指揮官の休日 No.381 自衛隊はグー
2024/04/05 (Fri) 06:30
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、第390回 指揮官のあり方 を掲載いたしました。
人の上に立つリーダーが最低限持つべき心構えと信ずるものについて語っています。
https://aegis-cms.co.jp/3282
No.381 自衛隊はグー
さて、今回の表題の意味を、読んだ瞬間にお分かりになるのは、自衛隊に籍を置いたことのある方かと拝察します。何のことでしょうか?
じゃんけんの「最初はグー」とかの変形バージョンの話ではありません。
観閲式などの儀式を注意深く見ていると分かるのですが、何気なく見ているとお分かりにならないかもしれません。
これは「気を付け」の姿勢や行進中の自衛官の手のひらの形のことです。
皆さま、ちょっとここで、立って、気を付けの姿勢を取ってみて頂けますでしょうか。
多くの方は、指を真っすぐに伸ばして、体の脇にぴったりと付けるかと思います。
それは小学校でそう教えられたからです。
甲子園で入場行進をする高校球児たちも指を伸ばして行進してきます。
ところが、整列して気を付けの姿勢をしている際の自衛官は、指を伸ばしていません。必ず手のひらを「グー」の形にしています。
しかも、「気を付け」の姿勢では、体の真横ではなく、少し後ろに腕を伸ばしています。つまり、「グー」の手のひらは脚の付け根よりも少し後ろのお尻に充てられています。
これは胸を張るためにちょっと後ろに腕を伸ばしているからです。
旧海軍は陸軍・海軍ともに指を伸ばした気を付けの姿勢を取り、行進も指を伸ばしていたようです。何故伝統墨守の海上自衛隊が旧軍と異なるスタイルを取っているのかはよく分かりません。
ただし、推測はできます。
米軍は陸・海・空・海兵隊の四軍ともにグーに握ります。
第二次世界大戦後、日本が自衛隊を創設するにあたり米軍から指導官がやってきました。
陸上自衛隊にやってきた米陸軍の指導官達は、旧帝国陸軍を全否定することから指導を始めました。このため、陸軍士官学校出身者たちは指導者層から外され、当初の陸上幕僚長や方面総監、師団長たちは旧内務官僚から選ばれました。
日本の政府内にも、旧陸軍に対する反発が非常に強かったようです。陸軍が中国大陸でやりたい放題の暴走を行った挙句、この国を戦争に巻き込んでいったという歴史観のもと、陸軍に二度と同じようなことはさせない、という思いがあったようです。
そこで、旧陸軍の習慣やものの考え方などを一掃するために、全てを米軍方式にしようと考えたのでしょう。
陸上自衛隊と海上自衛隊で気を付けの姿勢や行進の仕方が異なるというのはおかしいので、海上自衛隊が陸上自衛隊に合わせざるをえなかったものと思われます。
現在でも、統合運用が始まり、東京には統合幕僚監部が置かれ、間もなく統合作戦司令部も設置されますが、そこで統合で行われる儀式の場合、礼式は陸式に行われることになっています。
これには我々海上自衛官は面食らうことがいくつかあるのですが、今回は指先の話です。
とにかく、自衛官は気を付けの姿勢や行進中に指を伸ばしてはいません。指先を真っすぐ伸ばすのは、挙手の敬礼をする時の右手だけです。
ところが、同じくユニフォームを着用して行進する集団が日本にもいくつかあるのですが、それぞれの集団が、それぞれの文化的背景を背負って指先の形が違うのが面白いところです。
次の動画は、警視庁の警察学校の卒業式での卒業生の行進です。
https://www.youtube.com/watch?v=48rOIwGEPUg
指先はしっかりと伸びています。
ところが、次の動画ではおかしなことに気づきます。
警視庁の年頭出動訓練の風景ですが、整列時の警察官の指は伸びていますが、行進中の警察官は手のひらをグーにして歩いています。
学校で教えていることと現実の部隊で行われていることに乖離があります。
そのためか、行進は不揃いで整然としたものになっていません。
https://www.youtube.com/watch?v=QGfRcwdHvNQ&t=268s
警視庁だけではなく、他府県の警察を見てみます。
次の動画は山梨県警の観閲式ですが、ここもバラバラです。
カラーガードの後ろを行進する県警旗の警護をしている警察官二人の指は伸びていますが、その後に続く機動隊員らはグーに握って歩いています。
また、自衛隊の行進よりも足を高く上げているようです。
https://www.youtube.com/watch?v=q8zTPw9SmOU
茨城県警の観閲式の模様です。
https://www.youtube.com/watch?v=Y6SI3OgTfe4&t=104s
茨城県警は他の県警や警視庁よりも行進が上手です。やはり手のひらはグーです。
この中には県警察学校の生徒も行進しているのですが、指先は伸ばしていませんん。
ところが和歌山県になる事情が違うようです。
https://www.youtube.com/watch?v=1PzLh3MZ6kY
指先を伸ばして行進しています。
この警察の行進の下手さ加減と言うのは話になりません。ちょっとは訓練してから出て来いと言いたくなります。
