管理という幅広い専門性を要求される分野を扱っている性格上、自分たちの専門的な知識・経験だけでは語ることのできない事象については、自分たちのフィールドから見るとどう見えるかという議論をしてきました。
https://aegis-cms.co.jp/3418
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
メールマガジンのバックナンバーは弊社Facebookページからもお読みいただけます。
Facebookページ 「指揮官の決断/休日」 https://www.facebook.com/aegis.cm
Facebookページでは、当メールマガジンでは見ることのできない写真もご覧頂くこ
とが出来ます。
是非Facebookページをご訪問ください。
Twitterでも時々、折に触れて気が付いたことを呟いています。
https://twitter.com/CaptainHayashi です。
---------------------------------------------------------------------------------------
弊社出版物のご紹介
『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
セルバ出版
お求めの方は、こちらからどうぞ。
https://aegis-cms.co.jp/book1
---------------------------------------------------------------------------------------
Facebookページを公開しています。
メールマガジン及び専門コラムのバックナンバーをお読みいただけます。
Facebookページ「指揮官の決断/休日」
https://www.facebook.com/aegis.cm
----------------------------------------------------------------------------------------
教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
こちらをどうぞ
https://aegis-cms.co.jp
----------------------------------------------------------------------------------------
コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
----------------------------------------------------------------------------------------
図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://aegis-cms.co.jp/cpx
----------------------------------------------------------------------------------------
バックナンバーを公開しています。
こちらからご覧ください。https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
メールアドレスの変更はこちらからお手続きください。
http://aetis-cms.co.jp/mailmag
メールマガジンがご不要の場合はこちらから解除をして頂くことができます。
http://q.bmd.jp/bm/p/f/s.php?id=aegismm&mail=uhayashi%40jcom.zaq.ne.jp&no=2
----------------------------------------------------------------------------------------
メールマガジン「指揮官の休日」
発行人:株式会社イージスクライシスマネジメント
代表取締役 林 祐
email: yhayashi@aegis-cms.co.jp
Web : http://aegis-cms.co.jp
----------------------------------------------------------------------------
-------------------------------------------------------------------
指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
-------------------------------------------------------------------
危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、第413回 経済の基礎知識 を掲載いたしました。
弊社コラムをお読みいただき、経済論が分かりにくいとお感じの読者様が多いようです。それほど面倒な議論をしているわけではないのですが、マクロ経済はミクロに比べて日常的ではないからかもしれません。そこで、どうするかを検討いたしました。
https://aegis-cms.co.jp/3418
No.400 JRの堕落
JRが民営化されて久しくなります。筆者が若いころは「日本国有鉄道」であり、それは酷いものでした。何せ職員が公務員ですから、威張っているし、サービスなど最低でした。
このころに、全寮制の中学・高校に在学して、帰省のたびに国鉄を使っていた筆者にはろくな思い出がありません。
民営化されて、サービスは信じられないくらい良くなりました。当初はぎこちなかったサービスも板につき、安全性も高く、世界に冠たる鉄道サービスとなっていきました。
ところが、最近、そのJRが少しずつ変わっているように思えてならないことがいくつか出てきました。
まず、よくなりつつあるのが、車内の英語のアナウンスです。かつては、カタカナで書かれた原稿をたどたどしく読んでいるのではないかと思われるようなアナウンスでしたが、最近はびっくりするほど流ちょうな英語のアナウンスを聞くことがあります。
