指揮官の休日 No.387 カレーは金曜日
2024/06/28 (Fri) 06:30
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
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専門コラム「指揮官の決断」は、第397回 何が真実なのか 検証の難しさ を掲載いたしました。
何が真実なのかを見極めることは、意外に難しく、特に現代のようにメディアが信頼できない時代では騙されないようにするだけでも大変です。
今回はその問題について考えています。
https://aegis-cms.co.jp/3315
No.387 カレーは金曜日
海上自衛隊の金曜日の昼食がカレーライスであることは、いつの間にか有名になってしまいました。
筆者は海上自衛隊で30年間暮らしていましたが、最近の海上自衛隊が金曜日の昼食にカレーライスをメニューとしているということは本当です。ほとんどすべての部隊で、隊食はカレーライスが供されます。陸上勤務の幹部隊員には食事は支給されないのですが、委託食堂などでカレーライスを食べている者が多いのも海上自衛隊ならでは風景です。
最近の海上自衛隊がと言っているのは、かつてはカレーライスが出されるのが金曜日ではなかったからです。それでは、真の理由は何だったのでしょうか。
なぜ毎週金曜日にカレーが出されるようになったのかの理由として、長期航海で曜日感覚をなくさないためと言われています。
筆者も、艦隊勤務の折など、出航して何日か経ってカレーライスが出てくると、「ほう、もう一週間たったか。」と思ったり、「あと何回食べると帰れる。」などと考えたりしたことは事実ではありますが、しかし、「曜日感覚を失わないため」というのは後から付けた理屈であり、本当の理由ではありません。
先に、かつては金曜日ではなかったと申し上げています。ここに理由が隠されています。
筆者が海上自衛隊に入隊したころは、日本の社会は週休二日ではありませんでした。土曜日は「半ドン」と呼ばれ、午前中だけは勤務をしていました。
海上自衛隊の艦艇では、入港中の土曜日の午前中は整備作業などを行い、昼食後に乗員を上陸させていました。
ところが、その昼食を食べずに上陸する乗員が数多くいました。
出航で洋上に出ることの多い乗員たちは、早く上陸して家族とともに貴重な午後を過ごしたいと思う家族持ち、早く自由の身になって遊びに行きたい若い隊員など、それぞれの思いがあって早く上陸したいのです。
そこで土曜日の昼食の食数がよく分かりません。あらかじめ食数調査をしてはいるのですが、それも直前に気が変わる奴が多く、余ったり足りなくなったりで調理員は大変な思いをします。
また、カレーライスの時は、ご飯茶椀や汁椀など多くの食器が必要な料理と異なり、食器の数が少なくなるので、食後の食器洗いも楽です。食器洗いの当番だって早く上陸したいのです。
護衛艦は、入港中に食材の積み込みなども行います。岸壁までは業者が運んでくれますが、艦内に運び込むのは乗員の手で行わなければなりません。
それには人手が必要で人海戦術をもって行う作業なので、全乗員がそろっているときに行います。したがって、月曜日や火曜日の朝一番の作業になることが多いようです。
かつての護衛艦は、今の護衛艦よりも小さく、艦内も狭かったので、冷蔵庫やその他の食材の置き場も大きくはありませんでした。
調理員長としては、食料品の積み込みを行う前に、冷蔵庫や倉庫をなるべく空けておきたいと考えます。
そこで、その前の土曜日のメニューをカレーにしておけば、肉や野菜の残ったものを放り込んで処分できますし、ステーキや焼き魚のように一人一枚などと考えず、食数が多少いい加減でも対応できます。
それにカレーライスは乗員の好物でもあるので、毎週作っても文句は言われません。
そこでかつては土曜日の昼食がカレーライスでした。
カレーライスは人気メニューなので、食べて上陸する乗員も多いので、残飯も少なくなります。
筆者が入隊したころは、いつも土曜日の昼食にカレーライスを食べてから上陸したものでした。
そのうち、公務員も週休二日となり、土曜日の昼食は当直員しか食べなくなりました。
そこで金曜日ですが、やはり乗員は金曜日の夕食を船で食べる者は少数です。
家族持ちは早く上陸したいし、独身者は早く飲みに上陸したいので、食事は取らないのです。
そこで、カレーライスが金曜日の昼食に出てくることになりました。
金曜日の夕食は、ほとんど当直員プラスアルファの人数しか食べないので、昼食に残った食材を放り込んで冷蔵庫と倉庫のスペースを空けるのです。いろいろな食材が入っている方がカレーが美味しくなるという利点もあります。
カレーライスは乗員の好物でもあるので、航海中も一週間に一度は作って欲しいということで、金曜日の昼食という習慣が維持されたのが真相です。
海上自衛隊のカレーライスには、筆者はある思い出を持っています。
筆者は新入隊員教育を行う教育部隊の指揮官を務めたことがあります。
高校を卒業したばかりというような若い隊員たちが入隊すると、この教育部隊で約4か月の教育を受け、艦隊勤務に出ていきます。
その部隊においても金曜日の昼食はカレーライスが供されます。
若い彼らは、1週間の教育訓練を受け、明日は午前中から外出できるので、金曜日のカレーライスを楽しみにしています。
ある時、彼らがどのようにカレーライスを食べているのかを学生食堂に見に行ったことがあります。
大きなステンレスの平らな皿に山のようにご飯を盛りつけ、その上から皿にあふれるくらいのカレーをかけて食べ、さらにそのお代わりに行く者もいます。
そのため、午後の教務は居眠りをする者が多数いますので、教官泣かせです。
教官たちとの会議で、その金曜日の午後の対策が問題となり、座学は居眠りをする者が多いので、体を動かす訓練行事を入れたらどうかという話になりました。水泳訓練やカッターを漕がせたりすれば居眠りはしないだろうということです。
筆者はそれらの意見には反対でした。
昼食にあれだけの量を食べて、午後に激しい運動をさせることは体に良くないと考えたのです。吐くおそれだってあります。
