指揮官の休日 No.375 海を巡る3大クラシック音楽
2024/02/02 (Fri) 06:30
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、第383回 勉強してからものを言え! を掲載いたしました。
幼児は新しい言葉を覚えると使いたがります。評論家や政治家も同様です。本来の意味も知らず、調べようともせずに言葉を使いたがる幼児並みの知能レベルの評論家や政治家が多すぎるのが気になっています。
https://aegis-cms.co.jp/3242
No.375 海を巡る三大クラシック音楽
今年は年頭から、海を巡るエッセイや航海記を紹介してまいりました。
当メールマガジンの主旨は、何度も皆様にお伝えしていますが、知っていても知らなくてもどうでもいい話をクダクダと綴って、呆れてサッサと専門コラムに跳んで頂くことにあり、併せて、専門コラムが危機管理を専門とするため辛口になりがちなので、お口直しにバカバカしい内容にしているという意味もあります。
しかしながら、一昨年から始まったウクライナでの戦争は泥沼化し、イスラエルでは大規模なテロと報復により大量の血が流され、日本でも元旦早々能登半島が地震津波被害に襲われ、翌日には羽田空港の事故で、大型旅客機が多くの視聴者が観ている前で燃えて崩れるという事態が続きました。
この事態を受けて、さすがの当メールマガジンもふざけている場合ではないので、ちょっと真面目な態度を見せています。
もともと筆者の品性がそうさせるのか、ふざけようとしてもまじめで格調高くなりがちなメールマガジンなのですが、読者の皆様のご期待に背かないよう、元のペースにゆっくりと戻してまいりますので、今後ともお付き合いください。
さて、前置きはこのくらいにして、今回は海を巡る3大シリーズ第3弾として音楽を取り上げます。
筆者が音楽家を祖父として、自分もかつては給料を貰いながら歌の指導をしていたことは、すでにこのメールマガジンでお伝えしています。(「声ガ小サイ!」「マッタク、聞コエン!」「気合ヲ入レロ!」と怒鳴っていただけですが、1000人近い隊員の歌声よりも大きな声を出すのは、プロの仕事ですよ。)
中学・高校時代はバンドを組んでいました。
つまり、音楽はいつも身近にある存在で、手あたり次第に好きなものを聞きまくっています。
ジャンルは広いですよ。相撲甚句からハードロック、クラシックからジャズまで何でもありです。聞かないのは演歌とラップだけです。
そこで、今回は海を巡る3大クラシック音楽をご紹介します。いずれも、筆者の独断と偏見だけで選んだものであることをあらかじめお断りしておきます。
まず、一曲目は、エドワード・エルガーの「海の絵」です。
エルガーというと、吹奏楽部出身の方には忘れることのできない憧れの作曲家でしょう。どの学校の吹奏楽部も『威風堂々』をしっかりと演奏することが夢かもしれません。
エルガーは、『威風堂々』などで世に知られる前には室内楽などを得意としていたそうで、この「海の絵」は妻のために書いた交響詩的な歌曲です。
歌詞を書いたのは、アルフレッド・ロード・テニソンで、5つのパートに分かれており、特に4番目の「珊瑚の床の上で」というパートの旋律の美しさは秀逸です。
Youtubeでいい演奏をお聴きになれますので、紹介させていただきます。
https://www.youtube.com/watch?v=sFuJjVru75A&t=784s
この動画の表紙になっている絵が筆者が大好きな絵です。
これはウィンスロー・ホーマーの筆による“Breezing Up”という絵です。
