指揮官の休日 No.399 世界最大のクルーズ船
2024/11/09 (Sat) 10:04
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
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専門コラム「指揮官の決断」は、第412回 失敗の本質 を掲載いたしました。
迷著『失敗の本質』という本については、あまり評価していない当コラムですが、この国が繰り返す失敗については、やはりなぜなのかを考える必要があるかと思っています。
https://aegis-cms.co.jp/3413
No.399 世界最大のクルーズ船
様々な理由によって定期的な配信が滞っている当メールマガジンですが、各方面お叱りやご心配を頂きます。
ご心配は、筆者が病気にでもなったのではないかという、年齢を考えると無理もないご心配であり、そのようなお声がけをしていただいた方々には感謝いたしております。筆者はいたって元気です。
毎日服用している薬もなく、3年前に国立がん研究センターに入院して手術を受けましたが、病理検査の結果、切除した腫瘍から癌細胞が発見されず、その結果、がん保険が下りないという結果を招きました。
数年前にどう考えても太りすぎだと自覚して体重のコントロールに努めており、その努力はいまだに続けており、さらに、最近、足が弱っているのではないかという自覚により、トレーニングを再開したところです。
したがって、当面ご心配頂くような体調でもなく、ありがたいことだと思っています。
お叱りを頂く方もいらっしゃいます。主に海上自衛隊の諸先輩ですが、「退官して金曜日にカレーを食わなくなったから、お前のメールマガジンが来ないと曜日が分からんじゃないか!」というお𠮟りです。
これについては、そうやって励ましていただいていたり、温かく見守っていただいていると感謝しています。
つまり、メールマガジンの配信が滞っているのは、一重に筆者の能力低下と怠慢によるものであり、老骨に鞭打って元のペースに戻そうとしております。
最近は、専門コラムに執筆すべき事柄も悩み、したがって当メールマガジンもその質を変えなければならないかと考えることもありますが、いろいろと検討した結果、専門コラムは危機管理の専門性を大切にし、メールマガジンについては、知っていても知らなくてもどうでもいいことばかり綴ってサッサとコラムに跳んでいただくという基本姿勢を貫こうと考えております。
ということで、今回は、世界最大のクルーズ船とはどんな船かという話です。別にそんなことを知っていても何の役にも立たないし、ここで紹介したから乗ってみようと思われる方もいらっしゃらないでしょうから、このメールマガジンにはアフィリエイトの機能を持たせておりません。
ほんの雑学と聞き流していただいて結構です。
さて、2024年11月現在、世界最大のクルーズ船はロイヤル・カリビアン・インターナショナルという会社が運航する「アイコン・オブ・ザ・シーズ(Icon of the Seas)」という船です。この客船は、全長365メートル、総トン数250,800トンを誇り、乗客定員はツインベースで5,610人、最大で7,600人まで収容可能です。さらに、乗務員を含めると最大で9,950人が搭乗できる設計となっています。
ツインベースというのは、一室が基本的には2人仕様で、子供連れの場合はエキストラベッドを使うという意味です。
「アイコン・オブ・ザ・シーズ」は、2024年1月27日にフロリダ州マイアミから運航を開始しました。つまり、カリブ海クルーズを専門としているということです。
どのような船なのかは、ネット上に情報が溢れていますので、そちらをご覧ください。
船内は8つの異なる「街」から構成されており、洋上最大のウォーターパークやインフィニティプール、アイスアリーナ、屋内型アクアシアターなど、多彩なエンターテインメント施設が揃っています。また、40以上の飲食店があり、様々な料理を楽しむことができます。
世界最大の客船「アイコン・オブ・ザ・シーズ」は、環境に与える影響を最小限に抑えるためにいくつかの対策を講じています。この船は、液化天然ガス(LNG)を燃料として使用し、陸上電力接続や廃熱回収システムを導入することで、よりクリーンなエネルギー動力を実現しています。これにより、従来の重油に比べて二酸化炭素(CO2)、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)の排出を大幅に削減しています。
