指揮官の休日 No.175 口は禍の元、筆も災いの元
2020/04/03 (Fri) 06:30
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加2をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、第183回 言っちゃダメなこと、やっちゃいけないこと を掲載いたしました。
またまたコロナウイルスの話題で我ながらうんざりしていますが、いくつかの気づきの点について綴っています。
詳しくは、https://aegis-cms.co.jp/1943 をご覧ください。
No.175 口は禍の元、筆も災いの元
大変なことを口走ってしまったと思っています。
事の発端は先に配信したメールマガジンです。(メールマガジン「指揮官の休日」No.169 加山さん https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all&m=204&fbclid=IwAR2VJediHaKChnUynOajJXRJbhkRDhyLlEwXtNuD8SdNYQ-mCxtDeYBHK0w )
このメールマガジンでは愛船を船火事で失った加山雄三さんがさぞかし落胆されているであろうとその心中を推し量っています。私も昨年の台風で愛艇が再起不能なまでに傷つき、廃船とすることを余儀なくされたからです。自分の体力などを考えるとヨット乗りとして再び自分の船を持つということをあきらめざるを得ないと自分を納得させているところでした。しかしそのメールマガジンの結びに、加山さんが再び光進丸を走らせることになるのであれば、私も負けずに自分の船をもう一度造ると宣言してしまったのです。
よく考えると、相手は「永遠の若大将加山雄三」です。あのオッサンは「セサミン」などを飲んでおり、10年近く前に飲酒も止めるなど体のメンテナンスに熱心です。そのためか、昨年体調の不調を覚えて受診した結果、軽い脳梗塞を発症していることが分かったものの、手術するわけでも入院するわけでもなく復帰し、何の後遺症もなく再びコンサートの準備などを始めています。コロナウイルスの騒ぎさえなければ今頃チケット完売となっていたことでしょう。
ひょっとすると本当に再び光進丸を造って海に出るかもしれない・・・・
これは私にとっては現実的な脅威になってきます。
加山さんがまた光進丸を造ったら、私も再びヨット乗りに復帰しなければならないということは、その日に備えてお金を必死になって貯め、そのヨットを走らせるための気力・体力を作り直しておかなければならないのです。
何せ、こちらは帆船です。加山さんの動力船と違って、エンジンキーを回してアクセルを倒せば走るというものではありません。
そうでなくとも私はかつて、我が家の司令長官に、マスターズ水泳の世界選手権にバタフライで出場することを宣言しています。
これは95歳で100メートルバタフライに出場した場合、泳ぎきるだけで金メダルを取れるであろうという勝算があってのことで、宣言した頃はまだ元気でしたので、このまま泳ぎ続けていればそれも夢ではないと考えていたのですが、実は海上自衛隊を退職して以来、泳ぐ機会がほとんどなかったため、今では50メートルプールなどにうっかり飛び込もうものなら途中で溺れる虞すらあるのではないかと憂いています。
この二つの宣言を全うするためにも、基礎体力の錬成が急務となりました。
制服を脱いで以来、商社マンとして慣れぬビジネスに右往左往し、米国にCEOとして赴任してバタバタし、帰国して貧乏暇なしの激務を続けてきたため、体重は増え、腰痛が復活し、脚力が衰え、ちょっとした坂を上るにもゼイゼイ息が荒くなるというざまになり果てています。
まず、基本的な持久力と筋力を取り戻すために、スクワットとジョギングを再開しました。
私は小学生の頃から短距離は早い方で、紅白リレーに選ばれなかったことはないのですが、長距離が苦手でした。ジョギングなど本当は大嫌いです。
陸上自衛隊ではないので水泳訓練は厳しいだろうがあまり走らなくていいのではないかと期待して入隊した海上自衛隊は、実は水泳訓練はそれほど厳しくなく(要は泳げればいいので、泳げない人にとってはとても厳しい訓練なのでしょうが、ある一定以上の泳力を持っているとそれほどきつくもありません。候補生の頃8マイル、約15kmの遠泳という訓練がありましたが、私にとっては8時間泳ぎ続けるのも退屈なだけでした。)、やたら走らされるのに参りました。
運動能力と水泳能力の検定が毎年行われ、運動能力では50mのダッシュや1500m走、懸垂能力の測定などが行われます。私が最後にこれらの検定を受けたのが55歳と7か月の時で、さすがに50代半ばのオジサンにとって1500m走や50m走でそれなりの成績を残すのはしんどい話でした。
その時私は新入隊員の教育を行う教育部隊の指揮官でしたので、あまり無様な成績を残すわけにもいかず、教官たちの手前もあり、連日体力の錬成に努めていました。
