指揮官の休日 No.339 お前らに年寄扱いされる覚えはないゾ!
2023/05/26 (Fri) 06:30
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、第347回 危機管理とは 6 を掲載いたしました。
久しぶりに危機管理論の入門的議論に戻ります。私たちの社会において、危機管理の概念の混乱が生じたのはいつからなのかという問題について考察しています。
興味のある方はこちらからお読みください。
https://aegis-cms.co.jp/3011
No.339 お前らに年寄扱いされる覚えはないゾ!
ここ数年、ネットがこの社会にもたらしている様々な影響について社会学的な見地からの考察を続けています。
顕著なのは情報の量がすさまじい勢いで膨張していることでしょう。
情報量の幾何級数的な拡大が情報の質の向上をもたらさらなかったことは皆さまご存じのとおりです。むしろジャーナリズムは退廃の一路をたどっていますし、ネット上の情報は、見たい情報しか入ってこないので、情報があふれている割に個人には偏った情報しか入ってきません。
それらの問題については社会学の専門家にお任せしたいと思いますが、この情報通信技術の発展が世界史に与えた影響は凄まじく、地理上の発見や産業革命を超える一大エポックとして後世に語り継がれる時代に私たちが生きていることは間違いなさそうです。
筆者が最近注目しているのは、ネット情報時代に飛躍的に変質したのがトレードの世界ではないかということです。
ネットが一般化する前は、一般人が手を出すことができるのは株くらいのものだったはずです。先物取引に参入するのは投資専門の企業かプロの相場師だったでしょう。
一般人も株は証券会社に行って、あるいは担当者と電話で調整して売り買いしていたはずです。「はずです」という言い方をしているのは、筆者が株取引の経験がないからです。
ところが現代では、ネット上で誰でも株取引ができるようになりました。株だけではなくFXと呼ばれる外国為替の保証金取引など、具体的な取引所がないトレードなどもオンラインで参入することができるようになりました。
またバイナリー・オプションという、ある意味で丁半博打に近いトレードもオンラインで盛んに行われています。
筆者自身は株の経験すらないくらいですから、トレードをやってみたいなどとは思っていないのですが、このことが社会に与える影響には関心があるので、どういう世界なのかをここしばらく観察していました。
そこで驚いたのは、FXの世界では年収10億円を超えるトレーダーがぞろぞろいることです。しかも、老練な相場師ではなく20代の若い人も珍しくなさそうです。
30代で稼げるだけ稼いでしまい、日本の税金にうんざりして東南アジアに逃げ出してしまっている人も少なくありません。
またバイナリーオプションの世界は、FXや株と違って、単位時間後に現在よりも対象通貨が値上がりしているか下がっているかを当てるだけなので、素人が参入しやすく、ここでの勝ち方を巡ってYoutubeで多くの若いトレーダーたちがその手法についての動画をアップしています。
皆様もちょっと覗いてみると分かりますが、Youtubeの動画に付けられているキャッチコピーを見るとビックリしますよ。曰く「誰でも月収500万円が稼げる。」とか、「勝率99.8%の手法」などという過激なものがうんざりするほどたくさん出てきます。
そんなことが実際にあるのかどうか、ちょっと試してみたこともありますが、多くはうまくいっているトレードの場面だけを切って動画を作っているのか、あるいは動画そのものをいかにもうまくいっているように見せかけてつくっているかのどちらかだと思うのですが、筆者がデモ取引で勝率が60%を超えることはありませんでした。
バイナリーオプションをご存じない方のためにちょっと説明すると、これはドルと円やポンドとドルなど様々な通貨の為替取引に関し、1分や5分などの単位時間後にその値が上がっているか下がっているかを予想し、1回につき千円とか5万円とかを賭けるものです。
上がるか下がるかだけなので、統計学的に言えば勝率が50%を少しでも超えていれば儲かるのですが、問題は予想が外れた場合には全額没収となり、当たった場合には全額ではなく90%程度しか返還されないことです。
この率は単位時間やどの通貨のペアを予想するかにもよって異なるのですが、筆者が単純に計算すると55%程度の勝率がなければ儲けは出ません。先に筆者の場合、60%を超えなかったと述べましたが、その程度の勝率なら儲かりそうなものですが、その勝率はマーチンゲール法という賭博場ではポピュラーな賭け方をした場合の勝率で、具体的には1回目に負けると2回目にはその倍額をかけ、さらに負けるとその倍額を賭けるというやりかたで、これを無限大に続けると必ず勝てるのですが、2の乗数倍の資金が必要なので、せいぜいは2回くらいしかできません。