さらに、客船の設計においては、エネルギー効率を高めるために軽量素材や最適化された船体形状が採用されています。また、国際海事機関(IMO)の規制に基づき、排出ガスの削減を目的とした技術的要件が設けられており、スクラバー(排ガス浄化装置)の導入や低硫黄燃料の使用が進められています。
数千人いる乗組員の中にはゴミ焼却炉専従のクルーもおり、交代で24時間態勢のゴミ処理が行われています。
この船の航海スケジュールを見ると、7泊8日くらいのクルーズが多いようです。
多分、この日程では、船全部を楽しむことは到底できません。
筆者夫婦は若いころにこのカリブ海クルーズに出かけたことがあります。
30代で2年間の在米連絡官の任期が3月に終わるという直前の1月に、米国生活の思い出を作ろうということで、まだ4歳だった息子を連れて家族3人で出かけました。
2年間の最初の1年は、湾岸戦争に米国が突入したため、同盟国でありながら1名の派出もしなかった国の連絡官としては大変な思いをしましたが、しかし、自分が勤務している部門が戦争の準備をするところを目の前で見るという自衛官としては得難い経験をしました。しかし、家族での旅行などはまったくできませんでした。
そこで2年目には東京のボスの許可を得て、米国というのはどういう国なのか見聞を広めるために、いろいろな経験にチャレンジしていました。米国大陸往復横断のドライブも経験しましたし、このカリブ海クルーズも、お金を残すのではなく、思い出を残そうということで計画したものでした。
フロリダから出港し、バハマに行って帰る3泊4日のクルーズでした。
船は、ウォルトディズニーワールドのオフィシャルクルーズシップで、船内でミッキーやミニーが歩き回り、シアターではいろいろなステージが繰り広げられました。
毎晩、夕食を終わってキャビンに戻ると、明日の船内のいろいろなイベントのスケジュールが印刷された紙がベッドの上に置いてあるのですが、とにかくイベントが多すぎて、とても回りきれないのです。
それらは主として大人向けのイベントなのですが、船内にはさすがにディズニーワールドのオフィシャルシップだけあって、「プルートハウス」という託児施設があり、若いスタッフが子供たちの面倒を見てくれます。息子もそこがよほど楽しかったらしく、食事に戻ってきても、すぐに帰りたがりました。ある時、引率されてブリッジの見学に行くところを見かけましたが、大勢の子供たちの中で、一人だけの日本人でしたが、とても楽しそうでした。
夕食はメインダイニングで、決められたテーブルで取るのですが、大きな丸テーブルで一緒になったご家族ともすぐ仲良くなり、いろいろな会話が弾みました。
朝食や昼食は、船内にいくつかあるレストランのどこで取っても構わず、日中にデッキで日光浴をしながら、近くのカフェから飲み物を取り寄せて飲むこともできます。酒は有料ですが、食事や飲み物は、どこで何を食べて飲んでも支払う必要はありません。
カリブ海クルーズは、とてもカジュアルなクルーズなので、ディナージャケットやイブニングドレスなどを持ち込む必要はなく、夕食時に長いズボンを履いていればOKということなので、クルーズの経験のない方には手始めとしてとてもいいかと思います。
また、船内での支払いやチップなどをどうするかということも不安があるかもしれませんが、カリブ海クルーズでは心配することはありません。船内のレストランのどこで食べても料金は、クルーズ料金に含まれていますので、支払いの必要はありません。アルコール飲料は有料ですが、グラスごとに支払い、チップとして20%程度を上乗せして払えばOKです。
夕食を取るダイニングテーブルには決められたウェイターと酒を持ってくる担当者がいますが、彼らへのチップは下船するときにクレジットカードか現金でまとめて支払えばよく、下船前に相場がいくらくらいなのか船側が説明してくれます。
筆者たちが乗った船は4万トン弱の蒸気タービンの船でしたが、それでも海上自衛隊の護衛艦やヨットしか乗ったことのなかった筆者にとっては信じられないくらい大きく、立派な船でした。
そのディズニーワールドオフィシャルクルーズは、かなり人気のあるクルーズだったようなのですが、そんなことをまったく知らなかった筆者は、基地の中にある旅行代理店ではなく、基地の外のショッピングモールにある旅行代理店を12月初旬に訪ねました。
日本に帰る前に家族でカリブ海クルーズに行きたいんだけど、適当な船があるかどうかを尋ねると、いつの便に乗りたいのかを聞かれ、ちなみに再来年のクルーズは秋まで全部埋っていると言われました。乗りたいのが1か月後の1月だと告げると呆れたような顔をされました。
しかし、初老の女性のスタッフはとても親切で、家族構成を聞いて、あるかどうか確かめようと言ってPCのキーをたたき始めました。