決済しなければならない書類などは午前中に持ってくるように指示をし、午後はトレーニングウェアに着替えて、8万坪ある施設のあちらこちらで行われている訓練をジョギングしながら見て回るのです。約2時間かかります。そして、最後にプールに行き、プールで訓練が行われている場合にはそこで落ちこぼれている学生に泳ぎ方を教え、最後に50mを自由形で泳ぎ、バタフライで50mを帰ってくるという泳ぎ方を15回、合計1500mを泳いで仕上げるという毎日を送っていました。(今考えると夢のような勤務です。)
もっともこの時のジョギングには問題があり、道路を挟んで向かい側の敷地にあった自衛隊病院の院長が自室の窓から私を見ていたらしく、ある時「司令はよくウォーキングをされていますね。」と言われてがっかりしました。防衛医大出身の医官である彼はマラソンが趣味で毎年何回もフルマラソンに出場しているらしく、私がジョギングのつもりでいたものも彼の眼にはウォーキングにしか映らなかったのでしょう。
とにかく制服を脱いでからの運動不足は著しく、この基礎体力を回復させるためには相当の根気が必要かと思われました。
私が長距離を走るのが嫌いなのには理由があり、足首と膝が長距離に向いておらず、すぐに痛めてしまうからです。
このため、ジョギングを再開するにあたり、決して無理をせずに時間をかけて足首と膝を慣らしていくことを決めてメニューを作りました。
海幕勤務を終えて部隊に転勤になり、若い隊員たちと汗を流すことができる配置に就くと、いつも最初の3か月はリハビリのようなメニューで基礎体力を取り戻していましたので、それを思い出してメニューを作りました。
私は鎌倉の西の端に住んでおり、江ノ島が近くにあります。私が選んだジョギングコースは、自宅から住宅街を抜け、江ノ島の付け根を河口とする境川の川岸を片瀬江ノ島まで往復するコースです。コースの4分の3ほどの所にお気に入りのカフェがあり、復路にそこで珈琲を飲んで最後の4分の1を走ってくるというコースで、往復で約13kmあります。
2月以降いろいろな会合等がキャンセルになっているのをいいことに、2月のある日、このコースでのジョギングを再開しました。
静かな住宅街を抜け、バス通りを横断して境川の右岸に出ます。この川の両岸は河川管理用の道が整備されており、車両の進入が禁止されていますので、散歩やジョギング、あるいは自転車の人しか入ってきません。
川で遊ぶいろいろな鳥たちを眺めながら湘南鵠沼の住宅街と川に挟まれた車の通らない道をジョギングで抜けていくのはとても気持ちがいいものです。
当面3か月くらいは足首と膝をなじませることに専念するつもりでいましたので、とにかくスピードを出さないよう、「ゆっくり、ゆっくり」と自分に言い聞かせながら走ります。もう少し早く走った方が心地いいのにと思っても、とにかく足に負担をかけないよう「ゆっくり、ゆっくり」なのです。
ある時、70代くらいのご夫婦に後ろから抜かされました。このお二人はノルディックウォーキング用のストックを持って歩いておられ、かなりの脚力とお見受けしました。このように早足のウォーキングをしている人たちに追い抜かれるのは仕方ありません。最初の3か月はいつもそうです。
ところがこの日、これまでのリハビリ期間でも経験しなかった事件に出くわしました。
散歩中のチワワに追い抜かれたのです。
さすがにショックでした。
しかし、「それでいい、それでいい」と自分に言い聞かせながら、先を行くチワワを見ながら後ろを付いて行きました。
そんな思いをしなければならないのも、このメールマガジンでうっかり「加山さんが再び光進丸を造ったら私も海に戻る。」などと軽口をたたいたからです。
口は禍の元とは言いますが、覆水は盆に戻りませんので、自業自得だとあきらめ、カメよりはちょっと速いくらいのジョギング(?)を楽しんでいます。
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とが出来ます。
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Twitterでも時々、折に触れて気が付いたことを呟いています。
https://twitter.com/CaptainHayashi です。
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当社Webサイトに、専門コラム「指揮官の決断」をアップしております。是非、ご
覧ください
専門コラム「指揮官の決断」掲載のご案内
第183回 言っちゃダメなこと、やっちゃいけないこと
コロナウイルスの感染者増加に歯止めがかかっていません。3月31日についに国内感染者数が2000名を超えました。しかし、日本が新型コロナウイルスとの戦いを始めてから2か月経つのに、まだこの数字であるというのは諸般の事情を考えると奇跡のように見えます。
米国は3月11日の時点ではまだ1000人を少し超えた程度でした。その同じ日に日本は600人強の感染者がいました。しかし3月31日、日本が2000人を超えたと言っている時に米国は16万人を超えています。
