指揮官の休日 No.099 13時間かけて飲みに行った珈琲
2018/10/19 (Fri) 06:30
XXXX 様
-------------------------------------------------------------------
指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
-------------------------------------------------------------------
危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、No.107 『失敗の本質』再考 その2 意思決定の環境 を掲載しています。
名著『失敗の本質』を読み直しています。
詳しくは、https://aegis-cms.co.jp/1308 をご覧ください。
No.099 13時間かけて飲みに行った珈琲
当メールマガジン「指揮官の休日」は、サブタイトルが「コーヒーで始まりドライマティニで締めくくる心豊かな一日」となっています。
したがって、ここで私がコーヒーについての蘊蓄を語るのを皆様は我慢しなければなりません。
なにせ世界中の海でコーヒーを飲んできたという自負があるので、珈琲についてもそれなりに語ろうと思えば語るのです。(世界中で飲んできたのではありませんよ。世界中の海で飲んできたのです。世界一周の遠洋航海の間中、船の煮詰まったような不味いコーヒーを飲んでいたので、世界中の海で飲んできたと申し上げているのです。)
私は特にコーヒーの種類や淹れ方にこだわりがあるわけではありません。前にもこのメールマガジンで書いたことがありますが、熱くて濃いのが大きなカップに入っていれば大体満足しています( I like my coffee hot and strong, served in a big mag. というフレーズを覚えていらっしゃる方もおられるかと思います。(https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all&m=102 をご覧ください。)
もちろん挽きたて、淹れたてが美味しいのは間違いなしです。
したがって、どこのカフェがいいとかはあまりこだわっていません。
カフェで飲むより自宅や船の上で風に吹かれながら飲むのが一番美味いと思っているからです。
キャンプで薬缶にグラグラとお湯を沸かし、珈琲の粉を放り込んで淹れるコーヒーも嫌いではありません。(アメリカでカウボーイがダッチオーブンでこうやってコーヒーを淹れているのを見たことがあります。)
しかし、一つだけ好きなカフェがあり、近くを通る時には必ず寄るようにしています。今回はそのカフェのお話です。
学生時代、当初から車の運転が好きではなかった私は(なぜ車の運転が好きではないのかは https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all&m=64 をご覧ください。)、住んでいた湘南の道路が休日など恐ろしく渋滞することもあり、バイクに乗っていました。
最初は小さな原付で、私がクルーとして乗っていた江の島のヨットに通うには便利だったのですが、油壷のヨットにも行かなければならず、ちょっと力不足を感じていました。
その頃、ホンダがXL250Rというプロリンクサスペンションを初めて搭載したトレールバイクを売り出しました。
当時は暴走族が走り回っていたので彼らと同じロードバイクに乗るつもりはなかったのですが、山道も走ることのできるトレールバイクは私の感性にあっていたのか、写真を見て一目惚れし、アルバイトで貯めていたお金を全部出して購入しました。
さて、納車されてうれしくて仕方なかった私は近場をあちらこちらと走っていましたが、ある時、ふと思い立って箱根を越えてみることにしました。
夏休みの最初に行われた鳥羽パールレースというレースに参加して戻り、整備が一通り終わり、ヨットの方が一息ついた頃でした。
大方の皆様のお考えとは違って、外洋レースのヨットは夏の間はオフシーズンです。秋になるまでレースがないのです。夏は暑いだけで風が無いからです。
ある日、朝早く、まだ夜が明けないうちに家を出た私は西湘バイパスを通らず、国道一号をひたすら西に走り、箱根新道を駆け上がり、三島・沼津と走っていました。
目的が箱根を越えることだったので、どこでUターンしようかと考えていたのですが、あまりにも順調に箱根を越えてしまったので戻るタイミングを失ってしまったのです。
場合によっては西伊豆を回ってどこかに泊まるか、あるいは野宿になるかもしれないという程度の荷物や着替えは積んでいたので、もう少し遠くまで行こうと走っていたのですが、浜松を抜け、浜名湖を渡ったころからちょっと感じが変わってきました。
あまりにもバイクが快適なのと、今来た道を戻るのが面倒になったのです。
