指揮官の休日 No.185 バケ学なんか嫌いだ!
2020/06/12 (Fri) 06:30
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加2をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、第193回 言論という名の暴力 その2 を掲載いたしました。
憲法の手厚い保護のもと、やりたい放題のマスコミについて考えています。
No.185 バケ学なんか嫌いだ!
かつて私は海上自衛隊に在職し、自衛艦隊司令部の監理主任幕僚という配置にいたことがあります。自衛艦隊司令部というのは往年の連合艦隊司令部のようなもので、海上自衛隊の艦艇や航空機など作戦兵力を一元的に指揮する司令部であり、その監理主任幕僚というのは会社でいえば総務部長のような配置です。中国の漢クラス原子力潜水艦の領海侵犯事件があったりインドネシアの地震津波被害が起きた年でした。
自衛艦隊司令部には艦隊医務長という配置があり、1等海佐の医官が補職されていました。防衛医科大学校出身で、次にはどこかの自衛隊病院の院長になる予定のエリート医官です。
彼は司令官や私たち幕僚が体調を崩したりすると診てくれるのですが、司令部に医務室があるわけでもなく、彼の役割は自衛艦隊全体の医務衛生に関して司令官を専門的に補佐することにあります。その意味では私の職務とかぶる部分が大きいので、彼とはよくいろいろな問題について検討を一緒にやっていました。
ある時、彼に「夕食に300グラムのステーキを食べると翌日体重が1キロ増えるのは何故だ?」と尋ねたことがあります。
彼は「もう若くないんだから、監理主任の歳で300グラムのステーキは食べすぎです。」などと言うので、「俺はそんなことは訊いてない。質問に答えろ。」というと、何やら栄養のバランスがどうのこうのと意味不明なことを言って濁してしましました。挙句の果てには「ビールとかワインも飲んだでしょ?」とか言い出します。「そりゃ飲んだけどトイレだって行ったぜ。」などというレベルの会話で終わってしまいました。
その後しばらく経って、ある船に仕事で乗艦し、その船の看護長がかつて若い頃乗っていた船の衛生員であったので懐かしく、彼の先任伍長室で昔話などしていた時に、同じ質問をしてみました。そうすると彼はとても明確に「タンパク質が体内で蓄積される時、脂肪として蓄積されると質量が大きくなるんです。」と答えました。だから300グラムのステーキを食べて体重が1キロ増えても不思議はありませんということなのだそうです。「えっ?!質量は不変なんじゃないの?」とは思いましたが、生体内では何か不思議な化学反応が起きているようでした。
彼は自衛隊入隊前に栄養士の資格を取得しており、艦隊医務長ですら知らなかったことをちゃんと知っていたのです。
私はどうもその手の議論が苦手で、化学とか生化学などという学問には畏怖の念と恐怖心の双方を抱いています。
最初に大学進学を考えた時には天文学か動物学、あるいは人類学をやろうと思っていました。私は人と付き合うのが嫌いで、会社で営業など言うのはとんでもないと思っていたので、これらの専門を選んでいたように思います。これらの専門領域が相手にするのは宇宙人、動物、古代人なので、生身の人間を相手にしなくていいと思っていたようです。(最終的に経営組織論を研究するようになったのは皮肉なものです。)
ただ、それぞれの進学には大きな問題がありました。私はモノを覚えるということがほとんどできません。なので、歴史上の事件が何年に起きたかなどいうことを覚えるのが苦手でした。語呂合わせで覚えるというのも潔さが無いといって嫌っていたのですが、語呂合わせですら何かを覚えることが苦手だったにすぎないかもしれません。
物理や数学は好きでした。物理などはどの項目も公式を二つくらい知っていれば何とかなりました。
相対性理論だって測地線の方程式と重力場の方程式の二つです。
天文航法の原理が簡単な球面三角形の方程式二つからなっていることを知った時は感動すら覚えたものです。そんな方程式二つで示される原理で、光すら何万年もかかる距離にある星の高度を測るだけで地球上の自分の位置が分かるなどということに感動していたのです。
ところが理科系に進学するためには凄まじい壁が立ちはだかっていました。今はどうか知りませんが、当時、理科系の学部に進学するためには数学のほかに理科系の科目を2科目選択する必要がありました。
物理はOKです。ところがものを覚えることが出来ない私には他の1科目が選択できません。特に化学は鬼門でした。元素の周期表などを覚えるのは最初から「無理!」と思っていましたし、亀の甲羅を見ると胸が悪くなります。まして化学式の計算なんて論外です。
