指揮官の休日 No.332 頭が悪いの? それとも性格が悪いの?
2023/04/07 (Fri) 06:30
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、第340回 言いたくはないが国賊だろう を掲載いたしました。
政府広報のある写真を見て激怒しています。
なぜ激怒しているのか興味をお持ちの方はこちらからお読みください。
https://aegis-cms.co.jp/2955
No.332 頭が悪いの? それとも性格が悪いの?
当メールマガジンで更新をお伝えしている弊社ウェブサイトで掲載中の専門コラムでは、ここ3年間のコロナ禍に関し、テレビに出てくる感染症専門家やメディアについて批判を繰り返してきました。
特にメディアについてはその能力の低さに疑問を投げかけ続けてきました。簡単な統計を理解できず、英語もまともに理解しないからです。
その理由についても一度触れたことがあります。
その記事には多くの方が気分を悪くされたかと拝察いたしております。しかし、筆者が経験的に導き出した仮説ですので、できればどなたかに筆者の仮説を覆す論理を構築して頂ければと願っています。
それは何か。
文系仮説です。
多くのテレビ局や新聞社でコロナ禍の取材を担当したのは社会部記者です。
社会部記者が担当する範囲はもの凄く広く、芸能界のゴシップから社会を震撼させる大事件、大規模自然災害など多岐に渡ります。政治、経済、国際関係、自然科学・技術、芸術・文化などの専門の領域に属さない、ありとあらゆる事象を担当するのが社会部です。
特定の専門に秀でた記者はそれぞれの専門領域で仕事をしますから、そうでない記者が社会に集まるのかもしれません。
筆者の知る社会部記者たちの多くが大学の文科系で、文学部、経済学部、法学部出身者が多いように思われます。
ここからが仮説なのですが、この文系出身の記者たちは高校生の頃、数学があまり得意ではなかったのではないかと考えています。
筆者も文系の出身ですが経済学部でしたので、統計学の入門的な講義が行われましたし、そもそも理論経済学の教科書を読むには微積分の初歩が必要です。
ということで、経済学部で統計学と数学の入門的講義は聴くことができました。
それらの機会がなかった文系出身の記者たちは数式が出てくるとアナフィラキシーショックを受けますし、社会部の記者は国内での取材がほとんどでしょうから外国語が読めないのかもしれません。せめて簡単な英語でも読めればいいのですが、それもダメなようです。
そこで共同通信の英語も読めず統計学の初歩も理解しない記者が配信した、東京大学の研究者チームがGoToトラベル事業とコロナ陽性者数の関係について統計学的に証明されたという出鱈目な記事を各局・各紙が一斉にコピー&ペーストで報道するという次第になりました。この記事については、すでにコラムで何度も触れていますので、興味のある方はそちらをお読みください。
英語が読めず統計学の基礎も理解もできないから、ファクトチェックもしないのです。
これがコロナ禍における「私立文系」仮説です。
いやいやそうではない、という仮説をお持ちの方がいらっしゃれば、是非ご意見を伺いたいと思っています。自分自身、私立文系出身なので、別に原因があればそれに越したことはないと思っています。
そのテレビ報道で、やはり数字を扱い、いくら何でも酷すぎると思われる話題がありました。
最近、金の価格が急上昇していることは皆様もご存じと思いますが、特に米国の銀行は単に端を発した金融不安の状況で、金の価値が再評価され、さらに価格が高騰しています。
それを取り上げたニュースなのですが、何が酷いかと言えば次のとおりです。
昨年100万円を銀行の普通預金に預入れた場合と、金を買っておいた場合の、1年後の比較なのですが、銀行の場合はプラス10円になり、金を買っていれば124万円になっていたというのです。
炎上覚悟であえて申し上げますが、この番組のディレクターはおそろしい馬鹿か悪質な印象操作を試みているかのどちらかです。
確かに銀行の金利よりも金価格の高騰の方が凄まじい勢いのは分かりますが、この報道を観ていると10円対124万円のように見えます。
銀行預金は利息分だけを表示しているのに、金の方は得上がり分だけではなく、金の現在価格を示しています。
これは数学の問題ではなく、小学生の算数の問題であり、この番組の制作者はそれが分からぬ馬鹿か印象操作を試みる性悪のどちらかです。
問題は報道だけではありません。
政治家も似たり寄ったりです。
岸田首相の電撃的なウクライナ訪問に関し、国会で若干の議論がありました。そのようなスタンドプレーができない野党は悔しくて仕方ないようです。
参議院の予算委員会で立憲民主党の岸真紀子という議員が質問に立っているところを中継で見ていました。
曰く「現職総理が事前に公表せず戦争当事国を訪れたのは戦後初めてですが、リスク管理がどうであったのか疑問です。」ということでした。
これは質問ではないので政府は答える必要はないのですが、松野官房長官がウクライナでの警備はウクライナ政府が責任をもって行ったと答弁しています。
しかし、この議員は何を言いたかったのでしょうか。
何も問題なく済々と訪問して帰国したのですからリスク管理に問題はなかったのであり、また事前に公表せずと言っていますが、戦争当事国を訪問するのに事前に公表する「馬鹿」がどこにいるのかの方が疑問です。
またリスク管理がどうであったのか疑問であるとは言っていますが、それではどういう管理がなされていれば問題がなかったと判断できるのでしょうか。
そのような見識や専門的な知見をもって質問しているのであればまだ分からないこともなのですが、結局、何か言いたかっただけなのでしょう。国会にもこの程度の議員がいることの方が問題です。
そもそも立憲民主党の参議院議員は、防衛費を対GDP2%に倍増しようという予算案を審議すべき3月の予算委員会で、総務省の行政文書を巡る議論を展開するという程度の議員団です。これこそ国民を愚弄しています。一閣僚の辞任を要求することと、これまで国是としてきた防衛予算GDP1%を軽々と倍にするという議論とどちらが大切なのかまったく理解できない議員たちなのです。
