指揮官の休日 No.127 初心に帰って珈琲
2019/05/03 (Fri) 06:30
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、No.135 将来のトップを育てる方法 を掲載いたしました。
リーダーに必要な資質の涵養法を綴りました。
詳しくは、https://aegis-cms.co.jp/1492
をご覧ください。
No.127 初心に帰って珈琲
令和の時代が始まりました。
私は元旦に当たって新年の抱負を述べたり、新たな誓いを立てるなどということはあまり行いません。元旦というのは地球という惑星が太陽という恒星を一周してきたというだけのことだと思っているからで、むしろ、誕生日の方が意味があるかと思っています。
しかし、改元というのはちょっと違う意味があるかもしれません。振り返った時に一つの時代の括りがそこに生まれるだけでなく、やはり国全体を新たなムーブメントに巻き込んでいくエネルギーが秘められているような気がするからです。
特に令和元年となったことで私自身が何かを変えようと思いを新たにしたということはないのですが、しかし、このメールマガジンや専門コラムを発行し始めた頃に思いを致し、どういう思いで配信を始めたのかを見つめ直し、初心に帰ろうかくらいには思っている次第です。
初心に帰るので、当然のことながら話題は珈琲です。
当メールマガジンもサブタイトルが「コーヒーで始まり・・・」とあるので珈琲の話題は幾度となく取り上げています。
しかし、エッセイやコラムなどで珈琲に触れた回数が圧倒的に多いのは植草甚一さんでしょう。植草甚一さんと言ってももう知っている方は数少なくなったかもしれません。
明治末期のお生まれで早稲田大学を中退後東宝の宣伝部などで勤務し、その後、昭和の時代にポピュラーだった『キネマ旬報』『映画之友』『スクリーン』などの映画雑誌で評論活動を繰り広げられ、以後、ミステリー小説、ジャズなどにその関心分野を広げ、さらにはコラージュなどの作品も手掛け、 現代でいうところのサブカルチャーにも造詣が深く、50年代から80年代にかけて若者に大きな影響を与えた方でした。
植草甚一さんという名前よりもJJおじさんと呼んでいた人が多かったかもしれません。
蔵書は4万冊にのぼり、神田を中心とする古本屋街巡りのエッセイを読むと、行くたびに何十冊もの洋書を買いこんで、その度にいろいろな馴染みの喫茶店で珈琲を飲みながら買ったばかりの本のページをめくるのが楽しみだったようです。ジャズのレコードも4000枚を所有し、没後、その散逸を惜しんだタモリ氏がすべて買い取ったと言われています。
評論やエッセイには新刊の洋雑誌から仕入れた海外の流行についての記事が溢れ、外国の小説を斜め読みした書評などが次から次へと載せられていました。相当語学に堪能だったのだろうと思っていましたが、ある時テレビのドキュメンタリー番組でニューヨークの古本屋を見て歩いている植草氏の英語を聞いてびっくりしました。文法は無茶苦茶で、発音はこれ以上ひどい英語を聞いたことが無いほどでした。圧倒的な読書量で読むことには不自由はなかったのでしょうが、あの番組を観た若者は、英語はあの程度喋ることができればいいんだと勇気づけられたかもしれません。
私はこの植草甚一さんに会ったことがあります。
私は大学院の研究科に在籍した頃、東京駅で乗り換えでしたので日本橋の丸善によく行っていました。多分、週2回は行っていたように思います。当時はAmazonなど勿論なく、本の情報は書店に行かなければ得られなかったからです。
当時の日本橋丸善は1階が紳士用品売り場、2階が和書、3階が洋書でした。フロアはリノリウム敷きでした。
専門書の売り場に行くと、○×大学の経済学部■△先生のゼミです、と言うと読むべき参考書を教えてくれるという凄まじい店員がいたものでした。
洋書などは頼んでも1か月以上待たないと入ってこないので、何を買うのかをよく考えないと大変でしたから、その店員さんたちのアドバイスは貴重でした。
その日本橋丸善の2階にカフェがありました。カウンターだけのお店で、昔ながらの白い上着を着たマスターがテキパキと仕事をするカフェでした。
ここの珈琲はびっくりするほど濃い珈琲でした。真っ白のソーサーに載せられた真っ白い何の変哲もない白いカップに濃くて熱いコーヒーが頼むと間髪を入れずに出てきたものです。
何故間髪を入れずに出せるかと言えば、これも白いホウロウのケトルに作られた珈琲が火にかけられたタライのような鍋の中で湯せんにされて温められているからです。にもかかわらず煮詰められたような味になっていなかったのは回転が速かったからでしょう。いつも常連客でにぎわっているカフェでした。
当時、錚々たる作家や学者が丸善に出入りし、その途次にこのカフェで一休みしていたようで、私もいろいろな方をお見かけしました。
