メールマガジン「指揮官の休日」 No.428 三流校
2025/09/12 (Fri) 06:30
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、第445回 少子化対策について を掲載いたしました。
世間では、こども家庭庁が予算の無駄遣いをしていると喧しく批判していますが、少子化対策は効を奏しています。
それを批判するのは、言葉の意味を理解しない連中でしょう。
https://aegis-cms.co.jp/3593
No.428 三流校
弊社がウェブサイトに掲載している専門コラムの第443号「陰謀論をどう考えるか その4」で筆者は、東京大学は他学部は分からないものの、こと経済学に関しては三流校であると述べました。(https://aegis-cms.co.jp/3583 )
このコラムに対し、何人かの先輩から、「お前、そんなことを言って大丈夫か?」とご心配を頂きました。
このところ、弊社のコラムや筆者のメールマガジンに対し、いろいろな方々からご意見や励ましのお言葉をいただき、ありがたいと思っておりますが、ここ数カ月、尋常な状況ではなく、様々な事情により、頂いたメールに返信できずにおります。
ただ、今回は、筆者が東京大学を三流校と決めつけたことに対する疑問が提示されたので、そこはしっかりと説明する必要があると考えあした。しかし、危機管理の話ではないので、専門カラムではなく、このメールマガジン上でお答えしようと思います。
筆者が、同大学を経済学に関して、ろくでもない大学だと言い切ったのには根拠があります。
教員にろくな教員がいないからです。
現日銀総裁は東大経済学部の教授だったはずです。この人が現在の日本の経済状況を理解していないのですから、その教え子たちはひどいものだろうなと思っていました。
この数年間、様々な省庁の若手の官僚たちと話をする機会があるのですが、その中で東大経済学部卒の官僚と話をしていて、やはりそうかと思うことがありました。
各省庁の予算要求の話から発展し、マクロ経済の話になったとき、彼がこう言ったのです。「インフレって、継続的に物価が上昇し続けることですよね。」
筆者は耳を疑って聞き直したほどでした。
そいつは東大経済学部を卒業して、第一種公務員試験に合格して官僚となった奴です。
彼は、本当にそう信じていたようです。筆者が「現象としては、そうなることが多いけど、インフレの定義は違うよ。」と言うと不思議そうな顔をします。
次の回に彼に会ったとき、彼は勝ち誇ったように、「林さんはそう言うけど、Wikipediaも私と同意見ですよ。」と言って見せてくれました。
そこには次のように記載されていました。
「一定期間にわたって物価の水準が上昇し続ける状態を指す。」
その続きに、様々なインフレの種類について述べられていました。
例えば、デマンドプルインフレやコストプッシュインフレなどです。
それらを総合すると、彼の説明は決して間違いではないのですが、しかし、その定義ではインフレやデフレは説明できても、スタグフレーションをうまく説明できません。
Wikipeidaもその説明が苦しそうで、端折って説明しています。
つまり、その若手官僚も日銀総裁と同様、現在の日本はデフレを脱却して、インフレ状態に入っていると認識しているのです。かつ、Wikipediaが正しいと思っているのです。
Wikipediaが正しいと考えているのは、メディア関係者、政治家、評論家などですが、専門家は、自分の専門に関してはWikipediaの間違いを指摘することができなければなりません。
筆者は経済学は専門ではありませんが、このWikipediaの間違いくらいなら簡単に指摘できます。
筆者にマクロ経済学の講義をしてくれたのは黒田日銀総裁の下で副総裁を務めた岩田規久男氏でしたが、その講義を聴いていれば、この状態がスタグフレーションと言われる状態であることが理解できるのですが、植田先生が教えた東京大学の卒業生は理解していないのです。
筆者が学生時代、経済原論を近代経済学で教えていた大学は全国の20%であり、80%はマルクス経済学で経済原論を教えていました。
マル経が基礎ならマクロが理解できないのも仕方ありません。マルクスはどう考えても経済学者ではなく、その資本論も経済学の本ではありませんから。
つまり、東大経済学部は筆者が学生であった半世紀前から三流校だったのです。
同じことは慶應義塾大学についても言えます。
同校の経済学の教授にはろくな教員がいません。
竹中平蔵が名誉教授です。同じ名誉教授に、いまだにマルクス経済学者というタイトルで自己紹介をしている金子勝もいます。
慶應経済学部の現役の教授では寺井公子という教員がいます。数か月前のNHKの番組の「日曜討論」を着替えをしながら観ていたら「消費税っていうのは一度下げると、次に元に戻すのに相当なエネルギーがかかるっていうのは、私たち経験していることで・・・」と言われたのでびっくりしました。この教員は財政・金融が専門だそうですが、この時同じ番組に出演していたコメンテータも、司会のNHKの解説委員も何も言わなかったので、筆者も一瞬錯覚しました。「消費税が減税されたことがあったんだ・・・」
次の瞬間に、どの政権がやったのだろうと思い返し、「そんなことはないはず。こいつが嘘をついている。」と思い直しました。
結果的に彼女の嘘でした。
