指揮官の休日 No.272 星を読む
2022/02/11 (Fri) 06:30
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、第280回 お詫びと訂正 を掲載いたしました。
前回のコラムに重大な事実誤認がありましたので、お詫びして訂正させて頂きます。
詳しくはこちらをお読みください。
https://aegis-cms.co.jp/2620
No.272 星を読む
前回当メールマガジンで令和4年版を最後に天測歴が発行されず、天測ができなくなったという記事を載せたところ、いろいろな方から反響をいただきました。
海上自衛隊の諸先輩方からは、「そうなんだ、へぇー」という声が聞こえ、ヨット仲間からは「GPS便利だもんね。」という反応がありましたが、その他の方からは、「そもそも天測って何をやってるの?」という質問をいただきました。
そこで今回は船乗りがやってきた天測という作業がどういうものなのかを説明させていただきます。本当に説明するとなると天文航法という一つの学問領域になってしまい、とても私の手に負えないので、雰囲気だけご理解いただきたいと思います。
さて、それでは天測の時、船乗りは何をしているのかです。
そもそも天測で何を見ているのかをまず説明します。
天測では星と月と太陽が観測対象ですが、月を使うことはほとんどありません。昔の船乗りは月を測って正確な時間を算出する方法を知っていたようですが、私はやったことがありませんし、その原理も理解していません。
通常は星と太陽を見ています。
星には惑星と恒星がありますが、私たちが好んで測るのは恒星です。やったこのない方には信じられないかもしれませんが、惑星は六分儀で見ると大きすぎるんです。
星の高度を測るというのは一つのレンズで星を見て、一方のレンズで水平線を見て、その間の角度を測るという作業です。星の姿をプリズム越しに見て、その角度を変えていって水平線上に重なるところまで動かし、動かした角度を見るための機器が六分儀です。
レンズに映る星が大きいと、水平線と重なった場合にその像の上端と下端とで角度のズレが生じ、正確な角度が測れないのです。つまり、明けの明星とか宵の明星などと呼ばれる金星のように大きくギラギラと光る星はダメですし、北極星もどちらかというとはっきり見えすぎです。できるだけ遠くの点のように見える星がいいのですが、観測時間を選ぶことによりこの問題の多くを解決することが出来ます。
つまり真夜中の満天の星がギラギラする時間ではなく、夕方日没直後に星がやっと見え始めた頃、あるいは夜明けの明るくなりかけた空にわずかに星が残っているような時間に観測すれば、ほぼ点にしか見えない星を観測することが出来るのです。
星を測る天測は、日出直後から明るくなって星が見えなくなるまでの間及び日没直後から星がギラギラとはっきり見えだす直前までの時間に行わなければなりません。
皆様方が星を見る時、星座を頼りに目指す星を見つけるのが普通かと思いますが、天測を行う時間帯はそのようにはっきりと星座を観ることはできません。そこで、あらかじめ星球儀というものを使って、この位置ならこの星がこの方位のこの角度に見えるはずという予測を付けておいて天測に臨むことになります。
天測は東西南北など四方の星を測るのが良いとされています。
ある星をある高度で観ることのできる位置をプロットすると地球上に一本の線を描くことが出来ます。これを四方で行うと四本の線が交差することになります。実際には観測精度の誤差や観測を同時に行うことが出来ずに数秒の誤差を生じてその間に船が走っていることから四本の線が交差することはあまりなく、海図上に小さな四角形が描かれます。その中心を船位として考えるのです。
ちょっと分かりにくいですね。
もっと分かりやすく説明しましょうか。
東京のビッグサイト辺りに立っていると仮定します。
そこから東京タワーてっぺんと地面との角度を測ります。自分が立っている位置から東京タワーまでの距離を半径とする円を東京タワーの周りに描くと、その円周上では東京タワーの一番上はどこから見ても同じ角度に見えるはずです。その線を地図上に描きます。
同じことを東京スカイツリーに対して行います。スカイツリーを中心とする円が描けるはずです。振り返ってディズニーランドのシンデレラ城に対して行います。三本目の線が描けますね。その三本の交点に自分が立っているはずです。
天測による船位決定とはそういうことを行う作業です。
天測歴には、その様々な星の見え方が計算されてリスト化されているので、それを用いると船位決定が楽なのです。
昼間は太陽を観測します。太陽を使う場合には正昼時の観測を行います。経験のない方には信じられないかもしれませんが、六分儀で太陽の像を水平線まで降ろして観測していると、ある時まで太陽の高度が高くなっていき、一瞬動きが止まり、次の瞬間高度が低くなっていくのが観測できます。つまり太陽が動いていることがはっきり見えるのです。この正昼の瞬間の高度と時間を正確に記録することにより船位を決定できます。
毎正時(00分ちょうど)に高度を測ることによって経度だけを知ることもできます。ほぼ真東や真西に航海している時は緯度の変化をあまり考えなくていいので、この太陽を使った天測で概ねの船位を知ることが出来ます。
実習航海で実習員たちが天測を行う時は日出の1時間前くらいから準備を始め、また日没前に準備を始める必要があります。現在のように朝6時半や夕方5時とかならいいのですが、問題は高緯度の北欧の近海を航海している時です。日出が夏には午前3時、日没が午後11時などということがありますので、日没後の天測の計算をしている間に翌朝の天測の準備をしなければならなくなるなどということになるからです。
筆者が実習幹部の時は世界一周航海でしたのでいろいろなところで星を測ってきました。
実習幹部に要求されたのは、四方4つの星を測り、45分以内に計算を終え、誤差2マイル以内に収めるということでした。
