指揮官の休日 No.153 セント・エルモの火
2019/11/01 (Fri) 06:30
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加2をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、No.161 No.161 最強の指揮官逝く 追悼 緒方貞子元国連難民高等弁務官 を掲載いたしました。
世界中の何百万人もの難民の命を救った緒方貞子さんを追悼しています。
詳しくは、https://aegis-cms.co.jp/1718 をご覧ください。
No.153 セント・エルモの火
11月になりましたね。
この季節になると思い出すものがあります。
「セント・エルモの火」です。
「聖エルモの火」という言葉をご存じの方は多いかと思います。しかしながら、それを見たことのあるという方となると、まず、ほとんどいらっしゃらないかと思います。
見たことがあると言う方は、多分、船乗りか飛行機乗りであった経験をお持ちかと拝察いたします。
ご存じない方のためにちょっと説明します。
セント・エルモの火とは船のマストなどの先端がボーッと青く光る現象で、古来船乗りたちは不吉な前兆として恐れていました。
日本語では鬼火と呼ばれる現象で、暗い荒天の夜などにマストの先端やマストから伸びているワイヤーなどが青白く光るのですが、科学的には帯電した物質からの放電現象にすぎません。
ただ、湿度が高く、これから時化になりそうな夜に現れるため、何となく不吉な感覚に襲われるのでしょう。
西洋の文献にも古くから現れている現象で、たしかシェークスピアの『テンペスト』にもこれに関する記述があったと記憶しています。
国によってその解釈が異なるようで、この聖エルモの火が同時に2つ現れると吉兆だと考えられていたという文献をかつて読んだことがありました。
私はこの聖エルモの火を3回見たことがあります。
最初はヨットでした。それが11月だったのです。
11月第1週の連休を利用してクルーの訓練を兼ねて三宅島を回って帰ってくるクルージングが計画され、大学院生だった私もそれに乗っていました。
三宅島の南側に出たのが夜の10時過ぎで、学生クルーが船酔いでダウンしてしまったので私一人の当直で舵を握っていました。
しばらく行き交う漁船に注意していたのですが、何か変なのに気が付いて上を見上げると、マストの先端の風見の当たりがボォーッと青白く光っていたのです。
それまで読んだことはあっても見たことがなかったので、「これがセント・エルモの火か」と思いついたのですが、原理を知らなかったらやはり薄気味悪いだろうなと思う光景でした。
次に見たのは海上自衛隊に入隊した後でした。
環太平洋合同軍事訓練(RIMPAC)に参加した際、サンディエゴからハワイに至る海域で行われた演習の終わりの方でした。
私が乗り組んでいた船が航空母艦の護衛をしていたのですが、同じ護衛の陣形内にいた米海軍の駆逐艦がソーナーの不具合で一時陣形を離れることになり、私が乗っていた船の哨戒する位置が変更され、急いで新しい占位位置へ移動している最中でした。
ちょうどその時、士官室で作戦会議が開かれており、航海指揮官として最後任だった私はいつもの配置である後部射撃指揮所ではなく艦橋で当直していました。
新しい位置が示されて発動になったので士官室にいる艦長に了解をもらって移動を開始して少し経った頃、ソーナーの故障で位置を離れた米軍の駆逐艦の傍を通りました。
見ると艦橋の上部に灯火が灯っています。
当時は厳重な灯火管制が行われており、各艦は航海灯を消して航走していました。そこで私は近距離専用の微弱な電波を出す無線で、その船の当直士官に「貴艦の艦橋から明かりが漏れている。」と注意喚起をしました。
見ているとブリッジから乗員が出てきて何やら作業をしていましたが、すぐに返事があり、「教えてくれてありがとう。どうやら俺の船は呪われているらしい。セントエルモだ。今、お祓いをする。」と言ってきました。
何をやったのか知りませんが、しばらくするとその明かりが消えたので、再度その船に呼びかけ、“May God bless you !”と伝えると「感謝する」旨の発光信号が返ってきたのを覚えています。
三度目も海上自衛隊でした。
佐世保で艦隊勤務をしていた頃、ある訓練の帰途でした。
長くきつい訓練航海が終わり、明日は佐世保へ帰港という夜です。
その日、乗員の健康管理のために普段は出さない夜食が出ました。
旧海軍からの伝統で「入港ぜんざい」といって帰港の前夜に汁粉を出す風習があり、海上自衛隊でも毎回ではありませんが時々行われていました。
海上自衛隊はドライネイビーなので航海中は酒が飲めません(ドライネイビーについては、かつて当メールマガジンで説明していますので、そちらをご覧ください。メールマガジン「指揮官の休日」No.046 Dry Navy
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all&m=69 )。そうすると逆に甘いものが欲しくなるらしく、大酒飲みの乗員も喜んで食べます。