この絵の解説には必ず”A Fair Wind”というサブタイトルがついているのですが、この副題が筆者には理解できません。
Fair Windとは順風・追い風という意味ですが、この絵の船はどう見ても追い風で走ってはいません。できる限り風上に向かっての帆走です。
ヨットではこの走りのことをクローズ・ホールドと呼びます。ダイナミックなスリルは味わえますが、決して乗り心地がいいものではありません。
さらにこの小さなヨットは、設計のせいなのか乗り手の調整が悪いのか、かなり風上に切り上がろうとする性格が強く出ています。これはスピードを殺してしまうので、調整しなければなりません。ヨット乗りなら誰でもこの性向に気付きます。(舵を見ていると分かるんです。かなり引っ張っていないと真っすぐ走らないようですからね。)
でもこの絵はよく描けています。ヨット乗りなら誰でも好きになる絵です。
2曲目にご紹介するのは、メンデルスゾーン : 交響曲第1番 ハ短調 です。
メンデルスゾーンが初めての交響曲として16歳の時に作曲した傑作です。
筆者は第2楽章のメロディの美しさと第3楽章の軽快で陽気な雰囲気が好きです。
後のメンデルスゾーンの様々な特徴がすべてこの曲に収まっているように思えます。
この曲もYoutubeで数多く紹介されていますが、筆者が好きな演奏は次の動画です。
https://www.youtube.com/watch?v=bC9LX6JwWrE
このYoutube動画の作者は、メンテルスゾーンの曲を知らないのか、ずっと山の景色を映し出しています。
さて、三曲目です。
これはまだ皆様が聴いたことがない曲で、そのうちに私が書くからね、と言いたいのですが、さすがにそんな度胸はありません。
海を巡るクラシックの名曲で外せないが、ドビュッシーです。交響詩「海」は海の美しさや不安定さを描いた傑作と言われます。
まず、「海」の特筆すべき点は、従来の交響詩や交響曲の形式から外れ、三つの連作された楽章(De l'aube a midi sur la mer、「夜明けから正午までの海」、Jeux de vagues、「波の戯れ」、Dialogues du vent et de la mer、「風と海の対話」)から成り立っていることです。各楽章は独自のテーマ性を持ちながらも、全体として統一感を保っています。
最初の楽章、「夜明けから正午までの海」は、静かな夜明けから始まり、次第に夜が明け、海が目覚めていく様子を描写しています。ドビュッシーの特徴的な和声法と繊細な管弦楽法が、海の静けさと複雑な動きを巧みに表現しています。
専門家ではないので、音楽的な解説などするつもりはありませんが、この曲を巡る強烈な思い出があります。
全寮制の中学・高校にいた筆者は、嫌いな授業があると抜け出して音楽室でレコードを聴いているという不良生徒でした。
筆者がいた学校は、当時としてはかなり異端の学校で、周りを山に囲まれた全寮制で、全国で初めて紺のブレザーにグレーのスラックス、ネクタイという制服を採用した学校でした。女子生徒の制服は20年にわたって全国の女子高生の制服人気ナンバーワンだったはずです。
高校1年の4月に行われる研修旅行は米国でのホームスティで、これも海外への修学旅行は当時ではどこもやっていないことでした。
そもそも全寮制の中学・高校というのが日本にほとんどなかったころで、寮の食堂では、各部屋ごとのテーブルに食器や料理が並べられ、生徒たちは自分の部屋の分だけ配膳すればよく、調味料などが不足したときは、テーブルの上にある民族衣装の人形の鈴を鳴らすと、前に整列しているウェートレスが走ってきて注文を聞いて帰るというとんでもない学校でした。