あらかじめ録音されたアナウンスなら驚きませんが、事故による遅延の情報などを車掌が流しているのでもびっくりするほど鮮やかな英語であることがあります。
筆者が乗ることが多いのが、横須賀線、東海道線、京浜東北線なのですが、特に横須賀線ではすごい車掌さんがいるなと思うことがたびたびありました。
ただ、残念なこともあります。
最初に「何だ、この対応は?」と思ったのは、東日本大震災の時の品川駅です。首都圏のJRが運航を中止したので、品川駅は駅構内から乗客を排除してシャッターを閉めてしまったのです。
まだ寒い3月に帰宅困難になった数万の人々が途方に暮れることになりました。この品川駅に近い高輪プリンスホテルは、この状況を見て、コンサートや大規模な宴会などに使われるホールを帰宅困難者に開放しました。
東京ディズニーランドでは、帰れなくなった入園者たちを施設に留まらせ、売店にあった菓子などを配布しました。
ところが品川駅は、集まってきた多くの乗客を外に追い出してシャッターを閉めたのです。
筆者が駅長なら、駅構内で営業していた飲食店に、帰宅困難者への炊き出しなどの対応をお願いに回ったかと思います。
そのようなことはマニュアルにはないのでしょうが、そこを対応するのが現場指揮官です。確かにすさまじい費用が掛かるでしょうが、かけた費用をはるかに上回る信頼を勝ち得たはずです。それが締め出してシャッターを閉めるという対応ですから、筆者の採点はマイナス点しかありません。
また、相互乗り入れにより、それまでの路線が著しい長距離になっていることにも問題があると考えています。
筆者がよく利用するのは東海道線と横須賀線ですので、これらを例にとります。
横須賀線が総武線とつながり、久里浜発成田行きなどという便が出るようになりました。
まあ、海外に行くときには便利です。
しかし、総武線というのは、人身事故、車内で具合が悪くなる人、線路に立ち入る人、ホームでの非常ベルが鳴ること、何らかの事情による安全確認が異様に多い路線です。
そのたびにダイアが乱れて定時に運行されません。特に人身事故になると電車が止まってしまいますので、遥か遠い、「それ何県なの?」という全く知らない駅での事故のために、鎌倉から逗子に行くという逆方向の移動すらできなくなります。
また、運行遅延が日常茶飯事になります。かつては1分遅れてもアナウンスが頻繁に入ったものですが、最近の総武線は3分くらいの遅れではアナウンスは入りませんし、3分遅れなどは常態化しています。
最近、業務の都合で総武線の馬喰町駅を利用することが多いのですが、この駅の酷さは群を抜いています。
ある日、16時21分発という電車に乗ろうとして駅に行ったのですが、29分遅れですというアナウンスがありました。さすがに29分も遅れるとアナウンスが入ります。
ところが、遅れている電車が今どこを走っているかというアナウンスごとに29分が28分になり27分になりと、だんだん遅れが修正されてきました。筆者は、乗務員が必死になって回復運転をしているんだなと考えましたが、「無理をしなくていいよ。」と思っていました。
それが隣の駅を出たというアナウンスの時に、「当駅到着は24分遅れの16時44分を予定しています。」ということになりました。24分遅れなら16時45分の到着のはずですが、その程度の計算もできないようです。
この駅では、3分程度の遅れではアナウンスは入りません。とにかく総武線のダイヤはよく乱れます。
また、ある時、京浜東北線に乗っていて面白い経験をしました。
乗っていた電車がだんだん遅れ始めたのです。 5分ほど遅れたところで車内アナウンスがありました。後ろの電車が遅れているので、間隔調整のために遅れているのだそうです。
同じ車両に乗っていた女子高校生のグループからブーイングが起こりました。何かの都合で、急いでいるようです。しばらくすると、グループの一人が大声を出しました。曰く、「さっき、後ろの電車が遅れているから時間調整をしているといったよねぇ。後ろの電車に乗っている子からLINEがあって、前の電車が遅れているから間隔調整をしているというアナウンスがあったってよ。」
つまり、京浜東北線は、ダイヤが乱れている原因をお互いに擦り付け合っているのです。
かつてダイヤが秒単位で性格だったJRですが、最近の堕落は目に余るものがあります。
筆者の感覚では、この堕落は福知山線の事故の頃から始まったように思います。
あの事故は、遅れたダイヤを戻そうとして無理な運航をしたことにより起きたものでした。
この事故以来、JRは開き直って、ダイヤどおり走らせることなどどうでもよくなったのかもしれません。
たしかに、人身事故や気分の悪くなった人の救護は必要かもしれません。しかし、急いでいるときに、線路に人が立ち入ったので安全確認などと言われると腹が立ちますし、異音がするので機材の点検をして遅れているなどというのは、単に整備不良じゃないの?と思います。
それらも、相互乗り入れの結果、まったく聞いたこともないような駅で起きたことに影響を受けてしまうので、いかがなものかと思っています。
筆者にとっては、様々な路線の相互乗り入れは、不便なことだらけで、便利になったという実感がほとんどありません。
また、駅プラットフォームのマネジメントも低下しています。
ホームに駅員を見かけることがほとんどなくなりました。また、案内の掲示物も少なくなっており、初めての駅で戸惑うことがよくあります。
たとえば、地下ホームだと、列車がどちらからくるか分からないことがあります。以前は東京に向いている方が1号車でしたが、総武横須賀線や湘南新宿ライナーなど東京駅をはさんで運航する列車はそうではありません。したがって、降りる駅で便利なように前方や後方の車両に乗るということが難しくなりました。
ホームに駅員がほとんどいないので、訊くことができないのです。
また、まったくいなければそれでいいのですが、中途半端に駅員がいるので困ることもあります。ホームのアナウンスです。
最近は、アナウンスが日本語と英語で流れます。ところが、日本語のアナウンスが終わって、その内容の英語のアナウンスが流れ始めると、それをマニュアルで切って、自分の声で日本語のアナウンスを入れたがる駅員がいます。録音で流れた内容と同じであるにもかかわらず、もう一度自分のマイクでアナウンスを入れるのです。多分、カラオケでもマイクを離さない奴だと思いますが、一生懸命に英語のアナウンスを聞こうとしている外国人旅行者にとっては迷惑千万な奴です。
