指揮官の休日 No.344 甚だしい勘違い
2023/06/30 (Fri) 06:30
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、第352回 安全保障の議論の経済的側面 その2 を掲載いたしました。
安全保障関連予算の問題点について、前回に引き続き解説しています。
興味のある方はこちらからお読みください。
https://aegis-cms.co.jp/3039
No.344 甚だしい勘違い
当メールマガジンは、本来、知っていても知らなくてもどうでもいい話、何の役にも立たない話をダラダラと綴るのが主旨です。
しかしながら、前回に引き続きちょっと真面目な話をしています。
これには理由があり、何か変だなと思ってはいても専門コラムに馴染まないテーマについては、こちらで綴るしかないからです。その類の話なんかこのメールマガジンで書きたくはないのですが、どうも最近不満が鬱積しており、そのストレス解消のために変だと思うことについては吐き出してしまいたい衝動に駆られています。
それだけ変なことがたくさん起きているということでしょうか。
5月11日、日本共産党の高橋千鶴子議員が衆院地域・こども・デジタル特別委員会で、旧優生保護法下の強制不妊手術問題の全面解決に取り組むよう国に求めました。高橋議員は憲法上の権利を侵害する立法を行った政府が、損害を受けて20年後に請求権がなくなる除斥期間の適用で賠償責任を逃れるのは「日本国憲法が容認していない」と断じた3月の大阪高裁判決に言及して、反省を表明しながらも違憲性を認めようとしない政府に除斥期間の適用をしないように求めたものです。
この優生保護法のもとにおいては、9歳の男女が不妊手術を受けたことも最近報告されています。まったく非人道的な措置であり、この法律の下で様々な苦痛を味わい、あるいは屈辱的な思いをしてきた人々が多いことを考えると心が痛みます。
しかし、この高橋議員の国会での指摘を聞いていて筆者は強烈な違和感に襲われました。
この人は一体何を批難しているのだろうかという思いです。
優生保護法は法律として成立したものです。その法律の下で行われた様々な施策は法の下に行われたものであり、行政府がその裁量で実施していた施策ではありません。
法律を成立させたのは立法府、すなわち国会です。
国会がこのでたらめな法律を成立させなければ、このような悲劇は起きなかったのです。日本の法律のほとんどは議員提出の法律案ではなく、政府提出の法律案が審議されて成立していますので、この優生保護法も政府提出の法案だったかと思われますが、審議して法律として成立させたのは国会です。
しかも、当然のことながら衆議院と参議院の両議院で審議して成立したものです。
この法律により不当に人権を抑圧され、人として本来であれば送れたであろう幸福な人生を台無しにされたことに対し、謝罪し償う責任は国会にあるはずです。
それはとりもなおさず、それらの国会議員を選んだ国民の責任であるはずです。
同様のことは「らい予防法」についても言うことができます。
毎年6月の下旬に厚労省が入っている中央合同庁舎第5号館 正面玄関前において「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」式典 が開催されます。
これは「らい予防法」の患者及びその家族がこの法律の下に家族生活を送ることができず、かつ「らい病患者一族」という差別に苦しまなければならなかった長い月日があったにも関わらず、その法律が放置されてきたことに対する悔悟と反省があり、これは珍しく議員立法により「ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律」が成立したことを受けて毎年、その思いを確認し続けるために厚労省玄関前で行われるものです。
であるなら、なぜ厚労省の玄関前なのでしょうか。国会議事堂の前で、衆参両院の議員が参列して行われるべきでしょう。この法律は国会で成立し、厚労省はその法律の執行を担当していたにすぎないのです。
国会は普段は国権の最高機関などと標榜しているにも関わらず、自分たちの作った法律で人権が損なわれたことを認めて謝罪するという気持ちは持っていないのかもしれません。政治家の大言壮語は聞き飽きていますし、政治家なんてその程度の責任感しか持ち合わせないことは筆者に言わせればもはや公理となっていると断言してかまわないと考えています。
しかし、ここでさらに思いを致さなければならないのは、それらの政治家を国会に送ったのは私たちであるということです。
自分は別の人に投票したのだから自分の責任ではないという方がおられるとすれば、お考え直し頂く必要があります。それは代表民主制をとる日本の民主主義の根本理念を理解していないということです。
かつて東日本大震災に際して何らまともな対応ができず、ひたすら「想定外」という言葉を免罪符としてきた民主党政権や「危機管理の要諦」を全く理解せず、何事にも優先順位をつけずに「全力で取り組む」と公言し続け、ほとんどは「検討する」だけで終わらせてしまう現政権を作ったのも私たち国民なのです。
東日本大震災当時に民主党に投票した人々や現政権発足前の選挙において自民党に投票した人々だけの責任ではありません。
この国が安全保障関連予算を倍増することにより守るべき国自体が潰れてしまうという茶番を演じようとしていることも、少子化対策として子供が生まれにくい社会を作ろうとしていることも、煎じ詰めれば私たち国民の責任なのです。
私たちはよりよい社会を構築するため、事の本質を見つめ続ける必要があります。本質を見つめ続けることにより、新たな施策が誰の利権のために実施されようとしているのかを見極めることが重要です。
何を抽象的な批難をしているのかと訝しんでおられる方のために、事例をあげましょう。
かつて「小さな政府」がもてはやされた時期がありました。怠慢な役人に仕事を任せると非効率で税金の無駄遣いであるから、民間でできることは民間で行うことが合理的ということで、民営化が促進されていました。
筆者は民営化がすべてよろしくないと申し上げるつもりはありません。電電公社や国鉄の民営化は成功だったと考えます。
しかし国立病院の民営化はどうだったでしょうか。この度のコロナ禍ではバカ高い資金を提供しなければコロナ専用病床が準備できず、準備した専用病床も専従スタッフが待機しなかったため、最もコロナ禍が凄まじかった時期ですら60%しか使用されず、しかし、使われなかった病床に対して空床保障が支払われるというでたらめさでした。