筆者は対空戦や対潜戦などにはあまり関心はなかったのですが、操艦実習やこの天測などは好きな実習でした。いかにも船乗りの訓練を受けているという感じがしたからです。
船乗りだった父から星座の見方は幼いころから教えてもらっていましたから、星を見つけるのは早く、また、実は天測表と天測歴のほかに簡易天測表と簡易天測歴を持っていて、これは米村表ほど精緻な計算をするものではないために精度が荒いのですが、それでも2マイル以内に収める程度の計算は出来ましたし、なにより計算時間が半分で済んだので楽でした。
米村表の精度の高さはビックリするほどですよ。何せ、観測者が水面からどれくらいの高さにあるかを補正する表までついているくらいです。光ですら何千年もかかる遠くの星を測るのに、観測者が水面から5mの高さで星を観測するのか15mの高さで観測するのかで異なるということなのです。
星を読むというのはそういうことです。
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当社Webサイトに、専門コラム「指揮官の決断」をアップしております。是非、ご覧ください
専門コラム「指揮官の決断」第280回 お詫びと訂正 掲載のご案内
当コラムが社会科学的方法論を重視してきていることはお読みになってこられた方々はお気づきのことと拝察いたします。重視どころか、かなりのこだわりを持って執筆をしてきております。このコラムが専門コラムであり、無責任な随筆や自分では何もしないのに批判だけは一人前の評論家の論評とは異なると考えているからです。
科学的方法論を重視しているのは、予想ではなく予測をする必要があるからです。予測と科学的証明も峻別して議論しています。文科省大臣が富岳のシミュレーションによって科学的に証明されたなどと寝言を言うと当コラムで批判するのは、文科省大臣が科学的証明とコンピュータの予測の違いも知らずに議論するのが論外だからです。
その観点から考えると、前回のコラムに重大な事実誤認があり、お詫びと訂正の必要があると考えて今回のコラムを執筆いたしております。
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弊社出版物のご紹介
『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
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教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
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さて、それでは天測の時、船乗りは何をしているのかです。
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通常は星と太陽を見ています。
星には惑星と恒星がありますが、私たちが好んで測るのは恒星です。やったこのない方には信じられないかもしれませんが、惑星は六分儀で見ると大きすぎるんです。
星の高度を測るというのは一つのレンズで星を見て、一方のレンズで水平線を見て、その間の角度を測るという作業です。星の姿をプリズム越しに見て、その角度を変えていって水平線上に重なるところまで動かし、動かした角度を見るための機器が六分儀です。
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つまり真夜中の満天の星がギラギラする時間ではなく、夕方日没直後に星がやっと見え始めた頃、あるいは夜明けの明るくなりかけた空にわずかに星が残っているような時間に観測すれば、ほぼ点にしか見えない星を観測することが出来るのです。
星を測る天測は、日出直後から明るくなって星が見えなくなるまでの間及び日没直後から星がギラギラとはっきり見えだす直前までの時間に行わなければなりません。
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天測は東西南北など四方の星を測るのが良いとされています。
ある星をある高度で観ることのできる位置をプロットすると地球上に一本の線を描くことが出来ます。これを四方で行うと四本の線が交差することになります。実際には観測精度の誤差や観測を同時に行うことが出来ずに数秒の誤差を生じてその間に船が走っていることから四本の線が交差することはあまりなく、海図上に小さな四角形が描かれます。その中心を船位として考えるのです。
ちょっと分かりにくいですね。
もっと分かりやすく説明しましょうか。
東京のビッグサイト辺りに立っていると仮定します。
そこから東京タワーてっぺんと地面との角度を測ります。自分が立っている位置から東京タワーまでの距離を半径とする円を東京タワーの周りに描くと、その円周上では東京タワーの一番上はどこから見ても同じ角度に見えるはずです。その線を地図上に描きます。
同じことを東京スカイツリーに対して行います。スカイツリーを中心とする円が描けるはずです。振り返ってディズニーランドのシンデレラ城に対して行います。三本目の線が描けますね。その三本の交点に自分が立っているはずです。
天測による船位決定とはそういうことを行う作業です。
天測歴には、その様々な星の見え方が計算されてリスト化されているので、それを用いると船位決定が楽なのです。
昼間は太陽を観測します。太陽を使う場合には正昼時の観測を行います。経験のない方には信じられないかもしれませんが、六分儀で太陽の像を水平線まで降ろして観測していると、ある時まで太陽の高度が高くなっていき、一瞬動きが止まり、次の瞬間高度が低くなっていくのが観測できます。つまり太陽が動いていることがはっきり見えるのです。この正昼の瞬間の高度と時間を正確に記録することにより船位を決定できます。
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