指揮官の休日 No.216 心の糧の価値
2021/01/15 (Fri) 06:30
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、第224回 危機の迎え撃ち方 敵の「重心」を突くということ を掲載いたしました。
店で大騒ぎをしてウイルスを拾う患者のために、飲食店が時短を求められるという本末転倒の緊急事態宣言です。
敵を誤ると戦いには勝てないのですが、どうも政権も世間も敵がどこにいるのかを理解していないようです
https://aegis-cms.co.jp/2254
No.216 心の糧の価値
昨年末、高橋真梨子さんのクリスマスディナーショーに行ってきました。もちろん一人で行ったのではなく、我が家の司令長官のお供です。
場所は私の母校のすぐ隣で、時々お茶を飲んだり食事に行ったりするホテルです。彼女のディナーショーのチケットはファンクラブに入っていてもなかなか手に入らないくらいなのですが、このホテルがホテルのクラブメンバーのための優先枠をいくつか確保していたので何とか手に入れることができました。
例によってヘンリーバンドのバックによって歌った彼女でしたが、びっくりしたのは、昨年1年間で彼女が出演したステージはそのクリスマスディナーショーが3回目だということでした。私たちが行ったのは25日でしたが、ディナーショーは24日、25日の二日間行われたので、24日が2回目だったそうです。その前に、どこかのコンサートホールの完成記念のこけら落としのステージがあったのがそれ以前唯一のステージだったそうです。
高橋真梨子さんのそのホテルでのクリスマスディナーショーは一昨年で23回連続行われていて、さすがに昨年はホテルも開催しないだろうとヘンリーバンドは思っていたようで、記録は23回で途絶えると覚悟していたら、8月に予定通り開催するという連絡があって飛び上がって喜んだということでした。
彼女のようにほとんどテレビには出ないでコンサート活動を続けている人たちにとっては大変な年だったということを改めて感じました。
コロナ禍でエンターテイメント産業が大打撃を受けているということは聞いてはいましたが、よく考えたことはありませんでした。
私の父方の祖父が音楽家で、大阪シオン・ウインドオーケストラの前身である大阪市音楽団の創設者であり、当然のことながら私もファンクラブメンバーであるので、もっと深く考えておくべきだったと反省した次第です。
そんなことを思いながらディナーショーを観ていると、ステージで歌っていたり楽器を演奏している人だけではなく、照明やミキシングなどのエンジニアも相当いることが分かります。この人たちはほとんどプロダクションに属さずフリーで活動している人達ですから、より立場は弱かったはずです。
音楽だけではなく演劇の世界も同様でしょう。飲食店が時短に応じると協力金が支払われるようですが、これらの文化的な活動についてはそのような援助は望めません。
ドイツのメルケル首相は「私たちの民主主義社会は芸術を必要としている。クリエイティブな人々のクリエイティブな勇気は危機を克服するのに役立つ。」として文化活動助成のための巨額の予算を組みました。しかし、日本は歌舞伎などには補助をするかもしれませんが、ロックシンガーなどにはお金は出さないでしょう。
東日本大震災の時、打ちひしがれた東北の人々を音楽がどれだけ慰め、勇気づけたかは計り知れません。
しかし、わが国の政治はそのような評価はしません。
芸術は食べられないからです。カロリー計算ができないので、この国の官僚は芸術を評価する計算ができないのです。
芸術だけではありません。
レジャーについても同様です。あるいは余暇活動全般についても同じことが言えます。
余暇と業務に対する価値の比重がほぼ1対無限大の開きがあるのです。
ヨットが遭難して海上保安庁が救助に出ると税金の無駄遣い扱いになります。メディアの報道も操業中の漁船の遭難と荒天下のレース中のヨットの遭難では扱いが異なります。
私が最も敬愛する経営者であり、エッセイストであり、日本におけるファンダイビングの開拓者であり、卓越したヨットオーナーであり、現在ちょっと異次元の世界を航海中である田邊英蔵氏はかつてそのエッセイの中で「私は航海法規を守っている漁船を見たことがない。」と看破されましたが、私も同じです。当方が衝突予防法上の針路保持船であっても漁船に避けてもらった記憶はまずありません。
絶対に避けてくれないことを知っているので、保持船・避航船の関係になる前に避けてしまうのですが、万一衝突などしようものなら、海上保安庁がどのような取り調べをするかは見当がつきますからね。
つまり漁船は食べる魚を捕る仕事なので尊いのですが、ヨットは金持ちの娯楽でしかないということなのでしょう。しかし、海上衝突予防法が支配する海上において、業務に従事する漁船がヨットに対して法規に規定されている以上の権利を有して傍若無人に走り回ることが許されるということであれば、道路交通法によって規律される公道においては私たちは常にトラックやタクシーに怯えなければなりません。私と相性の悪いポルシェですら緑ナンバーには道を譲らなければならないのです。
一方で、法律や行政はレジャーに対して一見理解ある態度をとることがあります。
