指揮官の休日 No.111 提督たちの夢
2019/01/11 (Fri) 06:40
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、No.119 韓国海軍艦艇射撃用レーダー照射事案の真相は? を掲載いたしました。
当コラムは危機管理専門のコラムなので、これまで安全保障問題を扱うことはありませんでしたが、この事案の理解は若干の軍事技術や国際法の知識が必要で、かつ皆様の関心も高いことから、論点を整理して解説いたしました。
詳しくは、https://aegis-cms.co.jp/1391 をご覧ください。
No.111 提督たちの夢
米海軍の軍人の自叙伝などを読んでいると、退役した後は故郷に帰り、牧場を買って暮らしたいという夢を語る方をよくお見受けします。
やはりアメリカ人にとっては牧場のオーナーになるというのは一つのステータスなのかもしれません。
まぁ自分がカウボーイになりたいということではないのでしょうが、私にはちょっとその感覚は分からないところです。
一方、ヨーロッパの海軍軍人を見ると、ワイナリーのオーナーになりたいという人がいて、調べて見ると結構ワイナリーの経営を余生の仕事としている退役軍人は多いようです。
これも自分が醸造の仕事をしたいわけではなく、自分のワイナリーがあって、そこに居心地のいいレストランやこじんまりとしたオーベルジュなどがあったらいいだろうなと思っているのでしょうが、こちらの感覚は理解できないこともありません。
ただし、相当の退職金を貰わないと無理ですね。
第二次大戦を戦ったヨーロッパの海軍の提督たちは、もともと貴族出身の軍人も多いので、そういうことができるし、また、それが現実的な感覚でもあったのでしょう。
それでは日本の退職海上自衛官は何をしたいと思っているのでしょうか。
多くの幹部自衛官は防衛関連企業に再就職します。
私が退職した時と今は若干制度が異なっているのですが、私の時は、退職後の再就職について審査を受けなければなりませんでした。
他省庁の公務員と異なり、防衛省の制服自衛官は再就職に際し、公的に斡旋を受けることができます。
退職年齢が一般企業に比べて早いことと、退職するその日まで配置を離れることなく職務に専念しなければならないので、再就職については公的に斡旋をして、本人を最後の日まで現場に留めるのです。
その再就職を斡旋する部門では、本人の経験や知識、性格、退職後の居住地の希望などを考慮し、防衛省に人材を求めてくる企業などの要望とのマッチングを図っています。
天下りなどと指摘を受けることの無いように条件を整えて斡旋をするのですが、最終的には防衛省の審査を受けることになります。
防衛省が委嘱した有識者による「自衛隊離職者就職審査会」という会合があり、そこで再就職が天下りにあたらないことが認定されないと再就職が出来なかったのです。
自衛隊幹部の知識・経験は防衛産業でもそのまま生かすことができるために、あるいは自衛隊との折衝の窓口として部隊をよく知っている人材というのは企業にとっても便利なので顧問に来てくれという会社は少なくありません。
審査会では過去5年の配置などが審査され、そこで関係のあった企業などへの再就職は認められませんでしたが、多くの同期生はやはり顧問になったり、あるいは「○○担当部長」という肩書で再就職していきました。
造船所で試運転の指揮を執るドックマスターという仕事に就く者もいました。
普通の護衛艦などは商船の船長出身者でも試運転くらいはできますが、潜水艦の試運転などは海上自衛隊で潜水艦の艦長を経験していない者にはできないのです。
私は大学で経営学を学んでいたので、ビジネスの世界を知りたいと考え、最初から防衛産業を目指さず、自衛隊と全く関係を持っていなかった精密部品を扱う専門商社に再就職したのですが、同じように顧問の道を選ばず、防衛産業とは関係のない分野で自分の能力を試したいと考えた同期生もいます。
