指揮官の休日 No.236 シンデレラ・リバティって何だ?
2021/06/04 (Fri) 06:30
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
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専門コラム「指揮官の決断」は、第244回 風評被害はどうやって生まれるか を掲載いたしました。
風評被害と言うものは、名も無い一般庶民のうわさ話から生まれるものかと思っていましたが、不勉強かつ無責任な識者から生まれるおそれが大きいことを発見しました。
詳しくはこちらをお読みください。
https://aegis-cms.co.jp/2396
No.236 シンデレラ・リバティって何だ?
表題のシンデレラ・リバティという言葉の意味をご存じですか?
私は観たことがないのですが、テレビドラマのテーマソングにも採用された歌のタイトルが「シンデレラ・リバティ」でした。鈴木聖美さんが歌っていますが、その歌詞にはその言葉の意味は含まれていないようです。
これは海軍において帰艦時刻を午前0時とする上陸許可のことを指しています。
この程度の俗語は英和辞典にも出ているはずなのですが、映画の字幕や翻訳小説を読んでいると「シンデレラの自由」というよく意味の分からない翻訳がされていることが多々あります。
海上自衛隊の艦艇では、乗組みの幹部自衛官は営外居住なので船での仕事が終わると官舎や自宅に戻ります。独身の幹部も近くに下宿を設定して上陸する者が多いようです。
私は初任幹部で機関士として乗組んだ船では仕事を覚えるのに忙しくしていましたので、下宿は取らず艦内の自室で寝起きしていました。
恐ろしく狭いキャビンに候補生学校の同期の通信士と一緒に寝起きしていました。1月に着任して、すぐに機関科の学校に入校して機関士としての勤務ができる程度の教育を受け、3月に船に戻り、5月には結婚してアパートを借りたので艦内居住生活も長いものではありませんでした。
しかし、海曹・海士隊員は原則が艦内居住です。結婚して住居を設定すると例外的に営外居住許可が出されることになります。
これらの営外居住を許可された乗員を含め、ホームポートに停泊中の自衛艦においては翌朝午前7時45分を帰艦時刻として夕方に上陸許可を認められて上陸していきます。
これが寄港地であると事情がちょっと変わり、普通は午前0時までに戻って来いということになります。これが「シンデレラ・リバティ」です。
ホームポートにおいて乗員は家族の住む家に戻ったり、自分の下宿に戻ったりするでしょうから朝までに帰ってくればいいよ、ということなのですが、寄港地においては深夜徘徊をさせないために帰艦時刻を午前0時に早めるのです。
帰艦時刻が朝の場合は、皆自宅や下宿で起きてから帰艦してきますので、それなりにすっきりした顔をして、舷門を上がってくるときも「おはようございます!」と元気よくあいさつしながら戻ってきます。
面白いのは「シンデレラ・リバティ」の時です。
初任幹部で乗組み士官となると、副直士官勤務に就きます。当直士官を補佐する若手の幹部が輪番で当直に就くのです。
停泊中の副直士官勤務は、朝交代するとほとんど立ちっぱなしのかなりきついものになります。
通常は舷門に当直の海曹・海士と一緒に立ち、船を出入りする乗員や乗艦してくる来訪者を見ています。日課の号令を艦内に放送する監督もしますし、出入港する艦艇がある場合には、もし将官坐乗の船であれば敬礼をせねばならず、艦橋に駆け上がりラッパ員の監督もしなければなりません。
その間、船の内外に異常はないか目を光らせていなければなりません。結局、食事の時以外は座ることがなく、それが夜の巡検という当直士官の艦内見回りまで続きます。その後、士官室に戻り、航泊日誌などを書く作業が残っています。
その副直士官勤務では夕方、一日の課業が終わると上陸員を後甲板に整列させ、帰艦時刻を伝え、上陸中の注意事項を示達します。上陸員には若い乗員だけでなく、各部の長である古参の海曹もおり、下手をすると自分が生まれる前から船に乗っているような乗員もいます。それらに対して、上陸中は海上自衛官としての自覚ある行動をせよ、などと申し渡すのはちょっとした度胸が必要です。
そして、寄港地で副直士官勤務をしていると、巡検後に士官室に戻ってのんびりとはいきません。逐次帰って来る乗員を監督しなければならないからです。特に午前0時近くになると緊張してきます。もし、その時間に帰ってこないと帰艦時刻遅延として懲戒処分にしなければならないからです。11時半を過ぎる頃になると、まだ上陸員が全員帰ってきていない分隊の先任海曹が舷門に上がってきます。15分前くらいになると分隊士の若い幹部も舷門に出てきて心配そうに岸壁の向こうを見ています。
双眼鏡を持ち出して来て岸壁の奥の方を見たりして帰艦してくる乗員をなるべく早く見つけようとしています。帰艦時刻の2~3分前にのんびり歩いて帰る乗員を遠くで見つけて、そこからのんびり歩いていると間に合わないと思うと「走れ!」などと檄を飛ばしています。
私は最初の頃は、そんなところで1分くらい遅れてもいいだろうくらいに思っていたのですが、海上自衛隊はそんな甘い組織ではなく、午前0時が帰艦時刻とされたら、午前0時0分15秒でも帰艦時刻遅延なのです。(まぁ、私が当直している時は腕時計が3分くらい狂っていたことにしたこともありましたが。)
とにかく乗員は寄港地では目いっぱい楽しんで帰ってきます。訓練航海を終えて普段とは違う港に入ったのですから、目先の変わった飲み屋に行きたいのでしょう。船乗りの数少ない楽しみの一つでもあります。
彼らが帰って来るのを見ていると面白いですよ。
飲み過ぎて真っすぐに歩けず、千鳥足で岸壁を歩いてくるので、最初の頃の私は心配でした。
乗員は舷門のラッタルを使わず、後部にかけられた幅の狭い舷梯を上って来るのですが、こちらはろくな手摺も付いていないことがあるので、千鳥足だと海に落ちるかもしれないと気が気ではなかったのです。同じく当直に立っている海曹に「おい、後部へ行って支えてやれ。」と言うと彼は悠然として「大丈夫ですよ。」と言うのです。
見ていると、舷梯の直前までは千鳥足でフラフラしていたのに、舷梯に足をかけた瞬間にシャキッとして一挙に後甲板にあがり、そこから途端に千鳥足になり、舷門で待っている私たちのところまでやってきて敬礼をして「只今帰艦しました。」とろれつの回らない口で申告すると上陸札を取ってハッチをくぐって艦内に戻っていくのです。
帰巣本能と言うのがあるんですね。
海上自衛隊は帰艦時刻には厳格ですが、酔っ払いには寛大なところがあります。
それだけハラハラして待っている先任海曹などがしかりつけるかと思いきや、「良く帰ってきた。」と目を細めているのです。彼らも若い頃はやんちゃだったのかもしれませんが、軍隊としてのけじめと板子一枚下は地獄の日常を共に過ごす仲間としての暖かさを兼ね備えた組織です。
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今年の4月、政府は東電福島第一原子力発電所に保管され増え続けている放射性物質トリチウムを含む処理水を海洋放出する方針を固めました。政府の説明によれば処理水を海水で100倍以上に希釈し、原子力規制委員会が定める環境放出の規制基準の40分の1の濃度とするそうです。
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
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