最終的に、社会科2科目のうち1科目を数学に代えて選択できた経済学部に入学することになったのは、単にモノを覚えることができなかったからであり、経済学を学びたいなどと思ったわけではありません。正直なところ、経済学などと言う学問はいまだに好きではありません。世の中のことを何も説明してくれないし、学者や識者によってこれほど言っていることがバラバラな学問体系も珍しいでしょう。
経済学修士号は組織論で取得したので経済学そのものは学部で勉強しただけで、財政学や経済政策などは素人なのですが、その貧弱な知識では、この非常時にまだ財政規律やプライマリーバランスなどにこだわる財務省の考え方が理解できません。
そもそも財務省のいう日本は借金大国という理屈も正直なところ理解していません。
日露戦争の時に高橋是清が戦費調達のため日本の外債を買ってもらおうと必死になって世界中を飛び歩いていたのとは訳がちがうのです。自国通貨を発行していて変動相場制を取っている国が自国通貨建ての国債を発行して、そのほとんどが国内の銀行や証券会社で買われていてどこで借金大国になるのが分かりません。
ただ、サミュエルソン以降の近代経済学はモデル分析に関する極めてエレガントな体系を持っています。この手法は経済分析のみならず、いろいろな応用が出来てとても便利であることは事実です。
私は幸いにも経済原論は近代経済学で教育を受けました。当時、経済原論はマルクスで教えている大学が多数派であり、近代経済学は少数派でした。あの頃、マルクスを教えていた先生方やそれを勉強していた学生たちは今どうしているのかなぁなどと思うことがあります。
経済学のいいところは、社会科学の分野の中ではモノを覚えなければならないことが圧倒的に少ないことです。理解すればいいだけのことで、何かを暗記しなければ問題が解けないということがほとんどありません。
一歩間違って法学部などに行こうものなら、ゾッとするほど暗記しなければならなかったでしょう。
いずれにせよ、バケ学は苦手です。
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お勧めのコラム
アフターコロナにおいて、企業は新しい勤務形態を採用していくことが多くなるかもしれません。
そこにはまた新たな管理上の問題が生ずるはずです。長い閉塞感の後に始まる新しい勤務形態に多
くの人々がストレスを抱えるでしょう。
当コラムでは専門外のためメンタルヘルスの問題を扱うことがあまりありませんが、メンバーの
メンタルヘルスの維持は危機管理上も極めて重要な問題です。
アクティブメンタルという概念を中心に活気ある組織を作ることを提唱しているコンサルティング
ファームであり、弊社のコンサルティングがカバーしていないメンタルヘルスの問題を扱っている株
式会社ココティアコンサルティングというコンサルティングファームのコラムはその意味で大変に参
考になります。
代表の高橋雅美さんはご自分の経験をもとに独自のコンサルティング手法を編み出し、強靭な組織
づくりのアドバイスをしています。メンタルヘルスで悩みを抱えておられる経営者の方々には大変参
考になるコラムを掲載されていますので、ご一読をお勧めします。
https://cocotia.co.jp/category/column
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第193回 言論という名の暴力 その2
前回、当コラムで池上彰氏の解説について疑義を唱えたところ、本当にそうなのかという反応を頂き、もう少し説明せよというご意見がありました。
私は別に経済論議をしたかったわけではなく、マスメディアというものがいかに信頼性の低いものなのかを例証するために持ち出したものだったのですが、例示した対象が大物過ぎたかもしれません。確かに池上氏の解説は分かりやすく、誰にでも時事問題を理解させるという難しい課題をそれなりにこなされているので傾聴に値するかとも思われます。普段、政治や経済の問題にあまり関心がなかった人たちに関心を持たせる話術も素晴らしいものがあります。ただ、残念なことに経済問題はあまり理解されていないようです。中東問題についても「アレッ?」と思うこともあるのですが、それこそ私も偉そうなことは言えないので論及しません。
経済に関する議論について池上氏が苦手なのかもしれないと思うのは、どうも彼のよって立つ経済理論が恐ろしく古く、とても平成以後の経済情勢を語る理論ではないのではないかという疑問があるからです。
https://aegis-cms.co.jp/2027
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弊社出版物のご紹介
