指揮官の休日 No.140 胸躍る瞬間
2019/08/02 (Fri) 06:30
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、No.148 尖閣諸島を実効支配? マジか? を掲載いたしました。
あるテレビ番組で著名な評論家が「日本が尖閣諸島を実効支配している。」と述べているのを聴いて呆気に取られてしましました。ふざけている場合ではないだろうがという思いです。
詳しくは、https://aegis-cms.co.jp/1605 をご覧ください。
No.140 胸躍る瞬間
当メールマガジンは毎回申し上げておりますが、弊社ウェブページに連載中の専門コラム「指揮官の決断」の更新をお知らせするために配信しており、コラムは渾身の力を振り絞っておりますが、その掲載を終えた瞬間に力尽きてしまっていますのでメールマガジンは碌な内容になっておりません。
あらかじめ皆様にもメールマガジンは毒にも薬にもならぬどうでもいい内容ばかりなので、さっさと読み飛ばして専門コラムへ飛んでくださいとお願い申し上げております。
ここ数回配信いたしましたメールマガジンはその言葉通り、徹底的などうでもよさを追求しており、全く何の役にも立たない観光案内だったり、せっかく皆さんが「夏だ!キャンプだ!」とご家族で張り切っているのに、「暑いし、虫が多いし、焚火がありがたくないし・・・」などと水を差すような記事だったりで、本来の役割をしっかりと果たしています。
しかしながら、このうんざりするような暑さの続く毎日に、これ以上ダラダラした記事が続くと、暑さが余計きつく感じますので、今回はちょっと気合を入れる意味で、若干引き締まった内容でお届けします。
今から30年以上前になりますが、私は海上自衛隊の第1護衛隊群に所属する当時の最新鋭ミサイル護衛艦のミサイル射撃担当の砲術士として張り切って艦隊勤務を楽しんでいました。その前に通信士(実質的には航海士)として乗っていた船は護衛艦隊所属の船ではなく、地方隊所属の小さな沿岸警備用の護衛艦でした。
その地方隊の船から転勤を命ぜられて乗り組んだのが当時の最新鋭艦でしたので張り切るのも当然でした。
第1護衛隊群は横須賀を母港とする8隻の護衛艦から編成された精鋭部隊でした。
私の乗った護衛艦は5月の半ばからこの部隊編成を離れて別の部隊の船とともに環太平洋合同軍事演習(Rimpac'86)に参加するため太平洋を渡ってサンディエゴからハワイに至る海域で空母の護衛などを行っていました。
その米国派遣訓練から戻ってきてすぐ、第1護衛隊群の群訓練が行われました。
全艦が横須賀を出港して千葉県の館山湾に向かい、搭載ヘリコプター部隊の司令部との事前研究会を行いました。
さて、表題の心躍る瞬間がやってくるのはその次の朝です。
午前6時半、館山湾に投錨中の各艦の甲板上がザワザワしています。
午前7時の出航に備えて各艦では「出港準備」の号令が艦内で放送され、それに応じて乗員が動き始めたのです。
6時45分、各艦の艦内では「艦内警戒閉鎖」が令され、航海中にどうしても必要なドアやハッチ以外が閉鎖されます。
艦内各部には出航に備えて乗員が配置に就き、次々に艦橋に「配置よし」が報告されます。
群旗艦のマストには「出港準備中」の旗が半分まで掲揚されています。
艦橋の戦術指揮系の無線がアルファベットと数字の組み合わせた信号を伝えてきます。