そのマーチンゲール法を用いてトレードを行うと、勝率60%ではとてもではありませんが儲けるどころか大損をしてしまいます。
このため、ネット上ではこのバイナリーオプションに勝つための手法を紹介する動画があふれているのですが、先に申し上げた通り、ほとんどは勝つことのできない手法です。
ほんのちょっとの統計学の知識があればこれらの多くが出鱈目であることは見抜けるのですが、それらのYoutuberの動画を観ると、登録者数や再生回数の多さにビックリします。
多くの動画がそれなりに過激なキャッチコピーを使っているのですが、それらを見ていて気なることがあります。
時々「65歳のおじいさんでも一日で350万円を稼いだ手法」などというのが出てくるのです。
それらの動画を作っているバイナリーオプションのトレーダーたちは確かに若く、20代や30代前半なのかもしれません。それらの年代の人たちから見れば65歳は自分の父親よりも年寄であり、「おじいちゃん」に見えるのかもしれません。
筆者が20代、30代の頃、65歳の方々はやはり相当お歳に見えました。
しかし、時代は変わっていき、当時55歳だった定年も65歳になっている時代です。
彼らが「65歳のおじいちゃんでも」という背景には、その年代ではPCも彼らのようには扱えず、MT4という為替取引の状況を示すチャートの見方もよく分からないだろうという思いがあります。確かに、若い頃はPCも今のように日常的に使うようなものではなかったですし、MT4などというチャートは見たことがありませんでした。
しかし、それら若いトレーダー兼Youtuberに共通している点を筆者はもう一つ見つけています。
彼らのほとんどが英語ができないことです。
なぜそう言えるか?
彼らの動画を観ていると分かります。
バイナリーオプションの取引所は長らくHiLo-Australia というところが使われていたようですが、最近になって二つの取引所が新たに人気が出てきたようです。
その一つが bi-winning というそうです。
また、彼らがそれらの手法を紹介する際に、MT4というチャート上に様々のインディケータを使います。株では移動平均線やボリンジャーバンドなどという指標が有名ですが、それだけにとどまらず、様々な指標を用いるのですが、それらの中でも disabler と名前のついたインディケータがよく使われています。
筆者がそれらトレーダーたちが英語ができないと考える理由は、動画中でのその発音にあります。
彼らのほとんどが bi-winning を「ビーウィニング」と発音し disableを「ディザブル」と発音するのです。
中学・高校でまともに英語を習った者であれば、前者は「ビー」ではなく「バイ」と発音し、後者は「ディスエーブル」とするはずです。前者がビーと発音されるためにはスペルがbeとなるはずですし、disableのdisは可能性を否定する接頭辞であり、通常は続く語とのリエゾンはしません。
それらが分かっていないというのは英語に全く馴染んでいない証左です。中学・高校で英語の劣等生だった筆者ですらその程度の認識はあります。
筆者のようなオジサンたちの時代には英語の教材もリンガフォンくらいしかなく、お金持ちの家に生まれないと買ってもらえない代物でした。現在では外国語との二か国語放送や映画などどこでも観ることができますし、ネット上には無料の教材もたくさんありますし、そもそも学校での英語教育も昔とは様変わりしています。
そんな時代に生まれていながら、簡単な英単語すら発音できないのが彼らです。
PCについても、彼らは生まれた時から身の回りにあったのかもしれませんが、だからと言って年寄を馬鹿にしてはいけません。
筆者たちの時代はMacでHyperCardという一種のオーサリングソフトを駆使して、いろいろなゲームを作ったりしていました。今の若い人たちなら、ゲームクリエイターでなければできない技をもっていました。(もっとも、最近はメタバース上のフォートナイトで好みのアバターを使い、戦う場所を好きに作ってゲームを楽しむ人が多いようですが、これはメタバースが極めて優れたプラットフォームであるからできることです。仮想空間の話なども今始まったわけではなく、筆者たちの時代にはSecond Lifeという仮想空間がPC上にありました。)
つまり、たとえPCであってもオジサンたちは若い人たちの知らないことも知っています。
声を大にして言いたいことがあります。
そもそも簡単な英単語の発音も知らないような奴らにジジイ呼ばわりされる覚えはないぞ!