『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
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教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://aegis-cms.co.jp/cpx
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発行人:株式会社イージスクライシスマネジメント
代表取締役 林 祐
email: yhayashi@aegis-cms.co.jp
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かつて私は海上自衛隊に在職し、自衛艦隊司令部の監理主任幕僚という配置にいたことがあります。自衛艦隊司令部というのは往年の連合艦隊司令部のようなもので、海上自衛隊の艦艇や航空機など作戦兵力を一元的に指揮する司令部であり、その監理主任幕僚というのは会社でいえば総務部長のような配置です。中国の漢クラス原子力潜水艦の領海侵犯事件があったりインドネシアの地震津波被害が起きた年でした。
自衛艦隊司令部には艦隊医務長という配置があり、1等海佐の医官が補職されていました。防衛医科大学校出身で、次にはどこかの自衛隊病院の院長になる予定のエリート医官です。
彼は司令官や私たち幕僚が体調を崩したりすると診てくれるのですが、司令部に医務室があるわけでもなく、彼の役割は自衛艦隊全体の医務衛生に関して司令官を専門的に補佐することにあります。その意味では私の職務とかぶる部分が大きいので、彼とはよくいろいろな問題について検討を一緒にやっていました。
ある時、彼に「夕食に300グラムのステーキを食べると翌日体重が1キロ増えるのは何故だ?」と尋ねたことがあります。
彼は「もう若くないんだから、監理主任の歳で300グラムのステーキは食べすぎです。」などと言うので、「俺はそんなことは訊いてない。質問に答えろ。」というと、何やら栄養のバランスがどうのこうのと意味不明なことを言って濁してしましました。挙句の果てには「ビールとかワインも飲んだでしょ?」とか言い出します。「そりゃ飲んだけどトイレだって行ったぜ。」などというレベルの会話で終わってしまいました。
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私はどうもその手の議論が苦手で、化学とか生化学などという学問には畏怖の念と恐怖心の双方を抱いています。
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ただ、それぞれの進学には大きな問題がありました。私はモノを覚えるということがほとんどできません。なので、歴史上の事件が何年に起きたかなどいうことを覚えるのが苦手でした。語呂合わせで覚えるというのも潔さが無いといって嫌っていたのですが、語呂合わせですら何かを覚えることが苦手だったにすぎないかもしれません。
物理や数学は好きでした。物理などはどの項目も公式を二つくらい知っていれば何とかなりました。
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そもそも財務省のいう日本は借金大国という理屈も正直なところ理解していません。
日露戦争の時に高橋是清が戦費調達のため日本の外債を買ってもらおうと必死になって世界中を飛び歩いていたのとは訳がちがうのです。自国通貨を発行していて変動相場制を取っている国が自国通貨建ての国債を発行して、そのほとんどが国内の銀行や証券会社で買われていてどこで借金大国になるのが分かりません。
ただ、サミュエルソン以降の近代経済学はモデル分析に関する極めてエレガントな体系を持っています。この手法は経済分析のみならず、いろいろな応用が出来てとても便利であることは事実です。
私は幸いにも経済原論は近代経済学で教育を受けました。当時、経済原論はマルクスで教えている大学が多数派であり、近代経済学は少数派でした。あの頃、マルクスを教えていた先生方やそれを勉強していた学生たちは今どうしているのかなぁなどと思うことがあります。
経済学のいいところは、社会科学の分野の中ではモノを覚えなければならないことが圧倒的に少ないことです。理解すればいいだけのことで、何かを暗記しなければ問題が解けないということがほとんどありません。
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