そのような学校だったので、音楽室にもビートルズやサイモンとガーファンクルなどのレコードが置いてあり、高校生だった筆者はそれが目当てでよく授業を抜け出して聴きに行っていました。
ある日、ジャケットに「海」と書かれたアルバムがピアノの上に置かれているのを見つけ、それをプレーヤーにセットして、大音響で聞いていました。
すると隣の音楽準備室にいた音楽の先生が現れ、ニコニコしながら「やっぱりこれをかけたわね。」と話しかけてきました。その先生は筆者が出入りしてレコードを聴いているのを知っており、また、ヨットに大きな関心を持っていることも知っていたので、わざとドビュッシーの交響詩をピアノの上に置いておいたようです。
怒られるかと思いきや怒られず、相談を持ち掛けられました。
合唱部を作りたいのだけど、声楽をやりたいという生徒がどれほどいるか分からない、あんたはギター班で、軽音楽をやっているからいろいろな生徒を知っているだろうから、とりあえず声をかけて、合唱部を作ることを手伝ってくれというのです。
そこで、筆者は普段はフォークやロックをやっている連中に声をかけ、文化祭にコーラス部として出演することを宣言して人集めを始めました。
幸い30人近い人数が集まり、文化祭で「美しく青きドナウ」の合唱を披露することができました。
そのきっかけになったのがこのドビュッシーの交響詩「海」であり、その日に聴いた最終楽章の激しさとともに忘れられない思い出になっています。
https://www.youtube.com/watch?v=VCIMMJBM3PU&t=979s
この曲は名盤がいろいろありますが、動画としてはバーンスタインのこの動画が好きです。
いつ見てもこの人は格好いいですよね。
指揮者として圧倒的に有名なのはカラヤンとベームですが、筆者にはベームの良さは良く分かりません。
カラヤンの劇的な指揮は分かりやすいし、バーンスタインが時々見せるユーモラスな表情が好きです。
日本の指揮者なら佐渡裕さんが別格ですね。
彼が大阪市音楽団を指揮したアルフレッド・リードのアルメニアン・ダンスのスピード違反の演奏は圧巻でした。
海の曲ではないのですが、皆さんにも聞いて頂きたいのでYoutubeで紹介されているURLを記載しておきますね。
https://www.youtube.com/watch?v=FvX8NeY97II
この大阪市音楽団は筆者の祖父が100年前に作った吹奏交響楽団で、この演奏が行われた当日、筆者はボランティアで会場準備をしていたので知っているのですが、楽団では佐渡さんの指揮のリハーサルは一度もやっていませんでした。
この楽団は創立以来大阪市の機関として演奏や地元中学や高校の吹奏楽部の指導などをしてきました。
それが橋下行革のため独立した法人となることになり、前途多難な音楽団を励まそうという企画のコンサートで、宮川彬良さんが発起人となり、佐渡裕さんが駆けつけてきてくれた次第です。
彼は本番直前に到着しましたが、その時には団員はステージに上がってしまっており、団員とはステージ上で初めて顔を合わせています。つまりぶっつけ本番です。
あのテンポで振るとはだれも思っていなかったでしょうが、佐渡さんの大阪市音楽団に対する思いがこもっていたのか、団員はその指揮棒に見事に応えて、スピード違反の演奏を行いました。パーカッションの女性が感極まってボロボロ涙を流しながらの演奏だったのが印象的でした。筆者もいまだにこの動画を観ると目頭が熱くなる思いをします。
ねっ? 海を巡る曲を紹介すると言っておきながら、海とは全く関係のない思い出話になっちゃったでしょ? こういう出鱈目さがこのメールマガジンの得意とするところなんです。だんだん、調子が戻ってきたぞ~。次回をお楽しみに!
