指揮官の休日 No.378 海を巡る3大映画
2024/02/25 (Sun) 14:00
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、第386回 目的は何か を掲載いたしました。
危機管理基礎の議論に立ち戻っています。意思決定の目的は何かという基本的な議論なのですが、これを理解していない経営者は多数 います。これが理解されないと、いから努力をしようと、莫大な投資をしようと結実することはありません。
そもそもの話で、何を言っているんだと思われる方も多いかと存じますが、気を付けなければ、周囲には目的を理解していない議論などびっくりするくらいたくさん行われています。
https://aegis-cms.co.jp/3259
No.378 海を巡る三大映画
いつも当メールマガジンは金曜日の朝に配信していますが、今回は事情があっていつもより遅い配信となりました。
東南アジアのある国に出張していたのですが、その国から弊社の専門コラムを掲載しようとしてサーバーにアクセスしたら、海外からのアクセスを嫌っているらしく、IDとPassを要求されました。そんなことになると思っていなかったので、銀行やクレジットカードのIDなどのメモは持っていたのですが、サーバーのIDは持っていませんでしたので、アップできませんでした。
よく考えると、日本にメールで原稿を送って、日本からアップしてもらえばよかったのですが、毎晩疲れてホテルに戻ってきていたので、それを思いつきませんでした。代わりにある手があることに気付いてコラムだけは現地からアップできたのですが、メールマガジンのアップはできず、大幅に配信が遅れました。
通常、そのような出張がある時には、事前に手続きを済ませておくのですが、イージス窟主人も齢を重ね、マルチタスクをこなせなくなっており、出張準備のバタバタの中でコラムまで手が回らず、したがってコラムの掲載をお知らせするこのメールマガジンの配信が遅れてしまった次第です。
さて、やたらと海にこだわったメールマガジンを続けます。
ゴルフや山にしか興味がないよとおっしゃる方は読み飛ばして弊社専門コラムに跳んでください。
これまで、エッセイ、航海記、音楽などについて語ってきました。
今回は映画です。
例によって筆者の独断と偏見で三つを選びます。
実は海を巡る映画を挙げよと言われれば、たちどころに三十くらいはあげられるのですが、よく考えると、海を舞台にしてはいるけど、海をテーマにしていないものも多々ありますので、今回はあえて、海との関係を描いたものに絞りました。
さっそく紹介します。
まず第三位、『白鯨』です。
この作品の原作(原題:Moby-Dick)は、アメリカの作家ハーマン・メルヴィルによって1851年に発表された長編小説で、アメリカ文学の傑作とされています。
この小説は、船長アハブと巨大な白いクジラ、モビー・ディックとの運命的な対決を描いており、物語の中には深い哲学的寓意や海の神秘さが絡み合っています。
物語は、1841年のアメリカの捕鯨船「ビークォッド号」に、主人公であるイシュメールが語り手として登場し、友人のクイークェグと共に乗り込んでいます。その船は白鯨「モビー・ディック」に足を食いちぎられたエイハブ船長が指揮を執っているのですが、異様な執念で白鯨を追尾し、そのために確執も生まれていきます。
長い航海の末に宿敵の白鯨が姿を現し、エイハブの指揮するボートを先頭に航海士が乗るボートが続き、追跡を続けるのですが見失ってしまいます。
しばらくして海面が割れて白鯨が再び現れ、エイハブに真正面から向かってきます。ボートからは銛が何発も投げ込まれますが致命傷すら与えることができず、逆にエイハブのボートを切り裂いてしまいました。
海に落ちたエイハブ船長は鯨に突き刺さった銛のロープにつかまってよじ登り、振り払おうとする白鯨に何度も銛を突き刺し続けました。それでも白鯨を弱めることができず、白鯨は海中に姿をくらましてしまい、再び海上に姿を現した白鯨にはエイハブ船長がロープに絡まって溺死していました。
その姿に船員たちは心を奮い立たせ、最後まで戦おうとします。しかし白鯨はいよいよ狂暴となり、乗組員が全員海に投げ出されビークオッド号も沈没してしまい、白鯨も海中に逃げ去っていき、イシュメールだけが奇跡の生還を遂げるところで終わります。
映画の出来としては、それほど評判が高いということでもないのですが、エイハブ船長を演じたグレゴリー・ペックは悪くありません。
この映画の2年前にグレゴリー・ペックは『頭上の敵機』という映画で主演していますが、どちらも悪くありません。
ちなみに、この捕鯨船の珈琲ばかり飲んでいる航海士がスターバックという名前で、スターバックスコーヒーはこの航海士の名前から来ているようです。
彼は敬虔なクエーカー教徒だったので酒を飲まず、それで珈琲ばかり飲んでいたのではないかと思います。
全体としては薄気味悪い映画なのですが、迫力は満点です。
さて、第二位です。
皆様お馴染みのディズニー映画が登場します。
ディズニーで海の映画と聞いて、『ファインディング・ニモ』とか『リトルマーメイド』を思い浮かべた方、そういう方を好きですよ。
でも、イージス窟主人はちょっと変人なので、ここで挙げるのは『カリブの海賊』シリーズです。
