指揮官の休日 No.228 コンピューターを使って・・・・?
2021/04/09 (Fri) 06:30
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、第236回 迫りくる本当の危機 覚悟が試されるとき を掲載いたしました。
新型コロナ騒動は危機ではありません。本当の危機が忍び寄ってきています。その対処には覚悟が必要です。
詳しくはこちらをご覧ください。
https://aegis-cms.co.jp/2341
No.228 コンピューターを使って・・・・?
「東京五輪の開会式で、主催者と観客が新型コロナウイルスの対策を徹底すれば、感染が広がるリスクは100分の1に減るとするコンピューターを使った予測結果を、東京大や福島県立医大などの研究チームが22日、発表した。」
これは3月23日火曜日の読売新聞に掲載された記事です。
私は先に共同通信が配信して各紙が一斉に報じた「政府の観光支援事業「Go To トラベル」の利用者の方が、利用しなかった人よりも多く新型コロナウイルス感染を疑わせる症状を経験したとの調査結果を東大などの研究チームが7日、公表した。PCR検査による確定診断とは異なるが、嗅覚・味覚の異常などを訴えた人の割合は統計学上、2倍もの差があり、利用者ほど感染リスクが高いと結論付けた。」という記事が出鱈目であることを発見していました。このことは弊社の専門コラムに掲載しています。
(専門コラム「指揮官の決断」第226回 危機管理における事実の理解の仕方
https://aegis-cms.co.jp/2264 )
東京大学の研究者チームのこの論文は、12月4日付でプレプリントサーバーであるmedRxivで公開されていました。この時、このサーバーの存在を初めて知ったのですが、エール大学が運営しているサーバーで健康科学に関する査読前の論文を公開するサーバーで、医学関係の研究者は誰でも知っている有名なサーバーだそうです。
東大の研究チームが挙げた論文のタイトルは“Association between Participation in Government Subsidy Program for Domestic Travel and Symptoms Indicative of COVID-19 Infection”というものであり、タイトルが示しているように、関連性の研究であって相関関係や因果関係を研究したものではなく、つまり、統計学的に証明したものではなかったのです。
新聞はその論文を読まず、誤読した共同通信の配信をそのまま記事にしてしまったというお粗末なものでしたので、今回の記事もどうせその類かと思って読んでいました。
しかし、読んでいて何故かもの凄い違和感に襲われたので、もう一度読んでみました。
そこで私が何に引っかかったのかが分かりました。
「コンピューターを使った予測結果を・・・」という部分でした。
昭和も40年代くらいならまだしも、令和3年のこの時代に「コンピューターを使った」とわざわざ報じる意味がどこにあるのだろう・・・
これが算盤や計算尺を使って計算したというのであれば新聞記事にする価値は十分あります。今時、計算尺をそこまで使いこなせる人などそういませんからね。
しかし、この記事はあたかもコンピューターを使ったから正確だと言わんばかりです。
コンピューターのプログラムを扱ったことのない人には分からないかもしれませんが、コンピューターというのは、命ぜられた作業を文句を言わず愚直に延々と繰り返す機械に過ぎません。
AI機能を備えたコンピューターという言い方をする人もいますが、コンピューターがAIを持っているのではなく、そのコンピューターを動かしているプログラムがAIを意識して作られているだけであり、コンピューターが独自に創造的に何かをやっているのでなく、プログラムのとおりに作動しているに過ぎません。
だから、コンピューターを使っても正しい結論が出されているかどうかということとは別問題です。
東京大学の研究者チームがエール大学のサイトにアップした論文を読んで理解できなかったところを見ると、新聞記者や編集者のほとんどは文科系の人なのでしょう。だからコンピューターのプログラムをいじったことのある人がほとんどいないのでしょう。
私も経済学部出身ですが、社会科学上の方法論は心得ているつもりです。コンピュータが計算したからと言って有難がるような神経は持ち合わせていません。
昨年の今頃だったと思いますが、「新型コロナウイルスに、次世代スパコン「富岳」が挑む」という記事を読んだことがあります。
何が書いてあるのかと興味を持って、改めて珈琲を淹れ直してコーヒーテーブルに向って読んでびっくりしました。飛沫の飛び方をシミュレーションしたのだそうです。
私はその手のグラフィックシミュレーションのプログラムを書いたことがないので分かりませんが、計算と描画に時間はかかるかもしれませんが、富岳を持ち出さなくとも、私たちのオフィスで机の上に乗っているPCでも十分にできるのではないでしょうか。
富岳を用いてやって欲しいのはワクチンや治療薬の開発です。これには膨大な量のデータの参照と無限に近い回数のシミュレーションが必要になりますので、短期間に開発しようとするとスーパーコンピューターが必要でしょう。