この教員はガチガチの緊縮財政派で、財政や金融が専門という割に、国債発行が国の借金だと思っている〇×なので、そもそも教育のしようがありません。
天動説を信じている奴に、天文現象を説明できないのと同じです。
東大の経済学の教授も、ことマクロ経済に関しては同じような連中なので、この両大学は経済学に関しては三流校だと考えています。
筆者が高校生のころ、慶應経済学部の偏差値は私立文系で断トツのトップだったはずです。
なぜ三流校がトップだったのかという理由は簡単です。
戦前にこの大学の学生は社会ではエリートだったはずです。その人たちが戦争が終わって、この国の社会を支え、経済を復興させました。この人たちは本当に優秀だったであろうし、エリートとしての気概も持っていたようです。そして、学閥を作りました。
現在でもこの学校の同窓会本部は帝国ホテルの中にあるはずです。
この大学の経済学部を出ていると就職にものすごく有利だったのです。
就職が有利だったので、優秀な学生が集まりました。ただ、その大学の教員に選ばれた連中がお粗末だったため、そのお粗末な教員に教えられた学生が優秀なはずはありません。
天動説の学者に教えられたら、どんな優秀な学生もまともな天文学者にはなりません。
ただ、慶應義塾大学のすごいところは、そこに在学するだけで人が育つことです。
歴史あるエリート養成校というのは、そういう雰囲気を持っています。、現政権トップのような品のないとんでもない生き物を産み出したりしますが、そいつは例外なんでしょう。
やはり自分たちが社会的にエリートであることを自覚している人たちは、ノブレス・オブリージュ(高貴なる者は義務を負う。)を潜在的あるいは顕在的に認識しており、卒業後、それなりの活躍をされている方が多いかと思います。社会的エリートとして、コンプレックスなしに過ごした青春時代が、その人格形成に大きく影響しているのでしょう。
しかし、このところの慶應義塾大学が経済学の観点からみると三流校であることには変わりません。教員がお粗末すぎるんです。
ただ、それにも関わらず卒業生には、立派な方がたくさんいらっしゃいます。つまり、大学で学んだことなど、実社会に出たらほとんど関係なく、その社会でどれだけ勉強したかが問われるということです。
政治家がお〇×なのは、彼らが学校を出てから学ぶことをしないからです。経済について、財務省の言いなりになっているので、マクロ経済を理解できません。
一般の方々は、財務省の役人は経済の専門家だとお考えかもしれませんが、彼らがマクロ経済を理解していないことは、矢野論文を読めば明らかです。
彼らは経済のスペシャリストではなく、国の財務の専門家なのです。彼らからマクロ経済を学ぶことはできません。筆者のところに来る若手官僚には、むしろこちらから教えてやらなければならないくらいです。
東大も慶應は筆者の専門とする組織論に関しても三流校でした。
筆者が大学院で近代組織論を学んでいるときに、東大の経営学の院生や慶應商学部卒業の院生たちは伝統的なドイツ経営経済学を学んでいました。この連中とは学会で顔を合わせても話が合わないのです。
彼らは、まずアメリカ流の近代組織論を否定するところから議論をスタートさせます。ちょうど、現在、伝統的な経済学を教えている教員たちがMMTを否定してかかるのと似ています。
それは筆者が学生時代の半世紀前の話ですので、現在、まだドイツ経営経済学を教えていると思いませんが、筆者が海上自衛隊の在職中にびっくりしたことがあります。
ちょうど25年ほど前、筆者は二度目となる海上自衛隊幹部学校の学生でした。最初は指揮幕僚課程で、入校したのは一等海尉の時でした。25年前は二回目の入校で、高級課程学生として過ごしました。入校時は二等海佐でした。
この両方の課程で、教務に経営学の先生に頼んで教えに来ていただいていました。指揮幕僚課程では防衛大学校から組織論の先生が来られ、高級課程では慶應大から商学部の先生が来られました。
この慶應の商学部の先生がドイツ経営経済学の信者で、その講義もひどいものでした。何せ、ドイツ経営経済学というのは、「経営学とは、資本主義下における営利企業の経営を研究する学問」という妙な定義づけがあり、筆者のように、外交政策の意思決定など組織における意思決定プロセスを研究するなどというのは、とんでもないことなのです。
専門の話はほとんどせずに雑談で終始する始末です。わずかにあった専門の議論も、経営学科出身の筆者には分かっても、防大出身の同期生たちにはほとんど分からない内容だったはずです。筆者の感想としては、慶應の商学部というのは、まったく変わってないなぁというものでした。
これが東大と慶應が経済学と経営学に関しては三流校であると筆者が断言する理由です。
皆さま、この記事がメールマガジンで送られていることにご留意ください。
基本的にはどうでもいいことを無責任に書き綴っているだけのものですので、この筆者の見解について、本格的な議論は致しません。
専門コラムの内容についてなら、責任ある議論をさせていただきますが、メールマガジンについては、たんなる筆者の感想ですので、ご高配を賜りたく存じます。
本メールマガジンは慶應義塾大学出身や東京大学出身の方々にも配信されていることは承知しております。多分、どちらの方も、お前の主張は間違っている、とはおっしゃらないかと思います。振り返ってみればそうだよなと思われているはずです。