これは海賊たちの冒険とファンタジーが織り交ぜられたアクション冒険映画シリーズです。シリーズは2003年から2017年までに5作品が製作され、ジョニー・デップが演じるキャプテン・ジャック・スパロウ船長を中心に、様々な海賊や冒険者たちの物語が描かれています。
シリーズはユーモア、アクション、ファンタジーの要素を織り交ぜ、ジャック・スパロウ船長のユニークなキャラクターとジョニー・デップの演技が特に注目を集めました。海賊の世界観や特異なキャラクターたちが魅力であり、物語は未知の海域や神秘的なアイテムを巡って進行します。
シリーズ全体にわたり、音楽も大きな要素となっています。ハンス・ジマーによる壮大なサウンドトラックも素晴らしいのですが、筆者が何よりもこの映画で好きなのはジョニー・デップ演じるジャック・スパロウ船長です。
さて、第一位です。
筆者の一生を変えたかもしれない映画です。
ジャック・イブ・クストー制作の『沈黙の世界』です。
フランス海軍士官だったクストーがスキューバダイビングのシステムを考案し、海軍から払い下げを受けた掃海艇を改造して「カリプソ」号という調査船を作り、その船の調査航海を記録したドキュメンタリー映画です。
全寮制の中学に進学し、両親が遠隔地にいて週末に帰宅できず、潤沢な小遣いが無かったので日曜日に外出しては300円で3本の映画を観ることのできた名画座に通い、その中で観た映画です。
この映画を観た日の衝撃は忘れません。
「こんな生活がこの世にあるのか。」という思いでした。
この『沈黙の世界』というドキュメンタリーの優れたところは、単に世界中の海中の映像を収めているだけではなく、カリプソ号に乗組んでいるダイバーたちや船のクルーたちの日常にもスポットを当てているところです。船で可愛がられている犬まで出演していました。
こんな船で、仲間と世界中を航海して回ることができたらいいなぁと強烈な印象を覚えた映画でした。
当時の名画座は総入れ替えということがなかったので、3本目に観たこの『沈黙の世界』をもう一回観るのに、他の二本の映画を観て、やっと二回目の『沈黙の世界』を観て、ボーッとなって映画館を出て、当時横浜伊勢佐木町にあった森永キャンディストアでココアを飲みながら、かなり長い時間を過ごしたことを覚えています。
その日以来、自分は将来的には海に関わっていきたいと思うようになりました。
ただし、大学で水産学や生物学を学ぼうと思わなかったのは、やはり船で海を走り回りたいというのが願いだったからだと思います。
一方で商船大学に進学しなかったのは、いろいろな理由があるのですが、やはり最大の理由はプロの商船乗りになりたいと思ってはいなかったということかもしれません。
これは飛行機についても同様で、操縦資格を取って空を飛ぶことの面白さを発見しましたが、だからと言って旅客機のパイロットになっていれば良かっただろうなと思ったことは一度もありません。むしろ、お金をもらって空を飛ぶなんてきつい仕事に就かなくて良かったと思っています。アマチュアは、自分の好きなときだけ飛べばいいですからね。
プロとして船に乗っていると、まったく妥協の許されない、厳しい世界が展開してしまい、ヨットの外洋レースを楽しむというような気分ではとてもついていくことができないだろういなと薄々思っていました。
実際に海上自衛隊に入隊して艦隊勤務になってみると、ただただ忙しいだけで海を楽しむ余裕などどこにもなく、ただきつい毎日が続きました。ある階級になって艦隊勤務に戻って気付いたのですが、海や艦隊勤務を楽しむことができるのは、艦長や隊司令になってからだということであり、そこに至るまではただきつい修業時代だということです。艦長になると、凄まじい責任を負うので別の厳しさがあるのですが、同時に楽しむこともできるようになります。
大学時代には、船乗りであった父の薦めもあって、外洋レース艇のクルーとして鍛えてもらいました。風と潮を最大限に利用する外洋ヨットでの経験は、のちに海上自衛隊に入ってから大きく役立ちました。
ただ、商船乗りほどではなくてもそこそこ船に乗れるはずと考えて入隊した海上自衛隊は、東京の海幕や内局勤務がやたらと多く、船にあまり乗せてもらえませんでした。
その不完全燃焼感のためか、現在の夢は、カリプソ号のような調査船を作って世界中の海を回りたいというものです。
建造にかかる費用や自分の歳を考えると「見果てぬ夢」かもしれませんが、しかし、その夢が、現在の自分を動かしている原動力になっています。海上自衛隊を退官後12年以上も経つのに、老骨に鞭打って働いているのはそのためです。
傍から見るとドン・キホーテのように見えるかもしれませんが、たとえ「見果てぬ夢」であっても妥協せず、他人からどう見られようとお構いなしに自分の夢を追い続けるというのが筆者の理想とする生き方なので、気力・体力の続く限り、頑固にこの夢を追い続けます。
このメールマガジンが1000号になる頃には、自分の海洋調査船の話ができるといいなぁと思っています。
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専門コラム「指揮官の決断」第386回 目的はなにか 掲載のお知らせ