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掲載のお知らせ
またしても1か月ほどが経過してしまいましたが、危機管理論の入門的議論に戻ります。
これまでにこの危機管理論の入門的議論においては、この国では危機管理の概念に混乱が見られ、リスクマネジメントが危機管理であると捉えられていると指摘してきました。また、その混乱が生じているのは、少なくとも筆者が認識する限りにおいて、日本において顕著な現象であるとも指摘してきました。
続きはこちらでお読みください。
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Twitterでも時々、折に触れて気が付いたことを呟いています。
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『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
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教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
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ここ数年、ネットがこの社会にもたらしている様々な影響について社会学的な見地からの考察を続けています。
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情報量の幾何級数的な拡大が情報の質の向上をもたらさらなかったことは皆さまご存じのとおりです。むしろジャーナリズムは退廃の一路をたどっていますし、ネット上の情報は、見たい情報しか入ってこないので、情報があふれている割に個人には偏った情報しか入ってきません。
それらの問題については社会学の専門家にお任せしたいと思いますが、この情報通信技術の発展が世界史に与えた影響は凄まじく、地理上の発見や産業革命を超える一大エポックとして後世に語り継がれる時代に私たちが生きていることは間違いなさそうです。
筆者が最近注目しているのは、ネット情報時代に飛躍的に変質したのがトレードの世界ではないかということです。
ネットが一般化する前は、一般人が手を出すことができるのは株くらいのものだったはずです。先物取引に参入するのは投資専門の企業かプロの相場師だったでしょう。
一般人も株は証券会社に行って、あるいは担当者と電話で調整して売り買いしていたはずです。「はずです」という言い方をしているのは、筆者が株取引の経験がないからです。
ところが現代では、ネット上で誰でも株取引ができるようになりました。株だけではなくFXと呼ばれる外国為替の保証金取引など、具体的な取引所がないトレードなどもオンラインで参入することができるようになりました。
またバイナリー・オプションという、ある意味で丁半博打に近いトレードもオンラインで盛んに行われています。
筆者自身は株の経験すらないくらいですから、トレードをやってみたいなどとは思っていないのですが、このことが社会に与える影響には関心があるので、どういう世界なのかをここしばらく観察していました。
そこで驚いたのは、FXの世界では年収10億円を超えるトレーダーがぞろぞろいることです。しかも、老練な相場師ではなく20代の若い人も珍しくなさそうです。
30代で稼げるだけ稼いでしまい、日本の税金にうんざりして東南アジアに逃げ出してしまっている人も少なくありません。
またバイナリーオプションの世界は、FXや株と違って、単位時間後に現在よりも対象通貨が値上がりしているか下がっているかを当てるだけなので、素人が参入しやすく、ここでの勝ち方を巡ってYoutubeで多くの若いトレーダーたちがその手法についての動画をアップしています。
皆様もちょっと覗いてみると分かりますが、Youtubeの動画に付けられているキャッチコピーを見るとビックリしますよ。曰く「誰でも月収500万円が稼げる。」とか、「勝率99.8%の手法」などという過激なものがうんざりするほどたくさん出てきます。
そんなことが実際にあるのかどうか、ちょっと試してみたこともありますが、多くはうまくいっているトレードの場面だけを切って動画を作っているのか、あるいは動画そのものをいかにもうまくいっているように見せかけてつくっているかのどちらかだと思うのですが、筆者がデモ取引で勝率が60%を超えることはありませんでした。
バイナリーオプションをご存じない方のためにちょっと説明すると、これはドルと円やポンドとドルなど様々な通貨の為替取引に関し、1分や5分などの単位時間後にその値が上がっているか下がっているかを予想し、1回につき千円とか5万円とかを賭けるものです。
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しかし、時代は変わっていき、当時55歳だった定年も65歳になっている時代です。
彼らが「65歳のおじいちゃんでも」という背景には、その年代ではPCも彼らのようには扱えず、MT4という為替取引の状況を示すチャートの見方もよく分からないだろうという思いがあります。確かに、若い頃はPCも今のように日常的に使うようなものではなかったですし、MT4などというチャートは見たことがありませんでした。
しかし、それら若いトレーダー兼Youtuberに共通している点を筆者はもう一つ見つけています。
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なぜそう言えるか?
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バイナリーオプションの取引所は長らくHiLo-Australia というところが使われていたようですが、最近になって二つの取引所が新たに人気が出てきたようです。
その一つが bi-winning というそうです。
また、彼らがそれらの手法を紹介する際に、MT4というチャート上に様々のインディケータを使います。株では移動平均線やボリンジャーバンドなどという指標が有名ですが、それだけにとどまらず、様々な指標を用いるのですが、それらの中でも disabler と名前のついたインディケータがよく使われています。
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筆者のようなオジサンたちの時代には英語の教材もリンガフォンくらいしかなく、お金持ちの家に生まれないと買ってもらえない代物でした。現在では外国語との二か国語放送や映画などどこでも観ることができますし、ネット上には無料の教材もたくさんありますし、そもそも学校での英語教育も昔とは様変わりしています。
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PCについても、彼らは生まれた時から身の回りにあったのかもしれませんが、だからと言って年寄を馬鹿にしてはいけません。
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