浜名湖の西側に出ると覚悟が決まりました。
「もう少し行けば名古屋だ。」
ところが私は東名高速に上がって走っていたのではなく、国道を走っていたため、途中で道を間違えてしまったのです。
箱根を越えるだけのつもりでしたので地図も持たず、当時のことでGPSなど当然ないので、名古屋市内に向かう標識を見落として四日市の方へ行ってしまったのです。
昼食を沿道にあったラーメン屋で食べながら考えました。
さすがにちょっと疲れたけど、バイクの調子は絶好調。まだいける。
今から考えるとすさまじい基礎体力だったかと思うのですが、なんと目の前の山を越えれば大津に出るななどと考えていたようです。
喫茶店で一休みして英気を養い、そろそろ痛んできたお尻をなだめながらバイクにまたがり、思いのほか険しい山中を走って草津に出てそのまま大津に走り込みました。
漠然と大津で泊まろうと思っていたのですが、駅前の周辺案内の地図を見ていたら、大津と京都の近さに気が付きました。すぐ隣なのです。
実は体力はほとんど尽きかけていたのですが、その近さを見たとたん、ここで帰るわけにはいかないと覚悟を決めて京都市内を目指しました。
これが結構面倒な道が続き、なかなか目指す市内に入れなかったのですが、そろそろ泣き出しそうになる頃にやっと八坂神社の前にたどり着いたのです。
朝鎌倉を出て13時間後、午後5時でした。
さすがに全身がガタガタで、泊まる宿を探すのも面倒で、とにかくどこかに座りたいと思って街を歩いていたときに、ふと町屋風の喫茶店が目に入り、京都らしくていいやと思って入りました。
そこで頼んだコーヒーがおそろしく濃い酸味の強いコーヒーで、「凄いな、こいつは」と強烈な印象を受けたのを覚えています。
それがイノダという当時すでに有名だった喫茶店の本店だったと知ったのは相当後になってからのことです。
それ以来、イノダという店は私にとっては特別な感慨をもって接する店の一つとなりました。
海上自衛隊在職中は舞鶴へ出張で行くことがよくありました。京都で新幹線を乗り換えるのですが、私はこの時に最短で連絡する便を取らず、かならず1時間以上時間をずらして予約するようにしていました。
さすがに三条の本店まで行く時間はないのですが、京都駅の地下街の一番端にイノダの支店があり、そこに必ず寄るようにしていました。
イノダのハウスブレンドは「アラビアの真珠」というモカベースのコーヒーですが、私の好きなのは「ジャーマン」というコーヒーで重厚な味が売り物です。
このコーヒーだけは注文する時に必ず「お時間がかかりますがよろしいですか?」と訊かれます。濃くて熱いのが大きめのカップに入ってくるので私の好みにぴったりです。
不思議なのですが、その日どこで泊まったのかをまったく思い出せません。
京都の街を歩くとき、時々、あの時泊まったのはどこだったのかなと思うのですが、思い出す部屋や朝ご飯などはよく考えると別のところのもののようで、京都のどこに泊まったのか記憶が飛んでしまっています。
覚えているのが次の日の朝、バイクに乗ろうと思ったらお尻が痛くてとても乗ることができず、お店が開くのを待って小さなクッションを買い、それをシートに括り付けて乗っていたことです。トレールバイクはただでさえエンジンが高い位置に取り付けられていてシートの座面が高く、ロードバイクやアメリカンのようにベタッと足を地面につけるのが難しいのですが、クッションなど括り付けたのでつま先を地面につけるのも大変で、信号待ちなどの時の不安定なのが大変でした。
その日は来た道を引き返したのですが、さすがに箱根を一挙に超える気にならず、東海大学の海洋学部にいた友人がまだ帰省せずに大学で研究作業をしていることを知っていたので、清水の彼の下宿に転がり込んで泥のように眠ったのを覚えています。
一杯の珈琲を飲みに鎌倉から京都までオートバイで走ったなどというと片岡義男さんの小説みたいですが、実際には疲れ果てて泥のようになり、お尻が痛くてまともに歩くこともできないような状態で倒れ込んだような状態でした。
しかし、大学生だったからできた、懐かしいけど二度とやってみたいとは思わない若気の至りの一コマでした。
-------------------------------------------------------------------------------------
メールマガジンのバックナンバーは弊社Facebookページからもお読みいただけます。
Facebookページ 「指揮官の決断/休日」 https://www.facebook.com/aegis.cm
Facebookページでは、当メールマガジンでは見ることのできない写真もご覧頂くことが出来ます。
是非Facebookページをご訪問ください。
Twitterでも時々、折に触れて気が付いたことを呟いています。
https://twitter.com/CaptainHayashi です。