これは日本の初動の方針の勝利でしょう。37.5度の発熱が4日間続くまでは検査対象としないという方針はマスコミや野党の猛烈な批判を浴びましたが、そのことが病院の待合室での感染を防いだと考えられています。
https://aegis-cms.co.jp/1943
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弊社出版物のご紹介
『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
セルバ出版
お求めの方は、こちらからどうぞ。
https://aegis-cms.co.jp/book1
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Facebookページを公開しています。
メールマガジン及び専門コラムのバックナンバーをお読みいただけます。
Facebookページ「指揮官の決断/休日」
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教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
こちらをどうぞ
https://aegis-cms.co.jp
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://aegis-cms.co.jp/cpx
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バックナンバーを公開しています。
こちらからご覧ください。https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
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http://aetis-cms.co.jp/mailmag
メールマガジンがご不要の場合はこちらから解除をして頂くことができます。
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メールマガジン「指揮官の休日」
発行人:株式会社イージスクライシスマネジメント
代表取締役 林 祐
email: yhayashi@aegis-cms.co.jp
Web : http://aegis-cms.co.jp
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よく考えると、相手は「永遠の若大将加山雄三」です。あのオッサンは「セサミン」などを飲んでおり、10年近く前に飲酒も止めるなど体のメンテナンスに熱心です。そのためか、昨年体調の不調を覚えて受診した結果、軽い脳梗塞を発症していることが分かったものの、手術するわけでも入院するわけでもなく復帰し、何の後遺症もなく再びコンサートの準備などを始めています。コロナウイルスの騒ぎさえなければ今頃チケット完売となっていたことでしょう。
ひょっとすると本当に再び光進丸を造って海に出るかもしれない・・・・
これは私にとっては現実的な脅威になってきます。
加山さんがまた光進丸を造ったら、私も再びヨット乗りに復帰しなければならないということは、その日に備えてお金を必死になって貯め、そのヨットを走らせるための気力・体力を作り直しておかなければならないのです。
何せ、こちらは帆船です。加山さんの動力船と違って、エンジンキーを回してアクセルを倒せば走るというものではありません。
そうでなくとも私はかつて、我が家の司令長官に、マスターズ水泳の世界選手権にバタフライで出場することを宣言しています。
これは95歳で100メートルバタフライに出場した場合、泳ぎきるだけで金メダルを取れるであろうという勝算があってのことで、宣言した頃はまだ元気でしたので、このまま泳ぎ続けていればそれも夢ではないと考えていたのですが、実は海上自衛隊を退職して以来、泳ぐ機会がほとんどなかったため、今では50メートルプールなどにうっかり飛び込もうものなら途中で溺れる虞すらあるのではないかと憂いています。
この二つの宣言を全うするためにも、基礎体力の錬成が急務となりました。
制服を脱いで以来、商社マンとして慣れぬビジネスに右往左往し、米国にCEOとして赴任してバタバタし、帰国して貧乏暇なしの激務を続けてきたため、体重は増え、腰痛が復活し、脚力が衰え、ちょっとした坂を上るにもゼイゼイ息が荒くなるというざまになり果てています。
まず、基本的な持久力と筋力を取り戻すために、スクワットとジョギングを再開しました。
私は小学生の頃から短距離は早い方で、紅白リレーに選ばれなかったことはないのですが、長距離が苦手でした。ジョギングなど本当は大嫌いです。
陸上自衛隊ではないので水泳訓練は厳しいだろうがあまり走らなくていいのではないかと期待して入隊した海上自衛隊は、実は水泳訓練はそれほど厳しくなく(要は泳げればいいので、泳げない人にとってはとても厳しい訓練なのでしょうが、ある一定以上の泳力を持っているとそれほどきつくもありません。候補生の頃8マイル、約15kmの遠泳という訓練がありましたが、私にとっては8時間泳ぎ続けるのも退屈なだけでした。)、やたら走らされるのに参りました。