しばらくすると、彼女はびっくりしたような顔をして、「あなたの家族は神に祝福されているに違いない。」と言って予約を取ってくれました。超人気のクルーズラインでしたが、たまたまキャンセルが1室出たところに彼女がアクセスしたようです。申し込みが殺到しているので、この場で決めないと機会を逸するということでした。キャビンの等級は8段階あり、最上の部屋は会社が特別の招待の客を選ぶのだそうで、代理店の枠がなく、残り7ランクの一番上の部屋のキャンセルが出たということで、結構高いキャビンでした。そのクルーズは、ディズニーワールドとの組み合わせのパックツアーでした。3泊4日のクルーズを終わってフロリダに戻ると、そのままディズニーワールドでの3泊4日が始まる全部で1週間のパックツアーで、日本から予約するととんでもない金額になるのですが、現地で予約すると格安でした。私は、連絡官としてもらっていた手当の残額を全部使い切るつもりでサインし、家族でのクルーズとディズニーワールドを楽しんできました。
実は、筆者は海上自衛隊で世界一周の航海を経験しています。訓練のための航海でしたが、船で海を渡るということがどういうことかを経験していますし、また、船旅の利点も知っています。
世界中どこに行っても、そこの料理が舌に合わなければ船に帰ってくれば普段食べている料理を食べることができます。衛生状態が極端に悪い国に行っても、夜は自分のベッドで寝ることができます。
さらには積む荷物にほとんど重量制限がありません。
筆者がナポリの酒屋でキャンティワインのロングネックを2本買ったところ、たまたま来ていた日本人観光客に「どうやって持って帰るんだ?」と聞かれたことがあります。
(当時の税関のパンフレットには、酒は2本まで無税と書かれていました。キャンティのロングネックは3リットル入っていましたが、2本は2本です。その後、ある時税関のパンフレットを見たら、750mlを2本と修正されていました。昔は洋酒が高かったので、海外旅行の土産にはウィスキーやブランデーが欠かせませんでしたが、今はそんなことはないかと思います。筆者自身、海外から酒を買って帰ったのは、その遠洋航海が最後でした。それもロングネックは日本で買えなかったからです。)
日本から乗れるクルーズも多数あるようですし、商船三井や郵船のクルーズ船に乗れば、クルーの多くが日本人なので公用語が日本語という安心感もあります。
筆者は若いころから海に親しんできましたから特に皆様に申し上げたいのですが、陸地から隔絶した洋上での夜航海というのは、一度は経験しておくべきものだと思います。
全周に水平線を眺めながら星空を見上げるという経験は、一時的にではありますが、人間を始原的な存在に返してくれます。いろいろなことを考えるはずです。
そのような経験を誰しもが持つべきと考えています。
山も同様かもしれません。筆者は一晩中かかって、それほど高くはない山に登って、翌朝雲海を眺めた経験しかありませんが、大自然の中に身を置くということには特別な作用があるかと思っています。
世界最大のクルーズ船に乗っていると、船内で大自然の中にいるという感覚にはなりません。(揺れることすらないですからね。)しかし、真夜中にデッキに出たり、日没や日の出の時間に水平線を眺めることはできます。そんな時を、クルーズの中で経験してくることができれば、忘れがたいクルーズになると思っています。
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専門コラム 第412回 失敗の本質
今回のタイトルをお読みになって、当コラムを古くからお読みの方々は「?」が頭の中に浮かんだことと拝察します。
ビジネスマン必読の書と言われて久しく、いまだに名著の誉れ高い『失敗の本質』を弊社ではほとんど評価していないからです。「ほとんど」ということは、一部評価しているところもあるということですが、それは、「論文の書き方の教科書としてはいいかもしれない。」という評価をしているのと、ノモンハンやインパールなどの陸軍の戦いについては、評価出来ないという事情があるためです。
しかし、この書物で取り上げられている海軍の作戦については、「学者が机上でものを考えるとそうなるんだろうな。」という評価をしているのと、それだけではなく、組織論の専門家がハワイ奇襲作戦を成功した作戦であると評価しているのは、やってはならない誤りであると評価しています。作戦は目的を達成してこそ成功であり、真珠湾奇襲攻撃で米国の対日戦意を削ごうという目的に反して「リメンバー・パールハーバー」として対日戦意を高揚させた結果を招いたこの作戦は、少なくとも組織論・意思決定論の立場からは「成功」とは言えないはずだからです。
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Twitterでも時々、折に触れて気が付いたことを呟いています。
