指揮官の休日 No.105 絆
2018/11/30 (Fri) 06:30
XXXX 様
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指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
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危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、No.113 感性の劣化がもたらすもの・・・を掲載いたしました。
国会の答弁を聞きながらいろいろと考えてしまいました。
詳しくは、https://aegis-cms.co.jp/1358 をご覧ください。
No.113 絆
イギリスの作家サマセット・モームに『人間の絆』という作品があります。
脚にハンディを持って生まれたフィリップという少年が両親を早くに失い、牧師である叔父に育てられ、様々な苦労と葛藤と闘いながら成長していく自伝的小説ですが、何度読んでもこの小説のタイトルが『人間の絆』となっている理由が分かりません。
原題は” Of Human Bondage “です。フィリップは様々な境遇におかれても人に対する優しさを失いませんが、しかし彼は周囲にいる人々に翻弄され続けます。とうてい「絆」を著したものではないように思います。
むしろ” bondage “の訳は束縛、隷従の方がいいように思います。
私なら『人間の呪縛』とでも題するところです。
ということで、この「絆」という言葉は若干難しい意味を持っているのかもしれません。
「絆」という言葉が日本で大きくフューチャーされ、何度も使われたのは東日本大震災の時でした。
人と人の絆の尊さが改めて認識され、その言葉の元に多くのボランティアが現場に赴き、現場に行けなかった人々も被災した人々に思いを寄せました。
たしかに人との絆を感じ取ることができるとき、人は例え独りぼっちであっても孤独を感じなくて済むのかもしれません。
初任幹部として艦隊勤務をしていたころ、訓練航海の途上、夜の一時、その日の訓練予定を終えて次の訓練海面に向かってただ走っているだけという時間がちょっとだけできることがあります。
運が悪いとそのようなときに当直に当たってしまうのですが、たとえ当直でなくとも若い幹部は自分の所掌配置がしっかりと維持されているかどうか確認しをしなければなりません。
連日の猛訓練で疲れている身体をなだめすかして自分の戦闘配置を見て回ったりします。
灯火管制がされた暗い艦内で、士官室へ珈琲を飲みに行っても誰もいないというようなとき、それでもCIC(戦闘指揮所)に顔を出すといつものとおりの活気があり、また、自分の所掌配置に顔を出すと当直員が「オッ」という顔して、次に「珈琲いかがですか?」などと聞いてきます。艦内では真夜中でもどこかで誰かが当直勤務をこなしており、顔を出すとニッコリする笑顔が返ってきます。
暗い艦内のいろいろなところに志を同じくする仲間がいるというこの雰囲気は嫌いではありませんでした。
陸上勤務では味わえない独特の仲間意識です。
これも一つの絆だったのでしょう。
若い人たちはネット上でそのような絆を感じ取っているのかもしれません。SNSで交わされる何ということもない会話などを見ているとそれが分かります。
私たちの世代のように、改まったメールではなく、もっと簡単な普通の会話が交わされているようです。
私は一度しか経験がありませんがヨットの先輩たちの話を聞くと、昔はヨットが岬を回るときに船名符字を掲げると、岬の灯台に「安全なる航海を祈る。」という旗りゅう信号が掲げられたそうです。灯台はそのヨットが岬を回った時刻を記録してくれますので、後に行方不明などになった際、捜索範囲を特定するのに役立つのだそうです。
ここでも灯台を守る海上保安官との間に「絆」を感じ取ることができたようです。
現在は実用通信で電信にモールス信号を使っている船はありませんが、かつてはモールス符号による通信が主流でした。
この電信には通信士に個性があったそうで、慣れてくるとどの通信士が打っているのかが分かったそうです。
つまり、単調なモールス符号を受信していても、その向こうに発信者の顔が見えていたのです。
米国駐在の連絡官で、近くの空港で飛行訓練を受けていた時、その空港に勤務する女性の管制官がいました。
普段はグランドコントロールを担当しているのですが、土曜日や日曜日の昼間などトラフィックのあまりない時にはタワーを担当することがありました。
不思議なことにその時になると、その空港の上空を通過する飛行機が多いのです。
注意して聴いていると、何もわざわざその空港の上空を通らなくてもいいのにと思うような飛行機もわざわざ上空通過を通知してくるのです。
ある時、空港のレストランでその女性管制官を見かけて理由が分かりました。