運動能力と水泳能力の検定が毎年行われ、運動能力では50mのダッシュや1500m走、懸垂能力の測定などが行われます。私が最後にこれらの検定を受けたのが55歳と7か月の時で、さすがに50代半ばのオジサンにとって1500m走や50m走でそれなりの成績を残すのはしんどい話でした。
その時私は新入隊員の教育を行う教育部隊の指揮官でしたので、あまり無様な成績を残すわけにもいかず、教官たちの手前もあり、連日体力の錬成に努めていました。
決済しなければならない書類などは午前中に持ってくるように指示をし、午後はトレーニングウェアに着替えて、8万坪ある施設のあちらこちらで行われている訓練をジョギングしながら見て回るのです。約2時間かかります。そして、最後にプールに行き、プールで訓練が行われている場合にはそこで落ちこぼれている学生に泳ぎ方を教え、最後に50mを自由形で泳ぎ、バタフライで50mを帰ってくるという泳ぎ方を15回、合計1500mを泳いで仕上げるという毎日を送っていました。(今考えると夢のような勤務です。)
もっともこの時のジョギングには問題があり、道路を挟んで向かい側の敷地にあった自衛隊病院の院長が自室の窓から私を見ていたらしく、ある時「司令はよくウォーキングをされていますね。」と言われてがっかりしました。防衛医大出身の医官である彼はマラソンが趣味で毎年何回もフルマラソンに出場しているらしく、私がジョギングのつもりでいたものも彼の眼にはウォーキングにしか映らなかったのでしょう。
とにかく制服を脱いでからの運動不足は著しく、この基礎体力を回復させるためには相当の根気が必要かと思われました。
私が長距離を走るのが嫌いなのには理由があり、足首と膝が長距離に向いておらず、すぐに痛めてしまうからです。
このため、ジョギングを再開するにあたり、決して無理をせずに時間をかけて足首と膝を慣らしていくことを決めてメニューを作りました。
海幕勤務を終えて部隊に転勤になり、若い隊員たちと汗を流すことができる配置に就くと、いつも最初の3か月はリハビリのようなメニューで基礎体力を取り戻していましたので、それを思い出してメニューを作りました。
私は鎌倉の西の端に住んでおり、江ノ島が近くにあります。私が選んだジョギングコースは、自宅から住宅街を抜け、江ノ島の付け根を河口とする境川の川岸を片瀬江ノ島まで往復するコースです。コースの4分の3ほどの所にお気に入りのカフェがあり、復路にそこで珈琲を飲んで最後の4分の1を走ってくるというコースで、往復で約13kmあります。
2月以降いろいろな会合等がキャンセルになっているのをいいことに、2月のある日、このコースでのジョギングを再開しました。
静かな住宅街を抜け、バス通りを横断して境川の右岸に出ます。この川の両岸は河川管理用の道が整備されており、車両の進入が禁止されていますので、散歩やジョギング、あるいは自転車の人しか入ってきません。
川で遊ぶいろいろな鳥たちを眺めながら湘南鵠沼の住宅街と川に挟まれた車の通らない道をジョギングで抜けていくのはとても気持ちがいいものです。
当面3か月くらいは足首と膝をなじませることに専念するつもりでいましたので、とにかくスピードを出さないよう、「ゆっくり、ゆっくり」と自分に言い聞かせながら走ります。もう少し早く走った方が心地いいのにと思っても、とにかく足に負担をかけないよう「ゆっくり、ゆっくり」なのです。
ある時、70代くらいのご夫婦に後ろから抜かされました。このお二人はノルディックウォーキング用のストックを持って歩いておられ、かなりの脚力とお見受けしました。このように早足のウォーキングをしている人たちに追い抜かれるのは仕方ありません。最初の3か月はいつもそうです。
ところがこの日、これまでのリハビリ期間でも経験しなかった事件に出くわしました。
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さすがにショックでした。
しかし、「それでいい、それでいい」と自分に言い聞かせながら、先を行くチワワを見ながら後ろを付いて行きました。
そんな思いをしなければならないのも、このメールマガジンでうっかり「加山さんが再び光進丸を造ったら私も海に戻る。」などと軽口をたたいたからです。
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これは日本の初動の方針の勝利でしょう。37.5度の発熱が4日間続くまでは検査対象としないという方針はマスコミや野党の猛烈な批判を浴びましたが、そのことが病院の待合室での感染を防いだと考えられています。
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1 ACMS導入コンサルティング
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