私は司令部幕僚として乗り組んでおり、特に当直というのも無かったので、司令公室で汁粉を食べ終わると艦橋に上り、さらに外へ出て星を眺めていました。
しばらくすると航海科の乗員が信号旗の格納庫の整理に現れ、彼と雑談をしていたのですが、彼が揚旗線の整備のためにそのロープを巻き取り始め、二人で上を見上げたときに、マストが青く光っているのを見つけたのです。
若い彼は初めて見たらしくびっくりしていましたが、私がセント・エルモの火であることを教えてやると納得し、すぐ当直している他の仲間を呼びに行きました。
艦橋で当直していたその船で最も若い、幹部候補生学校を卒業して遠洋航海を終わったばかりの幹部も出てきて珍しそうに見ていました。
彼はその現象は航海日誌に記載すべきかどうかを私に尋ねてきました。
妙なことが気になるんだなと可笑しく思ったのですが、彼が大真面目なので、「船の航海中に生じた特異な現象なので記載してもいいが、特に珍しいことでもないので書かなくてもいいよ。ただし、君の日記には書いておいた方がいいね。船乗りとしての経験が一つ増えた訳だから。」と教えてやるとニッコリして、「それでは記載することにします。」と言って艦橋に戻っていきました。
後で確かめると確かに記入されていました。
さて、この鬼火が何故「セント・エルモの火」と呼ばれるのでしょうか。
調べてみたのですが、どうもよく分かりません。
ちなみにエルモという名の聖人はいないようです。
私が「エルモ」と聞くとどうしてもセサミストリートのエルモを思い出してしまいます。
陽気で好奇心が強く、大人を質問攻めにしたり、とんでもない勘違いをしたりする人気キャラクターで、私も大好きです。
スウィッチを入れると笑い転げる「くすぐりエルモ」は我が家に二つもあります。
どうもこのセサミストリートの人気キャラクターと不気味な青白い灯とのギャップが大きく、毎年、11月になると初めてヨットで見た青白い光を思い出しては不思議な気分になります。
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No.161 最強の指揮官逝く 追悼 緒方貞子元国連難民高等弁務官
緒方貞子さんがお亡くなりになりました。
1975年に女性として初めて国連公使に起用されて以降、UNICEFや国連人権委員会などで精力的に活動され、1991年に第8代の国連難民高等弁務官に着任された緒方さんの活動はあえて私がご紹介するまでもありません。
ただ、私が緒方貞子さんの活動に以前から関心を持ってきたのは、彼女が難民高等弁務官として行っていた事業が危機管理そのものだったからです。
続きはこちらをご覧ください。
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『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
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教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
こちらをどうぞ
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
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最初はヨットでした。それが11月だったのです。
11月第1週の連休を利用してクルーの訓練を兼ねて三宅島を回って帰ってくるクルージングが計画され、大学院生だった私もそれに乗っていました。
三宅島の南側に出たのが夜の10時過ぎで、学生クルーが船酔いでダウンしてしまったので私一人の当直で舵を握っていました。
しばらく行き交う漁船に注意していたのですが、何か変なのに気が付いて上を見上げると、マストの先端の風見の当たりがボォーッと青白く光っていたのです。
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見ると艦橋の上部に灯火が灯っています。
当時は厳重な灯火管制が行われており、各艦は航海灯を消して航走していました。そこで私は近距離専用の微弱な電波を出す無線で、その船の当直士官に「貴艦の艦橋から明かりが漏れている。」と注意喚起をしました。
見ているとブリッジから乗員が出てきて何やら作業をしていましたが、すぐに返事があり、「教えてくれてありがとう。どうやら俺の船は呪われているらしい。セントエルモだ。今、お祓いをする。」と言ってきました。
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佐世保で艦隊勤務をしていた頃、ある訓練の帰途でした。
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