船乗りだった一人は空港警備の仕事に就き、最初は自らガードマンの制服を着て空港内を警戒して回るというきつい仕事をしていましたが、現在は上級管理職として活躍しています。イージス艦の艦長なども経験しているのに、末端の警備員として巡回などという勤務はメンタル上は大変だったと思いますが、現場の経験が無ければ空港警備を理解することはできないとして頑張っていました。そのうち役員になるのでしょう。
もう一人は飛行機乗りでしたが、鋼鉄を扱うメーカーに再就職して社長に認められ、現在はメキシコの工場の経営を任されてメキシコで活躍しています。
両方とも私と同じく元海将補です。
彼らは海上自衛隊で身に付けたノウハウで第二の人生の勝負をしようと考えたのではなく、新たにビジネスの世界を学ぼうとしたのです。
つまり、彼らが見据えているのは、その次の人生です。
この二人の日本の元提督が何を見据えているのか、そのうちじっくりと飲みながら聞いてみたいと思います。
私はというと、専門技術商社で営業部長などを経験した後、カリフォルニアにある米国法人の現地経営責任者として米国で仕事をし、その後帰国して退職、コンサルティングファームを作って現在に至っていますが、追いかけている夢があります。
財団を二つ作りたいのです。
一つは海洋調査を行う財団で、若い人たちに海の素晴らしさを見せてやりたいと思っています。
自衛隊に入隊したためヨット乗りとしては中途半端に終わり、船に乗れると思って入った海上自衛隊では東京の役人暮らしばかりさせられたフラストレーションがたまっているのかもしれません。
もう一つは社会貢献をおこなう財団です。
この二つの財団を作ったら終わりかというとそうではありません。
最後にもう一つやりたいことがあります。
アメリカのリタイアした提督は牧場のオーナーになりたい、ヨーロッパの提督はワイナリーのオーナーになりたい、それでは日本は?
欧米の提督ほど退職金を貰っていないのでワイナリーを買ったりはできないのですが、ワイン用のブドウの畑のオーナーくらいにはなりたいと思っています。
ワイン用のブドウというのは一坪の土地に1本を植えることができ、5年くらいするとワイン用のブドウとして収穫できるのだそうです。しかもその木1本から750mlのワイン1本分のブドウが収穫できるということなので、計算が簡単です。
500坪の土地を手に入れると400本から500本のブドウの木を栽培でき、そこから毎年400本から500本のワインを作ることのできるブドウが収穫できるということです。
ワインそのものは鋳造免許を取得するのも大変なのでメーカーにお任せすることになります。もちろんそれを売って儲けようなどと考えているわけではありませんので、ブドウ園を買い取って誰かにブドウの木の面倒を見させるわけではなく、自分で作業をしなければなりません。
出来上がったワインの100本は自家消費用にとっておき、残りは贈答用です。
今のうちに私とお友達になっておくと、何年か後に、お店では手に入らない美味しいワインが届くようになるかもしれませんよ。
ということで、日本のリタイアしたもう一人の夢は「ブドウ畑のオヤジ」になることです。
早朝にブドウ畑の手入れをして、その後は横に建てた掘っ立て小屋の中で、小さなクルーザーを自分で木を削って造り、夕方になると自分で採ったブドウで作ったワインを飲みながらその造りかけの船を眺めて海への想いを馳せる、そんな生活は引退後の生活としては悪くないと思っています。
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No,119 韓国海軍艦艇射撃管制用レーダー照射事件の真相は?