-------------------------------------------------------------------------------------
当社Webサイトに、専門コラム「指揮官の決断」をアップしております。是非、ご覧ください
-------------------------------------------------------------------------------------
専門コラム「指揮官の決断」掲載のご案内
No.107 『失敗の本質』再考 その2 意思決定の環境 を掲載しています。
当コラムのNo.103においては、名著『失敗の本質』を取り上げ、意思決定の目的は何かという本質的な問題を考えました。(専門コラム「指揮官の決断」 No.103 『失敗の本質』再考:自らの使命は何なのかを問い続けよ。https://aegis-cms.co.jp/1275 )
今回は意思決定が行われる環境について考えます。
続きはこちらからお読みください。
https://aegis-cms.co.jp/1308
---------------------------------------------------------------------------------------
お薦めのセミナー
『イキイキ働く社員が育ち団結して業績が伸びる「アクティブメンタル」組織風土づくりセミナー』
株式会社ココティアコンサルティング代表 高橋 雅美 氏
2018年11月16日(金) 13:30~17:00
会場:機械振興会館
〒105-0011 東京都港区芝公園3-5-8
先週からお知らせいたしておりますが、ココティアコンサルティング代表の高橋雅美さんのセミナー開催が近付いています。
活気のある組織を作りたい願わない経営者はいないと思いますが、バックグランドも価値観も何もかも異なる様々なメンバーとどのように対峙すればいいのかなかなか解決策を見出すのは大変です。
高橋代表のセミナーでは、真剣に問題を考えている方なら必ずヒントを得ることができるはずです。
セミナーが受講する価値があるかどうかとお考えの方は、高橋代表がウェブサイトに掲載されているコラムをまずお読みになることをお薦めします。https://cocotia.co.jp/category/column
真剣に従業員のメンタルヘルスをお考えの方であれば、高橋代表の考え方がいかに実践的であるかがお分かりになるはずです。
弊社開催のセミナーの同様ですが、こちらのセミナーも内容に納得がいかなければ100%返金保証だそうです。
御自分のセミナーの内容に自信をお持ちであることが窺えます。
少人数開催のようですので、早めのお申し込みをお薦めします。
お申し込みはこちらからどうぞ https://cocotia.co.jp/category/seminar
---------------------------------------------------------------------------------------
弊社出版物
『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
セルバ出版
お求めの方は、こちらからどうぞ。
https://aegis-cms.co.jp/book1
---------------------------------------------------------------------------------------
Facebookページを公開しています。
メールマガジン及び専門コラムのバックナンバーをお読みいただけます。
Facebookページ「指揮官の決断/休日」
https://www.facebook.com/aegis.cm
----------------------------------------------------------------------------------------
開催予定セミナーのご案内
スペシャルセミナー
――危機管理が人を育て、事業を伸ばす!――
「危機を機会に変えるクライシスマネジメントの5大戦略」
どうすれば危機に陥りにくい組織を作ることができるのか、危機的な状況に陥った場合に、毅然
として対応できるようになるためにはどのような組織を作っておけばいいのかを、イージスクライシス
マネジメントシステムを体系化した講師が語ります。
経営トップの皆様、役員、各部門の長の方々のご参加をお勧めします。
開催場所:ホテルグランドヒル市ヶ谷
東京都新宿区市ヶ谷本村町4-1
開催時期:決定次第お知らせします。
セミナー料金: ¥38,000 (返金保証)
内容にご不満の場合は、理由の如何を問わず全額を返金させていただきます。
エクゼクティブセミナー
――危機管理が人を育て、事業を伸ばす!――
「危機を機会に変える経営トップのための5大戦略」