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弊社出版物のご紹介
『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
セルバ出版
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教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
こちらをどうぞ
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
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数年前にどう考えても太りすぎだと自覚して体重のコントロールに努めており、その努力はいまだに続けており、さらに、最近、足が弱っているのではないかという自覚により、トレーニングを再開したところです。
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ということで、今回は、世界最大のクルーズ船とはどんな船かという話です。別にそんなことを知っていても何の役にも立たないし、ここで紹介したから乗ってみようと思われる方もいらっしゃらないでしょうから、このメールマガジンにはアフィリエイトの機能を持たせておりません。
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さて、2024年11月現在、世界最大のクルーズ船はロイヤル・カリビアン・インターナショナルという会社が運航する「アイコン・オブ・ザ・シーズ(Icon of the Seas)」という船です。この客船は、全長365メートル、総トン数250,800トンを誇り、乗客定員はツインベースで5,610人、最大で7,600人まで収容可能です。さらに、乗務員を含めると最大で9,950人が搭乗できる設計となっています。
ツインベースというのは、一室が基本的には2人仕様で、子供連れの場合はエキストラベッドを使うという意味です。
「アイコン・オブ・ザ・シーズ」は、2024年1月27日にフロリダ州マイアミから運航を開始しました。つまり、カリブ海クルーズを専門としているということです。
どのような船なのかは、ネット上に情報が溢れていますので、そちらをご覧ください。
船内は8つの異なる「街」から構成されており、洋上最大のウォーターパークやインフィニティプール、アイスアリーナ、屋内型アクアシアターなど、多彩なエンターテインメント施設が揃っています。また、40以上の飲食店があり、様々な料理を楽しむことができます。
世界最大の客船「アイコン・オブ・ザ・シーズ」は、環境に与える影響を最小限に抑えるためにいくつかの対策を講じています。この船は、液化天然ガス(LNG)を燃料として使用し、陸上電力接続や廃熱回収システムを導入することで、よりクリーンなエネルギー動力を実現しています。これにより、従来の重油に比べて二酸化炭素(CO2)、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)の排出を大幅に削減しています。
さらに、客船の設計においては、エネルギー効率を高めるために軽量素材や最適化された船体形状が採用されています。また、国際海事機関(IMO)の規制に基づき、排出ガスの削減を目的とした技術的要件が設けられており、スクラバー(排ガス浄化装置)の導入や低硫黄燃料の使用が進められています。
数千人いる乗組員の中にはゴミ焼却炉専従のクルーもおり、交代で24時間態勢のゴミ処理が行われています。
この船の航海スケジュールを見ると、7泊8日くらいのクルーズが多いようです。
多分、この日程では、船全部を楽しむことは到底できません。
筆者夫婦は若いころにこのカリブ海クルーズに出かけたことがあります。
30代で2年間の在米連絡官の任期が3月に終わるという直前の1月に、米国生活の思い出を作ろうということで、まだ4歳だった息子を連れて家族3人で出かけました。
2年間の最初の1年は、湾岸戦争に米国が突入したため、同盟国でありながら1名の派出もしなかった国の連絡官としては大変な思いをしましたが、しかし、自分が勤務している部門が戦争の準備をするところを目の前で見るという自衛官としては得難い経験をしました。しかし、家族での旅行などはまったくできませんでした。