ある時、ある作家の評論を買ってそのカフェで読んでいたところ、驚いたことにその作家ご自身が現れ、私の後ろを通って一つおいた椅子に座りました。通り掛けに私の読んでいた本をチラッと見て「ホゥ」と小さく声を出してニッコリされたのを覚えています。サインをもらうほどミーハーではなかったので軽く会釈をしただけで終わりました。
そのカフェに植草甚一さんが現れたことがあります。
さすがにド派手な衣装で小柄なためカフェの椅子によじ登るようにして腰かけた姿を誰も見誤ることは無かったようですが、当時の丸善では騒ぐようなお客はいませんでした。今なら一斉に携帯電話を出して写真を撮ってツィートとなるところでしょう。
植草さんは私の斜め前の席で、相変わらず十冊近く買ってきた本の包装を解いてチラチラと中を覗き始めました。サッと運ばれた珈琲をズルズル大きな音を立てて、しかし実に美味そうに吸い込みながらでした。一口啜った後、びっくりしたのは、驚くほど大量にミルクと砂糖を投入したのです。
私はよほど不味い珈琲でなければミルクも砂糖も入れることはありませんが(甘い珈琲が飲みたいときは最初からウィンナコーヒーなどを注文しています。)、多分、植草さんの動作を見ていると彼の常日頃の飲み方がそうなのではないかと思います。しかし、そのような飲み方で彼のような量を毎日の見続けると、糖分と脂肪分の摂取量が半端ではないように思いました。
とにかく彼のエッセイなどにはコーヒーを飲んだ話がやたらと出てきます。ご自宅で飲んでいたのはMJBの珈琲のようです。これも今となっては知っている方が少なくなりましたが、大きな緑の缶で売られていました。私も若い頃はお気に入りで、いちいちミルで挽くのが面倒だったのでこの缶入りMJBには随分お世話になりました。
ある時、このMJBの珈琲が急に美味しく感じられなくなり、どうしたのかと思っていたらいつの間にか姿を消してしまいました。
ということで、珈琲にまつわるどうでもいい話を綴ってみました。当メールマガジンは本来、このようなどうでもいい話を綴るのが主旨です。そもそもウェブサイトに掲載している専門コラムの更新をお知らせするだけのメールマガジンなので、そのコラムの書き出しの5行くらいを載せて、「続きはこちらからどうぞ」とやればいいところを、周囲の反対を押し切ってちょっとした書き物を載せているだけなので、あまり内容に期待を持たれると困るのですが、蓋を開けてみるとこのメールマガジンだけ読んでコラムを読んで頂けない方が結構いらっしゃることに気付いて忸怩たる思いをしています。
したがって、今回は初心にもどり、本当にどうでもいい話を載せ、つまらないからコラムでも読むかと思って頂ければ狙い通りということになりますので悪しからず。
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Facebookページでは、当メールマガジンでは見ることのできない写真もご覧頂くことが出来ます。
是非Facebookページをご訪問ください。
Twitterでも時々、折に触れて気が付いたことを呟いています。
https://twitter.com/CaptainHayashi です。
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専門コラム「指揮官の決断」掲載のご案内
No.135 将来のトップを育てる方法
当コラムではトップの覚悟について言及することがよくあります。
世の社会人の多くが持つ悩みの一つが、どうすれば部下に慕われる、少なくとも部下がついてくる上司になれるかということかと思います。雑誌や書籍にもこのテーマを扱ったものがたくさんあり、また、部下に慕われる上司になる方法のセミナーまで開かれています。
セミナーには行ったことはありませんが、本や雑誌は立ち読み程度に見ています。しかし、これらのほとんどはいわゆるコーチングのテクニックの抜粋に過ぎず、リーダーシップをテクニックにより身に付けようとするいわゆる「手法」に終始しています。
https://aegis-cms.co.jp/1492
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『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
セルバ出版
お求めの方は、こちらからどうぞ。
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教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
こちらをどうぞ
https://aegis-cms.co.jp
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