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専門コラム「指揮官の決断」第383回 勉強してからものを言え! 掲載のお知らせ
能登半島における地震・津波災害は、その被災者の方々の苦しい生活が伝えられるたびに、その悲惨さが身に染みてきます。太平洋側に住む筆者は、元旦の揺れは全く感じることなく、それ以降も連日、暖かく寝ることができ、また、連日風呂にも入れますし、水は蛇口をひねれば(今の蛇口はひねることはありませんが。)、いくらでも出てきますので、毎朝、起きると最初にやる仕事が珈琲を淹れることであるという日常に変わりありません。
能登半島の方々は、その何気ない日常生活を奪われてしまったのですから、その理不尽さにどういう思いをされているのか想像すらできません。
https://aegis-cms.co.jp/3242
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メールマガジンのバックナンバーは弊社Facebookページからもお読みいただけます。
Facebookページ 「指揮官の決断/休日」 https://www.facebook.com/aegis.cm
Facebookページでは、当メールマガジンでは見ることのできない写真もご覧頂くこ
とが出来ます。
是非Facebookページをご訪問ください。
Twitterでも時々、折に触れて気が付いたことを呟いています。
https://twitter.com/CaptainHayashi です。
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弊社出版物のご紹介
『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
セルバ出版
お求めの方は、こちらからどうぞ。
https://aegis-cms.co.jp/book1
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Facebookページを公開しています。
メールマガジン及び専門コラムのバックナンバーをお読みいただけます。
Facebookページ「指揮官の決断/休日」
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教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
こちらをどうぞ
https://aegis-cms.co.jp
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
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今年は年頭から、海を巡るエッセイや航海記を紹介してまいりました。
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しかしながら、一昨年から始まったウクライナでの戦争は泥沼化し、イスラエルでは大規模なテロと報復により大量の血が流され、日本でも元旦早々能登半島が地震津波被害に襲われ、翌日には羽田空港の事故で、大型旅客機が多くの視聴者が観ている前で燃えて崩れるという事態が続きました。
この事態を受けて、さすがの当メールマガジンもふざけている場合ではないので、ちょっと真面目な態度を見せています。
もともと筆者の品性がそうさせるのか、ふざけようとしてもまじめで格調高くなりがちなメールマガジンなのですが、読者の皆様のご期待に背かないよう、元のペースにゆっくりと戻してまいりますので、今後ともお付き合いください。
さて、前置きはこのくらいにして、今回は海を巡る3大シリーズ第3弾として音楽を取り上げます。
筆者が音楽家を祖父として、自分もかつては給料を貰いながら歌の指導をしていたことは、すでにこのメールマガジンでお伝えしています。(「声ガ小サイ!」「マッタク、聞コエン!」「気合ヲ入レロ!」と怒鳴っていただけですが、1000人近い隊員の歌声よりも大きな声を出すのは、プロの仕事ですよ。)
中学・高校時代はバンドを組んでいました。
つまり、音楽はいつも身近にある存在で、手あたり次第に好きなものを聞きまくっています。
ジャンルは広いですよ。相撲甚句からハードロック、クラシックからジャズまで何でもありです。聞かないのは演歌とラップだけです。
そこで、今回は海を巡る3大クラシック音楽をご紹介します。いずれも、筆者の独断と偏見だけで選んだものであることをあらかじめお断りしておきます。
まず、一曲目は、エドワード・エルガーの「海の絵」です。
エルガーというと、吹奏楽部出身の方には忘れることのできない憧れの作曲家でしょう。どの学校の吹奏楽部も『威風堂々』をしっかりと演奏することが夢かもしれません。
エルガーは、『威風堂々』などで世に知られる前には室内楽などを得意としていたそうで、この「海の絵」は妻のために書いた交響詩的な歌曲です。