たとえば、全長3メートル未満、機関出力2馬力未満の船舶については船舶検査は不要であり、免許すら必要ないと法律を改正しました。これはバブルの頃に生じた空前のレジャーボートブームが過ぎ去り、経済が立ち直りの気配を見せてもヨット需要が帰ってこない現状にあって、釣りブームに乗じようとする業界の圧力に屈した結果です。このためちょっとした時化で遭難する船が続出し、他の船舶と行き会ってもどう避けていいのか知らない者によって操られるボードばかりになりました。
問題は海だけではありません。自転車が歩道を走れるようになりました。ママチャリを売りたい業界団体の圧力に屈したのでしょう。お陰で歩道上を安心してゆったりと歩くことができなくなりました。原付が我が物顔に走り回っても警察が取り締まりをしないのは、原付の売り上げが落ちることを危惧する業界の圧力でしょう。本来、車道で前の車を追い越すのは右側からでなければならないというのが道路交通法の規定ですが、左側を10センチの間隔も取らずにすり抜けていく原付ばかりです。これも厳しく取り締まると原付のメーカーから圧力がかかるのでしょう。
つまり、この国の政治家や官僚たちは計算できないものの価値は理解できず、業界の圧力には素直に従うのです。
芸術やエンターテイメントが持つ社会的価値はしっかりと認識されなければなりません。
余暇の過ごし方は生活の質に直結します。QOLを大事にしたいのであれば、余暇の過ごし方を真剣に考える必要があります。
コロナ禍で飲食店がやり玉に挙げられましたが、それでも時短要請に応じると何らかの保障が得られるようにはなっています。しかしエンターテイメントの世界にはそのようなものはありません。
この危機のために多くの関係者がエンターテイメントの世界から離れてしまうでしょう。
そして、この事態を教訓にこの世界に戻ってくる人や新たに入ってくる人が大きく減ってしまうのではないかと危惧しています。エンターテイメントの世界で生計を立てていくことのリスクを多くの人が感じたはずですから。
本来、何の役にも立たないどうでもいい話だけを綴ることを趣旨としているこのメールマガジンで何を堅苦しいことを言っているんだと思っておられる方が多いかと存じますが、そのバカバカしいことを語ろうと思っても、この国では食べることができるもの、モノを作ることに貢献できるものにしか価値を認めないので語る材料がそろそろなくなりつつあるということなんですね。
困ったものです。
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お勧めのコラム
株式会社ココティアコンサルティング
「中小企業に必要な、会社を担う人材育成のあり方・進め方」
https://cocotia.co.jp/column/training/activemental188
中高年のキャリアコンサルティングに経験をお持ちの(株)ココティアコンサルティング代表の高橋雅美さんのコラムです。
社内でしか通用しないスキルや能力を持つ人材をいくら育てても、会社の変化や飛躍に柔軟に対応できるとは限らないと指摘されています。
そのようなスキルではなく、未経験な領域に対してもゼロベースで挑戦する姿勢や、新しいスキルや能力を獲得していくことに貪欲な気持ち
を育てる必要があるという指摘は多くの経営者の方々にとっては耳に痛いかと拝察いたします。
その会社なりのノウハウなどは教えやすいのです。一緒に仕事をしていればなんとなく伝えることもできます。
しかし、「マインド」や「姿勢」をしっかりと伝えていくことはそう簡単ではありません。
それをどうすれば伝えていけるのか、私も知りたいと思います。
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お勧めの本
『挑戦者の流儀』 阿久澤 克之 著 Parade Books 株式会社パレード 刊
の中で、弊社代表の林が30人の経営者の一人として紹介されました。
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とが出来ます。
是非Facebookページをご訪問ください。
Twitterでも時々、折に触れて気が付いたことを呟いています。
https://twitter.com/CaptainHayashi です。
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ください
専門コラム「指揮官の決断」危機の迎え撃ち方 敵の「重心」を突くということ 掲載のご案内
前回のコラムでは、危機管理に一般原則はないと申し上げました。さすがにこの主張に対してはご意見のある方が多
いらしいのですが、危機管理にも一般原則があるとおっしゃる方は学者か現場経験のないコンサルタントのどちらかだ
ろうと思っています。
続きはこちらからお読みください。
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弊社出版物のご紹介
『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
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教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
こちらをどうぞ
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