つまり警察は都道府県によってやり方が異なり、また、学校と部隊とで異なっていたりすることがあるようです。
これが彼らが行進が下手くそな理由なのでしょう。
海上保安庁はどうでしょうか。
次の動画は海上保安学校の卒業式における分列行進です。
しっかりと指が伸びています。
https://www.youtube.com/watch?v=YO3Bsh6VX7A
海上保安庁も警察も手のひらを伸ばして行進している部隊は、一般的に足の上げ方が高いようです。
それでは自衛隊はどうでしょうか。
まずは陸上自衛隊の行進です。
https://www.youtube.com/watch?v=y0YkIQ3d7c0
これは陸上自衛隊高等工科学校学生隊の行進です。この学校は中学を卒業して入校する学生が多く、修業すると高校卒業資格を得ることができます。つまり、ここで戦闘服を着てライフルをもって行進し、あるいは指揮刀で指揮を執っているのは高校生です。
右手は銃を保持しているため左手を振って行進していますが、手のひらはグーです。
第1梯隊と第2梯隊の指揮官を務めている学生の指揮刀操法はなかなかのものです。第3梯隊以降の指揮官の指揮刀操法は、いかがなものかとは思いますが、多分、事前訓練の際にしっかりと教えられなかったのでしょう。しかし、高校生にしては堂々としたものです。
1年生はライフルを持たせてもらえず、指揮官も指揮刀を持っていませんが、つい最近まで中学生だったことを思うと無理もありません。
次の動画は、観閲式における海上自衛隊部隊の行進です。
https://www.youtube.com/watch?v=4f_eARsYTUY
何度か申し上げてきましたが、海上自衛隊部隊では部隊旗である自衛艦旗が国旗として扱われるため、部隊指揮官の前を歩いています。この自衛艦旗が観閲官である内閣総理大臣の前を通る時、総理大臣や防衛大臣そのたの政府高官や各自衛隊幕僚長などは檀上からではありますが、敬礼をしています。他の自衛隊と異なり、部隊の敬礼に対して答礼しているのではありません。国旗に対して敬礼しているのです
したがって、檀の前に並んでいる総理大臣旗、防衛大臣旗、各自衛隊の幕僚長旗なども一斉に前に倒して敬礼しています。
その前を通っていく海上自衛隊部隊の隊員たちの手はしっかりと握られています。
ちなみに女性自衛官はどうしているのでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=oST5veBH76Q
観閲式において女性自衛官部隊が行進している光景です。そうやって女性だけの部隊を編成して行進させるということも今後は無くなっていくかと思います。女性を見世物にするな、という声が現在でもあるようですからね。しかし、少なくとも2018年時点では行われています。貴重な動画になるかもしれません。
女性も手のひらをグーにして行進しています。
「自衛隊はグー」という表題の意味をご理解頂けたかと存じます。
皆様のご感想はどのようなものか分かりませんが、自衛隊の行進を見慣れている筆者の眼には、海上保安庁や警察の指先を伸ばして足を高く上げる行進は、なんとなく小学生の運動会の行進のように見えてしまいます。
贔屓目かもしれませんが。
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専門コラム「指揮官の決断」第390回 指揮官のあり方 掲載のお知らせ
これまで数回にわたって、意思決定の問題について語ってきました。
意思決定に際して、その決定の目的を忘れてしまうと、いくら詳細な計画を立てても意味がないことに言及しています。
今回は、意思決定の問題から一度離れ、リーダーシップの問題について言及します。
弊社は危機管理のコンサルティングファームですが、危機管理を「意思決定」「リーダーシップ」「プロトコール」を三本柱として捉えるという基本姿勢を持っています。
しっかりとした誤りのない意思決定を行い、組織が一丸となって危機に対応するリーダーシップを発揮し、どこから見ても隙のない、信頼できる組織を作ることが危機管理において最も重要であるという認識からです。
https://aegis-cms.co.jp/3282
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Twitterでも時々、折に触れて気が付いたことを呟いています。
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弊社出版物のご紹介
『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
セルバ出版
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教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
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No.381 自衛隊はグー
さて、今回の表題の意味を、読んだ瞬間にお分かりになるのは、自衛隊に籍を置いたことのある方かと拝察します。何のことでしょうか?