どうすれば危機に陥りにくい組織を作ることができるのか、危機的な状況に陥った場合に、毅然と
して対応できるようになるためにはどのような組織を作っておけばいいのかを、イージスクライシス
マネジメントシステムを体系化した講師が語ります。
スペシャルセミナーの内容を踏襲しつつ、特に経営トップのために企画されたセミナーです。部隊
指揮官、企業の役員、経営者を経験している講師が、経営トップの皆様に特に伝えたい思いを語ります。
経営トップ、役員等の方々限定のセミナーです。
開催場所: 当社鎌倉極楽寺セミナーハウス
リゾート感覚溢れる湘南鎌倉の隠れ家的セミナーハウスです。
限定少人数で開催いたします。
(住所は公開しておりません。参加の方に個別にお知らせします。)
開催時期: 決定次第お知らせします。
セミナー料金: ¥38,000 (返金保証)
内容にご不満の場合は、理由の如何を問わず全額を返金させていただきます。
その他
特別開催: 経営トップの皆様が役員や担当者をお連れになり、チームで受講したいとお考えの場合は、
上記の当社鎌倉極楽寺セミナーハウスのエクゼクティブセミナーをご利用ください。当社開催日以外であ
っても、日程の調整を承ります。
セミナーについて、詳しくはこちらをご覧ください。
http://aegis-cms.co.jp/
----------------------------------------------------------------------------------------
コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
----------------------------------------------------------------------------------------
図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://aegis-cms.co.jp/cpx
----------------------------------------------------------------------------------------
バックナンバーを公開しています。
こちらからご覧ください。https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
メールアドレスの変更はこちらからお手続きください。
http://aetis-cms.co.jp/mailmag
メールマガジンがご不要の場合はこちらから解除をして頂くことができます。
http://q.bmd.jp/bm/p/f/s.php?id=aegismm&mail=uhayashi%40jcom.zaq.ne.jp&no=2
----------------------------------------------------------------------------------------
メールマガジン「指揮官の休日」
発行人:株式会社イージスクライシスマネジメント
代表取締役 林 祐
email: yhayashi@aegis-cms.co.jp
Web : http://aegis-cms.co.jp
----------------------------------------------------------------------------
-------------------------------------------------------------------
指揮官の休日
――コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日――
-------------------------------------------------------------------
危機管理に挑む経営者の皆様に贈るメールマガジンです。
当社コラム「指揮官の決断」の更新のお知らせ、当社セミナー情報はもちろん、危機管理の参考となる図書、是非参加をお薦めする他社主催のセミナーなどの情報をお届けして参ります。
あわせて、常時厳しい緊張状態を強いられている経営者の皆様にちょっと一息ついて頂けるような話題を選んでお送りします。「コーヒーで始まり、ドライマティーニで締めくくる心豊かな一日」というサブタイトルも、日頃すさまじいストレスにさらされながらも頑張っている経営者の皆様に、たまにはそんな日がありますようにという想いを込めています。
途中からお読みの方は、お時間のあるときに是非バックナンバーをお読みください。
ワンクリックでバックナンバーを読んで頂けます。
https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