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発行人:株式会社イージスクライシスマネジメント
代表取締役 林 祐
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No.216 心の糧の価値
昨年末、高橋真梨子さんのクリスマスディナーショーに行ってきました。もちろん一人で行ったのではなく、我が家の司令長官のお供です。
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例によってヘンリーバンドのバックによって歌った彼女でしたが、びっくりしたのは、昨年1年間で彼女が出演したステージはそのクリスマスディナーショーが3回目だということでした。私たちが行ったのは25日でしたが、ディナーショーは24日、25日の二日間行われたので、24日が2回目だったそうです。その前に、どこかのコンサートホールの完成記念のこけら落としのステージがあったのがそれ以前唯一のステージだったそうです。
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彼女のようにほとんどテレビには出ないでコンサート活動を続けている人たちにとっては大変な年だったということを改めて感じました。
コロナ禍でエンターテイメント産業が大打撃を受けているということは聞いてはいましたが、よく考えたことはありませんでした。
私の父方の祖父が音楽家で、大阪シオン・ウインドオーケストラの前身である大阪市音楽団の創設者であり、当然のことながら私もファンクラブメンバーであるので、もっと深く考えておくべきだったと反省した次第です。
そんなことを思いながらディナーショーを観ていると、ステージで歌っていたり楽器を演奏している人だけではなく、照明やミキシングなどのエンジニアも相当いることが分かります。この人たちはほとんどプロダクションに属さずフリーで活動している人達ですから、より立場は弱かったはずです。
音楽だけではなく演劇の世界も同様でしょう。飲食店が時短に応じると協力金が支払われるようですが、これらの文化的な活動についてはそのような援助は望めません。
ドイツのメルケル首相は「私たちの民主主義社会は芸術を必要としている。クリエイティブな人々のクリエイティブな勇気は危機を克服するのに役立つ。」として文化活動助成のための巨額の予算を組みました。しかし、日本は歌舞伎などには補助をするかもしれませんが、ロックシンガーなどにはお金は出さないでしょう。
東日本大震災の時、打ちひしがれた東北の人々を音楽がどれだけ慰め、勇気づけたかは計り知れません。
しかし、わが国の政治はそのような評価はしません。
芸術は食べられないからです。カロリー計算ができないので、この国の官僚は芸術を評価する計算ができないのです。
芸術だけではありません。
レジャーについても同様です。あるいは余暇活動全般についても同じことが言えます。
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ヨットが遭難して海上保安庁が救助に出ると税金の無駄遣い扱いになります。メディアの報道も操業中の漁船の遭難と荒天下のレース中のヨットの遭難では扱いが異なります。
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一方で、法律や行政はレジャーに対して一見理解ある態度をとることがあります。
たとえば、全長3メートル未満、機関出力2馬力未満の船舶については船舶検査は不要であり、免許すら必要ないと法律を改正しました。これはバブルの頃に生じた空前のレジャーボートブームが過ぎ去り、経済が立ち直りの気配を見せてもヨット需要が帰ってこない現状にあって、釣りブームに乗じようとする業界の圧力に屈した結果です。このためちょっとした時化で遭難する船が続出し、他の船舶と行き会ってもどう避けていいのか知らない者によって操られるボードばかりになりました。
問題は海だけではありません。自転車が歩道を走れるようになりました。ママチャリを売りたい業界団体の圧力に屈したのでしょう。お陰で歩道上を安心してゆったりと歩くことができなくなりました。原付が我が物顔に走り回っても警察が取り締まりをしないのは、原付の売り上げが落ちることを危惧する業界の圧力でしょう。本来、車道で前の車を追い越すのは右側からでなければならないというのが道路交通法の規定ですが、左側を10センチの間隔も取らずにすり抜けていく原付ばかりです。これも厳しく取り締まると原付のメーカーから圧力がかかるのでしょう。
つまり、この国の政治家や官僚たちは計算できないものの価値は理解できず、業界の圧力には素直に従うのです。
芸術やエンターテイメントが持つ社会的価値はしっかりと認識されなければなりません。
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コロナ禍で飲食店がやり玉に挙げられましたが、それでも時短要請に応じると何らかの保障が得られるようにはなっています。しかしエンターテイメントの世界にはそのようなものはありません。
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