以前から当コラムでは危機管理の基本が理解できる体系化を何度も目指してきました。基礎講座のようなコラムも何度か書いてきましたが、コロナ禍が起きたりして、現実の危機管理の問題が大きくなり、原理原則を説いている場合ではないという状況に陥ってその企てが頓挫してきています。
今年はしっかりとそのような編集方針で書いていこうと考えていた元旦に能登半島が激震に襲われ、翌日には羽田で大型旅客機がマスコミのカメラの目の前で燃え堕ちるという事件が起こり、 またまた原理原則の話をしている場合ではないという仕儀に至ってしまいました。
しかしながら、当コラムの本来の使命として、皆様に危機管理を正しく理解して頂くために、なんど挫折してもくじけず、危機管理とは何かを語っていく必要があるという認識は揺らいでいませんので、今回はその本質論に立ち戻ろうと思っています。
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Facebookページでは、当メールマガジンでは見ることのできない写真もご覧頂くこ
とが出来ます。
是非Facebookページをご訪問ください。
Twitterでも時々、折に触れて気が付いたことを呟いています。
https://twitter.com/CaptainHayashi です。
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弊社出版物のご紹介
『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
セルバ出版
お求めの方は、こちらからどうぞ。
https://aegis-cms.co.jp/book1
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メールマガジン及び専門コラムのバックナンバーをお読みいただけます。
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教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
こちらをどうぞ
https://aegis-cms.co.jp
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://aegis-cms.co.jp/cpx
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発行人:株式会社イージスクライシスマネジメント
代表取締役 林 祐
email: yhayashi@aegis-cms.co.jp
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さて、やたらと海にこだわったメールマガジンを続けます。
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今回は映画です。
例によって筆者の独断と偏見で三つを選びます。
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まず第三位、『白鯨』です。
この作品の原作(原題:Moby-Dick)は、アメリカの作家ハーマン・メルヴィルによって1851年に発表された長編小説で、アメリカ文学の傑作とされています。
この小説は、船長アハブと巨大な白いクジラ、モビー・ディックとの運命的な対決を描いており、物語の中には深い哲学的寓意や海の神秘さが絡み合っています。
物語は、1841年のアメリカの捕鯨船「ビークォッド号」に、主人公であるイシュメールが語り手として登場し、友人のクイークェグと共に乗り込んでいます。その船は白鯨「モビー・ディック」に足を食いちぎられたエイハブ船長が指揮を執っているのですが、異様な執念で白鯨を追尾し、そのために確執も生まれていきます。
長い航海の末に宿敵の白鯨が姿を現し、エイハブの指揮するボートを先頭に航海士が乗るボートが続き、追跡を続けるのですが見失ってしまいます。
しばらくして海面が割れて白鯨が再び現れ、エイハブに真正面から向かってきます。ボートからは銛が何発も投げ込まれますが致命傷すら与えることができず、逆にエイハブのボートを切り裂いてしまいました。
海に落ちたエイハブ船長は鯨に突き刺さった銛のロープにつかまってよじ登り、振り払おうとする白鯨に何度も銛を突き刺し続けました。それでも白鯨を弱めることができず、白鯨は海中に姿をくらましてしまい、再び海上に姿を現した白鯨にはエイハブ船長がロープに絡まって溺死していました。
その姿に船員たちは心を奮い立たせ、最後まで戦おうとします。しかし白鯨はいよいよ狂暴となり、乗組員が全員海に投げ出されビークオッド号も沈没してしまい、白鯨も海中に逃げ去っていき、イシュメールだけが奇跡の生還を遂げるところで終わります。
映画の出来としては、それほど評判が高いということでもないのですが、エイハブ船長を演じたグレゴリー・ペックは悪くありません。
この映画の2年前にグレゴリー・ペックは『頭上の敵機』という映画で主演していますが、どちらも悪くありません。
ちなみに、この捕鯨船の珈琲ばかり飲んでいる航海士がスターバックという名前で、スターバックスコーヒーはこの航海士の名前から来ているようです。
彼は敬虔なクエーカー教徒だったので酒を飲まず、それで珈琲ばかり飲んでいたのではないかと思います。
