指揮官の休日 No.115 納得できない政策
2019/02/08 (Fri) 06:30
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、No.123 覚悟の問題と不吉な予言 を掲載いたしました。
公務員の仕事の流儀について再び綴っています。
詳しくは、https://aegis-cms.co.jp/1432
をご覧ください。
No.115 納得できない政策
私はかつて公務員生活を30年間送りました。
振り返ってみると、我ながら職務に忠実に一生懸命に仕事をしてきたと思います。
残業手当も休日出勤手当も全くないのに、2年間で17日間(土・日を含めて)しか休みの無い勤務をして、転勤になった先では月曜日に出勤すると金曜日の夜に1週間分の洗濯物を持って帰ってくるというような配置が待っていたこともあります。
5年間に8回の転勤をさせられ、いい加減にどこかで落ち着いて仕事をさせてくれと言ったら、いきなり米国駐在を命ぜられ2年間一度も帰国できないということもありました。
公務員として国の政策に忠実に勤務してきたと自負しています。
ただ、どうしても国の政策で理解できないものが一つありました。
タバコです。
最近の統計で成人の喫煙率が17%ということですので、このメールマガジンをお読みの方の5人に一人弱の方を敵に回すことになりますが、私は喫煙を許容しているこの国の施策が理解できません。
ありとあらゆるところで喫煙の弊害が指摘されています。
始末が悪いのは、二次喫煙の方が人体への影響が大きいかもしれないという点です。
喫煙者はフィルターを通して煙を体内に入れますが、二次喫煙者はそのまま吸い込んでしまいます。
喫煙者を夫に持つ女性の肺がんの発病率は極めて高いと言われる所以です。
その喫煙を国は取り締まろうとしません。自動販売機での販売も認めています。
何故か?
担税力があるからです。
つまり税収になれば国民の健康など後回しということです。しかも喫煙者以外の健康被害も出ることが分かっているのにです。
かつて海幕監査官として勤務していたことがあります。
海上自衛隊のすべての部隊の監査を担当していました。
この頃、国の施策で分煙というのが始まり、国の機関が手本を示せ、ということで各省庁は各階に喫煙室を作り、気圧を負圧にして煙が外に出ないようにする措置を取り始めていました。
一方、私は海幕監査官として、部隊にこの喫煙室を作ることを認めませんでした。
施設を作ることを「予算の適正な執行ではない、国損に当たる」と指導して歩いたのです。しかし、国の施策として分煙を進めるようにという指示が出ていますので、私の指導は説得力を持ちませんでした。
特に困ったのは、会計検査院の各階にも喫煙室が作られていたことです。
海幕監査官は会計検査院の海上自衛隊の各部隊に対する会計検査に立ち会うことも任務の一つでした。当時、会計検査院と海上自衛隊の間に、電子機器の維持整備に関する考え方に齟齬があり、下手をすると海上自衛隊の予算執行が適正でなく国損を与えていると指摘されかねない状況がありました。必要以上に厳重な予防整備を行っているのではないかという疑義を持たれたのです。
私は会計検査院にそれが誤解であること、防衛装備品は一般の装備品とは整備の考え方が異なることなどを説明していたのですが、なかなか理解を得られず膠着状態でした。
私は一計を案じました。
会計検査院のその問題を担当している責任者(なぜか副長と呼ばれるのですが。)がウルトラ級のヘビースモーカーであることに目を付けました。
ある時、私は会計検査院に出かけ、その副長を呼び出して質問をしました。
「自分は海幕監査官として全部隊に対し喫煙室を作ることは予算の不適切な執行にあたるとして止めるように指導しているが、貴院までが喫煙室を各階に作っているので指導に説得力がない。何とかしてくれないか。」
その副長は、分煙は国の施策であるので喫煙室を作ることは不適切な予算執行ではない、という見解を述べました。
私の逆襲が始まりました。
「そうですか。国の機関が、国の予算を使って、国の施設に喫煙室を作り、国が電気代を払って、喫煙者である国家公務員が一日の勤務時間の大半を机から離れてその部屋でボケーっと過ごすのを認め、彼らには勤務時間の延長の措置も取らず、電気代も徴収していない、喫煙時間分の減給もしていない、しかも喫煙している当人は健康を害するおそれが十分にあり、それは厚生労働省も明示的に認め、煙草のパッケージにはその旨記載されている。これが国損ではないのですか?