そういう方々は、エリート校で有意義な青春時代を過ごし、社会に出てから真剣に学ばれた方々なのでしょう。本当に実力のある方というのは、そういう方々の中にいます。
エリート校を出て、政治家になって、自分が国会に提出している予算書の中身を理解していない〇×の政府首脳とは、そこが違うのでしょう。
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専門コラム 第445回 少子化対策について
こども家庭庁の年間予算役7兆円が無駄だという指摘があります。
その根拠が、成果が見えないということであり、その予算が何に使われれているのかがよく分からないということなのです。
予算の使い方については会計検査院が毎年検査をしており、本当に政策目的を達していないのであれば、会計検査院が国会に報告するはずです。
会計検査院は、その政策目的そのものには疑義を表しません。それは国会で議論すべき問題であるからです。検査院は、政策目的を是としたうえで、その目的達成のために予算が正しく使われているかをチェックしています。その検査院の報告書を見れば、会計検査の結果が分かります。事前には予算書を見ればわかりますし、事後的には決算委員会に提出される 資料を読めば分かりますし、1年後でよければ会計検査院の報告を読めばわかります。
そのような作業をせずに使途不明という指摘は見当はずれです。
ネット上でのこども家庭庁に対する批判のほとんどはそのレベルです。
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Facebookページ 「指揮官の決断/休日」 https://www.facebook.com/aegis.cm
Facebookページでは、当メールマガジンでは見ることのできない写真もご覧頂くこ
とが出来ます。
是非Facebookページをご訪問ください。
Twitterでも時々、折に触れて気が付いたことを呟いています。
https://twitter.com/CaptainHayashi です。
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弊社出版物のご紹介
『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
セルバ出版
お求めの方は、こちらからどうぞ。
https://aegis-cms.co.jp/book1
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メールマガジン及び専門コラムのバックナンバーをお読みいただけます。
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教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
こちらをどうぞ
https://aegis-cms.co.jp
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
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発行人:株式会社イージスクライシスマネジメント
代表取締役 林 祐
email: yhayashi@aegis-cms.co.jp
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No.428 三流校
弊社がウェブサイトに掲載している専門コラムの第443号「陰謀論をどう考えるか その4」で筆者は、東京大学は他学部は分からないものの、こと経済学に関しては三流校であると述べました。(https://aegis-cms.co.jp/3583 )
このコラムに対し、何人かの先輩から、「お前、そんなことを言って大丈夫か?」とご心配を頂きました。
このところ、弊社のコラムや筆者のメールマガジンに対し、いろいろな方々からご意見や励ましのお言葉をいただき、ありがたいと思っておりますが、ここ数カ月、尋常な状況ではなく、様々な事情により、頂いたメールに返信できずにおります。
ただ、今回は、筆者が東京大学を三流校と決めつけたことに対する疑問が提示されたので、そこはしっかりと説明する必要があると考えあした。しかし、危機管理の話ではないので、専門カラムではなく、このメールマガジン上でお答えしようと思います。
筆者が、同大学を経済学に関して、ろくでもない大学だと言い切ったのには根拠があります。
教員にろくな教員がいないからです。
現日銀総裁は東大経済学部の教授だったはずです。この人が現在の日本の経済状況を理解していないのですから、その教え子たちはひどいものだろうなと思っていました。
この数年間、様々な省庁の若手の官僚たちと話をする機会があるのですが、その中で東大経済学部卒の官僚と話をしていて、やはりそうかと思うことがありました。
各省庁の予算要求の話から発展し、マクロ経済の話になったとき、彼がこう言ったのです。「インフレって、継続的に物価が上昇し続けることですよね。」
筆者は耳を疑って聞き直したほどでした。
そいつは東大経済学部を卒業して、第一種公務員試験に合格して官僚となった奴です。
彼は、本当にそう信じていたようです。筆者が「現象としては、そうなることが多いけど、インフレの定義は違うよ。」と言うと不思議そうな顔をします。
