指揮官の休日 No.246 世界で二番目に美味しい朝食
2021/08/13 (Fri) 06:30
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、第254回 専門家と言われる人々:学者・研究者の場合 を掲載いたしました。
私たちが社会に起きている様々な問題に関しての情報を得ようとするとき、どうしてもその分野の専門家の意見を参考にせざるを得ません。しかし、その専門家たちを信じて鵜呑みにすると危険な場合が多々あります。
それでは、それら専門家の意見をどう聞けばいいのかにちて論じています。今回は学者や研究者たちの場合を考えています。
詳しくはこちらをお読みください。
https://aegis-cms.co.jp/2468
No.246 世界で二番目に美味しい朝食
かつて当メールマガジンで世界一美味しい朝食をご紹介したことがあります。
筆者がキャンプで作る卵料理です。
もともと筆者は食通ではありませんし、テレビのグルメ番組など大嫌いです。また、ミシュランガイドにも何の関心もありません。
筆者は魚の料理は漁港で漁師のおかみさんが握ってくれる寿司が最高だと信じていますし、肉はキャンプの焚火で炙ったものに対抗できるものがあれば持ってこい!という態度です。外食も我が家の司令長官と一緒ならマックでも美味しいけれど、会社の接待でご馳走になって相手の会社の社長と相席して美味いと思うことはまずありませんでした。
そういう接待を受けるのが大好きで、かつお金が余って困っている人たちが大都会で法外な値段の料理をにんまりしながら食べているのがグルメスポットであり、そのガイドブックがミシュラン何だろうと勝手に解釈しています。
したがって当メールマガジンで料理の話など出てきても皆さん真剣にお読みになる必要はないと存じますが、このメールマガジンの愛読者にはとんでもないへそ曲がりの方が多く、ときどき「毎週楽しみにしているよ。」とおっしゃって下さるので、そういう方向けに今回の記事を綴っています。なので、自分は素直でへそ曲がりでもなく、かぎりなくグルマンだとお考えの方はサッサと読み飛ばして専門コラムの方へおいで下さい。
さて、当メールマガジンの独断と偏見で選ぶ世界一美味しい朝食は冒頭で申し上げたとおり、筆者の作るスクランブルエッグです。
それではその次に続く栄誉を与えられた朝食は何でしょうか。
私事になりますが、我が家の司令長官のお好きな料理は三度の食事のうちの朝食です。
彼女は一日でもっとも大切なのは朝食だと考えており、事実、彼女は朝食を抜かすと体調不良になります。
かつて若い頃に米国に連絡官として駐在していたことがありますが、米大陸横断のドライブにおいて、サンフランシスコからサンディエゴに移動する日、長いドライブになるため起きたらすぐに出発し、ルート5の沿道で朝食を取ることにしていたことがありました。
しかし、朝食を取るのにいいレストランがなかなか見当たらずに時間が経過していき、彼女はめったにならない車酔いを起こして吐くという事態になりました。これを見ても、彼女にとって朝食がいかに大切なものかが分かります。
したがって司令長官はホテルに泊まる時には朝食を最も楽しみにされていますのでビジネスホテルなどに泊まることはできず、それなりのシティホテルかリゾートホテルを取ることになります。
司令長官のお好みはバイキング形式の朝食で、散々迷った挙句、フルーツをはじめとして様々な料理をちょっとずつ、びっくりするほどたくさんトレイに盛って戻ってきます。
それに対して私はスクランブルエッグとベーコンを山盛りにして戻るので、その皿を見て彼女は御不満なようです。「せっかくのバイキングなのに。」ということなのだそうですが、私に言わせれば「バイキングだからこそ、卵何個分でも持ってこれるでしょ?」というところです。
私は母が朝食は一番大切という発想で朝食をしっかり取るという環境で育ったため、海上自衛隊に入隊して幹部候補生学校に入校した時にびっくりしたのは朝食でした。
候補生たちは朝食をゆっくり食べるというような時間を与えられないのでご飯とみそ汁と佃煮程度の軽い食事を流し込むとサッサと次の作業に移らなければなりません。これは艦隊で勤務しても同様で、昼食や夕食がかなりしっかりしているのに比べて朝食の軽いのはびっくりです。
一方で、米海軍の艦艇における朝食はなかなかです。
ということで、筆者の独断と偏見で選ぶ世界で二番目に美味しい朝食は米海軍の軍艦で出される朝食です。
これを聞くと、事情をご存じの方は「嘘つけ!米軍のメシが美味いなんて聞いたことがないぞ。」とおっしゃるかと思います。
ごもっともです。米海軍の船に乗るとうんざりするほどその食事は美味くありません。よく叛乱が起きないものと感心するくらいです。
ちなみに米海軍艦艇においては士官と下士官や水兵たちとでは食事が異なります。これは下士官以下には食事が支給されるのに対して士官の食事は有料だからです。士官室では食事ごとにメニューが用意され、各士官たちは好きなものを注文することができます。
料理は士官室に隣接した調理場で調理されて運びこまれてきます。