専門コラム「指揮官の決断」は、No.107 『失敗の本質』再考 その2 意思決定の環境 を掲載しています。
名著『失敗の本質』を読み直しています。
詳しくは、https://aegis-cms.co.jp/1308 をご覧ください。
No.099 13時間かけて飲みに行った珈琲
当メールマガジン「指揮官の休日」は、サブタイトルが「コーヒーで始まりドライマティニで締めくくる心豊かな一日」となっています。
したがって、ここで私がコーヒーについての蘊蓄を語るのを皆様は我慢しなければなりません。
なにせ世界中の海でコーヒーを飲んできたという自負があるので、珈琲についてもそれなりに語ろうと思えば語るのです。(世界中で飲んできたのではありませんよ。世界中の海で飲んできたのです。世界一周の遠洋航海の間中、船の煮詰まったような不味いコーヒーを飲んでいたので、世界中の海で飲んできたと申し上げているのです。)
私は特にコーヒーの種類や淹れ方にこだわりがあるわけではありません。前にもこのメールマガジンで書いたことがありますが、熱くて濃いのが大きなカップに入っていれば大体満足しています( I like my coffee hot and strong, served in a big mag. というフレーズを覚えていらっしゃる方もおられるかと思います。(https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all&m=102 をご覧ください。)
もちろん挽きたて、淹れたてが美味しいのは間違いなしです。
したがって、どこのカフェがいいとかはあまりこだわっていません。
カフェで飲むより自宅や船の上で風に吹かれながら飲むのが一番美味いと思っているからです。
キャンプで薬缶にグラグラとお湯を沸かし、珈琲の粉を放り込んで淹れるコーヒーも嫌いではありません。(アメリカでカウボーイがダッチオーブンでこうやってコーヒーを淹れているのを見たことがあります。)
しかし、一つだけ好きなカフェがあり、近くを通る時には必ず寄るようにしています。今回はそのカフェのお話です。
学生時代、当初から車の運転が好きではなかった私は(なぜ車の運転が好きではないのかは https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all&m=64 をご覧ください。)、住んでいた湘南の道路が休日など恐ろしく渋滞することもあり、バイクに乗っていました。
最初は小さな原付で、私がクルーとして乗っていた江の島のヨットに通うには便利だったのですが、油壷のヨットにも行かなければならず、ちょっと力不足を感じていました。
その頃、ホンダがXL250Rというプロリンクサスペンションを初めて搭載したトレールバイクを売り出しました。
当時は暴走族が走り回っていたので彼らと同じロードバイクに乗るつもりはなかったのですが、山道も走ることのできるトレールバイクは私の感性にあっていたのか、写真を見て一目惚れし、アルバイトで貯めていたお金を全部出して購入しました。
さて、納車されてうれしくて仕方なかった私は近場をあちらこちらと走っていましたが、ある時、ふと思い立って箱根を越えてみることにしました。
夏休みの最初に行われた鳥羽パールレースというレースに参加して戻り、整備が一通り終わり、ヨットの方が一息ついた頃でした。
大方の皆様のお考えとは違って、外洋レースのヨットは夏の間はオフシーズンです。秋になるまでレースがないのです。夏は暑いだけで風が無いからです。
ある日、朝早く、まだ夜が明けないうちに家を出た私は西湘バイパスを通らず、国道一号をひたすら西に走り、箱根新道を駆け上がり、三島・沼津と走っていました。
目的が箱根を越えることだったので、どこでUターンしようかと考えていたのですが、あまりにも順調に箱根を越えてしまったので戻るタイミングを失ってしまったのです。
場合によっては西伊豆を回ってどこかに泊まるか、あるいは野宿になるかもしれないという程度の荷物や着替えは積んでいたので、もう少し遠くまで行こうと走っていたのですが、浜松を抜け、浜名湖を渡ったころからちょっと感じが変わってきました。
あまりにもバイクが快適なのと、今来た道を戻るのが面倒になったのです。
浜名湖の西側に出ると覚悟が決まりました。
「もう少し行けば名古屋だ。」
ところが私は東名高速に上がって走っていたのではなく、国道を走っていたため、途中で道を間違えてしまったのです。
箱根を越えるだけのつもりでしたので地図も持たず、当時のことでGPSなど当然ないので、名古屋市内に向かう標識を見落として四日市の方へ行ってしまったのです。
昼食を沿道にあったラーメン屋で食べながら考えました。
さすがにちょっと疲れたけど、バイクの調子は絶好調。まだいける。
今から考えるとすさまじい基礎体力だったかと思うのですが、なんと目の前の山を越えれば大津に出るななどと考えていたようです。