共同通信の誤報をそのまま信じ込んだプロとしてはあるまじき態度の日本医師会長の一言でGoToトラベル事業は中止され、日本はあたかも日本の医療は崩壊寸前に追い詰められていると信じ込まされたのです。各自治体の首長は医療行政の責任者でありながら医師会の顔色を窺い続けてコロナ禍を複雑なものにしてしまいました。
この小さな政府を標榜し民営化の先頭に立って小泉内閣で閣僚を務めた竹中平蔵氏は、後にパソナの社長に就任し、大量に定員削減に踏み切った政府機関や自治体に職員を派遣するというビジネスで大儲けをしています。
政治というのはこのように誰かの利権のために進められていくのが実態だろうと思われます。高邁な理想のために、文字通り身を削る思いをしながら政務に取り組んでいる政治家を何人か知らないわけではありませんが、分かりやすく利権に直結する施策のために奔走している政治家が目につきすぎます。
何も考えずにそれらの人々を国会に送っているのは私たちであることを私たちはもっと深く考えるべきです。
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専門コラム「指揮官の決断」第352回 安全保障の議論の経済的側面 その2 掲載のお知らせ
前回の安全保障関連予算の対GDP2%への増額分を増税で賄おうとすることが誤りであるとの議論の続きです。
前回の掲載以降、反省していることがあります。
前回のコラム掲載後、「お前の説明はわかりにくい。国債が償還期を迎えたら国は国債を保有している人々に金を支払わなければならず、国債を売った金を使い果たしてしまったらどうやって返すんだ?しかも利子もつけて払わなければならないんだぞ。お前はその時は国債を新たに発行して渡せばいいと安直なことを言うが、借金が増えていくだけじゃないか。」というご意見を頂きました。
多分、筆者の説明が拙く、この国の金融経済の仕組みをしっかりと説明できなかったことが原因かと反省しています。
続きはこちらでお読みください。
https://aegis-cms.co.jp/3039
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とが出来ます。
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Twitterでも時々、折に触れて気が付いたことを呟いています。
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弊社出版物のご紹介
『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
セルバ出版
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教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
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No.344 甚だしい勘違い
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この優生保護法のもとにおいては、9歳の男女が不妊手術を受けたことも最近報告されています。まったく非人道的な措置であり、この法律の下で様々な苦痛を味わい、あるいは屈辱的な思いをしてきた人々が多いことを考えると心が痛みます。
しかし、この高橋議員の国会での指摘を聞いていて筆者は強烈な違和感に襲われました。
この人は一体何を批難しているのだろうかという思いです。
優生保護法は法律として成立したものです。その法律の下で行われた様々な施策は法の下に行われたものであり、行政府がその裁量で実施していた施策ではありません。
法律を成立させたのは立法府、すなわち国会です。
国会がこのでたらめな法律を成立させなければ、このような悲劇は起きなかったのです。日本の法律のほとんどは議員提出の法律案ではなく、政府提出の法律案が審議されて成立していますので、この優生保護法も政府提出の法案だったかと思われますが、審議して法律として成立させたのは国会です。
しかも、当然のことながら衆議院と参議院の両議院で審議して成立したものです。
この法律により不当に人権を抑圧され、人として本来であれば送れたであろう幸福な人生を台無しにされたことに対し、謝罪し償う責任は国会にあるはずです。
それはとりもなおさず、それらの国会議員を選んだ国民の責任であるはずです。
同様のことは「らい予防法」についても言うことができます。
毎年6月の下旬に厚労省が入っている中央合同庁舎第5号館 正面玄関前において「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」式典 が開催されます。
これは「らい予防法」の患者及びその家族がこの法律の下に家族生活を送ることができず、かつ「らい病患者一族」という差別に苦しまなければならなかった長い月日があったにも関わらず、その法律が放置されてきたことに対する悔悟と反省があり、これは珍しく議員立法により「ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律」が成立したことを受けて毎年、その思いを確認し続けるために厚労省玄関前で行われるものです。
であるなら、なぜ厚労省の玄関前なのでしょうか。国会議事堂の前で、衆参両院の議員が参列して行われるべきでしょう。この法律は国会で成立し、厚労省はその法律の執行を担当していたにすぎないのです。
国会は普段は国権の最高機関などと標榜しているにも関わらず、自分たちの作った法律で人権が損なわれたことを認めて謝罪するという気持ちは持っていないのかもしれません。政治家の大言壮語は聞き飽きていますし、政治家なんてその程度の責任感しか持ち合わせないことは筆者に言わせればもはや公理となっていると断言してかまわないと考えています。
しかし、ここでさらに思いを致さなければならないのは、それらの政治家を国会に送ったのは私たちであるということです。
自分は別の人に投票したのだから自分の責任ではないという方がおられるとすれば、お考え直し頂く必要があります。それは代表民主制をとる日本の民主主義の根本理念を理解していないということです。
かつて東日本大震災に際して何らまともな対応ができず、ひたすら「想定外」という言葉を免罪符としてきた民主党政権や「危機管理の要諦」を全く理解せず、何事にも優先順位をつけずに「全力で取り組む」と公言し続け、ほとんどは「検討する」だけで終わらせてしまう現政権を作ったのも私たち国民なのです。
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