海上自衛隊の艦艇では事情がまったく異なります。士官室で供される料理も科員食堂で供される料理も同じものです。科員食堂では大きな容器に準備された料理を各自が自分のトレイに好きなだけ盛って食べることができます。一方の士官室では士官室係の乗員が個別の食器に盛り付けてサーブしてくれるのですが、その準備が終わったところで艦長や司令に食事の準備ができたことを届けて降りてくるのを待つので、ステーキなども熱いまま食べることができません。つまり科員食堂の方が好きなものを好きなだけ、熱いものは熱いまま食べることができるということです。
しかし海上自衛隊の調理員は舞鶴にある学校で専門的な教育を受け、さらに艦隊において頻繁に行われる艦上レセプションや艦上昼食会などにより鍛えられますので、どの船に乗っても料理が美味くないということがありません。
さて、米海軍艦艇で食べる朝食ですが、士官室に朝食時に顔を出すと、フィリピン系やアフリカ系の兵隊さんが大きなお好み焼き屋の鉄板のような調理具の向こう側でニコニコしています。彼に卵とベーコンの焼き方の好みを伝えると“Yes,sir “と張り切って、まずベーコンを焼いてくれます。そして間髪を入れずに卵を割って好みのように卵を料理してくれます。
これがやたら美味いんです。卵料理に関して米国はDNAに書き込まれたものがあるのだと思いますが、どこで食べても日本の喫茶店のモーニングサービスで出てくるような不味い卵は出てきません。中でも海軍艦艇の士官室で焼いてくれるスクランブルエッグは絶品です。ホテルの朝食の卵のように生クリームなども使っていない素朴な卵料理であるにもかかわらずです。
次の朝に顔を出すと、ニコニコしながら”As usual? (いつもの通り?)”と訊いてきます。頷くと同じように美味しい卵とベーコンを焼いてくれます。三日目くらいの朝になると別の水兵がニコニコしています。そしていきなり”As usual?”と訊いてくるので「エッ?」という顔をすると「聞いてますよ。」とのこと。なまじのホテルよりも行き届いたサービスです。
多分、料理の味の本質というのはこういうところにあるのではないでしょうか。
気の置けない軍艦の士官室での朝食、素朴ではあっても笑顔で供してくれる料理、次々に入って来る顔見知りの士官たちとの会話、親しく声をかけてくれる艦長への挨拶などが料理を印象付けます。
漁師のおかみさんが握ってくれる寿司や仲間とのキャンプで炙る肉などが何よりも美味いのは素材と条件が揃っているから当然なのですが、それらが揃わない遠い洋上の艦艇上でも美味しい料理にありつくことはできます。
筆者がミシュランなどに関心を持たないのはそのためです。
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当社Webサイトに、専門コラム「指揮官の決断」をアップしております。是非、ご覧ください
専門コラム「指揮官の決断」第254回 専門家と言われる人々:学者・研究者の場合 掲載のご案内
私たちが社会で起こっている様々な出来事や問題を考えるとき、それが自分の慣れ親しんできた分野の場合には自分なりの見解を出すことができます。
銀行や証券会社で勤務されてきた方々なら経済問題についてはそれなりのご意見をお持ちのことと思います。
筆者は専門技術商社の営業部長を勤めた経験があり、また、米国で精密部品やゴルフのシャフトを売る仕事をしていたこともありますので、それらのモノの話や流通の話なら見当がつきます。
しかし、自分が関わったことのない分野の話だったりするとどう考えていいのか分かりません。そのような時に参考にするのが、いわゆる「専門家」の意見です。
その「専門家」という人種について前回から考えています。前回は「専門ジャーナリスト」について考えましたが、今回は学者・研究者について考えます。
詳しくはこちらをお読みください。
https://aegis-cms.co.jp/2468
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お薦めの書籍
『1300社が導入した日本型ジョブディスクリプション』 松本順市 著 日経BP
目標による管理がまともに機能している企業が極めて数少ない現在、その矛盾点を見事に突いた本です。
著者の松本氏が人事コンサルタントとして1300社の指導をした実績から炙り出した日本企業への目標管理の適用の矛盾を解決する方法を見事に教えてくれます。
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とが出来ます。
是非Facebookページをご訪問ください。
Twitterでも時々、折に触れて気が付いたことを呟いています。
https://twitter.com/CaptainHayashi です。
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弊社出版物のご紹介
『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