そこで2年目には東京のボスの許可を得て、米国というのはどういう国なのか見聞を広めるために、いろいろな経験にチャレンジしていました。米国大陸往復横断のドライブも経験しましたし、このカリブ海クルーズも、お金を残すのではなく、思い出を残そうということで計画したものでした。
フロリダから出港し、バハマに行って帰る3泊4日のクルーズでした。
船は、ウォルトディズニーワールドのオフィシャルクルーズシップで、船内でミッキーやミニーが歩き回り、シアターではいろいろなステージが繰り広げられました。
毎晩、夕食を終わってキャビンに戻ると、明日の船内のいろいろなイベントのスケジュールが印刷された紙がベッドの上に置いてあるのですが、とにかくイベントが多すぎて、とても回りきれないのです。
それらは主として大人向けのイベントなのですが、船内にはさすがにディズニーワールドのオフィシャルシップだけあって、「プルートハウス」という託児施設があり、若いスタッフが子供たちの面倒を見てくれます。息子もそこがよほど楽しかったらしく、食事に戻ってきても、すぐに帰りたがりました。ある時、引率されてブリッジの見学に行くところを見かけましたが、大勢の子供たちの中で、一人だけの日本人でしたが、とても楽しそうでした。
夕食はメインダイニングで、決められたテーブルで取るのですが、大きな丸テーブルで一緒になったご家族ともすぐ仲良くなり、いろいろな会話が弾みました。
朝食や昼食は、船内にいくつかあるレストランのどこで取っても構わず、日中にデッキで日光浴をしながら、近くのカフェから飲み物を取り寄せて飲むこともできます。酒は有料ですが、食事や飲み物は、どこで何を食べて飲んでも支払う必要はありません。
カリブ海クルーズは、とてもカジュアルなクルーズなので、ディナージャケットやイブニングドレスなどを持ち込む必要はなく、夕食時に長いズボンを履いていればOKということなので、クルーズの経験のない方には手始めとしてとてもいいかと思います。
また、船内での支払いやチップなどをどうするかということも不安があるかもしれませんが、カリブ海クルーズでは心配することはありません。船内のレストランのどこで食べても料金は、クルーズ料金に含まれていますので、支払いの必要はありません。アルコール飲料は有料ですが、グラスごとに支払い、チップとして20%程度を上乗せして払えばOKです。
夕食を取るダイニングテーブルには決められたウェイターと酒を持ってくる担当者がいますが、彼らへのチップは下船するときにクレジットカードか現金でまとめて支払えばよく、下船前に相場がいくらくらいなのか船側が説明してくれます。
筆者たちが乗った船は4万トン弱の蒸気タービンの船でしたが、それでも海上自衛隊の護衛艦やヨットしか乗ったことのなかった筆者にとっては信じられないくらい大きく、立派な船でした。
そのディズニーワールドオフィシャルクルーズは、かなり人気のあるクルーズだったようなのですが、そんなことをまったく知らなかった筆者は、基地の中にある旅行代理店ではなく、基地の外のショッピングモールにある旅行代理店を12月初旬に訪ねました。
日本に帰る前に家族でカリブ海クルーズに行きたいんだけど、適当な船があるかどうかを尋ねると、いつの便に乗りたいのかを聞かれ、ちなみに再来年のクルーズは秋まで全部埋っていると言われました。乗りたいのが1か月後の1月だと告げると呆れたような顔をされました。
しかし、初老の女性のスタッフはとても親切で、家族構成を聞いて、あるかどうか確かめようと言ってPCのキーをたたき始めました。
しばらくすると、彼女はびっくりしたような顔をして、「あなたの家族は神に祝福されているに違いない。」と言って予約を取ってくれました。超人気のクルーズラインでしたが、たまたまキャンセルが1室出たところに彼女がアクセスしたようです。申し込みが殺到しているので、この場で決めないと機会を逸するということでした。キャビンの等級は8段階あり、最上の部屋は会社が特別の招待の客を選ぶのだそうで、代理店の枠がなく、残り7ランクの一番上の部屋のキャンセルが出たということで、結構高いキャビンでした。そのクルーズは、ディズニーワールドとの組み合わせのパックツアーでした。3泊4日のクルーズを終わってフロリダに戻ると、そのままディズニーワールドでの3泊4日が始まる全部で1週間のパックツアーで、日本から予約するととんでもない金額になるのですが、現地で予約すると格安でした。私は、連絡官としてもらっていた手当の残額を全部使い切るつもりでサインし、家族でのクルーズとディズニーワールドを楽しんできました。
実は、筆者は海上自衛隊で世界一周の航海を経験しています。訓練のための航海でしたが、船で海を渡るということがどういうことかを経験していますし、また、船旅の利点も知っています。
