指揮官の休日 No.379 ストップ詐欺被害 私は騙されない
2024/03/04 (Mon) 09:46
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、第387回 目的は何か その2 を掲載いたしました。
前回に引き続き、意思決定における目的の認識の重要性について語っています。詳しくは弊社専門コラムをお読みください。
https://aegis-cms.co.jp/3264
No.379 ストップ詐欺被害 私は騙されない
前回に引き続き配信が遅れています。
前回は海外からサーバーにアクセスしようとしてセキュリティに引っ掛かりコラムがアップできなかったことによる遅延でしたが、今回は帰国後のドタバタでコラムの掲載が遅れたことによる遅延です。
ある会合で、前回のメールマガジンの配信が遅れたことで「今日は金曜日じゃなかったのか。」と一瞬混乱したという方がいらっしゃることが分かりました。
海上自衛隊で金曜日の昼食にカレーライスが出されて、まもなく週末になることを認識していましたが、当メールマガジンもその程度のお役には立っていることが分かりました。
さて、今回のテーマは「海を巡る」シリーズから一度離れます。当メールマガジンの読者は必ずしも海に重大な関心をお持ちの方ばかりではありませんし、海に関してはヨットにせよ海上自衛隊にせよ大先輩がおられ、筆者ごときが海を語るおこがましさも気になるところであるので一度離れます(すぐに戻りますけどね。海上自衛隊の船乗りの先輩はたくさんいますが、護衛艦乗りの中に筆者と同じような外洋ヨットの経験をお持ちの方はほとんどいませんし、逆に外洋ヨット乗りで護衛艦の操艦を経験している先輩もいませんので、そこはでかい顔をしています。)。
今回はNHKが連日流している短い番組の話です。
夕方、NHKのニュースを観ていると、このタイトルで、実際に起こったオレオレ詐欺などの事例を紹介して注意を呼び掛けています。
NHKが公共放送であるとの認識から、このような番組を作って詐欺被害の防止に役立とうしていることは、大きく評価されるべきかと考えます。
しかし、その事例にNHK自身が行っている詐欺行為が含まれたのかどうかを筆者は知りません。
NHKの係員が直接住居に押しかけてきて、衛星放送を受信する設備のない家庭から受信契約を取りつけ、あとで担当者がその申込書を改ざんして衛星放送の受信料まで徴収していたというような事例をしっかりと自ら放送したのでしょうか?
NHKの受信料聴取の出鱈目さはかつてお伝えしたことがありますが、かなり前のことでもあり、最近のNHKの性懲りもないやり方を見ていると、NHKというものを理解していただくために再度ご紹介する必要があると考えて、今回のテーマとすることとしました。
海上自衛隊在職時のことです。ある地方の部隊に指揮官として単身赴任したことがありました。その赴任前の配置も地方都市で単身赴任の部隊指揮官でした。
真夏の暑い日曜日に荷物がトラックに乗せられて官舎に到着しました。早速7階建てのアパートの指揮官用の宿舎への搬入が始まり、筆者もバタバタしていました。
その荷物の搬入が始まってすぐに現れたのがNHKの職員でした。受信料の支払いのための住所変更をしろということでした。受信契約を結んでくれ、ではないのです。
筆者は、その前の配置から単身赴任で、洗濯機、クーラー、テレビ、冷蔵庫などの大きな家電製品は単身赴任が終わると邪魔になるので、レンタルサービスを受けていました。何年も単身赴任をすると買ったほうが安いのですが、異動の時の手間や最終的な処分の手間を考えると借りたほうがいいという判断でした。
その地方都市へ異動する際には、レンタルする品目を見直し、しっかりと勉強するつもりでテレビをレンタルから外していました。
好きな映画のDVDは持っていたのですが、PCで観ることができたので、問題ありませんでした。
なので、引っ越しのバタバタの最中に現れたNHKの職員には「テレビは持ってきていない。」と言って帰ってもらいました。
翌日の月曜日、着任の儀式やあいさつ回りで一日中落ち着かなかったのですが、指揮官が帰らないと他の隊員、特に幹部隊員が帰宅しないので、一度官舎に戻り、着替えだけすると隊へ戻りました。
官舎は隊の正門の前の横断歩道を渡ったところにあったので、通勤は庁舎から正門までの距離のほうが長いくらいで、正門を通ると1分もかからずにエレベータに乗ることになります。西日本の夏は遅くまで明るいので、部屋に入って明かりもつけず(まだ照明の設置が終わっていなかったのです。)、私服に着替えて隊へ戻りました。まだ残っていた副長以下の幹部には、個人的な用で戻っただけなので遠慮せずに帰るように指示して、前司令から受け継いだ申継書などを10時近くまで読んでいました。
一通り読んで問題点などをメモして官舎に戻ったのが10時半頃でした。