セルバ出版
お求めの方は、こちらからどうぞ。
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教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
こちらをどうぞ
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://aegis-cms.co.jp/cpx
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発行人:株式会社イージスクライシスマネジメント
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No.246 世界で二番目に美味しい朝食
かつて当メールマガジンで世界一美味しい朝食をご紹介したことがあります。
筆者がキャンプで作る卵料理です。
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さて、当メールマガジンの独断と偏見で選ぶ世界一美味しい朝食は冒頭で申し上げたとおり、筆者の作るスクランブルエッグです。
それではその次に続く栄誉を与えられた朝食は何でしょうか。
私事になりますが、我が家の司令長官のお好きな料理は三度の食事のうちの朝食です。
彼女は一日でもっとも大切なのは朝食だと考えており、事実、彼女は朝食を抜かすと体調不良になります。
かつて若い頃に米国に連絡官として駐在していたことがありますが、米大陸横断のドライブにおいて、サンフランシスコからサンディエゴに移動する日、長いドライブになるため起きたらすぐに出発し、ルート5の沿道で朝食を取ることにしていたことがありました。
しかし、朝食を取るのにいいレストランがなかなか見当たらずに時間が経過していき、彼女はめったにならない車酔いを起こして吐くという事態になりました。これを見ても、彼女にとって朝食がいかに大切なものかが分かります。
したがって司令長官はホテルに泊まる時には朝食を最も楽しみにされていますのでビジネスホテルなどに泊まることはできず、それなりのシティホテルかリゾートホテルを取ることになります。
司令長官のお好みはバイキング形式の朝食で、散々迷った挙句、フルーツをはじめとして様々な料理をちょっとずつ、びっくりするほどたくさんトレイに盛って戻ってきます。
それに対して私はスクランブルエッグとベーコンを山盛りにして戻るので、その皿を見て彼女は御不満なようです。「せっかくのバイキングなのに。」ということなのだそうですが、私に言わせれば「バイキングだからこそ、卵何個分でも持ってこれるでしょ?」というところです。
私は母が朝食は一番大切という発想で朝食をしっかり取るという環境で育ったため、海上自衛隊に入隊して幹部候補生学校に入校した時にびっくりしたのは朝食でした。
候補生たちは朝食をゆっくり食べるというような時間を与えられないのでご飯とみそ汁と佃煮程度の軽い食事を流し込むとサッサと次の作業に移らなければなりません。これは艦隊で勤務しても同様で、昼食や夕食がかなりしっかりしているのに比べて朝食の軽いのはびっくりです。
一方で、米海軍の艦艇における朝食はなかなかです。
ということで、筆者の独断と偏見で選ぶ世界で二番目に美味しい朝食は米海軍の軍艦で出される朝食です。
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料理は士官室に隣接した調理場で調理されて運びこまれてきます。
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しかし海上自衛隊の調理員は舞鶴にある学校で専門的な教育を受け、さらに艦隊において頻繁に行われる艦上レセプションや艦上昼食会などにより鍛えられますので、どの船に乗っても料理が美味くないということがありません。
さて、米海軍艦艇で食べる朝食ですが、士官室に朝食時に顔を出すと、フィリピン系やアフリカ系の兵隊さんが大きなお好み焼き屋の鉄板のような調理具の向こう側でニコニコしています。彼に卵とベーコンの焼き方の好みを伝えると“Yes,sir “と張り切って、まずベーコンを焼いてくれます。そして間髪を入れずに卵を割って好みのように卵を料理してくれます。
これがやたら美味いんです。卵料理に関して米国はDNAに書き込まれたものがあるのだと思いますが、どこで食べても日本の喫茶店のモーニングサービスで出てくるような不味い卵は出てきません。中でも海軍艦艇の士官室で焼いてくれるスクランブルエッグは絶品です。ホテルの朝食の卵のように生クリームなども使っていない素朴な卵料理であるにもかかわらずです。
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多分、料理の味の本質というのはこういうところにあるのではないでしょうか。
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