コンピュータのプログラムを書いたことのない人は、コンピュータが行うことは正しいと勘違いしているかもしれませんが、もしそれが正しいのであれば、そのプログラムを書いた人が正しかっただけなのです。みずほ銀行のようにシステムがトラブルを起こすのは「コンピューターが間違った。」のではなく、システムのプログラムを書いた人が様々な状況を予見していなかっただけなのです。
しかし、記事を書いた記者はコンピューターを使って何かを行うというのはとてつもないことだと思っているのかもしれません。
実は、確かに大変なことです。筆者はかつて8ビットで1キロバイトのメモリしかなく、7セグメントのLEDの16進キーが載っているワンボードのコンピューターを秋葉原で買って帰ってきたことがありました。家についていそいそと箱を開けて、しばらく眺めてどうやって動かすんだろうと考え、そこで5ボルトの安定化電源が必要なことが分かって、秋葉原に買いに戻ったことがありました。やっと動くようになったコンピューターに四則の演算をするプログラムを作るのに三か月かかりました。メモリが1キロバイトですよ。芸術的なまでに短いプログラムを書かないと入らないんです。
3か月格闘してやっとできるところまでなった頃、パーソナルコンピュータというものが売り出されました。NECが売り出したPC8001という機種でBASICが搭載されていました。こんな便利なものがあるのかと感激したのですが、今度はそのBASIC上で、数字を降順や昇順に並べ替えるプログラムを作るのにうんざりするほどの時間がかかりました。
つまり、コンピューターで何かをやるというのは大変なことなのですが、それは私のプログラミング能力の問題であって、コンピューターはただひたすら私の言いつけに従っているだけなのです。
私たちはそういう時代を経ているために、コンピューターが計算したとか、コンピューターがシミュレーションを行ったとか言われても特別にありがたがったりはしません。所詮プログラム通りの作業をしたにすぎないからです。
コンピューターを使うと何か凄い結果が出てくると信じているこの記事の記者のような人たちはAIが何かを予測したら、それを妄信するんでしょうね。AIだって、作られたプログラムに従って結論を出しているにすぎないのですが。ただ、その論理が推論を可能とし、得られた推論に基づいて、さらにデータを更新して新たな条件を自らに付与して演算を繰り返していくだけのことなのです。
冒頭の研究について、どのような研究なのか読んでいないのですが、その程度のシミュレーションであれば、大学で数理社会学の基礎的な講義を聴いた学生ならノートパソコンでも簡単にやってのけるのではないかと思っています。
マイクロソフトが使い物になるWindowsを世に送り出してから四半世紀が経っています。今時「コンピューターを使って」などという記事を読むとは思いもしませんでした。
「コンピューターを使わずに」なら十分ニュースの価値がありますけどね。
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戦後一番の危機」各地でリバウンド “変異型”も
この表題は3月27日に配信されたテレ朝ニュースです。感染が2000人を超えたとか、東京の感染者が430人になったとかの話です。この日の死者は32人でした。
3月28日のイタリアの感染者は19588人、死者は457人です。陽性判定者・死者ともに日本の10倍以上です。多分、イタリアが現在の日本のレベルになったらコロナ制圧宣言を出すでしょう。
ウイルスは変異するのが普通なので変異型と言って騒ぐのも的外れもいいところです。煽るのもいい加減にしろと言いたいですね。
続きはこちらからお読みください。
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『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
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教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
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しかし、読んでいて何故かもの凄い違和感に襲われたので、もう一度読んでみました。
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だから、コンピューターを使っても正しい結論が出されているかどうかということとは別問題です。
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昨年の今頃だったと思いますが、「新型コロナウイルスに、次世代スパコン「富岳」が挑む」という記事を読んだことがあります。
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