喫茶店で一休みして英気を養い、そろそろ痛んできたお尻をなだめながらバイクにまたがり、思いのほか険しい山中を走って草津に出てそのまま大津に走り込みました。
漠然と大津で泊まろうと思っていたのですが、駅前の周辺案内の地図を見ていたら、大津と京都の近さに気が付きました。すぐ隣なのです。
実は体力はほとんど尽きかけていたのですが、その近さを見たとたん、ここで帰るわけにはいかないと覚悟を決めて京都市内を目指しました。
これが結構面倒な道が続き、なかなか目指す市内に入れなかったのですが、そろそろ泣き出しそうになる頃にやっと八坂神社の前にたどり着いたのです。
朝鎌倉を出て13時間後、午後5時でした。
さすがに全身がガタガタで、泊まる宿を探すのも面倒で、とにかくどこかに座りたいと思って街を歩いていたときに、ふと町屋風の喫茶店が目に入り、京都らしくていいやと思って入りました。
そこで頼んだコーヒーがおそろしく濃い酸味の強いコーヒーで、「凄いな、こいつは」と強烈な印象を受けたのを覚えています。
それがイノダという当時すでに有名だった喫茶店の本店だったと知ったのは相当後になってからのことです。
それ以来、イノダという店は私にとっては特別な感慨をもって接する店の一つとなりました。
海上自衛隊在職中は舞鶴へ出張で行くことがよくありました。京都で新幹線を乗り換えるのですが、私はこの時に最短で連絡する便を取らず、かならず1時間以上時間をずらして予約するようにしていました。
さすがに三条の本店まで行く時間はないのですが、京都駅の地下街の一番端にイノダの支店があり、そこに必ず寄るようにしていました。
イノダのハウスブレンドは「アラビアの真珠」というモカベースのコーヒーですが、私の好きなのは「ジャーマン」というコーヒーで重厚な味が売り物です。
このコーヒーだけは注文する時に必ず「お時間がかかりますがよろしいですか?」と訊かれます。濃くて熱いのが大きめのカップに入ってくるので私の好みにぴったりです。
不思議なのですが、その日どこで泊まったのかをまったく思い出せません。
京都の街を歩くとき、時々、あの時泊まったのはどこだったのかなと思うのですが、思い出す部屋や朝ご飯などはよく考えると別のところのもののようで、京都のどこに泊まったのか記憶が飛んでしまっています。
覚えているのが次の日の朝、バイクに乗ろうと思ったらお尻が痛くてとても乗ることができず、お店が開くのを待って小さなクッションを買い、それをシートに括り付けて乗っていたことです。トレールバイクはただでさえエンジンが高い位置に取り付けられていてシートの座面が高く、ロードバイクやアメリカンのようにベタッと足を地面につけるのが難しいのですが、クッションなど括り付けたのでつま先を地面につけるのも大変で、信号待ちなどの時の不安定なのが大変でした。
その日は来た道を引き返したのですが、さすがに箱根を一挙に超える気にならず、東海大学の海洋学部にいた友人がまだ帰省せずに大学で研究作業をしていることを知っていたので、清水の彼の下宿に転がり込んで泥のように眠ったのを覚えています。
一杯の珈琲を飲みに鎌倉から京都までオートバイで走ったなどというと片岡義男さんの小説みたいですが、実際には疲れ果てて泥のようになり、お尻が痛くてまともに歩くこともできないような状態で倒れ込んだような状態でした。
しかし、大学生だったからできた、懐かしいけど二度とやってみたいとは思わない若気の至りの一コマでした。
-------------------------------------------------------------------------------------
メールマガジンのバックナンバーは弊社Facebookページからもお読みいただけます。
Facebookページ 「指揮官の決断/休日」 https://www.facebook.com/aegis.cm
Facebookページでは、当メールマガジンでは見ることのできない写真もご覧頂くことが出来ます。
是非Facebookページをご訪問ください。
Twitterでも時々、折に触れて気が付いたことを呟いています。
https://twitter.com/CaptainHayashi です。
-------------------------------------------------------------------------------------
当社Webサイトに、専門コラム「指揮官の決断」をアップしております。是非、ご覧ください
-------------------------------------------------------------------------------------
専門コラム「指揮官の決断」掲載のご案内
No.107 『失敗の本質』再考 その2 意思決定の環境 を掲載しています。