次の回に彼に会ったとき、彼は勝ち誇ったように、「林さんはそう言うけど、Wikipediaも私と同意見ですよ。」と言って見せてくれました。
そこには次のように記載されていました。
「一定期間にわたって物価の水準が上昇し続ける状態を指す。」
その続きに、様々なインフレの種類について述べられていました。
例えば、デマンドプルインフレやコストプッシュインフレなどです。
それらを総合すると、彼の説明は決して間違いではないのですが、しかし、その定義ではインフレやデフレは説明できても、スタグフレーションをうまく説明できません。
Wikipeidaもその説明が苦しそうで、端折って説明しています。
つまり、その若手官僚も日銀総裁と同様、現在の日本はデフレを脱却して、インフレ状態に入っていると認識しているのです。かつ、Wikipediaが正しいと思っているのです。
Wikipediaが正しいと考えているのは、メディア関係者、政治家、評論家などですが、専門家は、自分の専門に関してはWikipediaの間違いを指摘することができなければなりません。
筆者は経済学は専門ではありませんが、このWikipediaの間違いくらいなら簡単に指摘できます。
筆者にマクロ経済学の講義をしてくれたのは黒田日銀総裁の下で副総裁を務めた岩田規久男氏でしたが、その講義を聴いていれば、この状態がスタグフレーションと言われる状態であることが理解できるのですが、植田先生が教えた東京大学の卒業生は理解していないのです。
筆者が学生時代、経済原論を近代経済学で教えていた大学は全国の20%であり、80%はマルクス経済学で経済原論を教えていました。
マル経が基礎ならマクロが理解できないのも仕方ありません。マルクスはどう考えても経済学者ではなく、その資本論も経済学の本ではありませんから。
つまり、東大経済学部は筆者が学生であった半世紀前から三流校だったのです。
同じことは慶應義塾大学についても言えます。
同校の経済学の教授にはろくな教員がいません。
竹中平蔵が名誉教授です。同じ名誉教授に、いまだにマルクス経済学者というタイトルで自己紹介をしている金子勝もいます。
慶應経済学部の現役の教授では寺井公子という教員がいます。数か月前のNHKの番組の「日曜討論」を着替えをしながら観ていたら「消費税っていうのは一度下げると、次に元に戻すのに相当なエネルギーがかかるっていうのは、私たち経験していることで・・・」と言われたのでびっくりしました。この教員は財政・金融が専門だそうですが、この時同じ番組に出演していたコメンテータも、司会のNHKの解説委員も何も言わなかったので、筆者も一瞬錯覚しました。「消費税が減税されたことがあったんだ・・・」
次の瞬間に、どの政権がやったのだろうと思い返し、「そんなことはないはず。こいつが嘘をついている。」と思い直しました。
結果的に彼女の嘘でした。
この教員はガチガチの緊縮財政派で、財政や金融が専門という割に、国債発行が国の借金だと思っている〇×なので、そもそも教育のしようがありません。
天動説を信じている奴に、天文現象を説明できないのと同じです。
東大の経済学の教授も、ことマクロ経済に関しては同じような連中なので、この両大学は経済学に関しては三流校だと考えています。
筆者が高校生のころ、慶應経済学部の偏差値は私立文系で断トツのトップだったはずです。
なぜ三流校がトップだったのかという理由は簡単です。
戦前にこの大学の学生は社会ではエリートだったはずです。その人たちが戦争が終わって、この国の社会を支え、経済を復興させました。この人たちは本当に優秀だったであろうし、エリートとしての気概も持っていたようです。そして、学閥を作りました。
現在でもこの学校の同窓会本部は帝国ホテルの中にあるはずです。
この大学の経済学部を出ていると就職にものすごく有利だったのです。
就職が有利だったので、優秀な学生が集まりました。ただ、その大学の教員に選ばれた連中がお粗末だったため、そのお粗末な教員に教えられた学生が優秀なはずはありません。
天動説の学者に教えられたら、どんな優秀な学生もまともな天文学者にはなりません。
ただ、慶應義塾大学のすごいところは、そこに在学するだけで人が育つことです。
歴史あるエリート養成校というのは、そういう雰囲気を持っています。、現政権トップのような品のないとんでもない生き物を産み出したりしますが、そいつは例外なんでしょう。
やはり自分たちが社会的にエリートであることを自覚している人たちは、ノブレス・オブリージュ(高貴なる者は義務を負う。)を潜在的あるいは顕在的に認識しており、卒業後、それなりの活躍をされている方が多いかと思います。社会的エリートとして、コンプレックスなしに過ごした青春時代が、その人格形成に大きく影響しているのでしょう。
しかし、このところの慶應義塾大学が経済学の観点からみると三流校であることには変わりません。教員がお粗末すぎるんです。
ただ、それにも関わらず卒業生には、立派な方がたくさんいらっしゃいます。つまり、大学で学んだことなど、実社会に出たらほとんど関係なく、その社会でどれだけ勉強したかが問われるということです。
政治家がお〇×なのは、彼らが学校を出てから学ぶことをしないからです。経済について、財務省の言いなりになっているので、マクロ経済を理解できません。
一般の方々は、財務省の役人は経済の専門家だとお考えかもしれませんが、彼らがマクロ経済を理解していないことは、矢野論文を読めば明らかです。