部屋についていた裸電球を点灯して5分も経たない頃、玄関のチャイムが鳴りました。こんな時間に何だろうと思って出てみると、昨日来たNHKの職員でした。住所変更の手続きをするようにということでした。
テレビを持っていないというと、法律ですべての人が受信料を払うように決められていますというのです。それはテレビを持っている人でしょ?と聞くと、カーナビやスマートフォンなどでテレビを観ることができれば受信料を支払わなければなりませんと言います。
単身赴任で車は持ってきていないし、スマートフォンではなかったので携帯電話でテレビを観ることもできず、PCもテレビの受信機能のあるものではなかったので、ここではしっかりと勉強したいのでテレビは借りていないことを説明して追い返しました。
それから2~3日経ったある日、やはり夜10時過ぎに帰宅したところ、部屋に入ってすぐに電話がかかってきました。隊から直接電話が掛けられる自衛隊の内線電話が引いてあったのです。
当直士官からの電話で、隊員の一人が原因不明の熱を出して、これから救急搬送を行うという報告でした。その電話を受けている最中に玄関のチャイムがなり、10秒もしないうちに再び鳴りました。かなり急いでいるようでした。
同じ官舎に住んでいる副長が訪ねてきたのかもしれないと考え、当直士官に「今チャイムが鳴っているが、誰かを報告に寄越すか、迎えの車などを手配したか?」と尋ねましたが、だれも報告に送っていないし、迎えも設定していないということで、「それでは副長かな?」と言うと、「副長は今当直室におられます。」ということでした。この頼りにできる副長は、当直士官からの報告を受けるとすぐに隊に戻って状況を把握していたようです。
そこで誰だろうと思って電話を切り、三度目のチャイムが鳴るなか、玄関に出てみると例のNHKでした。
住所変更をしろということです。筆者はさすがに怒り、「テレビは持っていないと言っているだろう。」と言ったのですが、「皆さんそうおっしゃるのですが、これは国民の義務ですから。」とのことです。
ここでNHKの詐欺罪が成立します。
国民の義務は三つしかありません。子供に教育を受けさせること、税金を払うこと、勤労の三つです。
この国では祖国防衛ですら義務ではありません。ましてNHKに視聴料を支払う義務などは国民にはありません。受信機を持っている者にのみ課される義務でしかありません。
その受信機を持っていないのですから義務は当然ありません。
あまりにしつこいので「嘘だと思うなら中に入って確認すればいいだろう。」と言ってやったのですが、「令状を持っているわけではないので入ることはできない。」と言います。家の住人が入れと言っているのだから令状なんかいらないだろうと言っても入りません。
そもそも夜10時過ぎに、部屋の電気が点灯した直後に現れるというのが気味が悪いですよね。どこかでじっと監視していて、帰宅したとなると夜10時過ぎでも他人の家のチャイムを平気で鳴らすという神経が信じられませんでした。
しかも、鳴った瞬間に反応しないと2回、3回とチャイムを鳴らすしつこさです。
「車もなければ、スマートフォンも持っていない、テレビを受信できるPCも持っていないし、DVDは持っているので映画は観るがPCで観ているので、テレビの受信機は本当に持っていない。中に入ってそれを確かめないのは勝手だが、確かめないのなら二度と来るな。」と言って追い返そうとしたのですが、「皆さんにお支払いいただいています。」との返答です。この馬鹿と話をしても埒が明かないと思って、もらった名刺に電話したのですが、平日の夜11時近くであり、だれも電話に出てくれませんでした。
「いい加減にしないと警察を呼ぶぞ。」と言って帰らせようとすると、日中いくら来てもいないので、夜遅く来るしかなかったと言い訳をします。
確かに単身赴任なので、それは一理あると思いましたが、しかし、テレビを持っていないということを信じず、それを確認もしないという態度を許容すると、今後いつまでもめなければならないのかが分かりませんので、翌日の昼間、NHKの地方局に電話をして、 「受信機を持っていないのが信じられないというなら部屋を確認してくれ。確認をしないなら、夜遅く職員を派遣するのは止めろ。」と抗議しました。
人のうちを訪ねるのに夜10時過ぎというのがNHKでは非常識だという判断はしないのか?という疑問には「確かに非常識です。」ということでした。
筆者は、その任期中は本当に必死で勉強するつもりでしたし、テレビは司令の執務室にあり、必要なニュースは観ることができました。
夜見たい番組があるときには、早めに退庁して副長以下の幹部隊員が帰宅した後に私服で隊に戻って観ればいいので官舎にテレビを置くことは考えていませんでした。
自宅にいても、もともとテレビはあまり観ないので、特別なことでもありませんでした。
それまで、NHKの受信料などについて考えることはありませんでしたが、その後はNHK自体についても、またその放送内容についても考えることがあります。