議員の質問のレベルも疑われますが、閣僚の答弁もいかがなものかということがよくあります。
以下は総務省の放送法に関する参議院における質疑です。
立憲民主党の石橋通宏参院議員の質問です。
「元首相補佐官が官邸の立場で、そして総理のお名前まで出して、そして圧力をかけたということが明らかになった。岸田政権では少なくともこんな放送法の解釈を官邸がゆがめる、そういうことはないということは明言してください」
これに対する岸田総理の答弁です。
「この放送法の解釈については所管する総務省が責任を持って解釈を行ったと理解しております。政策決定にあたって国民の疑念を招くことがないよう、引き続き、いまの内閣において適切に取り組んでまいりたいと考えます」
首相も官房長官もよく「適切に対応してまいります。」と述べるのですが、この言い回しに筆者は大きな違和感を覚えています。
「適切に」対応するなどというのは当たり前の話なのですが、しかし「適切」かどうかは自分で言うべきことではなく、国民が評価すべき内容です。
適切に対応するかどうか疑わしいから質問しているのに「適切に対応する」というのは質問に答えていません。どう対応するかを説明した結果、「それなら適切だ」とか「それは不適切だ」という評価になるのであって、自分で「適切にやっていく」と言われても、真に受けることはできません。
質問する議員のレベルも問題なのですが、答える首相もそう変わらないかと思います。
嘘つきに「あなたは嘘をついていますか?」と尋ねることの問題は論理学上の議論になりますのでここでは取り上げませんが、野党が首相に「ちゃんとやってくれるね?」と尋ねることくらい時間の無駄はないと思われ、貴重な国会審議の時間を自分がテレビに映ればいいとしか考えていないのではと疑いたくなります。
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弊社では危機管理の三本柱として「意思決定」「リーダーシップ」「プロトコール」を掲げています。したがって、今年から始めている危機管理論の入門的議論においては、この3本柱を中心として話が進められていくはずです。
この中でちょっと異質なのが最後の「プロトコール」です。
続きはこちらでお読みください。
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『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
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ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
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多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
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文系仮説です。
多くのテレビ局や新聞社でコロナ禍の取材を担当したのは社会部記者です。
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筆者の知る社会部記者たちの多くが大学の文科系で、文学部、経済学部、法学部出身者が多いように思われます。
ここからが仮説なのですが、この文系出身の記者たちは高校生の頃、数学があまり得意ではなかったのではないかと考えています。
筆者も文系の出身ですが経済学部でしたので、統計学の入門的な講義が行われましたし、そもそも理論経済学の教科書を読むには微積分の初歩が必要です。
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これがコロナ禍における「私立文系」仮説です。
いやいやそうではない、という仮説をお持ちの方がいらっしゃれば、是非ご意見を伺いたいと思っています。自分自身、私立文系出身なので、別に原因があればそれに越したことはないと思っています。
そのテレビ報道で、やはり数字を扱い、いくら何でも酷すぎると思われる話題がありました。
最近、金の価格が急上昇していることは皆様もご存じと思いますが、特に米国の銀行は単に端を発した金融不安の状況で、金の価値が再評価され、さらに価格が高騰しています。
それを取り上げたニュースなのですが、何が酷いかと言えば次のとおりです。
昨年100万円を銀行の普通預金に預入れた場合と、金を買っておいた場合の、1年後の比較なのですが、銀行の場合はプラス10円になり、金を買っていれば124万円になっていたというのです。
炎上覚悟であえて申し上げますが、この番組のディレクターはおそろしい馬鹿か悪質な印象操作を試みているかのどちらかです。
確かに銀行の金利よりも金価格の高騰の方が凄まじい勢いのは分かりますが、この報道を観ていると10円対124万円のように見えます。
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問題は報道だけではありません。
政治家も似たり寄ったりです。
岸田首相の電撃的なウクライナ訪問に関し、国会で若干の議論がありました。そのようなスタンドプレーができない野党は悔しくて仕方ないようです。
参議院の予算委員会で立憲民主党の岸真紀子という議員が質問に立っているところを中継で見ていました。
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しかし、この議員は何を言いたかったのでしょうか。
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