世界中どこに行っても、そこの料理が舌に合わなければ船に帰ってくれば普段食べている料理を食べることができます。衛生状態が極端に悪い国に行っても、夜は自分のベッドで寝ることができます。
さらには積む荷物にほとんど重量制限がありません。
筆者がナポリの酒屋でキャンティワインのロングネックを2本買ったところ、たまたま来ていた日本人観光客に「どうやって持って帰るんだ?」と聞かれたことがあります。
(当時の税関のパンフレットには、酒は2本まで無税と書かれていました。キャンティのロングネックは3リットル入っていましたが、2本は2本です。その後、ある時税関のパンフレットを見たら、750mlを2本と修正されていました。昔は洋酒が高かったので、海外旅行の土産にはウィスキーやブランデーが欠かせませんでしたが、今はそんなことはないかと思います。筆者自身、海外から酒を買って帰ったのは、その遠洋航海が最後でした。それもロングネックは日本で買えなかったからです。)
日本から乗れるクルーズも多数あるようですし、商船三井や郵船のクルーズ船に乗れば、クルーの多くが日本人なので公用語が日本語という安心感もあります。
筆者は若いころから海に親しんできましたから特に皆様に申し上げたいのですが、陸地から隔絶した洋上での夜航海というのは、一度は経験しておくべきものだと思います。
全周に水平線を眺めながら星空を見上げるという経験は、一時的にではありますが、人間を始原的な存在に返してくれます。いろいろなことを考えるはずです。
そのような経験を誰しもが持つべきと考えています。
山も同様かもしれません。筆者は一晩中かかって、それほど高くはない山に登って、翌朝雲海を眺めた経験しかありませんが、大自然の中に身を置くということには特別な作用があるかと思っています。
世界最大のクルーズ船に乗っていると、船内で大自然の中にいるという感覚にはなりません。(揺れることすらないですからね。)しかし、真夜中にデッキに出たり、日没や日の出の時間に水平線を眺めることはできます。そんな時を、クルーズの中で経験してくることができれば、忘れがたいクルーズになると思っています。
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専門コラム 第412回 失敗の本質
今回のタイトルをお読みになって、当コラムを古くからお読みの方々は「?」が頭の中に浮かんだことと拝察します。
ビジネスマン必読の書と言われて久しく、いまだに名著の誉れ高い『失敗の本質』を弊社ではほとんど評価していないからです。「ほとんど」ということは、一部評価しているところもあるということですが、それは、「論文の書き方の教科書としてはいいかもしれない。」という評価をしているのと、ノモンハンやインパールなどの陸軍の戦いについては、評価出来ないという事情があるためです。
しかし、この書物で取り上げられている海軍の作戦については、「学者が机上でものを考えるとそうなるんだろうな。」という評価をしているのと、それだけではなく、組織論の専門家がハワイ奇襲作戦を成功した作戦であると評価しているのは、やってはならない誤りであると評価しています。作戦は目的を達成してこそ成功であり、真珠湾奇襲攻撃で米国の対日戦意を削ごうという目的に反して「リメンバー・パールハーバー」として対日戦意を高揚させた結果を招いたこの作戦は、少なくとも組織論・意思決定論の立場からは「成功」とは言えないはずだからです。
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教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
こちらをどうぞ
https://aegis-cms.co.jp
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://aegis-cms.co.jp/cpx
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バックナンバーを公開しています。
こちらからご覧ください。https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
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メールマガジン「指揮官の休日」
発行人:株式会社イージスクライシスマネジメント
代表取締役 林 祐
email: yhayashi@aegis-cms.co.jp
Web : http://aegis-cms.co.jp
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