ちなみに、私はかなり重症のカフェイン中毒で珈琲が無いと三日と持たないのですが、勤務時間中に喫茶店に行って問題ないですか?
アルコール中毒患者にはバーを作るというようなことは到底認められないのに、なぜニコチン中毒者のみが優遇されるのですか?
国の分煙の施策は会計法に照らして違法だと考えますが、会計検査院としての見解を伺いたい。」
会計検査院は各省庁の検査を行い、そこで疑問があると検査院長の名前で「照会」という文書を出します。検査の結果、疑義があるので説明して欲しいという文書です。その照会文書に対する各省庁の回答に会計検査院が納得いかないと、国会に報告されるのです。
この「照会」は各省庁から出すことも規則上は可能です。つまり、予算執行にあたり、どう考えていいか分からないので会計検査院の見解を教えて欲しいということです。実際に省庁の方から検査院に対して照会が打たれたという事例がないことはないらしいのですが、私は見たことがありませんでした。
しかし私はこの照会を海上幕僚長名で検査院長に出すぞと迫ったのです。
相手の副長は「頼むから、その照会だけは勘弁してくれ」と言い出しました。私の正論すぎる正論に勝てる論理を見つけられなかったのでしょう。
海上自衛隊から出た照会は、海上自衛隊の検査を担当する部門が受け取らなければならないので、回答を書くとすれば彼が書くことになるのです。
勘弁してくれと言われたので、それでは照会を出すのを保留するので、今検査院が疑義を持っている海上自衛隊の電子機器の整備維持に関する照会を出すのも止めてくれと言うと、あっさり了解されてしまいました。取引成立です。
まぁ、私の脅しが効いたのではなく、防衛装備品の整備に関する特殊性に検査院が理解を示したということなのでしょうが、この日の交渉を昨日のことのように覚えています。
昔に比べて喫煙者は本当に少なくなりました。また、非喫煙者の前で堂々と吸うという人はほとんどおらず、可哀そうなくらい遠慮して吸っているようです。
しかし、都内の昔ながらの喫茶店では、ドアを開けた瞬間に目が痛くなるほど煙草の煙で充満しているところが珍しくありませんし、路上で喫煙する人もいないわけではありません。
私は鎌倉に住んでいますが、JRの鎌倉駅で下車ではなく、モノレールの駅が最寄り駅となっています。東京から電車を乗り継いでやっと最後の駅で降りるのですが、同じ駅で降りるビジネスマンで煙草を吸いながら歩く人がいるので困ります。
彼らにしてみれば東京からずっと禁煙車で我慢してきてやっと着いたのでしょう。そして自宅では奥さんに煙草を吸わせてもらえないのでしょう、つまり、駅で降りて自宅に帰りつくまでの数分間が彼らの唯一の喫煙タイムなのです。
であれば、ゆっくりと降りて悠々と吸えばいいのに、待ちきれないのかサッと下車するとセカセカ歩きながら吸うのです。
後ろを歩かされる私にとってはとんでもないことです。
喫煙者は気が付かないかもしれませんが、煙草の煙は非喫煙者にはかなり遠くでも分かります。風の状況にもよりますが、30メートルくらい離れても鼻につくのです。
特に冬の空気が冷たく、乾燥している時に前に喫煙者がいるときついのです。
私にとっても混雑した空気の悪い車内からやっと自宅近くに帰って、海からの風を思い切り吸い込みたいとき、前で煙草を吸われると吐き気がします。
日本が銃規制が行き届いた国であることを喫煙者は感謝すべきかもしれないのですよ。
いずれにせよ、この国が喫煙を全面的に禁止しない理由に納得がいきません。
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No,123 覚悟の問題と不吉な予感
先般、当コラムにおいて役人の三種の神器を話題にあげました。これは「問題の先送り」「前例の踏襲」そして「責任の回避」であり、これができない者は役人としては出世しない処世術だとしています。(専門コラム「指揮官の決断」 No.121 三種の神器 https://aegis-cms.co.jp/1414 )
当然のことながらこの三種の神器をしっかりと保持している役人に危機管理はできません。私は海上自衛隊在職中、指揮官としての着任の際や年頭の訓示などで、「我々は役人ではない。役人の三種の神器を守るような業務をしてはならない。」と主張し続けてきました。
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『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