艦橋の通信士がマイクを取ってその信号に答えると振り向き、「群起信シグナルズ AS5-7(アルファ・シエラ・ファイブ・タック・セブン) あらかじめ指示したとおり出航せよ、予令されました。本日の出港要領は一斉抜錨・一斉出港です。艦長」と叫びます。これは各艦が同時に錨を揚げて、同時に動き出せという指示です。
艦長が軽く手を挙げて了解を示すと通信士は航海長に振り向き、その了解を確かめます。(ちなみに先の信号は正確ではありません。信号はNATO海軍が共通に使っているATP1 Vol.2 という信号書に記載されていますが、この信号書は「秘」となっていますので、本当に使っている信号をここで書くことはできないのです。)
よく見ると、各艦は錨鎖を少しずつ詰めています。
出港30秒前、各艦の前甲板作業指揮官が一斉に「立ち錨」と艦橋に報告を上げてきます。錨が錨鎖で釣り上げられて海底で立ち上がっているということです。もう少し錨鎖を巻くと錨が海底を離れる状態です。
午前7時、戦術指揮系の無線が群司令の命令を伝えてきます。” Last signal , stand-by , execute.”(先の信号、発動用意、発動せよ。)
各艦艦長は一斉に「出港用意!錨揚げ!」を令します。各艦艦橋でラッパを持って待ち構えている航海科員が「出港用意」のラッパを吹き、引き続き「出港ヨーイ!」とスピーカーが怒鳴ります。
間髪を入れずに錨が甲板まで巻き上げられ、艦長から「両舷前進原速、針路○×△度」が操舵員と速力指示器員に指示されます。
全艦が同時に同じ作業を行い、一斉に錨を挙げて同時に動き出します。
各艦に行き足がついてきたころ、群旗艦のマストに信号が掲げられます。
「順番号順序に縦列を作れ。基準針路○○○度、速力□□ノット。○×は基準艦となれ。」
この信号旗が群旗艦のマストに綴られて掲げられていくと、間髪を入れず各艦のマストにも同じ信号旗が綴られて行きます。群旗艦の信号が全揚される頃には各艦の信号旗もほぼ同時に全揚されます。
各艦が同じ信号を掲げたのを群司令部が確かめたなら、その旗が勢いよく引き下ろされます。
発動です。
この信号が発動になる直前、各艦は与えられている序列番号に従った位置で前の船との距離700ヤードブラスマイナス50ヤードの位置で基準速力に達しています。
方位だけはわずか5度程度外して走っています。
そしてこの信号が発動になった瞬間、ちょっと頭を振ってプラスマイナス5度以内の範囲に船を入れて縦列成形を完成します。
8隻の護衛艦のこのキビキビした艦隊運動はいつ見ても壮観です。
このような訓練を日常的に行っている海上自衛隊なので、観閲部隊と受閲部隊の双方が動きながら行う観艦式を挙行できるのです。
60隻の艦隊が行う大回頭をご覧になったことのある方はよくご存じですが、これは圧倒される大迫力です。
現在、そのような艦隊運動を行うことのできる海軍はそれほど多くはありませんし、実際に行っている海軍は他にありません。
どうですか? ちょっとは引き締まったでしょ?
次回からはまたどうでもいい話に戻ります。珈琲で初めてドライマティニで潰れる一日の話に戻ります。
次回をお楽しみに!
暑中お見舞い申し上げます。皆様くれぐれも熱中症に気を付けてご自愛ください。
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Twitterでも時々、折に触れて気が付いたことを呟いています。
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専門コラム「指揮官の決断」掲載のご案内
No.148 尖閣諸島を実効支配? マジか?