歌詞を書いたのは、アルフレッド・ロード・テニソンで、5つのパートに分かれており、特に4番目の「珊瑚の床の上で」というパートの旋律の美しさは秀逸です。
Youtubeでいい演奏をお聴きになれますので、紹介させていただきます。
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この動画の表紙になっている絵が筆者が大好きな絵です。
これはウィンスロー・ホーマーの筆による“Breezing Up”という絵です。
この絵の解説には必ず”A Fair Wind”というサブタイトルがついているのですが、この副題が筆者には理解できません。
Fair Windとは順風・追い風という意味ですが、この絵の船はどう見ても追い風で走ってはいません。できる限り風上に向かっての帆走です。
ヨットではこの走りのことをクローズ・ホールドと呼びます。ダイナミックなスリルは味わえますが、決して乗り心地がいいものではありません。
さらにこの小さなヨットは、設計のせいなのか乗り手の調整が悪いのか、かなり風上に切り上がろうとする性格が強く出ています。これはスピードを殺してしまうので、調整しなければなりません。ヨット乗りなら誰でもこの性向に気付きます。(舵を見ていると分かるんです。かなり引っ張っていないと真っすぐ走らないようですからね。)
でもこの絵はよく描けています。ヨット乗りなら誰でも好きになる絵です。
2曲目にご紹介するのは、メンデルスゾーン : 交響曲第1番 ハ短調 です。
メンデルスゾーンが初めての交響曲として16歳の時に作曲した傑作です。
筆者は第2楽章のメロディの美しさと第3楽章の軽快で陽気な雰囲気が好きです。
後のメンデルスゾーンの様々な特徴がすべてこの曲に収まっているように思えます。
この曲もYoutubeで数多く紹介されていますが、筆者が好きな演奏は次の動画です。
https://www.youtube.com/watch?v=bC9LX6JwWrE
このYoutube動画の作者は、メンテルスゾーンの曲を知らないのか、ずっと山の景色を映し出しています。
さて、三曲目です。
これはまだ皆様が聴いたことがない曲で、そのうちに私が書くからね、と言いたいのですが、さすがにそんな度胸はありません。
海を巡るクラシックの名曲で外せないが、ドビュッシーです。交響詩「海」は海の美しさや不安定さを描いた傑作と言われます。
まず、「海」の特筆すべき点は、従来の交響詩や交響曲の形式から外れ、三つの連作された楽章(De l'aube a midi sur la mer、「夜明けから正午までの海」、Jeux de vagues、「波の戯れ」、Dialogues du vent et de la mer、「風と海の対話」)から成り立っていることです。各楽章は独自のテーマ性を持ちながらも、全体として統一感を保っています。
最初の楽章、「夜明けから正午までの海」は、静かな夜明けから始まり、次第に夜が明け、海が目覚めていく様子を描写しています。ドビュッシーの特徴的な和声法と繊細な管弦楽法が、海の静けさと複雑な動きを巧みに表現しています。
専門家ではないので、音楽的な解説などするつもりはありませんが、この曲を巡る強烈な思い出があります。
全寮制の中学・高校にいた筆者は、嫌いな授業があると抜け出して音楽室でレコードを聴いているという不良生徒でした。
筆者がいた学校は、当時としてはかなり異端の学校で、周りを山に囲まれた全寮制で、全国で初めて紺のブレザーにグレーのスラックス、ネクタイという制服を採用した学校でした。女子生徒の制服は20年にわたって全国の女子高生の制服人気ナンバーワンだったはずです。
高校1年の4月に行われる研修旅行は米国でのホームスティで、これも海外への修学旅行は当時ではどこもやっていないことでした。
そもそも全寮制の中学・高校というのが日本にほとんどなかったころで、寮の食堂では、各部屋ごとのテーブルに食器や料理が並べられ、生徒たちは自分の部屋の分だけ配膳すればよく、調味料などが不足したときは、テーブルの上にある民族衣装の人形の鈴を鳴らすと、前に整列しているウェートレスが走ってきて注文を聞いて帰るというとんでもない学校でした。
そのような学校だったので、音楽室にもビートルズやサイモンとガーファンクルなどのレコードが置いてあり、高校生だった筆者はそれが目当てでよく授業を抜け出して聴きに行っていました。
ある日、ジャケットに「海」と書かれたアルバムがピアノの上に置かれているのを見つけ、それをプレーヤーにセットして、大音響で聞いていました。
すると隣の音楽準備室にいた音楽の先生が現れ、ニコニコしながら「やっぱりこれをかけたわね。」と話しかけてきました。その先生は筆者が出入りしてレコードを聴いているのを知っており、また、ヨットに大きな関心を持っていることも知っていたので、わざとドビュッシーの交響詩をピアノの上に置いておいたようです。
怒られるかと思いきや怒られず、相談を持ち掛けられました。
合唱部を作りたいのだけど、声楽をやりたいという生徒がどれほどいるか分からない、あんたはギター班で、軽音楽をやっているからいろいろな生徒を知っているだろうから、とりあえず声をかけて、合唱部を作ることを手伝ってくれというのです。