当コラムは危機管理専門コラムなので、これまで安全保障問題を取り上げることはありませんでした。軍隊や自衛隊を話題としたことはありますが、安全保障の問題として取り上げたものではありません。
執筆者が危機管理の専門家であって安全保障論の専門家ではないという立場をとっており、専門外を論ずることを避けてきたこと、元自衛官として守秘義務に縛られているので語ることのできないことが多々あること、元自衛官の発言ということで、一部だけを切り取られて引用されると本意と異なる内容となることがあることなどから議論を控えておりました。
しかしながら、昨年末に生起した韓国海軍艦艇による射撃管制用レーダー照射事案とその後の韓国政府の対応について、会う人ごとに解説を求められるので、今回は当コラムで論点を整理したいと思います。
実は私は海上自衛隊の初任幹部の頃、護衛艦のミサイル射撃担当の砲術士として射撃指揮装置を操作していたことがあるので、韓国艦内部において何が起きていたのかを容易に想像できるのです。
続きはこちらからお読みください。
https://aegis-cms.co.jp/1391
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『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
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教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
こちらをどうぞ
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
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No.111 提督たちの夢
米海軍の軍人の自叙伝などを読んでいると、退役した後は故郷に帰り、牧場を買って暮らしたいという夢を語る方をよくお見受けします。
やはりアメリカ人にとっては牧場のオーナーになるというのは一つのステータスなのかもしれません。
まぁ自分がカウボーイになりたいということではないのでしょうが、私にはちょっとその感覚は分からないところです。
一方、ヨーロッパの海軍軍人を見ると、ワイナリーのオーナーになりたいという人がいて、調べて見ると結構ワイナリーの経営を余生の仕事としている退役軍人は多いようです。
これも自分が醸造の仕事をしたいわけではなく、自分のワイナリーがあって、そこに居心地のいいレストランやこじんまりとしたオーベルジュなどがあったらいいだろうなと思っているのでしょうが、こちらの感覚は理解できないこともありません。
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それでは日本の退職海上自衛官は何をしたいと思っているのでしょうか。
多くの幹部自衛官は防衛関連企業に再就職します。
私が退職した時と今は若干制度が異なっているのですが、私の時は、退職後の再就職について審査を受けなければなりませんでした。
他省庁の公務員と異なり、防衛省の制服自衛官は再就職に際し、公的に斡旋を受けることができます。
退職年齢が一般企業に比べて早いことと、退職するその日まで配置を離れることなく職務に専念しなければならないので、再就職については公的に斡旋をして、本人を最後の日まで現場に留めるのです。
その再就職を斡旋する部門では、本人の経験や知識、性格、退職後の居住地の希望などを考慮し、防衛省に人材を求めてくる企業などの要望とのマッチングを図っています。
天下りなどと指摘を受けることの無いように条件を整えて斡旋をするのですが、最終的には防衛省の審査を受けることになります。
防衛省が委嘱した有識者による「自衛隊離職者就職審査会」という会合があり、そこで再就職が天下りにあたらないことが認定されないと再就職が出来なかったのです。
自衛隊幹部の知識・経験は防衛産業でもそのまま生かすことができるために、あるいは自衛隊との折衝の窓口として部隊をよく知っている人材というのは企業にとっても便利なので顧問に来てくれという会社は少なくありません。
審査会では過去5年の配置などが審査され、そこで関係のあった企業などへの再就職は認められませんでしたが、多くの同期生はやはり顧問になったり、あるいは「○○担当部長」という肩書で再就職していきました。
造船所で試運転の指揮を執るドックマスターという仕事に就く者もいました。
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私は大学で経営学を学んでいたので、ビジネスの世界を知りたいと考え、最初から防衛産業を目指さず、自衛隊と全く関係を持っていなかった精密部品を扱う専門商社に再就職したのですが、同じように顧問の道を選ばず、防衛産業とは関係のない分野で自分の能力を試したいと考えた同期生もいます。
船乗りだった一人は空港警備の仕事に就き、最初は自らガードマンの制服を着て空港内を警戒して回るというきつい仕事をしていましたが、現在は上級管理職として活躍しています。イージス艦の艦長なども経験しているのに、末端の警備員として巡回などという勤務はメンタル上は大変だったと思いますが、現場の経験が無ければ空港警備を理解することはできないとして頑張っていました。そのうち役員になるのでしょう。
もう一人は飛行機乗りでしたが、鋼鉄を扱うメーカーに再就職して社長に認められ、現在はメキシコの工場の経営を任されてメキシコで活躍しています。
両方とも私と同じく元海将補です。
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ワイン用のブドウというのは一坪の土地に1本を植えることができ、5年くらいするとワイン用のブドウとして収穫できるのだそうです。しかもその木1本から750mlのワイン1本分のブドウが収穫できるということなので、計算が簡単です。
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