彼らは経済のスペシャリストではなく、国の財務の専門家なのです。彼らからマクロ経済を学ぶことはできません。筆者のところに来る若手官僚には、むしろこちらから教えてやらなければならないくらいです。
東大も慶應は筆者の専門とする組織論に関しても三流校でした。
筆者が大学院で近代組織論を学んでいるときに、東大の経営学の院生や慶應商学部卒業の院生たちは伝統的なドイツ経営経済学を学んでいました。この連中とは学会で顔を合わせても話が合わないのです。
彼らは、まずアメリカ流の近代組織論を否定するところから議論をスタートさせます。ちょうど、現在、伝統的な経済学を教えている教員たちがMMTを否定してかかるのと似ています。
それは筆者が学生時代の半世紀前の話ですので、現在、まだドイツ経営経済学を教えていると思いませんが、筆者が海上自衛隊の在職中にびっくりしたことがあります。
ちょうど25年ほど前、筆者は二度目となる海上自衛隊幹部学校の学生でした。最初は指揮幕僚課程で、入校したのは一等海尉の時でした。25年前は二回目の入校で、高級課程学生として過ごしました。入校時は二等海佐でした。
この両方の課程で、教務に経営学の先生に頼んで教えに来ていただいていました。指揮幕僚課程では防衛大学校から組織論の先生が来られ、高級課程では慶應大から商学部の先生が来られました。
この慶應の商学部の先生がドイツ経営経済学の信者で、その講義もひどいものでした。何せ、ドイツ経営経済学というのは、「経営学とは、資本主義下における営利企業の経営を研究する学問」という妙な定義づけがあり、筆者のように、外交政策の意思決定など組織における意思決定プロセスを研究するなどというのは、とんでもないことなのです。
専門の話はほとんどせずに雑談で終始する始末です。わずかにあった専門の議論も、経営学科出身の筆者には分かっても、防大出身の同期生たちにはほとんど分からない内容だったはずです。筆者の感想としては、慶應の商学部というのは、まったく変わってないなぁというものでした。
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そういう方々は、エリート校で有意義な青春時代を過ごし、社会に出てから真剣に学ばれた方々なのでしょう。本当に実力のある方というのは、そういう方々の中にいます。
エリート校を出て、政治家になって、自分が国会に提出している予算書の中身を理解していない〇×の政府首脳とは、そこが違うのでしょう。
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専門コラム 第445回 少子化対策について
こども家庭庁の年間予算役7兆円が無駄だという指摘があります。
その根拠が、成果が見えないということであり、その予算が何に使われれているのかがよく分からないということなのです。
予算の使い方については会計検査院が毎年検査をしており、本当に政策目的を達していないのであれば、会計検査院が国会に報告するはずです。
会計検査院は、その政策目的そのものには疑義を表しません。それは国会で議論すべき問題であるからです。検査院は、政策目的を是としたうえで、その目的達成のために予算が正しく使われているかをチェックしています。その検査院の報告書を見れば、会計検査の結果が分かります。事前には予算書を見ればわかりますし、事後的には決算委員会に提出される 資料を読めば分かりますし、1年後でよければ会計検査院の報告を読めばわかります。
そのような作業をせずに使途不明という指摘は見当はずれです。
ネット上でのこども家庭庁に対する批判のほとんどはそのレベルです。
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1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
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2 スポットコンサルティング
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と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
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について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
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4 テーラード・コンサルティング
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5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://aegis-cms.co.jp/cpx
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発行人:株式会社イージスクライシスマネジメント
代表取締役 林 祐
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