当コラムのNo.103においては、名著『失敗の本質』を取り上げ、意思決定の目的は何かという本質的な問題を考えました。(専門コラム「指揮官の決断」 No.103 『失敗の本質』再考:自らの使命は何なのかを問い続けよ。https://aegis-cms.co.jp/1275 )
今回は意思決定が行われる環境について考えます。
続きはこちらからお読みください。
https://aegis-cms.co.jp/1308
---------------------------------------------------------------------------------------
お薦めのセミナー
『イキイキ働く社員が育ち団結して業績が伸びる「アクティブメンタル」組織風土づくりセミナー』
株式会社ココティアコンサルティング代表 高橋 雅美 氏
2018年11月16日(金) 13:30~17:00
会場:機械振興会館
〒105-0011 東京都港区芝公園3-5-8
先週からお知らせいたしておりますが、ココティアコンサルティング代表の高橋雅美さんのセミナー開催が近付いています。
活気のある組織を作りたい願わない経営者はいないと思いますが、バックグランドも価値観も何もかも異なる様々なメンバーとどのように対峙すればいいのかなかなか解決策を見出すのは大変です。
高橋代表のセミナーでは、真剣に問題を考えている方なら必ずヒントを得ることができるはずです。
セミナーが受講する価値があるかどうかとお考えの方は、高橋代表がウェブサイトに掲載されているコラムをまずお読みになることをお薦めします。https://cocotia.co.jp/category/column
真剣に従業員のメンタルヘルスをお考えの方であれば、高橋代表の考え方がいかに実践的であるかがお分かりになるはずです。
弊社開催のセミナーの同様ですが、こちらのセミナーも内容に納得がいかなければ100%返金保証だそうです。
御自分のセミナーの内容に自信をお持ちであることが窺えます。
少人数開催のようですので、早めのお申し込みをお薦めします。
お申し込みはこちらからどうぞ https://cocotia.co.jp/category/seminar
---------------------------------------------------------------------------------------
弊社出版物
『事業大躍進に挑む経営者のための「クライシスマネジメント」』
林 祐 著
セルバ出版
お求めの方は、こちらからどうぞ。
https://aegis-cms.co.jp/book1
---------------------------------------------------------------------------------------
Facebookページを公開しています。
メールマガジン及び専門コラムのバックナンバーをお読みいただけます。
Facebookページ「指揮官の決断/休日」
https://www.facebook.com/aegis.cm
----------------------------------------------------------------------------------------
開催予定セミナーのご案内
スペシャルセミナー
――危機管理が人を育て、事業を伸ばす!――
「危機を機会に変えるクライシスマネジメントの5大戦略」
どうすれば危機に陥りにくい組織を作ることができるのか、危機的な状況に陥った場合に、毅然
として対応できるようになるためにはどのような組織を作っておけばいいのかを、イージスクライシス
マネジメントシステムを体系化した講師が語ります。
経営トップの皆様、役員、各部門の長の方々のご参加をお勧めします。
開催場所:ホテルグランドヒル市ヶ谷
東京都新宿区市ヶ谷本村町4-1
開催時期:決定次第お知らせします。
セミナー料金: ¥38,000 (返金保証)
内容にご不満の場合は、理由の如何を問わず全額を返金させていただきます。
エクゼクティブセミナー
――危機管理が人を育て、事業を伸ばす!――
「危機を機会に変える経営トップのための5大戦略」
どうすれば危機に陥りにくい組織を作ることができるのか、危機的な状況に陥った場合に、毅然と
して対応できるようになるためにはどのような組織を作っておけばいいのかを、イージスクライシス
マネジメントシステムを体系化した講師が語ります。
スペシャルセミナーの内容を踏襲しつつ、特に経営トップのために企画されたセミナーです。部隊
指揮官、企業の役員、経営者を経験している講師が、経営トップの皆様に特に伝えたい思いを語ります。
経営トップ、役員等の方々限定のセミナーです。
開催場所: 当社鎌倉極楽寺セミナーハウス
リゾート感覚溢れる湘南鎌倉の隠れ家的セミナーハウスです。
限定少人数で開催いたします。
(住所は公開しておりません。参加の方に個別にお知らせします。)
開催時期: 決定次第お知らせします。