そこで、筆者は普段はフォークやロックをやっている連中に声をかけ、文化祭にコーラス部として出演することを宣言して人集めを始めました。
幸い30人近い人数が集まり、文化祭で「美しく青きドナウ」の合唱を披露することができました。
そのきっかけになったのがこのドビュッシーの交響詩「海」であり、その日に聴いた最終楽章の激しさとともに忘れられない思い出になっています。
https://www.youtube.com/watch?v=VCIMMJBM3PU&t=979s
この曲は名盤がいろいろありますが、動画としてはバーンスタインのこの動画が好きです。
いつ見てもこの人は格好いいですよね。
指揮者として圧倒的に有名なのはカラヤンとベームですが、筆者にはベームの良さは良く分かりません。
カラヤンの劇的な指揮は分かりやすいし、バーンスタインが時々見せるユーモラスな表情が好きです。
日本の指揮者なら佐渡裕さんが別格ですね。
彼が大阪市音楽団を指揮したアルフレッド・リードのアルメニアン・ダンスのスピード違反の演奏は圧巻でした。
海の曲ではないのですが、皆さんにも聞いて頂きたいのでYoutubeで紹介されているURLを記載しておきますね。
https://www.youtube.com/watch?v=FvX8NeY97II
この大阪市音楽団は筆者の祖父が100年前に作った吹奏交響楽団で、この演奏が行われた当日、筆者はボランティアで会場準備をしていたので知っているのですが、楽団では佐渡さんの指揮のリハーサルは一度もやっていませんでした。
この楽団は創立以来大阪市の機関として演奏や地元中学や高校の吹奏楽部の指導などをしてきました。
それが橋下行革のため独立した法人となることになり、前途多難な音楽団を励まそうという企画のコンサートで、宮川彬良さんが発起人となり、佐渡裕さんが駆けつけてきてくれた次第です。
彼は本番直前に到着しましたが、その時には団員はステージに上がってしまっており、団員とはステージ上で初めて顔を合わせています。つまりぶっつけ本番です。
あのテンポで振るとはだれも思っていなかったでしょうが、佐渡さんの大阪市音楽団に対する思いがこもっていたのか、団員はその指揮棒に見事に応えて、スピード違反の演奏を行いました。パーカッションの女性が感極まってボロボロ涙を流しながらの演奏だったのが印象的でした。筆者もいまだにこの動画を観ると目頭が熱くなる思いをします。
ねっ? 海を巡る曲を紹介すると言っておきながら、海とは全く関係のない思い出話になっちゃったでしょ? こういう出鱈目さがこのメールマガジンの得意とするところなんです。だんだん、調子が戻ってきたぞ~。次回をお楽しみに!
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能登半島における地震・津波災害は、その被災者の方々の苦しい生活が伝えられるたびに、その悲惨さが身に染みてきます。太平洋側に住む筆者は、元旦の揺れは全く感じることなく、それ以降も連日、暖かく寝ることができ、また、連日風呂にも入れますし、水は蛇口をひねれば(今の蛇口はひねることはありませんが。)、いくらでも出てきますので、毎朝、起きると最初にやる仕事が珈琲を淹れることであるという日常に変わりありません。
能登半島の方々は、その何気ない日常生活を奪われてしまったのですから、その理不尽さにどういう思いをされているのか想像すらできません。
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
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2 スポットコンサルティング
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3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
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4 テーラード・コンサルティング
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要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
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危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://aegis-cms.co.jp/cpx
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発行人:株式会社イージスクライシスマネジメント
代表取締役 林 祐
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Web : http://aegis-cms.co.jp
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