日曜日の朝、あまり地上波のテレビを観ない私が時々観ている番組があります。
TBS系列で放送されている「サンデーモーニング」という番組で、政治や社会問題を主に扱い、様々な識者をコメンテーターとして招いています。
私はこの手の番組の評論家のコメントのいい加減さが嫌いですし、基本的に政治問題などに関わりたくないので評論や討論の番組はあまり観ないのですが、この「サンデーモーニング」には藪中元外務次官や辺真一コリア・レポート編集長などが出演することがあり、私の知らない世界についてのコメントが聴けるのと、スポーツ番組に全く関心のない私でも張本勲氏の明快な解説は面白いので、例外的に観ることがあります。
日曜日の朝食後、珈琲カップを片手に仕事を始める前のひと時(そうです。貧乏暇なしなので日曜日もしっかりと働いているのです。)、その日のテーマを見極めてから観ることがあります。
続きはこちらからどうぞ。
https://aegis-cms.co.jp/1605
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『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
セルバ出版
お求めの方は、こちらからどうぞ。
https://aegis-cms.co.jp/book1
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メールマガジン及び専門コラムのバックナンバーをお読みいただけます。
Facebookページ「指揮官の決断/休日」
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教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
こちらをどうぞ
https://aegis-cms.co.jp
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
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代表取締役 林 祐
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今から30年以上前になりますが、私は海上自衛隊の第1護衛隊群に所属する当時の最新鋭ミサイル護衛艦のミサイル射撃担当の砲術士として張り切って艦隊勤務を楽しんでいました。その前に通信士(実質的には航海士)として乗っていた船は護衛艦隊所属の船ではなく、地方隊所属の小さな沿岸警備用の護衛艦でした。
その地方隊の船から転勤を命ぜられて乗り組んだのが当時の最新鋭艦でしたので張り切るのも当然でした。
第1護衛隊群は横須賀を母港とする8隻の護衛艦から編成された精鋭部隊でした。
私の乗った護衛艦は5月の半ばからこの部隊編成を離れて別の部隊の船とともに環太平洋合同軍事演習(Rimpac'86)に参加するため太平洋を渡ってサンディエゴからハワイに至る海域で空母の護衛などを行っていました。
その米国派遣訓練から戻ってきてすぐ、第1護衛隊群の群訓練が行われました。
全艦が横須賀を出港して千葉県の館山湾に向かい、搭載ヘリコプター部隊の司令部との事前研究会を行いました。
さて、表題の心躍る瞬間がやってくるのはその次の朝です。
午前6時半、館山湾に投錨中の各艦の甲板上がザワザワしています。
午前7時の出航に備えて各艦では「出港準備」の号令が艦内で放送され、それに応じて乗員が動き始めたのです。
6時45分、各艦の艦内では「艦内警戒閉鎖」が令され、航海中にどうしても必要なドアやハッチ以外が閉鎖されます。
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艦橋の戦術指揮系の無線がアルファベットと数字の組み合わせた信号を伝えてきます。
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艦長が軽く手を挙げて了解を示すと通信士は航海長に振り向き、その了解を確かめます。(ちなみに先の信号は正確ではありません。信号はNATO海軍が共通に使っているATP1 Vol.2 という信号書に記載されていますが、この信号書は「秘」となっていますので、本当に使っている信号をここで書くことはできないのです。)
よく見ると、各艦は錨鎖を少しずつ詰めています。
出港30秒前、各艦の前甲板作業指揮官が一斉に「立ち錨」と艦橋に報告を上げてきます。錨が錨鎖で釣り上げられて海底で立ち上がっているということです。もう少し錨鎖を巻くと錨が海底を離れる状態です。
午前7時、戦術指揮系の無線が群司令の命令を伝えてきます。” Last signal , stand-by , execute.”(先の信号、発動用意、発動せよ。)
各艦艦長は一斉に「出港用意!錨揚げ!」を令します。各艦艦橋でラッパを持って待ち構えている航海科員が「出港用意」のラッパを吹き、引き続き「出港ヨーイ!」とスピーカーが怒鳴ります。
間髪を入れずに錨が甲板まで巻き上げられ、艦長から「両舷前進原速、針路○×△度」が操舵員と速力指示器員に指示されます。
全艦が同時に同じ作業を行い、一斉に錨を挙げて同時に動き出します。
各艦に行き足がついてきたころ、群旗艦のマストに信号が掲げられます。
「順番号順序に縦列を作れ。基準針路○○○度、速力□□ノット。○×は基準艦となれ。」
この信号旗が群旗艦のマストに綴られて掲げられていくと、間髪を入れず各艦のマストにも同じ信号旗が綴られて行きます。群旗艦の信号が全揚される頃には各艦の信号旗もほぼ同時に全揚されます。
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発動です。
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方位だけはわずか5度程度外して走っています。
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8隻の護衛艦のこのキビキビした艦隊運動はいつ見ても壮観です。
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