元々低い声で、若干気だるそうな交話をする管制官だったのですが、こちらは飛行訓練中だったのであまり気にしていませんでした。というよりも、低めの声でゆっくりと喋ってくれるので聞き取りやすく、有難く思っていました。
初めてのソロ飛行を終えて降りてきた後、空港のレストランで珈琲を飲んでいる時に彼女が現れ、あなたがさっき初ソロを終わって降りてきたパイロットかと聞いて、おめでとうと言ってくれたのです。私のインストラクターがタワーに上って一緒に見ていたらしいのです。
彼女もあきらかに英語のネイティブスピーカーではない訓練生がローカルエリアで免許を取得するための訓練をしているのに気が付いていたのでしょう。
無線での交話は何度もしていましたが、顔を合わせるのは初めてでした。
20代後半か30代前半の恐ろしい美人でした。
週末に付近を飛んでいる自家用パイロットたちは、その管制官と話がしたくて用もないのにわざわざ上空通過をするのだということが分かりました。
これも無線を使った一つの絆だったのでしょう。
この頃、初めての夜間のソロで大きな空港に降りる準備をしている時、タワーに着陸許可を貰おうとしたら、夕方のラッシュ時で大型機の離発着が多く、速度の遅い私の優先順位はずっと後ろだから近くで旋回して待機するように言われました。
クリスマスの前日のことで、指定された高度まで上がると雪雲の上に出てしまうため、自分はまだスチューデントパイロットなので雲の上に出るわけにはいかないと伝えると、そのいかにもベテランらしい年配の女性の管制官が、「大丈夫よ、私が降ろしてあげるから。」と言ってくれました。
これも無線の向こうに貫禄のあるおばさんがニコニコしているのが見えるような会話でした。
時代や環境によって人との繋がりを認識できる方法や状況は変わっていくのでしょうが、やはり何かホッとするものがあります。
通信がデータ通信のみで行われるようになり、航空管制もAIが行うようになる時代はそう遠い先のことではありません。その時に、人はどのような時に、何に人と人との絆を意識するようになるのか興味のあるところです。
先日、あるところで食事をしていた時に、そこのご主人に勧められて飲んだ日本酒が「和の絆」という大吟醸で、普段日本酒をあまり飲まない私にも、その凛とした辛口の良さがしみ込んでくるような味わいでした。その日以来、どうも「絆」という文字が気になっており、このメールマガジンとなった次第です。
ドライマティニの話ではなく、発端は日本酒でした。
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専門コラム「指揮官の決断」掲載のご案内
No.113 感性の劣化がもたらすもの
出入国管理法改正案についての国会審議が続いています。
衆議院法務委員会での審議を聞いていて「アレ?」と思ったことがありました。
山下法務大臣が提案提出理由の中で、多くの外国人技能実習生が失踪している理由として「最低賃金以下を含む低賃金に不満を持ち、より高い賃金を求めて」と説明したのです。
「エッ?」と思っていたところ、質問に立っていた立憲民主党の山尾志桜議員が「契約賃金や最低賃金以下というのは正当な権利主張をしているのであって、それを不満と表現するのは不適切だ。」と指摘しました。
この指摘は極めて妥当です。
続きはこちらからお読みください。
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『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
セルバ出版
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教育訓練の受託を開始いたしました。
ご要望の多い教育訓練について、専門のスタッフを揃え、新たに教育訓練部門を開設いたしました。
内容について順次ご紹介して参りますが、弊社Webをご覧頂ければ概要をご理解頂けます。
こちらをどうぞ
https://aegis-cms.co.jp
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コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
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図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
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発行人:株式会社イージスクライシスマネジメント
代表取締役 林 祐
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不思議なことにその時になると、その空港の上空を通過する飛行機が多いのです。
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