全体としては薄気味悪い映画なのですが、迫力は満点です。
さて、第二位です。
皆様お馴染みのディズニー映画が登場します。
ディズニーで海の映画と聞いて、『ファインディング・ニモ』とか『リトルマーメイド』を思い浮かべた方、そういう方を好きですよ。
でも、イージス窟主人はちょっと変人なので、ここで挙げるのは『カリブの海賊』シリーズです。
これは海賊たちの冒険とファンタジーが織り交ぜられたアクション冒険映画シリーズです。シリーズは2003年から2017年までに5作品が製作され、ジョニー・デップが演じるキャプテン・ジャック・スパロウ船長を中心に、様々な海賊や冒険者たちの物語が描かれています。
シリーズはユーモア、アクション、ファンタジーの要素を織り交ぜ、ジャック・スパロウ船長のユニークなキャラクターとジョニー・デップの演技が特に注目を集めました。海賊の世界観や特異なキャラクターたちが魅力であり、物語は未知の海域や神秘的なアイテムを巡って進行します。
シリーズ全体にわたり、音楽も大きな要素となっています。ハンス・ジマーによる壮大なサウンドトラックも素晴らしいのですが、筆者が何よりもこの映画で好きなのはジョニー・デップ演じるジャック・スパロウ船長です。
さて、第一位です。
筆者の一生を変えたかもしれない映画です。
ジャック・イブ・クストー制作の『沈黙の世界』です。
フランス海軍士官だったクストーがスキューバダイビングのシステムを考案し、海軍から払い下げを受けた掃海艇を改造して「カリプソ」号という調査船を作り、その船の調査航海を記録したドキュメンタリー映画です。
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この映画を観た日の衝撃は忘れません。
「こんな生活がこの世にあるのか。」という思いでした。
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こんな船で、仲間と世界中を航海して回ることができたらいいなぁと強烈な印象を覚えた映画でした。
当時の名画座は総入れ替えということがなかったので、3本目に観たこの『沈黙の世界』をもう一回観るのに、他の二本の映画を観て、やっと二回目の『沈黙の世界』を観て、ボーッとなって映画館を出て、当時横浜伊勢佐木町にあった森永キャンディストアでココアを飲みながら、かなり長い時間を過ごしたことを覚えています。
その日以来、自分は将来的には海に関わっていきたいと思うようになりました。
ただし、大学で水産学や生物学を学ぼうと思わなかったのは、やはり船で海を走り回りたいというのが願いだったからだと思います。
一方で商船大学に進学しなかったのは、いろいろな理由があるのですが、やはり最大の理由はプロの商船乗りになりたいと思ってはいなかったということかもしれません。
これは飛行機についても同様で、操縦資格を取って空を飛ぶことの面白さを発見しましたが、だからと言って旅客機のパイロットになっていれば良かっただろうなと思ったことは一度もありません。むしろ、お金をもらって空を飛ぶなんてきつい仕事に就かなくて良かったと思っています。アマチュアは、自分の好きなときだけ飛べばいいですからね。
プロとして船に乗っていると、まったく妥協の許されない、厳しい世界が展開してしまい、ヨットの外洋レースを楽しむというような気分ではとてもついていくことができないだろういなと薄々思っていました。
実際に海上自衛隊に入隊して艦隊勤務になってみると、ただただ忙しいだけで海を楽しむ余裕などどこにもなく、ただきつい毎日が続きました。ある階級になって艦隊勤務に戻って気付いたのですが、海や艦隊勤務を楽しむことができるのは、艦長や隊司令になってからだということであり、そこに至るまではただきつい修業時代だということです。艦長になると、凄まじい責任を負うので別の厳しさがあるのですが、同時に楽しむこともできるようになります。
大学時代には、船乗りであった父の薦めもあって、外洋レース艇のクルーとして鍛えてもらいました。風と潮を最大限に利用する外洋ヨットでの経験は、のちに海上自衛隊に入ってから大きく役立ちました。
ただ、商船乗りほどではなくてもそこそこ船に乗れるはずと考えて入隊した海上自衛隊は、東京の海幕や内局勤務がやたらと多く、船にあまり乗せてもらえませんでした。
その不完全燃焼感のためか、現在の夢は、カリプソ号のような調査船を作って世界中の海を回りたいというものです。
建造にかかる費用や自分の歳を考えると「見果てぬ夢」かもしれませんが、しかし、その夢が、現在の自分を動かしている原動力になっています。海上自衛隊を退官後12年以上も経つのに、老骨に鞭打って働いているのはそのためです。
傍から見るとドン・キホーテのように見えるかもしれませんが、たとえ「見果てぬ夢」であっても妥協せず、他人からどう見られようとお構いなしに自分の夢を追い続けるというのが筆者の理想とする生き方なので、気力・体力の続く限り、頑固にこの夢を追い続けます。
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代表取締役 林 祐
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