NHKで唯一評価している番組があります。『ダーウィンが来た』です。この番組のスタッフの根性は半端ではないと思っています。また、大河ドラマもものによっては観ています。しかし、朝の連続テレビ小説は観ませんし、ニュースは出鱈目が多いので流している程度で、時報くらいしか信じていません。なので、受信料の月額徴取ではなく、ペイパービューにしてくれないかなと思っているところです。
いずれにせよ、NHK自体が、視聴者でもない国民に向かって「視聴料を払うのは法律で決まっている国民の義務である。」と言ってのける詐欺集団です。
筆者がその地に赴任するまで一生懸命勉強していたのは法律でした。それまで国の予算を扱う支出負担行為担当官や契約担当官、分任物品管理官などを務めていたので、行政官として必要な法律を理解しようとしていました。転勤後は国際法の勉強をしようと考えていたのでテレビは邪魔だと思っていたのですが、NHK職員の「国民の義務」という言葉に反応しました。「国民の義務」というのは憲法学上の議論です。
その他の法律には国民の義務という規定ではなく、義務を負う者が定義されています。NHKの視聴料を支払う義務があるのは「国民」ではなく「放送を受信できる設備」を持っている者であり、いかなる手段においても受信することのできなかった筆者はその義務を負っていませんでした。
それを義務者であると嘘をついて契約をさせようとしたNHKこそ詐欺犯です。
ちなみにそれは2010年のことであり、現在のNHKがどのような態勢にあるのかは承知していませんが、NHKに対する苦情件数は1万件を超えた年もあるということなので、抜本的な改革が行われているのかどうかわかりません。
また、最近は料金の徴収を人が行うことを止めているという話も聞いたことがあります。
いずれにせよ、筆者のNHKに対する思いはその時に強烈に印象付けられています。
一度悪いイメージを持ってしまうとそれを払拭させるのは大変なことがこのことからも分かります。
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専門コラム「指揮官の決断」第387回 目的はなにか その2 掲載のお知らせ
前回、意思決定の目的を理解していないことがよく見受けられる、という一見信じがたい事実に言及しました。
一見信じがたいのですが、実はよく起きることであり、前回例に挙げた少子化対策などはその一例です。子育て支援が少子化対策にまったくならないとは申しませんが、現実の社会には結婚したくてもできない非正規雇用の若い人たちが大勢おり、一方で安定的な企業に雇用されていて、それなりの福利厚生を得て結婚している若い夫婦もいます。
子育て支援は前者には関係がなく、後者に利益をもたらすのであり、格差が拡大するだけで、問題の根本的解決になりません。
結婚しても夫婦で住む家を確保できない人たちに住宅の支援でもするなら話は別であり、過疎に悩む地方自治体ではそのような支援を積極的に行っているところもあります。
国よりも遥かに進んだ施策を地方が乏しい財源で行っているということです。
しかも、この施策は少子化対策を目的としたものではなく、過疎化対策の為に行っています。過疎化対策のために何が必要かをしっかりと議論した結果、少子化対策を行うことにより、過疎化に歯止めがかかるかもしれないと気付いたのでしょうが、自分たちの目的をしっかりと認識して議論していることが分かります。
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とが出来ます。
是非Facebookページをご訪問ください。
Twitterでも時々、折に触れて気が付いたことを呟いています。
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『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
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内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
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毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
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しかし、その事例にNHK自身が行っている詐欺行為が含まれたのかどうかを筆者は知りません。
NHKの係員が直接住居に押しかけてきて、衛星放送を受信する設備のない家庭から受信契約を取りつけ、あとで担当者がその申込書を改ざんして衛星放送の受信料まで徴収していたというような事例をしっかりと自ら放送したのでしょうか?