じゃんけんの「最初はグー」とかの変形バージョンの話ではありません。
観閲式などの儀式を注意深く見ていると分かるのですが、何気なく見ているとお分かりにならないかもしれません。
これは「気を付け」の姿勢や行進中の自衛官の手のひらの形のことです。
皆さま、ちょっとここで、立って、気を付けの姿勢を取ってみて頂けますでしょうか。
多くの方は、指を真っすぐに伸ばして、体の脇にぴったりと付けるかと思います。
それは小学校でそう教えられたからです。
甲子園で入場行進をする高校球児たちも指を伸ばして行進してきます。
ところが、整列して気を付けの姿勢をしている際の自衛官は、指を伸ばしていません。必ず手のひらを「グー」の形にしています。
しかも、「気を付け」の姿勢では、体の真横ではなく、少し後ろに腕を伸ばしています。つまり、「グー」の手のひらは脚の付け根よりも少し後ろのお尻に充てられています。
これは胸を張るためにちょっと後ろに腕を伸ばしているからです。
旧海軍は陸軍・海軍ともに指を伸ばした気を付けの姿勢を取り、行進も指を伸ばしていたようです。何故伝統墨守の海上自衛隊が旧軍と異なるスタイルを取っているのかはよく分かりません。
ただし、推測はできます。
米軍は陸・海・空・海兵隊の四軍ともにグーに握ります。
第二次世界大戦後、日本が自衛隊を創設するにあたり米軍から指導官がやってきました。
陸上自衛隊にやってきた米陸軍の指導官達は、旧帝国陸軍を全否定することから指導を始めました。このため、陸軍士官学校出身者たちは指導者層から外され、当初の陸上幕僚長や方面総監、師団長たちは旧内務官僚から選ばれました。
日本の政府内にも、旧陸軍に対する反発が非常に強かったようです。陸軍が中国大陸でやりたい放題の暴走を行った挙句、この国を戦争に巻き込んでいったという歴史観のもと、陸軍に二度と同じようなことはさせない、という思いがあったようです。
そこで、旧陸軍の習慣やものの考え方などを一掃するために、全てを米軍方式にしようと考えたのでしょう。
陸上自衛隊と海上自衛隊で気を付けの姿勢や行進の仕方が異なるというのはおかしいので、海上自衛隊が陸上自衛隊に合わせざるをえなかったものと思われます。
現在でも、統合運用が始まり、東京には統合幕僚監部が置かれ、間もなく統合作戦司令部も設置されますが、そこで統合で行われる儀式の場合、礼式は陸式に行われることになっています。
これには我々海上自衛官は面食らうことがいくつかあるのですが、今回は指先の話です。
とにかく、自衛官は気を付けの姿勢や行進中に指を伸ばしてはいません。指先を真っすぐ伸ばすのは、挙手の敬礼をする時の右手だけです。
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この中には県警察学校の生徒も行進しているのですが、指先は伸ばしていませんん。
ところが和歌山県になる事情が違うようです。
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指先を伸ばして行進しています。
この警察の行進の下手さ加減と言うのは話になりません。ちょっとは訓練してから出て来いと言いたくなります。
つまり警察は都道府県によってやり方が異なり、また、学校と部隊とで異なっていたりすることがあるようです。
これが彼らが行進が下手くそな理由なのでしょう。
海上保安庁はどうでしょうか。
次の動画は海上保安学校の卒業式における分列行進です。
しっかりと指が伸びています。
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海上保安庁も警察も手のひらを伸ばして行進している部隊は、一般的に足の上げ方が高いようです。
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まずは陸上自衛隊の行進です。
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これは陸上自衛隊高等工科学校学生隊の行進です。この学校は中学を卒業して入校する学生が多く、修業すると高校卒業資格を得ることができます。つまり、ここで戦闘服を着てライフルをもって行進し、あるいは指揮刀で指揮を執っているのは高校生です。
右手は銃を保持しているため左手を振って行進していますが、手のひらはグーです。
第1梯隊と第2梯隊の指揮官を務めている学生の指揮刀操法はなかなかのものです。第3梯隊以降の指揮官の指揮刀操法は、いかがなものかとは思いますが、多分、事前訓練の際にしっかりと教えられなかったのでしょう。しかし、高校生にしては堂々としたものです。
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したがって、檀の前に並んでいる総理大臣旗、防衛大臣旗、各自衛隊の幕僚長旗なども一斉に前に倒して敬礼しています。
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