「学生たちは一週間のきつい訓練が今日で締めくくられる、という思いで金曜日の昼食のカレーライスを楽しみにしているんだ。居眠りくらい大目に見てやれ。だいたい、教官の話がつまらないから居眠りをするんだ。居眠りする学生が多いのは、お前さんたちの話が退屈だからだと思わんか?」
結局、カリキュラムを根本的に見直し、Quality of Lifeを高めるための余暇活動などを導入することとし、自分たちで選んだクラブ活動やサークル活動を行うことにしました。
その結果、金曜日の午後はヨットに乗る者、模型作りに励む者、写真を撮る者などに分かれての活動になりました。それらの趣味やスポーツの楽しみ方を知っていることが、彼らの今後の自衛隊人生に彩りを与えるだろうと筆者は考えていました。
また、それらを指導する教官たちも、それぞれの趣味などを生かせるので、金曜日の午後の教務には喜んで就いてくれていました。
この結果、金曜日午後の居眠り問題は解消されましたし、メリハリのある週課となり、他の曜日の教務の効率も高くなりました。
海上自衛隊ではカレーライスは一週間を締めくくるうえでも重要な役割を果たしています。
単に、今日が何曜日かを思い出させるためだけではありません。
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専門コラム「指揮官の決断」第397回 何が真実なのか 検証の難しさ
当コラムでは、メディアの報道がファクトチェックもしない、どころか、自分たちの先入観や価値観に基づいて事実を歪曲した報道すら平気ですることをたびたび批判してきました。
真実はともかくとして、少なくとも事実に反する報道をすることは許されないことだと考えます。
しかし、何が事実なのか、ということになると、実はそれほど簡単ではありません。
続きは、下記からお読みください。
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『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
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教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
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No.387 カレーは金曜日
海上自衛隊の金曜日の昼食がカレーライスであることは、いつの間にか有名になってしまいました。
筆者は海上自衛隊で30年間暮らしていましたが、最近の海上自衛隊が金曜日の昼食にカレーライスをメニューとしているということは本当です。ほとんどすべての部隊で、隊食はカレーライスが供されます。陸上勤務の幹部隊員には食事は支給されないのですが、委託食堂などでカレーライスを食べている者が多いのも海上自衛隊ならでは風景です。
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筆者が海上自衛隊に入隊したころは、日本の社会は週休二日ではありませんでした。土曜日は「半ドン」と呼ばれ、午前中だけは勤務をしていました。
海上自衛隊の艦艇では、入港中の土曜日の午前中は整備作業などを行い、昼食後に乗員を上陸させていました。
ところが、その昼食を食べずに上陸する乗員が数多くいました。
出航で洋上に出ることの多い乗員たちは、早く上陸して家族とともに貴重な午後を過ごしたいと思う家族持ち、早く自由の身になって遊びに行きたい若い隊員など、それぞれの思いがあって早く上陸したいのです。
そこで土曜日の昼食の食数がよく分かりません。あらかじめ食数調査をしてはいるのですが、それも直前に気が変わる奴が多く、余ったり足りなくなったりで調理員は大変な思いをします。
また、カレーライスの時は、ご飯茶椀や汁椀など多くの食器が必要な料理と異なり、食器の数が少なくなるので、食後の食器洗いも楽です。食器洗いの当番だって早く上陸したいのです。
護衛艦は、入港中に食材の積み込みなども行います。岸壁までは業者が運んでくれますが、艦内に運び込むのは乗員の手で行わなければなりません。
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かつての護衛艦は、今の護衛艦よりも小さく、艦内も狭かったので、冷蔵庫やその他の食材の置き場も大きくはありませんでした。
調理員長としては、食料品の積み込みを行う前に、冷蔵庫や倉庫をなるべく空けておきたいと考えます。
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それにカレーライスは乗員の好物でもあるので、毎週作っても文句は言われません。
そこでかつては土曜日の昼食がカレーライスでした。
カレーライスは人気メニューなので、食べて上陸する乗員も多いので、残飯も少なくなります。
筆者が入隊したころは、いつも土曜日の昼食にカレーライスを食べてから上陸したものでした。
そのうち、公務員も週休二日となり、土曜日の昼食は当直員しか食べなくなりました。
そこで金曜日ですが、やはり乗員は金曜日の夕食を船で食べる者は少数です。
家族持ちは早く上陸したいし、独身者は早く飲みに上陸したいので、食事は取らないのです。
そこで、カレーライスが金曜日の昼食に出てくることになりました。
金曜日の夕食は、ほとんど当直員プラスアルファの人数しか食べないので、昼食に残った食材を放り込んで冷蔵庫と倉庫のスペースを空けるのです。いろいろな食材が入っている方がカレーが美味しくなるという利点もあります。
カレーライスは乗員の好物でもあるので、航海中も一週間に一度は作って欲しいということで、金曜日の昼食という習慣が維持されたのが真相です。
海上自衛隊のカレーライスには、筆者はある思い出を持っています。
筆者は新入隊員教育を行う教育部隊の指揮官を務めたことがあります。
高校を卒業したばかりというような若い隊員たちが入隊すると、この教育部隊で約4か月の教育を受け、艦隊勤務に出ていきます。
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