NHKの受信料聴取の出鱈目さはかつてお伝えしたことがありますが、かなり前のことでもあり、最近のNHKの性懲りもないやり方を見ていると、NHKというものを理解していただくために再度ご紹介する必要があると考えて、今回のテーマとすることとしました。
海上自衛隊在職時のことです。ある地方の部隊に指揮官として単身赴任したことがありました。その赴任前の配置も地方都市で単身赴任の部隊指揮官でした。
真夏の暑い日曜日に荷物がトラックに乗せられて官舎に到着しました。早速7階建てのアパートの指揮官用の宿舎への搬入が始まり、筆者もバタバタしていました。
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筆者は、その前の配置から単身赴任で、洗濯機、クーラー、テレビ、冷蔵庫などの大きな家電製品は単身赴任が終わると邪魔になるので、レンタルサービスを受けていました。何年も単身赴任をすると買ったほうが安いのですが、異動の時の手間や最終的な処分の手間を考えると借りたほうがいいという判断でした。
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なので、引っ越しのバタバタの最中に現れたNHKの職員には「テレビは持ってきていない。」と言って帰ってもらいました。
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一通り読んで問題点などをメモして官舎に戻ったのが10時半頃でした。
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同じ官舎に住んでいる副長が訪ねてきたのかもしれないと考え、当直士官に「今チャイムが鳴っているが、誰かを報告に寄越すか、迎えの車などを手配したか?」と尋ねましたが、だれも報告に送っていないし、迎えも設定していないということで、「それでは副長かな?」と言うと、「副長は今当直室におられます。」ということでした。この頼りにできる副長は、当直士官からの報告を受けるとすぐに隊に戻って状況を把握していたようです。
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この国では祖国防衛ですら義務ではありません。ましてNHKに視聴料を支払う義務などは国民にはありません。受信機を持っている者にのみ課される義務でしかありません。
その受信機を持っていないのですから義務は当然ありません。
あまりにしつこいので「嘘だと思うなら中に入って確認すればいいだろう。」と言ってやったのですが、「令状を持っているわけではないので入ることはできない。」と言います。家の住人が入れと言っているのだから令状なんかいらないだろうと言っても入りません。
そもそも夜10時過ぎに、部屋の電気が点灯した直後に現れるというのが気味が悪いですよね。どこかでじっと監視していて、帰宅したとなると夜10時過ぎでも他人の家のチャイムを平気で鳴らすという神経が信じられませんでした。
しかも、鳴った瞬間に反応しないと2回、3回とチャイムを鳴らすしつこさです。
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確かに単身赴任なので、それは一理あると思いましたが、しかし、テレビを持っていないということを信じず、それを確認もしないという態度を許容すると、今後いつまでもめなければならないのかが分かりませんので、翌日の昼間、NHKの地方局に電話をして、 「受信機を持っていないのが信じられないというなら部屋を確認してくれ。確認をしないなら、夜遅く職員を派遣するのは止めろ。」と抗議しました。
人のうちを訪ねるのに夜10時過ぎというのがNHKでは非常識だという判断はしないのか?という疑問には「確かに非常識です。」ということでした。
筆者は、その任期中は本当に必死で勉強するつもりでしたし、テレビは司令の執務室にあり、必要なニュースは観ることができました。
夜見たい番組があるときには、早めに退庁して副長以下の幹部隊員が帰宅した後に私服で隊に戻って観ればいいので官舎にテレビを置くことは考えていませんでした。
自宅にいても、もともとテレビはあまり観ないので、特別なことでもありませんでした。
それまで、NHKの受信料などについて考えることはありませんでしたが、その後はNHK自体についても、またその放送内容についても考えることがあります。
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筆者がその地に赴任するまで一生懸命勉強していたのは法律でした。それまで国の予算を扱う支出負担行為担当官や契約担当官、分任物品管理官などを務めていたので、行政官として必要な法律を理解しようとしていました。転勤後は国際法の勉強をしようと考えていたのでテレビは邪魔だと思っていたのですが、NHK職員の「国民の義務」という言葉に反応しました。「国民の義務」というのは憲法学上の議論です。
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結婚しても夫婦で住む家を確保できない人たちに住宅の支援でもするなら話は別であり、過疎に悩む地方自治体ではそのような支援を積極的に行っているところもあります。
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しかも、この施策は少子化対策を目的としたものではなく、過疎化対策の為に行っています。過疎化対策のために何が必要かをしっかりと議論した結果、少子化対策を行うことにより、過疎化に歯止めがかかるかもしれないと気付いたのでしょうが、自分たちの目的をしっかりと認識して議論していることが分かります。
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2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://aegis-cms.co.jp/cpx
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メールマガジン「指揮官の休日」
発行人:株式会社イージスクライシスマネジメント
代表取締役 林 祐
email: yhayashi@aegis-cms.co.jp
Web : http://aegis-cms.co.jp
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