セミナー料金: ¥38,000 (返金保証)
内容にご不満の場合は、理由の如何を問わず全額を返金させていただきます。
その他
特別開催: 経営トップの皆様が役員や担当者をお連れになり、チームで受講したいとお考えの場合は、
上記の当社鎌倉極楽寺セミナーハウスのエクゼクティブセミナーをご利用ください。当社開催日以外であ
っても、日程の調整を承ります。
セミナーについて、詳しくはこちらをご覧ください。
http://aegis-cms.co.jp/
----------------------------------------------------------------------------------------
コンサルティングのご案内 当社では5種類のコンサルティングを行っています。
1 ACMS導入コンサルティング
イージスクライシスマネジメントシステムを導入するためのコンサルティングです。
全6回のコンサルティングで導入できるようパッケージ化されたシステムの導入支援を行います。
当社開催の戦略セミナーをあらかじめ受講し、コンサルティングの内容等にご理解を頂くことが前提
となっております。
2 スポットコンサルティング
何が問題で、どうコンサルティングを受ければいいのかわからない、自社にシステムを導入できるの
かどうかわからない、などのご相談はスポットコンサルティングをご利用ください。
3 プレコンサルティング
当社のコンサルティングの考え方をWeb等で理解されて導入を決めている方、一刻も早く導入をしたい
と考えている方には、このプレコンサルティングをお薦めします。
導入コンサルティングの第1回で行う内容を含んでおり、コンサルティングの概要及び必要な準備作業等
について、関係者全員が揃って受講できるため、理解を共有でき、導入が容易になります。
プレコンサルティングに引き続き導入コンサルティングを契約される際には、プレコンサルティング料金
は全額返金させていただきますので、費用が無駄になりません。
4 テーラード・コンサルティング
危機管理組織はすでに構築しているが指揮所演習について指導してもらいたい、中間管理層に活気がな
いので彼らに強力なリーダーとなってもらいたい、プロトコールに自信を持てるようになりたい、などのご
要望には、個別に対応させて頂きます。
5 指揮所演習コンサルティング
トップと主要スタッフだけで行うことのできるようにコンパクトに設計された図上演習です。
危機管理の先頭に立つスタッフを育てるために最適な手法として注目されています。
お気軽にご相談ください。
----------------------------------------------------------------------------------------
図上演習コンサルティングのご案内
多数のご要望にお応えするため、図上演習に特化したコンサルティングを開始いたしました。
企業や公共放送機関での指導実績豊かなコンサルタントが各企業の実態に合わせた図上演習の運営
要領を確立します。
弊社では、図上演習を独自に企画・運営できるようになることを目標としたコンサルティングを行
っています。
毎回、図上演習の度にコンサルタントを呼ぶのではなく、自社のみで計画できる実力をつけて頂き
ます。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://aegis-cms.co.jp/cpx
----------------------------------------------------------------------------------------
バックナンバーを公開しています。
こちらからご覧ください。https://q.bmv.jp/bm/p/bn/list.php?i=aegismm&no=all
メールアドレスの変更はこちらからお手続きください。
http://aetis-cms.co.jp/mailmag
メールマガジンがご不要の場合はこちらから解除をして頂くことができます。
http://q.bmd.jp/bm/p/f/s.php?id=aegismm&mail=uhayashi%40jcom.zaq.ne.jp&no=2
----------------------------------------------------------------------------------------
メールマガジン「指揮官の休日」
発行人:株式会社イージスクライシスマネジメント
代表取締役 林 祐
email: yhayashi@aegis-cms.co.jp
Web : http://aegis-cms.co.jp
----------------------------------------------------------------------------