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発行人:株式会社イージスクライシスマネジメント
代表取締役 林 祐
email: yhayashi@aegis-cms.co.jp
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令和の時代が始まりました。
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特に令和元年となったことで私自身が何かを変えようと思いを新たにしたということはないのですが、しかし、このメールマガジンや専門コラムを発行し始めた頃に思いを致し、どういう思いで配信を始めたのかを見つめ直し、初心に帰ろうかくらいには思っている次第です。
初心に帰るので、当然のことながら話題は珈琲です。
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しかし、エッセイやコラムなどで珈琲に触れた回数が圧倒的に多いのは植草甚一さんでしょう。植草甚一さんと言ってももう知っている方は数少なくなったかもしれません。
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植草甚一さんという名前よりもJJおじさんと呼んでいた人が多かったかもしれません。
蔵書は4万冊にのぼり、神田を中心とする古本屋街巡りのエッセイを読むと、行くたびに何十冊もの洋書を買いこんで、その度にいろいろな馴染みの喫茶店で珈琲を飲みながら買ったばかりの本のページをめくるのが楽しみだったようです。ジャズのレコードも4000枚を所有し、没後、その散逸を惜しんだタモリ氏がすべて買い取ったと言われています。
評論やエッセイには新刊の洋雑誌から仕入れた海外の流行についての記事が溢れ、外国の小説を斜め読みした書評などが次から次へと載せられていました。相当語学に堪能だったのだろうと思っていましたが、ある時テレビのドキュメンタリー番組でニューヨークの古本屋を見て歩いている植草氏の英語を聞いてびっくりしました。文法は無茶苦茶で、発音はこれ以上ひどい英語を聞いたことが無いほどでした。圧倒的な読書量で読むことには不自由はなかったのでしょうが、あの番組を観た若者は、英語はあの程度喋ることができればいいんだと勇気づけられたかもしれません。
私はこの植草甚一さんに会ったことがあります。
私は大学院の研究科に在籍した頃、東京駅で乗り換えでしたので日本橋の丸善によく行っていました。多分、週2回は行っていたように思います。当時はAmazonなど勿論なく、本の情報は書店に行かなければ得られなかったからです。
当時の日本橋丸善は1階が紳士用品売り場、2階が和書、3階が洋書でした。フロアはリノリウム敷きでした。
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洋書などは頼んでも1か月以上待たないと入ってこないので、何を買うのかをよく考えないと大変でしたから、その店員さんたちのアドバイスは貴重でした。
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ここの珈琲はびっくりするほど濃い珈琲でした。真っ白のソーサーに載せられた真っ白い何の変哲もない白いカップに濃くて熱いコーヒーが頼むと間髪を入れずに出てきたものです。
何故間髪を入れずに出せるかと言えば、これも白いホウロウのケトルに作られた珈琲が火にかけられたタライのような鍋の中で湯せんにされて温められているからです。にもかかわらず煮詰められたような味になっていなかったのは回転が速かったからでしょう。いつも常連客でにぎわっているカフェでした。
当時、錚々たる作家や学者が丸善に出入りし、その途次にこのカフェで一休みしていたようで、私もいろいろな方をお見かけしました。
ある時、ある作家の評論を買ってそのカフェで読んでいたところ、驚いたことにその作家ご自身が現れ、私の後ろを通って一つおいた椅子に座りました。通り掛けに私の読んでいた本をチラッと見て「ホゥ」と小さく声を出してニッコリされたのを覚えています。サインをもらうほどミーハーではなかったので軽く会釈をしただけで終わりました。
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植草さんは私の斜め前の席で、相変わらず十冊近く買ってきた本の包装を解いてチラチラと中を覗き始めました。サッと運ばれた珈琲をズルズル大きな音を立てて、しかし実に美味そうに吸い込みながらでした。一口啜った後、びっくりしたのは、驚くほど大量にミルクと砂糖を投入したのです。
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