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教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
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担税力があるからです。
つまり税収になれば国民の健康など後回しということです。しかも喫煙者以外の健康被害も出ることが分かっているのにです。
かつて海幕監査官として勤務していたことがあります。
海上自衛隊のすべての部隊の監査を担当していました。
この頃、国の施策で分煙というのが始まり、国の機関が手本を示せ、ということで各省庁は各階に喫煙室を作り、気圧を負圧にして煙が外に出ないようにする措置を取り始めていました。
一方、私は海幕監査官として、部隊にこの喫煙室を作ることを認めませんでした。
施設を作ることを「予算の適正な執行ではない、国損に当たる」と指導して歩いたのです。しかし、国の施策として分煙を進めるようにという指示が出ていますので、私の指導は説得力を持ちませんでした。
特に困ったのは、会計検査院の各階にも喫煙室が作られていたことです。
海幕監査官は会計検査院の海上自衛隊の各部隊に対する会計検査に立ち会うことも任務の一つでした。当時、会計検査院と海上自衛隊の間に、電子機器の維持整備に関する考え方に齟齬があり、下手をすると海上自衛隊の予算執行が適正でなく国損を与えていると指摘されかねない状況がありました。必要以上に厳重な予防整備を行っているのではないかという疑義を持たれたのです。
私は会計検査院にそれが誤解であること、防衛装備品は一般の装備品とは整備の考え方が異なることなどを説明していたのですが、なかなか理解を得られず膠着状態でした。
私は一計を案じました。
会計検査院のその問題を担当している責任者(なぜか副長と呼ばれるのですが。)がウルトラ級のヘビースモーカーであることに目を付けました。
ある時、私は会計検査院に出かけ、その副長を呼び出して質問をしました。
「自分は海幕監査官として全部隊に対し喫煙室を作ることは予算の不適切な執行にあたるとして止めるように指導しているが、貴院までが喫煙室を各階に作っているので指導に説得力がない。何とかしてくれないか。」
その副長は、分煙は国の施策であるので喫煙室を作ることは不適切な予算執行ではない、という見解を述べました。
私の逆襲が始まりました。
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会計検査院は各省庁の検査を行い、そこで疑問があると検査院長の名前で「照会」という文書を出します。検査の結果、疑義があるので説明して欲しいという文書です。その照会文書に対する各省庁の回答に会計検査院が納得いかないと、国会に報告されるのです。
この「照会」は各省庁から出すことも規則上は可能です。つまり、予算執行にあたり、どう考えていいか分からないので会計検査院の見解を教えて欲しいということです。実際に省庁の方から検査院に対して照会が打たれたという事例がないことはないらしいのですが、私は見たことがありませんでした。
しかし私はこの照会を海上幕僚長名で検査院長に出すぞと迫ったのです。
相手の副長は「頼むから、その照会だけは勘弁してくれ」と言い出しました。私の正論すぎる正論に勝てる論理を見つけられなかったのでしょう。
海上自衛隊から出た照会は、海上自衛隊の検査を担当する部門が受け取らなければならないので、回答を書くとすれば彼が書くことになるのです。
勘弁してくれと言われたので、それでは照会を出すのを保留するので、今検査院が疑義を持っている海上自衛隊の電子機器の整備維持に関する照会を出すのも止めてくれと言うと、あっさり了解されてしまいました。取引成立です。
まぁ、私の脅しが効いたのではなく、防衛装備品の整備に関する特殊性に検査院が理解を示したということなのでしょうが、この日の交渉を昨日のことのように覚えています。
昔に比べて喫煙者は本当に少なくなりました。また、非喫煙者の前で堂々と吸うという人はほとんどおらず、可哀そうなくらい遠慮して吸っているようです。
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