事故などで運航が止まっている場合のアナウンスも同様でマネジメントが悪すぎます。
停車中の列車のドアは開いています。
そこへ新たな情報が入ると、車内と車外で一斉にそのアナウンスが入ります。
車内にいると、車外のアナウンスも聞こえるので、両者がダブってしまい、何を言っているのか全く分かりません。少し時間差を設けて放送すればいいのに、同時に行うので、特に社内にいる人は、ただやかましいだけです。
そんなことが分からないのかといぶかしく思ってしまいます。
日本国有鉄道時代に比べてサービスは格段に良くなりましたが、危機管理はまだまだですね。福知山線の事故で、無理な運航はしなくなったようですが、スケジュール管理が雑になり、その結果、他の面でも雑な対応が目立ちます。残念なことです。
----------------------------------------------------
専門コラム 第413回 経済の基礎知識
弊社では、専門コラムとメールマガジンの二種類をある程度定期的に発簡しています。
メールマガジンは、本来は、知っていても知らなくてもどうでもいいことを中心に気楽に読んでいただくためのものを目指しています。
一方の専門コラムでは、「専門」と名打っている手前、いい加減なことは書けないので、危機管理の側面から、社会に起きた様々な事象について語っています。
これは、結構骨の折れる仕事で、できる限りのファクトチェックを行い、専門外の領域については、基本的には触れず、触れざるを得ない場合には、極力書物を調べたり、専門家に話をしてもらったりしております。
ただ、この「専門性」については、弊社は独自の考え方を持っており、危機管理という幅広い専門性を要求される分野を扱っている性格上、自分たちの専門的な知識・経験だけでは語ることのできない事象については、自分たちのフィールドから見るとどう見えるかという議論をしてきました。
https://aegis-cms.co.jp/3418
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
メールマガジンのバックナンバーは弊社Facebookページからもお読みいただけます。
Facebookページ 「指揮官の決断/休日」 https://www.facebook.com/aegis.cm
Facebookページでは、当メールマガジンでは見ることのできない写真もご覧頂くこ
とが出来ます。
是非Facebookページをご訪問ください。
Twitterでも時々、折に触れて気が付いたことを呟いています。
https://twitter.com/CaptainHayashi です。
---------------------------------------------------------------------------------------
弊社出版物のご紹介
『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
セルバ出版
お求めの方は、こちらからどうぞ。
https://aegis-cms.co.jp/book1
---------------------------------------------------------------------------------------
Facebookページを公開しています。
メールマガジン及び専門コラムのバックナンバーをお読みいただけます。
Facebookページ「指揮官の決断/休日」
https://www.facebook.com/aegis.cm
----------------------------------------------------------------------------------------
教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
こちらをどうぞ
https://aegis-cms.co.jp
----------------------------------------------------------------------------------------
コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
----------------------------------------------------------------------------------------
図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://aegis-cms.co.jp/cpx
----------------------------------------------------------------------------------------
バックナンバーを公開しています。
こちらからご覧ください。https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
メールアドレスの変更はこちらからお手続きください。
http://aetis-cms.co.jp/mailmag
メールマガジンがご不要の場合はこちらから解除をして頂くことができます。
http://q.bmd.jp/bm/p/f/s.php?id=aegismm&mail=uhayashi%40jcom.zaq.ne.jp&no=2
----------------------------------------------------------------------------------------
メールマガジン「指揮官の休日」
発行人:株式会社イージスクライシスマネジメント
代表取締役 林 祐
email: yhayashi@aegis-cms.co.jp
Web : http://aegis-cms.co.jp
----------------------------------------------------------------------------